電気工事士

電気工事で役立つ資格一覧|職種ごとの役割と初心者向けの資格と難易度

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電気工事資格に関する記事のアイキャッチ

電気工事関連の就職を予定していて「どのような資格を取得すればよいのか」などと考えている人もいるのではないでしょうか。

電気工事には専門的な知識やスキルが求められることから、有資格者でなければ従事できない作業があります。

電気工事関連の資格は大きく分けて9つです。たとえば、電気工事施工管理技士や消防設備士甲種4類などがあります。その中でも、初心者の場合、第二種電気工事士・第三種電気主任技術者を目指すのがおすすめです。

この記事では電気工事に関係する資格と難易度などについて解説します。これから電気工事関連の就職を予定している人は、ぜひ参考にしてください。

電気工事関連の資格一覧

電気工事に関する資格を取得している人

電気工事関連の資格一覧は次のとおりです。

  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 電気工事施工管理技士
  • 認定電気工事従事者
  • 特殊電気工事資格者
  • 消防設備士甲種4類
  • エネルギー管理士
  • 電気通信の工事担任者
  • 電気通信主任技術者

それぞれの資格について解説します。

電気工事士

電気工事士は、一般家庭や商業施設などでの電気配線工事や電気設備の設置・修理に必要な資格です。

電気工事士の資格は第一種と第二種の2つです。第二種は一般家庭や小規模の商業施設での工事が主な対象となりますが、第一種は加えて高圧の電気設備や大規模な施設での工事も担当できます。

具体的に、第二種は600V以下で受電する設備、第一種は第二種の範囲に加え、最大電力500kW未満の工場・ビルなどの施設を取り扱えます。

そのため、第二種に加えて第一種電気工事士を取得できれば、より高い年収を期待できるでしょう。

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電気主任技術者

電気主任技術者は、工場やビルなどでの電気設備の運用・保守を監督する国家資格です。

法律により一定の規模以上の電気設備を持つ施設には、電気主任技術者の配置が義務付けられており、安全性や安定稼働を確保する役割を担っています。

電気主任技術者の役割は、設備の点検や保守計画の立案、電気事故の防止策の実施、法定検査の実施や記録、施設全体の電力供給の管理などです。

第三種から第一種までに分類されており、取り扱う電圧や設備の規模によって求められる資格が異なります。具体的には、第三種電気主任技術者電圧が5万V未満、第二種は17万V未満、第一種の場合はすべての電気工作物を取り扱えます。

関連記事:第三種電気主任技術者に合格するための勉強時間は1,000時間程度|合格率や出題範囲

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は、建設現場で電気工事の施工計画を立案し、工事の進行を管理する役割を担当できる国家資格です。

電気工事施工管理技士の資格は2級と1級の2種類です。2級を取得していれば、一般建設業の電気工事における専任技術者・主任技術者として働けます。

さらに、1級を取得していれば、特定建設業の電気工事における専任技術者、監理技術者ならびに主任技術者として働けます。ちなみに、特定工事業とは、請負金額4,500万円以上の工事です。

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認定電気工事従事者

認定電気工事従事者は、自家用電気工作物等の簡易電気工事を担当できる資格です。具体的には、電圧600V以下の自家用電気工作物等に制限されています。

一般的な電気工事に加えて、特定の施設や建物内で行われる電気設備の保守点検や修理作業を担当するケースが多いようです。また、建物内の配線や照明器具の設置、電気機器の接続や検査、緊急時の電気トラブル対応など、幅広い業務をこなしています。

第二種電気工事士の資格だけでは取り扱えなかった工事を担当できるのが、認定電気工事従事者を取得するメリットです。

特殊電気工事資格者

特殊電気工事資格者は、高度な技術や専門知識が必要とされる特殊な電気工事を取り扱える資格です。具体的には、最大電力500kW未満の自家用電気工作物のネオン工事・非常用予備発電装置工事を担当できます。

