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セクハラを職場で受けた際の5つの対処法とは?判断基準も解説

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セクシャルハラスメントは、職場において心身の安全や働く環境を脅かす重大な問題です。多くの人がこの問題に悩まされているにも関わらず、適切な対処法がわからずに苦しむケースが少なくありません。

そこで、本記事ではセクハラの定義や判断基準職場で起きやすいセクハラの例セクハラを職場で受けたときの対処法などを解説します。

セクハラがある職場に関する実態調査

厚生労働省の調査によると、セクハラの相談件数は「減少している」とする割合が最も高く、それ以外のハラスメントの相談件数は「変わらない」割合が最も高いというデータが出ています。

また、企業のハラスメントへの対応に関しては、「ハラスメントの内容、ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知・啓発」および「相談窓口の設置と周知」を実施している企業は8割程度である一方、「相談窓口担当者が相談内容や状況に応じて適切に対応できるための対応」の割合は4割程度であることも発表されています。

そして、勤務先が「ハラスメント対策に積極的に取り組んでいる」と回答した人はハラスメントを経験した割合が低く、「あまり取り組んでいない」と回答した人はハラスメントを経験した割合が高いというデータも出ています。

以上のことから、セクハラに関しては一定数の減少を見せてはいるものの、発生する原因としては企業の環境整備不足も挙げられることがわかります。

出典:厚生労働省「令和2年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査 主要点」

セクハラの定義や判断基準

では、そもそもセクハラはどこからがセクハラと判断されているのでしょうか。「男女雇用機会均等法」と併せて解説します。

男女雇用機会均等法におけるセクハラの定義

2019年6月に、「女性の職業生活における活躍の推進等に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されると、2020年6月に男女雇用機会均等法が改正され、セクハラ防止対策が強化されました。

男女雇用機会均等法におけるセクハラの定義は、性的な言動によって、相手方の業務上の平等な機会や待遇、労働環境を害する行為とされています。

この法律は、職場において性差別を禁止し、すべての従業員に公平な労働条件や機会を保証することを目的としています。

具体的には、性的な言動により、他の従業員の働く環境を害する行為や、昇進や昇給などの労働条件に影響を及ぼす行為が含まれます。

なお、職務の延長であればオフィス外でも職場に該当するとされています。

出典:厚生労働省「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年6月5日公布)の概要」

対価型セクシャルハラスメント

対価型セクシャルハラスメントとは、職場において性的な行為や関係を条件に昇進や昇給、異動などの職務上の利益を提供すること、またはその逆で、性的な要求に応じないことを理由に不利益を与える行為のことを指します。

このタイプのセクハラは、職権を悪用する形で発生し、被害者は自身のキャリアや職務上の評価に影響が出ることを恐れ、なかなか声をあげられないことがあります。

環境型セクシャルハラスメント

環境型セクシャルハラスメントとは、職場において性的な言動や行為によって、従業員が不快な思いをしたり、働く環境が悪化したりすることを指します。

これには過度な下ネタや性的なジョーク、性的なポスターや画像の掲示、無関係な性的な話題の持ち込みなどが含まれます。

環境型セクシャルハラスメントは被害者が特定されにくいことが特徴であり、職場全体の雰囲気が悪化し、従業員のストレスや不安を増大させることがあります。

職場で起きやすいセクハラの例

では、実際に職場ではどのようなセクハラが存在するのでしょうか。ここでは、「職場内」と「職場外」に分けて説明します。

職場内で起きやすいセクハラ

職場内で起きやすいセクハラには、「性的な欲求や関心に起因するもの」と「性的な差別意識に起因するもの」の2つに分けられます。

性的な欲求や関心に起因するもの

職場内で起きやすいセクハラの一つに、性的な欲求や関心に起因するものがあります。

このタイプのセクハラには、性的なコメントやジョーク、不適切な身体的接触、ポルノグラフィーや性的な画像の掲示など、性的な内容を含む言動や行為が含まれます。

これらの行為は、被害者に不快感や恐怖感を与え、職場環境を悪化させる原因となるのです。

性的な差別意識に起因するもの

職場内で起きやすいセクハラの一つに、性的な差別意識に起因するものがあります。

このタイプのセクハラは、特定の性別を見下す、または性別による能力の違いを強調するような言動や態度が含まれます。例えば、女性に対して「女性らしい仕事」を押し付けたり、男性に対して「男らしく」振る舞うことを要求したりすることが挙げられます。

