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施工管理技士はなぜ激務と言われる?きつい理由と魅力とは

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男性作業員が作業チェックをしている様子

施工管理技士は、工事全体を管理しながら計画通りに終わらせる役割を担っています。

全ての建設工事に欠かせない存在であり、将来性の高い人気の仕事です。

一方で、ネット上では「施工管理はとにかく激務でキツい」といったネガティブな声も少なからず見受けられます。

今回は、施工管理士がなぜ激務と言われるのか、具体的な仕事内容を踏まえながら解説していきます。

【この記事でわかること】
・施工管理が激務だと言われる7つの理由
・施工管理の魅力
・施工管理で激務の少ないホワイト企業を見つける方法
・施工管理者の仕事が向いている人の特徴

施工管理が激務だと言われる7つの理由

上司と工事の打ち合わせをしている様子

施工管理が激務だと言われる理由は主に7つあります。

・残業が多い
・労働時間が不規則
・休日が少ない
・離職率が高い
・出張と転勤が多い
・休日にも勉強する必要がある
・顧客と協力会社の調整が難しい

さまざまな職種が存在する建設業界の中で、施工管理が激務と言われる理由について、具体的な業務内容も踏まえながら解説していきます。

残業が多い

国土交通省が公表した「建設業と他産業の比較」によると、2015年の年間労働時間と年間出勤日数の詳細は以下の通りです。

業界年間実労働時間年間出勤日数
建設業2,056時間251日
製造業1,958時間234日
調査産業計1,734時間224日

このデータから分かるように、建設業界は他の業界よりも勤務時間や出勤日数が多い状態が続いています。

これに加え、施工管理者は「安全・工程・予算・品質・環境」の各項目で工事全体を管理しなければなりません。

各工程の組み直しや人員調整、品質試験や依頼者との会議など、業務内容が非常に多いことから残業が多いと言えます。

工期に余裕がない場合には、連日残業が続くことも珍しくありません。

参照:建設業の働き方として目指していくべき方向性(参考資料)|国土交通省

労働時間が不規則

施工管理者は、工事を統括する立場であり工事の開始時間に合わせて出勤します。

遠方の工事を担当する場合には、早朝に家を出なければなりません。

また、周辺環境などへの配慮により夜間工事となる場合には、夜勤で働くこともあります。

工事によって労働時間が異なるため、生活リズムを整えるのが難しいと言えます。

休日が少ない

前述した通り、建設業界は他の業界よりも出勤日数が多い特徴があります。

施工管理者は、その日の工事内容に関係なく責任者として従事しなければならないため、更に休みにくいと言えるでしょう。

工事が休みの日に関しても、終っていない書類作成業務や別工事の会議などがあり、休日出勤になることもあります。

「休みを楽しんでいたのに、工事でトラブルが発生し午後から出勤になった」といった声もありました。

離職率が高い

厚生労働省が建設労働者の状況と離職について調べたところ、以下のような結果となりました。

【新規学卒就職者の離職状況※3年目までの離職率】

業界新規高卒者新規大卒者
建設業48.5%29.2%
製造業39.6%18.7%
全産業27.3%32.4%

高卒・大卒どちらも高い離職率となっており、高卒者に関しては、入社して3年以内に約半数が辞めていることになります。

結果、建設業界は深刻な人手不足が続いており、業界内の高齢化も問題となっています。

そのため、現場で働く人達の負担も大きくなっており、残業や休日出勤せざるを得ないのが現状です。

出典:建設労働者を取り巻く状況について|厚生労働省

出張と転勤が多い

建設工事は全国各地で行われており、各地に支店のある企業では転勤もあります。

また、遠方の工事を担当する場合には、建物が完成するまでの間、出張となることも珍しくありません。

大掛かりな工事の場合、数ヵ月~数年単位の出張となるケースもあります。

長時間労働で大変な上に、慣れない土地で1人生活するのは大変です。

家族との時間も取りづらく、子供が生まれたタイミングで転職を検討する人も中にはいます。

休日にも勉強する必要がある

施工管理者は、工事で行われるさまざまな工程について熟知しておく必要があり、常に学び続けなければなりません。

施工に関する知識はもちろん、人材管理やコスト管理、安全面の配慮に関する知識も求められます。

また、近年の建設業界はDX技術が積極的に導入されており、建設工事そのものが新しく生まれ変わりつつあります。

