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1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

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1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

あらゆる建築工事に欠かせないのは「建築施工管理技士」です。

建築施工管理技士は、工事工程の管理や現場の安全を管理する仕事で、あらゆる建設工事に欠かせない仕事です。建築現場には建築施工管理技士の配置が法律で定められており、特に1級建築施工管理技士は、建設現場の規模に制限なく業務を担当できます。

建設業界に長く勤めていて、スキルアップを目指している方、プロジェクトの管理業務に興味のある方もいるのではないでしょうか。

本記事では、1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容について解説します。

あわせて試験の合格率や難易度についても説明します。

2級建築施工管理技士と1級の違い

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

建築施工管理技士の資格には、1級と2級が存在します。

はじめに、それぞれの違いについて解説します。

2級建築施工管理技士

2級建築施工管理技士は中小規模の建設現場を管理できる資格で、主任技術者を務めることができます。主任技術者とは、4,000万円未満の元請け業者や下請け業者が配置しなければならない技術者です。住宅などの建築を手がけている建築会社では、2級建築施工管理技士の資格が役立つでしょう。

また、2級建築施工管理技士は、「建築」「躯体」「仕上げ」の3種類に分類され、それぞれの工事しか管理できません。「建築」では大工工事や電気工事など、「躯体」では鉄筋工事やコンクリートなど、「仕上げ」では内装や外装工事などです。2級建築施工管理技士として、工事のすべての工程を管理するためには、3種の資格を取得しなければなりません。

1級建築施工管理技士

一方で1級建築施工管理技士は、管理できる建設現場の規模に制限はありません。超高層ビルやマンションや大型の商業施設、公共施設など、大規模な工事を管理できます。

現場の規模に関係なく主任技術者、監理技術者を務めることができます。監理技術者とは、発注総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合7,000万円以上)の大規模な工事で配置される技術者で、工事の管理に加えて技術指導も担う役職です。

1級建築施工管理技士は、建築一式工事、左官や塗装、防水工事など「建築」「躯体」「仕上げ」に属するすべての工事を管理できる資格のため、幅広い分野で高度で専門的な知識を身に付ける必要があります。

出典:施工管理技術検定|一般財団法人 建設業振興基金

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1級建築施工管理技士の受験資格

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

1級建築管理技士の資格試験は、第一次検定と第ニ次検定に分かれています。第一次検定を通過しなければ、第ニ次検定を受験できません。

検定ごとで受験資格が異なるため、検定に申し込む前に受験資格の要件を満たしているか確認しましょう。

第一次検定のみを受験する場合

1級建築施工管理技士の第一次検定は、令和6年4月1日の受験資格変更により、「試験実施年度末に満19歳」であれば受験可能です。

旧受験資格では、学歴ごとに3〜15年の実務経験が必要とされており、新制度に変更されたことで、受験のハードルが下がり若手が挑戦しやすくなっています。

出典:令和6年度 1級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|厚生労働省

第ニ次検定のみを受験する場合

1級建築施工管理技士の第ニ次検定は、第一次検定の合格者で、必要な実務経験を有した人のみが受けられます。

令和6年4月1日から新設された受験資格に必要な実務経験年数は、以下の通りです。

1級第一次検定合格者実務経験5年以上特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上監理技術者補佐として実務経験1年以上
1級第一次検定合格者、および2級第ニ次検定合格者実務経験5年以上特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
1級建築士試験合格者1級建築士試験合格後、実務経験5年以上1級建築士試験合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

令和10年度までは、経過措置期間として旧受験資格でも受験可能です。改正前の旧受験資格の所定の実務経験年数は以下の通りです。

学歴必要実務経験年数
大学(指定学科)卒業後実務経験3年
短期大学、高等専門学校(指定学科)卒業後実務経験5年
高等学校(指定学科)卒業後実務経験10年
大学卒業後実務経験4年6カ月
短期大学、高等専門学校卒業後実務経験7年6カ月
高等学校卒業後実務経験11年6カ月
2級合格者2級合格後実務経験5年
上記以外卒業後実務経験15年

