バス業界は、現役運転手の高齢化やインバウンド需要の増加により、人手不足が深刻化しています。
需要の高い状態が今後も続くと予想されており、異業種からバス運転手への転職を検討している人も少なくありません。
未経験で応募する場合、履歴書の内容を通じてどのような人材なのかを知ってもらうことが重要です。
履歴書を作成をするときのポイントは以下の通りです。
今回は、バス運転手へ転職する場合の、上手な履歴書の書き方について、分かりやすく解説していきます。
【この記事で分かること】 ・バス運転手への転職で履歴書を作成する方法 ・履歴書を作成する際のポイント ・バス運転手への転職における上手な志望動機の書き方 ・履歴書を書く前に知っておくべきバス運転手の種類 ・上手にアピールできる志望動機例文とNG例文 |
バス運転手への転職で履歴書を作成する方法
履歴書は、学歴や職歴といった自分の情報を相手に伝えるための書類です。
過去の経験を踏まえた考えや長所をアピールする箇所もあり、採用の合否にも大きく影響します。
ここでは、採用の確率を上げられる正しい履歴書の書き方について、記載欄ごとに解説していきます。
基本情報欄
基本情報欄は、項目ごとに誤字脱字に注意して記載していきます。
住所は、番地までではなく建物名まで記載しましょう。
連絡先に関しては、自宅の電話番号と携帯電話の番号がありますが、どちらか出やすい方だけを記載するだけで問題ありません。
学歴・職歴欄
学歴と職歴は、続けて書いてしまうと読みにくくなるため、分けて記載します。
職歴に関しては、正社員や契約社員として勤めていた会社の情報が一般的ですが、勤務していたアルバイトがあれば、一緒に記載します。
免許・資格欄
免許や資格は、正式名称で記載します。
普通免許は「普通自動車第一種運転免許(AT限定orMT)」で、大型二種免許は「大型自動車第二種運転免許」と記載します。
所有している資格が多い場合は、バス運転手に関わる資格を優先して、時系列で記載していきましょう。
普通免許の取得年月日は、大型二種免許を取得する際の条件に関わりますので、間違えのないように注意しましょう。
志望動機欄
志望動機の書き方に関しては、後ほど具体的に解説していきますが、以下のようなポイントを意識して文章を考えます。
・なぜバス運転手なのか
・なぜ当該のバス会社を志望したのか
内容が抽象的で、ありきたりな内容になってしまうと、面接官に強い印象を残せません。
通勤時間欄
通勤時間は、配属される営業所が分かっている場合に記載します。
分からない場合は空欄でも問題ありませんが、近くの営業所までどれくらいの時間がかかるのか、答えられるようにしておきましょう。
扶養家族欄
扶養家族欄は、入社後の健康保険や家族手当の支給に関わる情報ですので、間違えのないように注意しましょう。
ちなみに、扶養として認められるには、以下の条件を満たしていなければなりません。
・年間の見込み収入が130万円未満で、被保険者(自身)の年収の半分以下
・配偶者、子供、孫、兄弟、父母または3親等内の親族で同居している人
・内縁の配偶者とその子、父母
配偶者の働き始めと転職のタイミングが被っている場合は、その旨を面接時に伝えるようにしましょう。
本人希望記載欄
身内の看病といった、仕事に影響しそうなことがあれば、正直に記載します。
特に何もない場合は、連絡のつかない時間帯や曜日を記載しておくことで、連絡の行き違いなどを防げます。
バス運転手への転職で履歴書を作成する5つのポイント
履歴書で上手にアピールするには、正しく記載する以外にも5つのポイントがあります。
・記載方法を守る
・具体的に志望動機を書く
・活かせそうな経験やスキルを書く
・活かせそうな資格や免許を書く
・読みやすく書く
運転手の経験がない場合は特に、過去の経験からバス運転手に対する親和性の高い内容で適性をアピールする必要があります。
ここでは、各ポイントの詳細について解説していきます。
記載方法を守る
履歴書で評価を下げてしまうことになる、ありがちなミスが「履歴書の記載間違い」です。
記載方法に関する主な注意点は以下の通りです。
・学歴は中卒でない限り高校入学から記載する
・職歴は基本的に正社員の情報のみ
・資格や免許は正式名称で記載する
職歴は、正社員として働いた経験がなかったり、バスの運転手に関係するアルバイトなどをしていたりした場合、正社員以外の情報を記載しても問題ありません。
具体的に志望動機を書く
志望動機は、採用の合否を判断する上で非常に重要なポイントです。
なるべく過去の経験を踏まえながら、自分ならではの内容を考えるようにしましょう。
抽象的でありがちな内容では、面接官に強い印象を与えられません。
活かせそうな経験やスキルを書く
