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2級管工事施工管理技士とは|資格取得の方法と勉強のコツ

公開日:

現場で作業する人

私たちの生活に身近にあるエアコンや水道、そして建物に必須であるガスや排気ダクトなどの配管工事を任されているのが、管工事施工管理技士です。

需要の高い管工事施工管理技士ですが、どんな資格が必要か、受験資格や取得方法、勉強方法についてご存じでない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2級管工事施工管理技士の取得方法や受験資格、申し込み時の注意点や勉強方法、取得のメリット、合格率なども解説します。

2級管工事施工管理技士の取得を検討中の方は参考にしてください。

2級管工事施工管理技士の取得方法

作業員同士で話し合う様子

2級管工事施工管理技士は第一次検定と第二次検定に分かれています。まず、2級管工事施工管理技士の取得方法について以下に分けて見ていきましょう。

  1. 申し込みの受付期間
  2. 申込用紙の販売
  3. 試験日及び合格発表日
  4. 試験地
  5. 受験手数料
  6. 受験資格

申込の受付期間

管工事施工管理技士は国家資格であるため、受験の申し込み期間と試験日、合格発表日が定められています。

また試験は前期と後期に分かれており、どちらで受験するかは自身で決めることができますが、第一次と第二次同時に受験できるか、または片方だけかは開催時期によって異なるため、事前に確認するようにしましょう。

年度によって日にちは変わりますが、2024年度後期試験の申し込み受付期間は、7月9日から7月23日のため、自分が受けたい年度の受験情報は必ず確認しておきましょう。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

申込用紙の販売

試験を申し込む際は専用の願書が必要になりますが、願書の販売期間も定められているため、あらかじめ確認が必要です。

また、販売方法も2つあり、郵送販売で自宅に直接願書を送ってもらうか、窓口へ出向き購入する窓口販売のどちらかを選択することができます。

2024年度後期試験の郵送販売の期間は6月24日から7月15日、窓口販売は6月24日から7月23日と、どちらを選択するかで期間が異なるため、要注意です。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

試験日及び合格発表日

受験申込から少し期間が空いて試験日という流れがほとんどです。

2024年度後期試験は、第一次と第二次検定同時受験か第二次検定のみの受験どちらかを選択することができます。

2024年度後期試験の試験日は、11月17日で合格発表は第一次検定が2025年1月6日、第二次検定が2025年3月5日です。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

試験地

試験地も、試験の前期後期で異なる場合があるため、公式のホームページから都度自分の住む地域が該当しているか事前に確認しましょう。

2024年度後期試験の試験地は、札幌/青森/仙台/東京/新潟/金沢/名古屋/大阪/広島/高松/福岡/鹿児島/那覇の計13都市です。

該当しない地方に住む人は、試験のために宿や交通手段を確保しなければならないため、あらかじめスケジュール調整をしておきましょう。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

受検手数料

試験に申し込む際は、受験料が必要になります。

第一次検定、第二次検定共に受験料は5,250円(税抜き)であり、同時受験の場合は10,500円(税抜き)を事前に振り込まなければなりません。

同時に受験すると安い金額ではなくなるため、事前にお金の工面もしておきましょう。

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

受検資格

2級管工事施工管理技士の受験資格は、令和6年に試験資格が改定されました。

第一次検定は、受検年度末時点での年齢が17歳以上であれば受験可能で、こちらは変更はありません。変更されたのは、第二次検定の受験資格です。

受検資格要件第二次検定の受検に必要な実務経験年数
令和3年度以降の1級第一次検定合格者合格後5年以上の実務経験年数合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数合格後監理技術者補佐としての1年以上の実務経験年数
2級第二次検定(旧実地試験含む)に合格した後、1級 第一次検定に合格した者(1級第一次検定受検予定者を含む)2級合格後5年以上の実務経験年数2級合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数
技術士第二次試験合格者(土木施工管理技術検定のみ)合格後5年以上の実務経験年数合格後特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数

出典:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります【新受検資格】|一般社団法人全国建設研修センター

