ボーナスがない会社は、多くの人にとって難しい選択肢の一つです。しかし、そのような会社を辞めるべきかどうかは、一概には決められません。
本記事では、ボーナスがない会社の実態、ボーナスがない会社の意外なメリット、そもそもなぜボーナスがない会社が存在するのか、などについて解説します。
正社員でもボーナスがない会社は意外とある
まずは、そもそもボーナスがない会社はどの程度の割合なのかを解説します。
ボーナスがない会社は約3割
厚生労働省の調査によると、2019年度に夏のボーナスが支給された会社は67.9%、冬のボーナスが支給された会社は73.2%です。
つまり、夏・冬ともにボーナスが支給されていない企業は、約3割ほど存在していることがわかります。
ボーナスがないのは法律違反ではない
日本の労働法では、ボーナスに関する条項が明確に規定されているわけではありません。従って、企業が従業員にボーナスを支給するかどうかは、基本的には企業の裁量によります。
これは、企業が自由に給与体系を設定できるという原則に基づいています。
ただし、ボーナスの支給が労働契約や就業規則で明記されている場合、企業はその規定に従ってボーナスを支給しなければなりません。
また、同業他社と比較して劣悪な労働条件である場合や、ボーナスを支給しないことが業界慣行に反する場合には、問題が生じることがあります。
しかし、労働契約や就業規則にボーナスに関する規定がない場合や、企業が合理的な理由でボーナスを支給しないことを説明できる場合には、ボーナスがないこと自体は法律違反ではありません。
そのため、ボーナスがない企業に就職した場合でも、法的な問題は起こらないと言えます。
ボーナスの支給額は企業規模に比例する
一般的に、大企業は小規模企業よりも経済規模が大きく、収益性や業績が安定している傾向があります。
そのため、大企業は従業員に対してより多くの資源を割くことができ、ボーナスの支給額も高くなることが一般的です。
一方、中小企業やベンチャー企業では、業績や資金繰りに影響されやすく、ボーナスの支給額が大企業に比べて低くなることが多いです。
また、企業規模が小さい場合は、従業員一人当たりの責任や役割が大きくなり、個人の成績によってボーナス額が大きく変動することもあります。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、必ずしも全ての大企業が高額のボーナスを支給しているわけではなく、中小企業やベンチャー企業でも高額のボーナスを支給する場合があります。
企業規模とボーナス支給額の関係はある程度比例しますが、具体的な支給額は企業ごとに異なります。そのため、ボーナスを重視する場合は、企業規模だけでなく、業界や企業の給与体系を総合的に検討することが重要です。
ボーナスがある会社の平均支給額
従業員数が499人以下の企業を中小企業、500人以上の企業を大手企業として考えた場合、ボーナスの平均額は中小企業が約30万円で、大手企業が約90万円となっています。
ボーナスがない理由
ボーナスがない会社は一定数存在しますが、なぜボーナスがない会社が存在するのでしょうか。ここでは、ボーナスがない会社が存在する理由を3つ紹介します。
元々給与体系に含まれていないから
ボーナスがない理由の1つ目は、元々給与体系に含まれていないからです。
企業や組織によっては、従業員に対する報酬の形態が異なり、ボーナスが一切支給されない給与制度を採用していることがあります。
このような企業では、ボーナスの代わりに月給が高めに設定されていることが一般的であり、従業員の年間収入はボーナスを含めた場合と大差がないことが多いです。
そのため、従業員側もボーナスが支給されないことに違和感を感じることはありません。
また、企業によっては成果報酬やストックオプションなど、他の報酬手段を用いている場合もあります。
業績が悪化したから
ボーナスがない理由の2つ目は、業績が悪化したからです。多くの企業では、従業員に対するボーナスの支給額は会社の業績に連動して決まることが一般的です。
業績が好調であればボーナスが増額されることもありますが、逆に業績が悪化した場合はボーナスが減額されるか、場合によっては全く支給されないこともあります。
なぜなら、企業の業績が悪化すると、経営陣は経費削減やリストラなどの対策を講じることが求められ、その一環としてボーナスの支給が見送られることがあるからです。
業績が回復することでボーナスが再び支給されることもありますが、そのためには企業全体で努力が必要となります。
労働組合がないから
ボーナスがない理由の3つ目は、労働組合がないからです。
労働組合とは、労働者の権益を守るために企業との交渉や労働条件の改善を目指す組織です。
多くの場合、労働組合は賃金や労働時間、福利厚生などの条件を企業と協議し、従業員の待遇改善を求めます。その中で、ボーナスの支給も交渉の対象となることがあるのです。
しかし、労働組合が存在しない企業の場合、従業員個人が直接企業と交渉することが難しく、ボーナスの支給や待遇改善がなかなか実現しないことがあります。
そのため、労働組合がない企業では、従業員がボーナスを受け取る機会が減ることが考えられるのです。
ボーナスがない会社の意外なメリット
このように、現実的にボーナスがない会社は存在します。
ですが、ボーナスがない会社でも意外なメリットが存在することがあります。
基本給が高く設定される傾向がある
ボーナスがない会社の意外なメリットの1つ目は、基本給が高く設定される傾向があることです。