出典:令和6年度 1級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|厚生労働省

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1級建築施工管理技士の実務経験に基づく受験資格

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

建築施工管理技士では実務経験が重要となりますが、すべての試験で実務経験が求められるわけではありません。

1級建築施工管理技士の実務経験に基づく受験資格について解説していきます。

実務経験なしで受験できる条件

建築施工管理技士の検定では、実務経験が求められない場合があります。

令和6年からの新制度により、第一次検定では年齢制限のみで、実務経験なく受験が可能になりました。年齢制限のみで実務経験の有無は問われないため、受験のハードルが下がったといえます。

また、第一次検定に合格すると「技士補」という資格が認められます。就職や転職にも役立ち、現場で実務経験を積めば第二次検定にも挑戦しやすくなるでしょう。

出典:令和6年度 2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|厚生労働省

実務経験が必要な条件

建築施工管理技士の第二次検定では、所定の実務経験が必要です。

令和6年の改正後、1級の第二次検定を受験するためには、1級第一次検定に通過したのち、以下のいずれかを満たす必要があります。

・実務経験5年以上/特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

・監理技術者補佐としての実務経験1年以上

特定実務経験とは、建設業法の適用を受ける請負金額4,500万円(建築一式工事の場合7,000万円)以上の建築工事で、監理技術者・主任技術者(監理技術者資格を持つ者)の指導の下、または、自ら監理技術者・主任技術者として行った経験のことを指します。

改正前の旧受験資格では、学歴によって3〜15年の実務経験が必要です。

出典:令和6年度 2級 建築施工管理技術検定のご案内|一般財団法人 建設業振興基金

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|厚生労働省

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1級建築施工管理技士の申し込み方法

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第一次検定のみ受験する場合は、インターネットから申し込みできます。

第一次検定と第ニ次検定の同時受験、または第ニ次検定のみ受験する場合は、新規受験の場合は願書を購入して申し込みとなります。その際、実務経験を証明する書類を提出する必要があるため覚えておきましょう。願書は、インターネットか窓口で購入できます。

第ニ次検定の再受験の方は、インターネットで申込できます。

申込期間は、2月22日(木)〜3月8日(金)です。

第一次検定の新規受験は4月5日(金)まで申込を受け付けています。

受験手数料は、第一次・第ニ次検定ともに、各10,800円となります。同時受験の場合は、第一次検定に合格した後に、第ニ次検定の手数料を支払う必要があります。

2024年の1級建築施工管理技士の試験日

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2024年の1級建築施工管理技士の資格試験の日程は以下の通りです。

 申請受付期間試験日合格発表
第一次検定2月22日(木)~3月8日(金)7月21日(日)8月23日(金)
第ニ次検定2月22日(木)~3月8日(金)10月20日(日)令和7年1月10日(金)

出典:令和6年度 1級 建築施工管理技術検定のご案内|一般社団法人建設業振興基金

1級建築施工管理技士の過去問を用いた効果的な学習方法

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1級建築施工管理技士の学習で重要なのは、過去問を使った勉強です。

試験の問題構成や問題の傾向を把握するためには、過去問が最適です。全問正解できるまで、何度も繰り返し解くことが大切です。近年の出題傾向を把握して、試験問題に慣れていきましょう。

過去問を解くことで、得意な分野や苦手な分野から、より重点的に学ぶべきポイントや確実に得点をとれる分野を把握することができます。

無料で過去問を公開しているサイトがあるため、コストを抑えた対策が可能です。

参考書や動画解説を利用して、インプットとアウトプットにバランスよく取り組むことで効率的に知識を身につけられるでしょう。

1級建築施工管理技士の試験傾向と合格のポイント

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

ここからは、1級建築施工管理技士の試験でどのような知識が問われるのか、合格率はどれくらいか、解説していきます。

試験の難易度

第一次検定はマークシート方式で、「建築学等」「施工管理法」「法規」についての知識が問われます。また、令和3年度から第一次検定に合格すると「1級建築施工管理技士補」として認められることから、技士補の能力についての出題も増えています。