バス運転手の仕事に活かせそうなスキルや経験があれば、自己PRに記載しましょう。
「人と関わりを持つのが好きで接客業をやっていた」「安全運転を心がけており一度も交通違反をしたことがない」といった内容がおすすめです。
必ずしも、運転に関わる内容である必要はありません。
活かせそうな資格や免許を書く
過去に取得した資格で、バス運転手に活かせそうなものがあれば、資格の欄に記載しましょう。
運転免許以外で、バス運転手に活かせる資格には、以下のようなものがあります。
・応急手当普及員講習
・安全管理者
・運行管理者
バス運転手は、多くの乗客と話す機会があるため、接客やマナーに関する資格でもアピールできます。
読みやすく書く
読みやすく丁寧に書くことも、非常に重要なポイントです。
字が小さかったり、バランスが悪いと言われたことがある人は、注意しましょう。
また、履歴書でよくある現象が、最後になっていくにつれて、字が汚くなっていくというものです。
「集中力がない人」「ちょっとしたミスを気にしない人」といった印象を持たれる可能性もあるため、注意しましょう。
バス運転手への転職で履歴書に志望動機を書くコツ
前述した通り、志望動機は採用の合否を左右する、履歴書の中でも特に重要な箇所です。
特に未経験の人の場合、気持ちの強さや考えが重要視されるため、志望動機で明確にアピールすることが大切です。
ここでは、志望動機で上手にアピールするコツについて解説していきます。
なぜバス運転手なのかを書く
運転職には、バス運転手以外にもタクシーやトラックの運転手などがあります。
バス運転手を志望した理由は明確に記載するようにしましょう。
「地元が大好きで地域の足として社会貢献したいから」
「子供が大好きで送迎バスを通じて成長を見届けたいから」
といった、バス運転手の特性を踏まえた内容がおすすめです。
なぜその会社なのかを書く
バス会社は全国に数多くあるため、なぜ当該企業に決めたのかも明確にしておく必要があります。
各会社の経営理念や事業の特徴、社会貢献に関する取り組みなどをリサーチした上で、考えていきます。
「給料が高かったから」「休みが多いから」といった待遇の良さを動機にするのは避けましょう。
「待遇の良い会社が見つかったらすぐに辞めるのでは?」と、思われてしまいやすくなります。
具体的なエピソードを伝える
自分の考えをアピールする際には、そう考えるようになった具体的なエピソードも一緒に記載しましょう。
「父がバスの運転手をしており、子供の頃に友達と一緒に乗せてもらった思い出があり憧れるようになった」
「通学で毎日利用しており、青春時代を支えてもらった分、同じバス運転手として地域に貢献したいから」
具体的なエピソードがあることで、印象に残りやすくなります。
採用するメリットを感じさせる
バス運転手として活かせそうな経験や資格が全くない場合は、これからのビジョンを伝えてアピールしましょう。
どのようなバス運転手を目指しているのか、将来的なキャリアプランなどを明確に伝えることで、気持ちの強さをアピールできます。
また、運転手として活躍するために現時点で取り組んでいることがあれば、記載しても問題ありません。
安全運転ができることをアピールする
普段から運転することが好きで、運転スキルなどでアピールすることがあれば、積極的に記載しましょう。
運転スキルは、実際の操作よりも、安全に運転するために意識していることや安全面に関する実績がおすすめです。
・通勤で5年間毎日運転してきた中で交通違反が一度もない
・焦らないように時間に余裕を持って出発するようにしている
このように、独自で取り組んでいるような内容でも、運転手としての適性をアピールできます。
交通業界の関心を示す
交通業界への関心を示すことでも、バス運転手に対する強い気持ちをアピールできます。
バス運転手として働き続けていく中で、業界に関して興味を持つことはとても大切であるためです。
「地元でバス運転手の担い手が不足していることを知り、運転が好きなので転職を決意しました」
近年は、人材不足の解消に向けた取り組みが進められており、より効率よく運行できるシステムの導入も注目を集めています。
業界の動向を調べた上で、気になることがあれば、考えを伝えられるようにしておきましょう。
接客が好きであることを伝える
バス運転手は、乗客との距離が非常に近くて利用者層が幅広い特徴があります。
小さな子供から高齢者まで、安心して利用してもらうためには、運行時の接客も重要です。
コミュニケーション能力があれば、相手の考えや不満を自然に引き出せるため、クレームの抑制にもつながります。
接客経験がある場合は、自己PRや志望動機で適性をアピールしましょう。
成長意欲の高さをアピールする