ちなみに、ネオン工事とはネオン管を使ったサインや装飾の設置をする工事です。

消防設備士甲種4類

消防設備士は、消防設備の設計・設置・維持管理を担当できる資格です。中でも4類では、火災報知器や自動火災報知設備などを取り扱えます。

消防設備士甲種4類を取得していれば、ビルや施設内の火災報知設備が適切に機能するように設計したり、定期的な点検やメンテナンスを担当したりできるでしょう。

関連記事:消防設備士・甲種4類の試験概要|受験資格や過去問について
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エネルギー管理士

エネルギー管理士は、工場やビルなどの大規模施設におけるエネルギー使用の効率化を図る専門家です。エネルギー使用量が一定規模を超える事業者に義務付けられている「エネルギー管理者」の選任などを担うために必要です。

「エネルギーの使用の合理化に関する法律」の改正とともに誕生しました。エネルギーの使用状況を分析し、効率的な運用方法を提案したり、コストの削減を図るための計画を立案・実行したりするのに役立っています。

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電気通信の工事担任者

電気通信の工事担任者は、電話やインターネットなどの通信回線に関する工事を担当するのに必要な資格です。電気通信の工事担任者を取得していれば、通信設備の設置・維持・管理に関わる工事の監督や実施計画の策定を担当できます。

具体的には、住宅や企業の通信回線の新設や修理、ネットワーク機器の設定や保守、通信システムのトラブルシューティングなどです。また、工事の品質や安全性を確保するために、規定に基づいた作業の指導・監督も重要な役割です。

電気通信主任技術者

電気通信主任技術者は、通信設備全般の管理や保守を担当する責任者です。電気通信主任技術者を取得していれば、電気通信事業者の設備が法令に適合しているかを監督し、設備の運用や保守が適切に行われるよう指導できます。

具体的には、通信設備の設計や施工、定期点検の実施、故障時の対応など、通信インフラ全般の維持管理などです。また、新しい通信技術の導入や、既存設備の改修などの場面でも、その計画立案から実行に至るまで、総合的に管理するケースもあります。

関連記事:電気通信主任技術者の難易度は高い?受験資格やメリット、合格のコツ

各電気工事資格の難易度

施工管理技士が仕事をこなす様子

電気工事関連の資格の中でも難しいと言われている資格3選は次のとおりです。

  1. 電気主任技術者
  2. 電気工事施工管理技士
  3. 電気工事士

それぞれの難易度について解説します。

電気主任技術者

電気主任技術者の資格は第一種から第三種までの3つです。令和5年度のそれぞれの合格率は次のとおりです。

一次受験者一次合格者一次合格率二次受験者二次合格者二次合格率
第一種1,469人485人33.01%719人129人17.94%
第二種6,318人1,545人24.45%2,682人474人17.67%
第三種
(上期)
28,168人4,683人16.63%
第三種
(下期)
24,567人5,211人21.21%

受験者数・合格者数から見て取れるように、第一種や二種と比べて、第三種の合格率が高いことがわかります。一方で、第一種の合格者数に至っては、一次で485人、二次でわずか129人です。

出典:試験実施状況の推移(第三種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第二種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験実施状況の推移(第一種電気主任技術者試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士は1級と2級の2種類あります。令和5年度のそれぞれの合格率は次のとおりです。

一次受験者一次合格者一次合格率二次受験者二次合格者二次合格率
1級16,265人6,606人40.6%8,535人4,527人53.0%
2級7,777人3,408人43.8%6,543人2,816人43.0%

1級と2級の合格率はいずれも同水準程度で推移しています。ただし、1級電気工事施工管理技士は2級と比較すると高難度です。

出典:令和5年度 1級電気工事施工管理技術検定 結果表 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部
出典:令和5年度 2級電気工事施工管理技術検定 結果表 | 一般財団法人建設業振興基金 試験研修本部

電気工事士

電気工事士の資格は第一種と第二種の2種類あります。令和5年度に実施されたそれぞれの合格率は次のとおりです。

学科受験者学科合格者学科合格率技能受験者技能合格者技能合格率
第一種33,035人20,361人61.6%26,143人15,834人60.6%
第二種(上期)70,414人42,187人59.9%49,547人36,250人73.2%
第二種
(下期)
63,611人37,468人58.9%45,790人31,499人68.8%