選択問題で回答のハードルは下がりますが、出題の難易度は高いと言われています。知識を正確に身につけて、曖昧なポイントは解消しておく必要があるでしょう。

第ニ次検定は、マークシート方式と記述式です。「施工管理法」についての知識と応用力が問われます。専門用語を正しく使い、設問に対し的確に簡潔に記述することが大切です。

第ニ次検定の記述式は難関と言われています。実務経験から回答し、身につけた知識や技術を現場経験でどのように活かしたのかが問われます。記述問題は配点が高く、この問題を落とせば合格は難しくなります。試験勉強では記述のトレーニングは必須で、必要に応じて添削を受けておくと良いでしょう。

合格率

1級建築施工管理技士の第一次・第ニ次検定の合格率

1級建築施工管理技士の第一次・第ニ次検定の合格率は上記の通りです。

第一次・第ニ次検定ともに40〜50%程度の合格率となっています。

令和5年度以前は、第一次・第二次ともに実務経験を積んでから試験を受けているため、受験者は実地で学んだ知識を有していますが、合格率40%を切る年もあり、難易度が高いことが分かります。

出典:1級建築施工管理技術検定の合格率|総合資格学院

1級建築施工管理技士の合格発表のタイミングと確認方法

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

1級建築施工管理技士の合格発表は以下の通りです。

  • 1次検定:令和6年8月23日(金)
  • 2次検定:令和7年1月10日(金)

合格発表日の午前9時から2週間は、建設業振興基金のWEBサイトで合格番号を確認できます。合格通知も順次発送されます。届かない場合は、以下の日程をめどに建設業振興基金まで問い合わせるようにしましょう。

  • 1次検定:令和6年8月30日(金)
  • 2次検定:令和7年1月17日(金)

出典:令和6年度 第一次検定・第二次検定 1級建築施工管理技術検定 受検の手引|一般財団法人 建設業振興基金

1級建築施工管理技士に関するよくある質問

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

ここでは、1級建築施工管理技士に関するよくある質問に回答していきます。

1級建築施工管理技士の仕事内容は?

1級建築施工管理技士の仕事内容は建設現場の管理ですが、具体的に「工程管理」「品質管理」「安全管理」「原価管理」の4つに分けられます。

1級建築施工管理技士の仕事内容

詳細は下記のとおりです。

工程管理建設計画に定められた工期を守れるように調整する仕事工程表によってスケジュール管理を行う工程ごとに必要な作業員や職人や資材、重機を手配する工事中になんらかのトラブルで工程に遅れが発生した場合、工程表を修正し、対応策を考える
品質管理建築物が設計書の指示通りの品質になっているか確認し試験する仕事耐震性や密度の基準、資材の寸法や品質、定められた工法を満たしているかを確認する作業工程ごとに写真を撮り残しておく専門の業者が検査を行うときは業者を手配する
安全管理工事中に作業員がけがをしたり事故を起こしたりしないように安全な環境を整える現場内を毎日巡回して現場が綺麗に整頓されているか、安全設備や消防設備に不備がないかを確認する危険なポイントは作業員に注意喚起し、安全対策を講じるヒヤリハット事例や安全な作業手順を作業員に共有する機材に不備がないか点検して事故を未然に防ぐ作業員の健康をチェックする騒音や振動による近隣住民への影響を配慮する現場付近の通行人の安全を確保する
原価管理工事予算を計画・管理する仕事作業員の人件費、工事で使用される資材、レンタルする重機などの経費を計算する材料や資材の管理で無駄なコストを削減したり、人員を調整したりして、予算との差異が生じないよう修正する

1級建築士との違いは?