これらの行為は、被害者に対して自己評価の低下や居心地の悪さを感じさせることがあり、職場の雰囲気を悪化させる原因となるのです。

職場外で起きやすいセクハラ

職場外で起きやすいセクハラは、会社の外で行われる懇親会や研修、出張などの場で発生することが多く、社内だけでなく社外でも注意が必要です。

こうした職場外の状況では、従業員同士の距離が縮まることがあり、一部の人が境界線を越えた行動や発言をすることがあるため、セクハラが発生しやすくなります。

例えば、飲み会での過度な触れ合いや性的なジョーク、宿泊先での不適切な行為などが挙げられます。

関連記事:職場で嫌がらせを受けたらどうする?8つの対処法を徹底解説

セクハラを受けやすい人の特徴

残念なことに、セクハラを受けやすい人というのは一定数存在します。ここでは、セクハラを受けやすい人の特徴を3つ紹介します。

優しく大人しい性格

セクハラを受けやすい人の特徴の1つ目は、優しく大人しい性格であることです。

このような性格の人は、他人に対して譲歩しやすく、自分の意見を主張するのが苦手であるため、セクハラを受けた際にも抵抗や抗議ができないことがあります。

また、相手に不快感を与えたくないという気持ちから、自分の気持ちを我慢してしまいがちです。そのため、加害者がセクハラ行為を続ける余地を与えてしまうことがあります。

プライベートな情報を話す

セクハラを受けやすい人の特徴の2つ目は、プライベートな情報を話すことです。

自分の個人的な情報をオープンにしすぎると、他人がその情報を悪用することがあります。

例えば、自分の恋愛観や家庭環境などを話すことで、相手がそれをネタに不適切なジョークや会話を始めるきっかけになることがあります。

プライベートな情報を他人と共有する際には、適切な範囲で話すことが大切です。

怒りにくい

セクハラを受けやすい人の特徴の3つ目は、怒りにくいことです。

怒りにくい性格の人は、他人からの不適切な言動に対しても穏やかに対処しようとする傾向があります。その結果、加害者がその行為をやめないどころか、さらにエスカレートさせることがあります。

怒りにくい性格の人は、セクハラを受けた際に適切な対応が難しくなることがあるため、自分の感情をしっかりと表現し、不快な行為にはハッキリとした態度で反対することが重要です。

セクハラをする人の特徴

続いて、セクハラをする人の特徴を4つ紹介します。

プライドが高く傲慢

セクハラをする人の特徴の1つ目は、プライドが高く傲慢なことです。

プライドが高く傲慢な人は、自分の地位や能力に過剰な自信を持ち、他人を見下す傾向があります。その結果、他人の感情や権利を無視して、自分の欲望を満たそうとする行為に及ぶことがあります。

プライドが高く傲慢な人は、他人からの批判や反論に対しても耳を傾けず、自分の行為が問題であることを認めることが難しいため、セクハラ行為を繰り返すことがあるのです。

家庭で不満を抱えている

セクハラをする人の特徴の2つ目は、家庭で不満を抱えていることです。

家庭内でストレスや不満がたまっている人は、職場などの外部環境でその感情を発散しようとすることがあります。その結果、他人に対して適切でない態度や言動を取ることがあるのです。