上手にアピールできそうな経験が過去にない場合は、これからどうしていきたいのか、具体的なビジョンを記載することで成長意欲の高さをアピールできます。
入社後に取り組みたいこと、将来的にどのような業務をこなしたいのかなど、明確であるほど面接官に意欲の高さをアピールできます。
目標やビジョンを記載する際には、応募する企業が行っている取り組みや事業を交えることで、より考えをイメージしてもらいやすくなります。
地域に貢献したい意欲を伝える
バス運転手は、他の交通機関と比べて地域密着型であることが特徴です。
都市部や観光地はもちろん、地方でも地元住民の交通手段として欠かせない存在です。
この特徴を踏まえて、地域での社会貢献の意欲を伝えることで、気持ちの強さをアピールできます。
なぜそのような考えを持つに至ったのか、具体的なエピソードを交えた文章を考えましょう。
バス運転手への転職で履歴書作成前に知っておきたいバスの種類
バス運転手を志望する気持ちの強さや、適性を上手にアピールするためには、仕事内容について理解しておくことが大切です。
また、バス運転手には「路線バス・観光バス・高速バス・送迎バス」といった種類があり、働き方に違いがあります。
各運行の特徴を理解したうえで、志望動機や自己PRを考えてみてください。
路線バス
路線バス運転手は、決められた路線で停留所ごとに乗客を乗せながら目的地まで向かいます。
停留所ごとに到着時間が定められており、時間厳守の運行が求められます。
4種類の中で、最も利用者数が多く利用者層が幅広いことが特徴と言えるでしょう。
運行中は、ドアの開閉や車内アナウンスによる注意喚起、運賃の収受といった業務もこなします。
観光バス
観光バス運転手は、各種バスツアーや修学旅行などで乗客を乗せて観光地を巡ります。
最終目的地や途中の経路が異なるため、都度最適な運行内容を考えなければなりません。
また、旅行を楽しんでもらうことも運転手の仕事であるため、観光スポットに合わせてスピードを落とすなど、運転に工夫が必要です。
貸切で遠方まで向かう場合は、泊りがけで運行します。
高速バス
高速バスは、文字通り高速道路を走行して都市間を行き来します。
4種類の中で最も運行距離が長い特徴があり、到着時間を朝に設定している運航ダイヤもあるため、夜間から早朝にかけての乗務も珍しくありません。
夜間の走行は、眠っている乗客が多いため、なめらかなブレーキやハンドル操作が求められます。
生活が不規則になりやすいため、自己管理が得意な人が向いています。
送迎バス
送迎バスには、幼稚園や教習所に通う生徒の送迎や、商業施設や職場と駅を行き来する連絡バスの2種類があります。
幼稚園などの送迎バスは、朝と夕方など、勤務時間に指定があることが特徴です。
特定の利用者しか乗車しないため、比較的クレームが少なく路線バスほど時間がシビアなわけでもありません。
そのため、身体的な負担が少ない一方で、収入は4種類の中で最も安い傾向です。
バス運転手への転職で履歴書に記載する志望動機の例文5選
志望動機を書く際のコツなどを解説してきましたが、初めての転職で文章のイメージが湧かないという人もいるのではないでしょうか。
ここでは、アピールする内容ごとに、志望動機の例文を紹介していきます。
自分の経験に変えるなどして、オリジナルの文章を作ってみてください。
⑴前職の経験をアピールする場合
1つ目は「前職での経験」をアピールする場合の志望動機です。
バス運転手を志望するきっかけとなったのが、降りてくる乗客の雰囲気が、運転手によって違うことに気付いたことです。
明るく愛想の良い運転手の場合は乗客も明るく、暗い表情の運転手では、乗客もどことなく暗い雰囲気でした。この時に、バス運転手は目的地へ乗客を送り届けるだけが仕事ではないと感じました。私は、警備員として多くの人と話すのが好きであり、バス運転手として利用者を笑顔にしたいと思い志望いたしました。
前職の経験とはいっても、普段の通勤などで感じたことでも問題ありません。
オリジナルのエピソードを交えながら、バス運転手を目指したいと思うようになった理由を考えてみましょう。
⑵運転好きをアピールする場合
2つ目は「運転好き」をアピールする場合の志望動機です。
ドライブを通じて自分だけでなく、友人にも喜んでもらうのが好きで、いかに快適に過ごしてもらえるのか工夫しながら運転していました。結果、運転技術を褒められることが多くなり、この喜びを毎日味わいたいと思うようになってから、バス運転手を志望するようになりました。バス運転手は、他の運転職よりも多くの人を乗せる交通機関であるため、乗客に合わせた運転ができるようになりたいと考えております。
運転が好きであることは、運転職に従事する上で欠かせない適性と言えます。
普段の運転で嬉しく感じたエピソードなどを踏まえながら、アピールできる文章を考えてみましょう。