1級建築施工管理技士と1級建築士は、どちらも建設業に携わりますが、業務内容は異なります。

1級建築施工管理技士は、建設現場で実際に行われる工事を指揮監督するための資格です。建築施工のスペシャリストで、施工計画を作成したり、作業員や重機を手配したり、安全や品質を維持するために工事現場を監理したりします。

上位資格である1級では、建築一式工事や左官工事、塗装工事など16種類すべての工事を監督でき、大規模な現場で監理技術者に従事できます。

対して、1級建築士は、建物などを設計するための資格です。設計図を作成し、設計図通り工事が行われているかの確認が主な業務になります。

発注者の意図を汲み、強度や耐震を確保しながら、建物をデザインします。定められた建築基準や発注者の予算に従って、デザインを提案することもあります。また、間取りを決めたり、使う資材の選定も仕事です。

上位資格の1級は、設計できる建物に制限はなく、超高層ビルやタワーマンション、大型商業施設なども設計できます。

1級建築施工管理技士を取得するまでの勉強時間は?

受験者によると、1級建築施工管理技士の合格に必要な勉強時間は、100時間から400時間といわれています。毎日2時間勉強した場合、50日から200日かかることになります。

試験直前に慌てないよう、試験日から逆算してしっかり勉強時間を確保する必要があります。

実務経験が豊富な方は3か月前くらい前から、実務経験が少ない方は6か月くらい前から勉強を始めましょう。

1級建築施工管理技士の有効期限は?

1級建築施工管理技士の資格には、有効期限はありません。一度取れば生涯使える資格です。

1級建築施工管理技士は、建築一式工事のすべての工事で、主任技術者・専任技術者・監理技術者を務めることができます。

ただし、監理技術者については注意が必要です。監理技術者とは、「発注者から直接請け負った元請負人で4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の下請契約を締結した工事」で、指揮監督をする人のことです。

監理技術者になるためには、1級建築施工管理技士の資格を取得したうえで、監理技術者講習を受けなければなりません。講習は5年ごとに受講して資格を更新する必要があります。

監理技術者は、大規模な建設工事現場で配置される役職のため、管理者講習を受けることで、1級建築施工管理技士の資格を最大限活用できます。

1級建築施工管理技士の将来性は?

1級建築施工管理技士の需要は、今後も安定してあるといわれており、将来性がある資格だといえます。建設業は、人々の営みに必要不可欠なもので、需要はなくなりません。

需要が高い要因は主に3つあります。

1つ目は、建築物の老朽化です。高度経済成長期やバブル景気時に建設された建物は老朽化して、修繕や解体が必要となります。

2つ目に、日本では災害が多いことです。近年、地震や気象変動などの災害によって、損壊した建築物や住宅、都市などの復旧・復興工事のため建設工事が行われる必要があります。

3つ目は、都市開発の需要です。都市の再開発により、タワーマンションや超高層ビル、大型複合施設などの建設工事が増えるでしょう。

このように需要が高まっていますが、建設業界では高齢化が進み、人手不足が慢性化しています。

建設施工管理技士は現場ごとに配置しなければならず、今後も求められる職種だと言えるでしょう。

関連記事:建築施工管理技士の転職理由11選。オススメの転職先とは?

1級建築施工管理技士の資格を取得してキャリアを安定させよう

1級建築施工管理技士の受験資格と試験内容|合格率と難易度について

1級建築施工管理技士の資格試験は、年に1回実施されています。1次検定は年齢制限のみで受験のハードルが下がっています。2次検定は、所定の実務経験を積む必要があります。

すべての工事に精通していなければならず、専門性を求められ、難易度の高い資格といえます。

1級建築施工管理技士の資格を取得すると、都市開発、タワーマンション、大型商業施設など、多くの人々の生活を支える建築に携わり、建設工事の根幹に関わることができます。

資格取得で仕事の幅を広げ、キャリアアップを目指しましょう。

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