例年、第一種・第二種ともに学科ならびに技能の合格率は60%から70%前後で推移しています。

電気工事士は、電気主任技術者・電気工事施工管理技士と比較して目指しやすい資格と言えるでしょう。

出典:令和5年度第一種電気工事士学科試験の結果について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:令和5年度第一種電気工事士技能試験の結果について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
出典:試験案内一覧(第二種電気工事士試験) | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター

初心者向け|電気工事の資格

設備を点検する様子

ここまで見てきたように、電気工事関連の資格は数多くあります。その中でも、初心者が最初に取得を目指すべき資格は次の2つです。

  • 第二種電気工事士
  • 第三種電気主任技術者

第二種電気工事士・第三種電気主任技術者はともに、実務経験が無くても誰でも受験できます。また、上位資格を取得すると、年収アップも期待できます。

そのためにも、第二種電気工事士・第三種電気主任技術者を最初に取得しておくとよいでしょう。

電気工事資格の取得順番

資格取得に向けて学習する様子

電気工事関係で長期的なキャリア形成をしたいと考えている人もいるでしょう。先ほどから見てきたとおり、電気工事関連の資格は数多くあります。

電気工事関連の資格の中には、受験要件を満たさなければ試験を受けることさえできないものもあります。

そのため、電気工事関連の資格を複数取得したい場合は、着手する順番を考えておきましょう。

おすすめの順番は次のとおりです。

  1. 第二種電気工事士
  2. 2級電気工事施工管理技士
  3. 認定電気工事士
  4. 第一種電気工事士
  5. 1級電気工事施工管理技士

第二種電気工事士は実務経験が無くても受験できます。続いて、2級電気工事施工管理技士は第二種電気工事士の資格を活かした実務により、受験要件を満たせます。

他にも、1級電気工事施工管理技士は第一種電気工事士の資格があれば受験可能です。

電気工事資格に関するよくある質問

作業員が話し合う様子

電気工事資格に関するよくある質問は次のとおりです。

  • 電気工事士はやめとけと言われる理由は?
  • 電気工事士の年収は?
  • 電気工事士は初心者でも取得できる?

それぞれの質問について解説します。

電気工事士はやめとけと言われる理由は?

電気工事士はやめとけと言われる理由は次のとおりです。

  • 肉体労働が多くある
  • 危険な場所での作業がある
  • 企業によっては労働時間が不規則になる
  • 知識・スキルのブラッシュアップが常に求められる

一方で、電気工事士は今後も高い需要が見込まれています。そのため、電気工事士としての長期的なキャリア形成は可能です。

関連記事:電気工事士はやめとけと言われる4つの理由

電気工事士の年収は?

令和5年賃金構造基本統計調査結果を踏まえたデータによると、電気工事士の平均年収は550.9万円です。一方で、令和4年分の民間給与実態統計調査によると、給与所得者全体の平均年収は458万円です。

そのため、日本全体の平均年収と比較して、電気工事士は稼げる資格と言えるでしょう。

参考:電気工事士|職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

関連記事:電気工事士の年収は高い?給料の実態や仕事内容を解説

電気工事士は初心者でも取得できる?

第二種電気工事士は実務経験が無くても受験できます。試験は学科と技能の2つをクリアする必要がありますが、合格率は低いわけではありません。

そのため、電気工事士は初心者でも取得しやすい資格と言われています。

電気工事士の資格は仕事内容に応じて取得しよう

工場設備について作業員が話し合う様子

この記事では、電気工事関連の資格一覧や難易度などについて解説してきました。

電気工事関連の資格一覧は次のとおりです。

  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 電気工事施工管理技士
  • 認定電気工事従事者
  • 特殊電気工事資格者
  • 消防設備士甲種4類
  • エネルギー管理士
  • 電気通信の工事担任者
  • 電気通信主任技術者

中でも、電気主任技術者・電気工事施工管理技士・電気工事士は難易度の高い資格と言われています。

初心者が電気工事関連の資格取得を目指す場合は、その後のキャリアも見据えて第二種電気工事士・第三種電気主任技術者がおすすめです。

これから電気工事関連の仕事でキャリアを積みたいと考えているのであれば、資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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