このような特徴のある人は、自分の不満を解消するために他人をコントロールしようとし、セクハラ行為に及ぶことがあります。

家庭での問題が原因でセクハラ行為を行う人もいるので、対人関係のトラブルを避けるためにも、周囲の人々の状況や感情に気を配ることが大切です。

勘違いしやすい

セクハラをする人の特徴の3つ目は、勘違いしやすいことです。

勘違いしやすい人は、自分の言動が相手にとって不快であるという認識が乏しく、他人との距離感や適切なコミュニケーションの範囲を把握できていないことが多いです。

また、相手の親切や友好的な態度を誤って好意や興味のサインだと捉え、それに応じた行動を取ることでセクハラに発展することがあります。

このような勘違いを防ぐためには、コミュニケーションのルールを理解し、他人の感情や反応に注意を払いながら適切な距離感を保つことが重要です。

衝動的な行動をしがち

セクハラをする人の特徴の4つ目は、衝動的な行動をしがちなことです。

衝動的な行動をする人は、自分の感情や欲求に抗えず、瞬間的な衝動に駆られることが多く、その結果、適切な判断ができずにセクハラ行為に走ってしまいます。

また、その場の空気や相手の気持ちを考慮せず、自分の思いつきや欲求を優先させてしまう傾向もあります。

このような衝動的な行動を抑えるためには、自己コントロール力を養い、感情や欲求を適切にコントロールできるよう努めることが重要です。

セクハラがある職場での5つの対処法

このようにセクハラには様々な種類があり、日常生活を送る中で無視できない事項となっています。ここでは、セクハラが発生する可能性のある職場でセクハラを受けた際の対処法を5つ紹介します。

上司に相談する

セクハラがある職場での対処法の1つ目は、上司に相談することです。

信頼できる上司にセクハラの事実を伝え、具体的な状況や加害者を明らかにすることで、上司が適切な対応を取る手助けになります。上司が問題を把握し、適切に対処してくれることで、職場環境が改善される可能性が高まります。

ただし、上司に相談する際は、できるだけ具体的なエピソードや証拠を用意しておくことが望ましいです。

これによって、相談内容が具体的で信憑性が高くなり、上司も問題を解決するための対策を立てやすくなります。

社内の相談窓口に相談する

セクハラがある職場での対処法の2つ目は、社内の相談窓口に相談することです。

多くの企業では、従業員がセクハラやパワハラなどの問題を相談できる窓口を設置しています。これらの窓口は、専門のカウンセラーや人事担当者が対応しており、相談者のプライバシーが保護されることが大前提です。

相談窓口に問題を報告することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。また、相談内容が適切に処理され、企業が問題を解決するための対策を立てるきっかけにもなります。

セクハラに悩んでいる場合は、安心して社内の相談窓口に相談してみることをお勧めします。

労働基準監督署に問い合わせる

セクハラがある職場での対処法の3つ目は、労働基準監督署に問い合わせることです。

職場でセクハラが解決されない場合や、社内の相談窓口がない、あるいは信頼できない場合、労働基準監督署への相談が推奨されます。

労働基準監督署では、専門の労働相談員がセクハラに関する問題を取り扱っており、相談者の権利を守るためのアドバイスや支援を提供してくれます。

また、必要に応じて、労働基準監督署が職場の実態調査を行い、適切な措置を講じることもあります。

このように、労働基準監督署はセクハラ被害者に対する強力なサポート機能を果たしていますので、セクハラに悩んでいる場合は、積極的に労働基準監督署に相談してみることを検討しましょう。