ボーナスが支給されない企業は、従業員の基本給を高めることで安定した収入を提供し、魅力的な雇用条件を維持しようとすることがよくあります。
これにより、従業員は毎月安定した収入を得ることができ、予定外の出費や将来の計画に対しても安心して対応できるようになります。
また、基本給が高いことで、給与に対するモチベーションが維持され、働く意欲も高まることが期待できます。
このように、ボーナスがない会社でも、基本給が高いことによって働きやすい環境が整っている場合があるのです。
年俸制なら業績悪化の影響を受けない
ボーナスがない会社の意外なメリットの2つ目は、年俸制なら業績悪化の影響を受けないことです。
年俸制とは、従業員に対して一定額の年収が事前に約束され、その額を月々に分割して支給される仕組みです。
この制度のもとで働く場合、業績が悪化しても年収は変動せず、安定した収入を得られるため、経済的な安心感が保たれます。
業績に左右されない収入の確保により、従業員は自身のライフプランを立てやすくなり、働く意欲を維持しやすくなります。
このように、ボーナスがない会社でも、年俸制によって業績悪化の影響を受けにくい状況が生まれ、働きやすい環境が整っている場合があるのです。
ボーナスがない会社で上手に貯蓄する方法
ボーナスがない会社に勤務している場合、まとまった金額を貯蓄することは難しい場合もあります。
ここでは、ボーナスがない会社で上手に貯蓄する方法を2つ紹介します。
自動積立定期預金をする
ボーナスがない会社で上手に貯蓄する方法の1つ目は、自動積立定期預金をすることです。
自動積立定期預金は、毎月一定額を指定した銀行口座から自動的に引き落とし、定期預金へと移動させるサービスです。
これにより、給与が入ったタイミングで自動的に貯金が積み立てられるため、ボーナスがない状況でも毎月コンスタントに貯金ができ、自分の目標に合わせた貯蓄計画を立てやすくなります。
また、自動で引き落とされることで、普通預金から引き出せる金額が少なくなり、衝動買いや無駄遣いを抑制する効果も期待できます。
このように、自動積立定期預金を利用することで、ボーナスがない会社に勤務しながらでも効率的な貯蓄が可能となるのです。
資産運用をする
ボーナスがない会社で上手に貯蓄する方法2つ目は、資産運用をすることです。
資産運用とは、株式投資や投資信託、定期預金など、自分のお金を投資に回して増やすことです。
ボーナスがない場合、給与から毎月一定額を投資に回すことで長期的な資産形成を目指せます。特に、分散投資を行うことでリスクを軽減し、安定的なリターンを狙うことが可能です。
また、低コストのインデックスファンドやETF(上場投資信託)を利用することで、運用コストを抑えながら効果的な資産運用が期待できます。
ただし、資産運用にはリスクが伴うため、自分のリスク許容度や投資目的をしっかり把握して、適切な運用方法を選択することが重要です。
そして、資産運用を始める前には、緊急時のための貯金や保険など、基本的な安全対策を整えることも忘れずに行いましょう。
資産運用によって賢く貯蓄を増やすことができれば、ボーナスがない会社で働く際の不安も軽減できるでしょう。
ボーナスがない会社を賢く活用する方法
続いては、ボーナスがない会社を賢く活用する方法を3つ紹介します。
モチベーションに変える
ボーナスがない会社を賢く活用する方法の1つ目は、モチベーションに変えることです。
ボーナスがないことは、一見不利に思えるかもしれませんが、これを自分の成長やスキル向上のための動機づけに使うことができます。
例えば、ボーナスがないことを契機に、自分の市場価値を上げるために新しいスキルや資格を取得することを目標に設定し、それに向かって努力することができます。
また、会社の業績に直接貢献できる仕事に取り組むことで、将来的に昇給や昇進のチャンスをつかむことも可能です。
このように、ボーナスがない状況をモチベーションに変えて、自分自身の成長やキャリアの充実を目指すことで、ボーナスがない会社を賢く活用することができます。
副業をする
ボーナスがない会社を賢く活用する方法の2つ目は、副業をすることです。
ボーナスがないことで収入が一定化されることが多いため、副業を通じて追加の収入を得ることで、経済的な安定や目標に向かっての達成感を高めることができます。
副業にはさまざまな選択肢がありますが、自分のスキルや経験を生かしてフリーランスの仕事を行ったり、オンラインで教える仕事、ブログや動画投稿での広告収入、株式投資や不労所得を目指す方法などが考えられます。
副業を通じて得られる収入は、生活費の補填や貯金に役立てることができるだけでなく、自己投資にも使うことができます。スキルアップや資格取得、セミナーへの参加などに投資することで、自分自身の市場価値を上げることが可能です。
このように、副業を行うことでボーナスがない会社の状況を賢く活用し、経済的な安定やキャリアの向上を目指すことができるのです。
社会的信用を利用する
ボーナスがない会社を賢く活用する方法の3つ目は、企業の社会的信用を利用することです。
ボーナスがない会社であっても、その会社が業界内で高い評価を受けている場合や、知名度が高い場合があります。このような企業での経験は、自分自身のキャリア形成やスキルアップに役立ちます。
企業の社会的信用を利用する方法としては、まず、その企業で得られる知識やスキルを最大限に吸収し、自分の市場価値を高めることが重要です。
また、業界内での人脈形成や交流を積極的に行うことで、将来的なキャリアチェンジや転職の際に有利に働くことがあります。
さらに、企業の社会的信頼を利用して、不動産投資などを始めることも可能です。