2級管工事施工管理技士に申し込む際の注意点

新人社員を教育する様子

次に、2級管工事施工管理技士に申し込む際の注意点を、以下に分けて解説します。

  1. 第一次検定・第二次検定の申込方法
  2. 第一次検定のみの申込方法
  3. 第二次検定のみの申込方法

では、一つずつ解説します。

第一次検定・第二次検定の申込方法

まず、申込方法はインターネット願書と紙面願書の申し込みの2つがあります。

2024年後期試験では第一次・第二次の同時受験が可能ですが、初めて検定を受験する人は紙面願書のみで申し込みを行います。

しかし、2回目以降の受験という人はインターネットからでも申し込みが可能なため、要項を確認しておきましょう。

第一次検定のみの申込方法

2024年度後期試験で第一次検定のみを受験する人は、原則インターネットからの申し込みになります。

誤って紙面願書を購入してしまったということが無いように注意しましょう。

また、インターネット願書と紙面願書では販売期間も異なるため、ここも注意が必要です。

第二次検定のみの申込方法

2024年度後期試験で第二次検定のみの受験は、第一次・第二次の同時受験と同じ要領で申し込むことが可能です。

初めて受験する人は紙面願書のみでの申し込みになるため、販売期間と申し込み受付期間を確認しておきましょう。

2024年後期試験の申し込み受付期間は、インターネット紙面共に7月9日から7月23日ですが、インターネットは23日の23:59まで、紙面は消印有効と若干異なるため、注意しましょう。

2級管工事施工管理技士の試験内容

会議をしている様子

試験内容は、一次検定がマークシート方式で試験時間は2時間10分、二次検定は記述式で試験は2時間と異なります。

下記の表を参考にして、出題分野、問われる知識や能力を確認しましょう。

問われる知識や能力に関しては、令和6年の試験改定により問題の見直しがされているため、注意が必要です。

【第一次検定】

 出題分野問われる知識・能力
機械工学等原論、電気工学、建築学、空調・衛生、設備、設計図書知識(1)機械工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学及び建築学に関する知識(2)冷暖房、空気調和、給排気、衛生等の設備に関する知識(3)設計図書に関する知識
施工管理法施工管理法(基礎的な能力含む)知識(1)施工計画の作成及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工管理に関する知識能力(1)施工の管理を的確に行うために必要な能力
法規法規知識(1)建設工事の施工に必要な法令の知識

【第二次検定】

 出題分野問われる知識・能力
設備全般施工管理法・施工要領図、空調、衛生施工管理法知識(1)監理技術者又は主任技術者として、施工の管理を行うために必要な知識能力(1)監理技術者又は主任技術者として、設計図書で要求される設備の性能を確保するために設計図書を理解し、設備の施工図を作成し、必要な機材の選定、配置等を行うことができる応用能力
工程管理バーチャート工程表 
法規労働安全衛生法 
施工経験記述工程管理・安全管理査 

出典:令和6年度以降の管工事施工管理技術検定試験問題の見直しについて|一般社団法人全国建設研修センター

2級管工事施工管理技士の勉強方法

技術者が腕を組む様子

出題範囲が広いことから、まずは基本的な知識をテキストでインプットして、過去問を解いてアウトプットする勉強方法が1番効率的と言えます。

6割が合格ラインのため、全ての知識を詰め込むのではなく、出題傾向が高い分野を集中的に勉強することをおすすめします。

しかし、第二次の実務経験を記述する問題は、過去問では対策しきれない面があるため、オンラインの講師や試験経験がある身近な人に自分の回答を見てもらうことも、一つの手です。