法的措置を取る

セクハラがある職場での対処法の4つ目は、法的措置を取ることです。

内部での解決が難しい場合や、被害が深刻である場合には、弁護士や司法書士に相談し、法的手段を検討することが適切です。

法的措置には、労働審判や民事訴訟を通じて解決を図る方法があります。労働審判は、労働者と使用者間の紛争について、迅速かつ簡便に解決を図る手続きです。

一方、民事訴訟は、セクハラ行為者や会社に対して損害賠償請求や謝罪広告の掲載などを求めることができます。

ただし、法的措置を取る際には時間や費用がかかることもあるため、状況や自身の希望に合わせて慎重に検討することが重要です。

法的措置を検討する際には、専門家と相談し、適切な方法を選ぶことが求められます。

転職する

セクハラがある職場での対処法の5つ目は、転職することです。

もしも職場でのセクハラが改善されない場合や、その環境で働くことが自分の精神や身体に悪影響を与えていると感じた場合には、新しい職場を探すことを検討すべきです。

転職活動を行う際には、セクハラのない職場環境を求めるために、企業の風土や評判をリサーチし、面接の際にも職場環境や社風について質問するのがおすすめです。

また、転職エージェントを活用することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。転職を通じて、より働きやすい環境で自分の能力を発揮できるチャンスをつかむことができるでしょう。

セクハラが発覚した場合の企業側の責任

セクハラが発覚した場合、企業側には法的および道義的な責任が生じます。

企業は、被害者への適切な対応と犯人に対する厳正な処分が求められるほか、職場環境の改善や再発防止策を講じなければなりません。

法的には、企業は労働者の安全で健康な労働環境を確保する義務があり、セクハラが発生した場合にはその責任を問われる可能性があります。また、被害者が損害賠償請求を行う場合には、企業は賠償責任を負うことにもなりかねません。

道義的な責任としては、企業は社員に対してセクハラ防止に関する研修や啓発活動を行うことが求められ、職場環境が悪化してしまった場合には、企業の評判や信用が失墜するリスクも存在します。

このように、セクハラが発覚した場合には、企業側は迅速かつ適切な対応が求められることになるのです。

セクハラをした社員へ企業が取るべき対応

セクハラをした社員へ企業が取るべき対応には、まず事実確認と適切な対処が含まれます。

企業は、被害者や関係者からの報告を受けた際には、事実関係を把握するための調査を迅速かつ適切に実施する必要があります。調査の結果、セクハラが確認された場合、企業は犯人に対して厳正な処分を行うべきです。

処分の内容は、セクハラの内容や状況に応じて、訓告、減給、停職、解雇などが考慮されます。

また、企業は再発防止策を講じる必要もあります。犯人に対してセクハラ防止研修や指導を行うことで、犯人が誤った行動を繰り返さないようにすることが重要です。

さらに、企業全体に対してもセクハラ防止研修や啓発活動を実施し、職場環境の改善と社員の意識向上を図ることも求められます。

これらの対応を通じて、企業はセクハラが再発しないような働きやすい職場環境を作り上げることが課せられるのです。

企業がセクハラを防止する体制を作るには

企業がセクハラを防止する体制を作るには、まず明確なセクハラ防止ポリシーを策定し、従業員に周知徹底することが重要です。このポリシーには、セクハラ行為の具体的な定義や禁止事項、報告手続き、対応方針などが含まれるべきです。

次に、企業は定期的なセクハラ防止研修を実施し、従業員の意識向上を図ることが求められます。研修ではセクハラの具体例や法的責任、対応方法などを学ぶことで、従業員がセクハラの認識を深めることができます。

また、企業は専門の相談窓口を設置し、被害者が安心して相談できる環境を整えることが大切です。相談窓口では相談者のプライバシーを保護し、適切な対応が行われることを保証することが必要です。

さらに、企業はセクハラが発覚した際には迅速かつ適切な調査と対応を行い、厳正な処分や再発防止策を講じることが求められます。これにより、企業は従業員に対してセクハラに対する真摯な態度を示すことができます。

これらの取り組みを通じて企業はセクハラを防止する体制を整え、働きやすい職場環境を作り上げることができます。

まとめ

今回はセクハラへの対処法について解説しました。

セクハラは絶対的に加害者が悪であり、被害者は勇気を出して声をあげるべきです。もしも声をあげるのが難しい場合は、本記事を参考にして、厳正な対処を検討してみてください。

関連記事:トラック運転手へのいじめに対する適切な対処方法とは?

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