ボーナスがない会社であっても、企業の社会的信用を利用し、自分のキャリアやスキルを磨くことで、より良い将来を築くことができます。このように、企業の社会的信用を上手に活用することで、ボーナスがない状況を賢く乗り越えることが可能です。
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点
最後に、ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点を5つ紹介します。
月給に惑わされない
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点の1つ目は、月給に惑わされないことです。
一見、月給が高く見える会社でも、ボーナスがない場合は年収が低くなることがあります。そのため、転職先を検討する際には月給だけでなく、年収やボーナス支給の有無もしっかりと確認しなければなりません。
また、福利厚生や労働条件、企業文化なども考慮に入れることが大切です。例えば、残業が多く、労働環境が厳しい場合や、職場の雰囲気が合わない場合、高い月給だけでは十分な働きがいを感じられないこともあります。
転職活動を行う際には、給与だけでなく、自分が働きたい環境や条件をリストアップし、それらを総合的に判断して企業を選ぶことが、後悔しない転職先選びに繋がります。
ボーナスがない会社に転職したくない人は、月給に惑わされず、自分に合った条件を重視して転職活動を進めましょう。
ボーナスの支給実績を公開していない会社は要注意
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点の2つ目は、ボーナスの支給実績を公開しているかを確認することです。
企業がボーナスの支給実績を明示している場合、その情報をもとにボーナスの有無や支給額を把握することができます。求人サイトや企業のウェブサイトをチェックし、ボーナスの支給実績が掲載されているかを確認しましょう。
また、面接時や転職エージェントとの相談時にも、ボーナスの支給実績や基準について尋ねることが有益です。
ボーナスがない会社に転職したくない人は、ボーナスの支給実績を公開している企業を優先的に選ぶことで、後悔のない転職先選びが可能となります。ボーナスの有無や額が自分にとって重要な要素である場合は、その情報が明確にされている企業を検討しましょう。
退職者の口コミをチェック
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点の3つ目は、退職者の口コミをチェックすることです。
退職者が経験した実際の労働環境や待遇についての情報は、企業が公開する情報だけでは得られない場合があるため、インターネット上の口コミサイトやSNSで、退職者が投稿した評判や感想を調べてみましょう。
特に、ボーナスや賞与に関するコメントがあるかどうかに注目して確認してください。退職者の口コミには、ボーナスが支給されない理由や、企業の経営状況に関する貴重な情報が含まれていることがあります。
また、転職エージェントを利用する場合は、過去の転職者からのフィードバックを紹介してもらうことも有益です。
退職者の声を参考にして、自分に合ったボーナス体制のある企業を見つけることができるでしょう。
面接で人事部に確認する
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点の4つ目は、面接で人事部に確認することです。
求人情報だけで給与形態を十分に理解できない場合は、面接で人事に直接質問することで、より正確な情報を得ることができます。そのため、面接の際には、ボーナスや賞与に関する企業の方針や実績、支給条件などを具体的に尋ねてみることが重要です。
また、会社の業績や将来性に関連する情報も聞いておくと、ボーナスがない理由や今後の見通しが把握しやすくなります。
遠慮せずに人事部に質問することで、自分が求める待遇が得られる企業かどうかを見極めることができるため、結果的に自分に合った企業を選ぶ際の判断材料が増え、後悔のない転職活動ができるでしょう。
転職エージェントに内部事情を確認する
ボーナスがない会社に転職したくない人向けの注意点の5つ目は、転職エージェントに内部事情を確認することです。
転職エージェントは企業の内部情報や実際の労働環境に精通しているため、ボーナスに関する情報や支給実績、他社との比較、業界全体の動向といった細かな情報を収集することができます。
転職エージェントは、あなたの希望条件やスキルに合った求人情報を提供してくれるだけでなく、ボーナスがない企業のリスクやメリットについてもアドバイスしてくれることが期待できます。
エージェントに相談する際には、自分が本当に知りたいことまで細かく尋ねてみましょう。
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ボーナスがない会社についてのまとめ
今回はボーナスがない会社について解説しました。
ボーナスの有無だけに固執して会社選びをしてしまうと、視野が狭くなってしまいます。今は昔以上に副業や資産運用などの選択肢が豊富なため、今の会社に務めながら収入を増やすことも可能です。
それでも今いる環境を変えたければ選択肢として転職を考えてみてもいいかもしれません。その際は、ぜひ本記事を参考にしてボーナスが支給される会社への転職に挑戦してみてください。
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