最新技術を駆使した工事を管理するには、常日頃から学び続けておかなければなりません。

【DX技術とは】
DX技術とは、AIやIotなどのデジタル技術で収集した情報を用いて、組織やビジネスの仕組みそのものを変えていく技術のことです。建設業界におけるDX技術の導入例には、以下のような内容があります。・AR技術により、タブレット上で建物のBIMデータと、リアルタイムのライブ映像を合成し見える化し、施工管理を支援

 

・工事作業における電話・移動・コミュニケーションミスを減らすため、クラウドをベースとしたコミュニケーションツールを活用

・各作業員の動きをクラウド上でデータ化することで、リアルタイムで全員の動きを共有。AIにより分析を行い、無駄のない動き方に改善していく

顧客と協力会社の調整が難しい

工事予算に合わせて協力会社の選定や、資材の発注、工程の調整を行うのも施工管理者の仕事です。

建設工事は、悪天候や人的ミスにより工程に遅れがでることがあり、都度スケジュールの調整が求められます。

予算が厳しいからといって、あらゆるコストを抑えすぎると現場の負担が高まってしまい、余裕を持ちすぎると自社の利益が少なくなります。

現場・発注者・会社の上司それぞれの意見を聞いた上でのバランス調整は非常に難しく、人間関係によるストレスも溜まります。

板挟みになってしまい、人間関係に疲弊してしまう人も少なくありません。

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施工管理が激務だと言われる理由について解説してきましたが、多忙で辛いだけの仕事というわけではありません。

施工管理者ならではの魅力もあります。

・給料が平均より高い
・需要が高く安定している
・やりがいがある

他の業種と比べて収入や需要がどれほどあるのか、どのようなやりがいがあるのか、現役の施工管理者の声も踏まえながら解説していきます。

給料が平均より高い

施工管理者は、工事全体を管理する責任者の立場であり、誰でも簡単にこなせる仕事ではありません。
建設業界において、貴重な存在であり評価も高いため、収入面は業界の平均より高い傾向にあります。

厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、建設業と施工管理者の平均収入は以下の通りです。

【建設業界と施工管理者の平均年収】
・建設業界全体:537万400円
・施工管理者:620万4,000円

※施工管理者は、建築施工管理技術者の賃金を参考にしています。

施工管理者になれば、仕事の幅が広がるため社内での評価も高まります。

そのため、出世や昇給により年収が上がりやすいと言えます。

また、資格手当も支給されるため、資格を取得してすぐに収入を上げることも可能です。

出典:職業情報提供サイトjobtag 建築施工管理技術者|厚生労働省
出典:令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種|厚生労働省

需要が高く安定している

建設工事を行う場合、計画通り安全に工事が終るように主任技術者や監理技術者の配置が義務付けられています。

施工管理者でなければ、主任技術者・監理技術者にはなれません。

そのため、施工管理者はあらゆる工事に欠かせない存在であり、将来的にも需要が落ちることはないと言えます。

やりがいがある

施工管理者は工事全体を統括する役割を担っており、工事を無事に終わらせるという大きな責任が伴います。

最初から最後まで気が抜けない一方で、工事が無事に終わった際には大きな達成感を得ることができます。

施工管理のやりがいには、他にも以下のような声がありました。

「形に残る仕事であり、担当した建築物を多くの人が利用しているのを見ると、社会に貢献しているといった実感を持てる」

「年上の職人さんからも、信頼してもらえるようになり、工事が終った時には大きなやりがいを感じる」

関連記事:施工管理のやりがいと魅力とは?未経験者におすすめできる3つの理由

施工管理で激務ではない企業を見つける5つの方法

パソコンで情報をまとめている様子

施工管理の仕事は激務であることを解説してきましたが、近年は労働環境の改善が進められています。

施工管理者として、激務を避けて働くには、労働環境の改善に取り組むホワイトな企業を見つける必要があります。

転職や就職の際には、ホワイト企業を見つけるために、以下のようなポイントを意識してみましょう。

・建設業に強い転職エージェントを利用する
・求人内容をよく確認する
・実際に働く人から情報収集する
・会社組織の規模を確認する
・建設業の働き方改革を推進しているか確認する