⑶企業理念への関心や共感をアピールする場合
3つ目は「企業理念への関心や共感」をアピールする場合の志望動機です。
ある日、メディアに出演していた貴社の代表取締役社長が「観光バスではなく移動する高級ホテルを目指している」とお話しされていました。これまで私にはなかった発想で、感銘を受けた時から貴社でバス運転手として成長したいと考えるようになりました。
快適な移動空間を提供できるような、プロの運転手になりたいと考えております。バス会社は全国に数多くありますが、事業内容が同じでもこだわりは会社ごとに違います。気になる会社のホームページやSNSをリサーチしながら、共感できるような内容を見つけてみましょう。
⑷運転手としての経験をアピールする場合
4つ目は「運転手としての経験」をアピールする場合の志望動機です。
運転が大好きで、やりがいもあったのですが、旅行で観光バスを利用したことをきっかけに、もっと人と関わりのある仕事をしたいと考えるようになりました。
コミュニケーションが得意というわけではありませんが、人と話すのが大好きで長距離運転にも慣れています。これまでに身に付けてきた、地理の知識と運転スキルを活かしながら、多くの人を喜ばせてあげられるバス運転手になりたいと考えています。
過去に運転手の経験がある場合は、具体的にどのような運行を担当していたのか、どのようなスキルを持っているのかアピールしましょう。
⑸スキルの高さをアピールする場合
5つ目は「スキルの高さ」をアピールする場合の志望動機です。
家庭の事情で地元に戻ることとなり、これをきっかけに運転が好きであるため、バス運転手へ転職したいと考えるようになりました。 機械操作は、部品の形状を見極める必要があり、常に集中し続けていなければならない作業でした。
そのため、長時間1つのことに集中し続けることが得意であり、長距離の運転も苦痛に感じたことがありません。このスキルを、貴社の夜行バス事業で活かしていきたいと考えております。
過去に運転業務の経験がない場合でも、作業などで共通する部分があれば、具体例を出した上で、積極的にアピールしましょう。
スキルをアピールする場合は、その根拠も必要です。
バス運転手への転職で履歴書に記載する志望動機のNG例文3選
次に、志望動機のNG例を3つ紹介していきます。
なぜNGなのかも解説していますので、文章を作成する際に似たような文章にならないようにしましょう。
⑴抽象的過ぎる動機
1つ目のNG例は「内容が抽象的過ぎる」内容です。
人のために働きたいという気持ち自体は素晴らしいものの、なぜバスの運転手なのか、具体的にどう役立ちたいのかが記載されていないため、イメージが湧きません。
具体性がない志望動機は、面接官に強い印象を与えにくいため、より詳しく自分の考えを取り入れるようにしましょう。
⑵バス運転手以外でも良さそうな動機
2つ目のNG例は「バス運転手以外でも良さそうな動機」の内容です。
運転が好きであることは、バス運転手を目指す上で大切ですが、バスである必要性を上の志望動機からは感じられません。
「交通機関が整っていない地域で人の役に立ちたいから」
「送迎を通じて子供たちの成長を見守りたいから」
このような、バス運転手ならではのやりがいや魅力を踏まえた理由を付け加えるようにしましょう。
⑶他の会社でも良さそうな動機
3つ目のNG例は「他の会社でも良さそうな動機」の内容です。
貴社は路線バス事業を展開しており、求職中に求人を見つけたため、すぐに応募しました。 バス運転手として、地域の人達の足として役立ちたいと考えております。
送迎バス運転手の頃には、安全運行を第一に考えて、交通事故を起こしたことは一度もありません。貴社の一員として、売上に貢献できる自信があります。
バス運転手への適性は読み取れますが、なぜ当該企業を志望することになったのか疑問に感じる内容です。
面接中には、必ず企業を選んだ理由などが質問されるため、志望する企業の特徴や強みについても理解しておくようにしましょう。
バス運転手の履歴書についてのまとめ
履歴書は、採用の合否を左右する重要な書類であるため、誤字脱字に気を付けながら丁寧に記入していきましょう。
志望動機や自己PRは、ただ自分の意見を述べるだけでなく、バス運転手への適性や応募する企業への思いなどを必ず混ぜた文章にしましょう。
運転に関するスキルや経験である必要はなく、バス運転手に必須と言える接客スキルに関する内容でも問題ありません。
今回紹介した例文を参考にしながら、印象に残る履歴書を作成していきましょう。
バス運転手の仕事をお探しの方へ
ドライバーキャリアは、運送・物流業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
求人を検索する(無料)