2級管工事施工管理技士を取得するメリット

技術者が腕を組む様子

次に、2級管工事施工管理技士を取得するメリットについて、以下に分けて解説します。

  1. 専任の技術者になれる
  2. 監理技術者・主任技術者になれる
  3. 経営事項審査において企業に貢献できる

では、一つずつ解説します。

専任の技術者になれる

専任技術者は、管工事施工管理技士を有している人、または一定の実務経験がある人しかなれません。

建設業において見積もりや入札、契約などのサポート業務を請け負うのが専任技術者のため、需要が高く重宝される人材となります。

専任技術者は原則として現場に出られないため、現場を経験した後キャリアアップして専任技術者になる人もいます。

監理技術者・主任技術者になれる

主任技術者とは、小規模な工事現場において工事全体の監理を担当する人を指します。

監理技術者も業務内容に大きな違いはありませんが、工事が大規模になると監理技術者の配置が必要になります。

どちらも管理を任されるため高度な知識と経験が必要になりますが、その分給与が高くなったり、キャリアアップのときに有利に働いたりします。

経営事項審査において企業に貢献できる

経営事項審査とは、注文者から直接工事を請け負う建設業者が受ける審査のことです。

経営規模や状況、工事の技術力や社会性が評価の対象となるため、建設に関わる利益や資本など金銭的な面での知識も重要になります。

2級管工事施工管理技士では法令や管理も学ぶため、経営事項審査においてその知識が活かされるでしょう。

このように企業に貢献することで、社内のキャリアアップや、実績があることから転職の際もアピールポイントとなり得ます。

2級管工事施工管理技士に関してよくある質問

技術者が打合せする様子

最後に、2級管工事施工管理技士に関してよくある4つの質問に回答します。

質問は以下の通りです。

  1. 2級管工事施工管理技士の過去問はどこで見れますか?
  2. 2級管工事施工管理技士は何ができますか?
  3. 2級管工事施工管理技士に実務経験は必要ですか?
  4. 2級管工事施工管理技士の合格率はどれくらいですか?

では、一つずつ回答します。

2級管工事施工管理技士の過去問題はどこで見れますか?

過去問は主に書籍、WEB講座で入手することができます。

特に令和4年以前の過去問に関しては、問題集を購入する必要があります。

自分のペースで勉強したい人は書籍で自習、フィードバックをもらいたいという人はWEB講座で教えてもらうのが良いでしょう。

2級管工事施工管理技士は何ができますか?

2級管工事施工管理技士の資格があれば、知識を有していること、また実務経験があることの証明として役立ちます。建設業界内ではもちろん、企業の管理部署や開発など様々な分野に携わることができるのは最大のメリットと言えるでしょう。

また、重要な業務を任されたり、現場では関わることが少ないクライアントや設計者などともコミュニケーションが取れたりするため、幅広い経験を積むことができます。

資格を持つことで、業種関係なく可能性の幅を広げることができ、給与やキャリアアップに役立てることができるのです。

2級管工事施工管理技士に実務経験は必要ですか?

「2級管工事施工管理技士の取得方法」の項でも説明した通り、第二次検定では実務経験が必須になります。

具体的には、工事の監督や設計者としての工事管理の経験が挙げられます。

しかし、特定分野での配管工事は実務経験として認められないなど当てはまらないものも存在するため、資格に合った経験か事前に確認することが必要です。

2級管工事施工管理技士の合格率はどれくらいですか?

なお、令和元年度~令和5年度までの2級管工事施工管理技士試験の合格率は以下の通りです。

【第一次検定】

年度受験者数合格者数合格率
令和5年度11,0687,70169.6%
令和4年度11,0516,27456.8%
令和3年度9,0704,40648.6%
令和2年度9,5356,06463.6%
令和元年度9,1186,32169.3%

【第ニ次検定】

年度受験者数合格者数合格率
令和5年度10,3858,55282.3%
令和4年度8,3164,96259.7%
令和3年度13,0996,05446.2%
令和2年度12,6785,51443.5%
令和元年度13,0645,76044.1%

第一次検定、第二次検定ともに、合格率は約6割となっています。

出典:2級管工事施工管理技士受験者数・合格率動向|KGIC 建設技術教育センター

2級管工事施工管理技士についてのまとめ

設計図を確認する様子

今回は、2級管工事施工管理技士の取得方法と勉強方法について解説しました。

これから2級管工事施工管理技士を取得しようと考えている方は、本記事を参考にして、ぜひ試験に取り組んでみてください。

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