なぜ転職エージェントがおすすめなのか、どのように情報収集すればいいのか、ポイントごとに詳しく解説していきます。

建設業に強い転職エージェントを利用する

転職エージェントは、転職サイトのように求人を探すだけでなく、経験豊富なキャリアアドバイザーのサポートも受けられます。

就職する上で何を重視するのか、ヒアリングした上で最適な求人を一緒に見つけてくれます。

企業の採用担当者と連絡を取れるため、残業や休日出勤の状況についてリサーチすることも可能です。

また、履歴書や職務経歴書の添削も受けられるため、初めて転職する人でも安心です。

中には、建設業界に特化した転職エージェントもあります。

求人内容をよく確認する

求人を見る際には「給与・休日・資格手当」の内容をチェックするようにしましょう。

給与に関しては、高いに越したことはないのですが、モデル給与の中には残業代も含まれています。

明らかに他の求人よりモデル年収が高い場合、残業が多い可能性もあります。

休日に関しては「週休2日制・完全週休2日制」の企業が理想です。

福利厚生では、資格手当がいくらほど支給されるのか、どのような手当があるのかチェックするようにしましょう。

実際に働く人から情報収集する

建設業界の実情や、繁忙期の残業時間などは求人票だけでは調べられません。

知人に施工管理者と繋がりがある人がいる場合には、積極的に情報収集を行いましょう。

周りに建設業界に従事している人がいない場合は、企業の口コミサイトなどで、労働環境や残業の内容を調べられます。

会社組織の規模を確認する

建設業界には二次請け・三次請け企業が多く存在しており、下請になるほど忙しい傾向にあります。

中小企業が必ず激務というわけではないものの、企業規模についても調べておくようにしましょう。

発注者側と受注者側では、同じ施工管理でも忙しさや工期の内容などが大きく異なります。

ちなみに、発注者側に該当するのは、メーカーやディベロッパー、大手ゼネコンなどの企業となります。

建設業の働き方改革を推進しているか確認する

建設業界では、多忙で危険な労働環境のイメージを払拭するため、働き方改革を積極的に推進している企業が増えてきています。

国土交通省も、若手人材の参入を増やすため「建設業働き方改革プログラム」を推進しています。

長時間労働の是正や待遇面の向上、生産性の改善に向けて、企業がどのような取組みを行っているか、ホームページなどで調べてみましょう。

働き方改革は、大手ゼネコンなどが力を入れている傾向にあります。

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施工管理が激務ではないと感じる人の特徴6選

ビルで工事の話し合いをしている様子

施工管理の仕事は激務だと解説しましたが、仕事に対する適性によっても辛さの感じ方に大きな差が生まれます。

施工管理の適性があれば、そこまで激務に感じないという可能性もあります。
施工管理の仕事を激務に感じにくい人の特徴は、以下の通りです。

・スケジュール調整するのが得意
・決断力が早い
・コミュニケーション力がある
・外での仕事が苦にならない
・冷静に仕事ができる
・デスクワークが苦手ではない

なぜこのような特徴を持つ人が、施工管理の仕事に向いているのか、仕事内容を踏まえながら解説していきます。

スケジュール調整するのが得意

スケジュール調整などを立てるのが得意な人は、施工管理の仕事が向いています。

施工管理者は、工期に合わせて工程ごとに細かい日程調整をしなければならないからです。

天候によって工程を前後させたり、資材の納品日に合わせて人員配置を変えたりする業務があります。

細かいスケジュール調整が得意で苦痛に感じないような人は、施工管理の仕事に向いていると言えます。

決断が早い

決断力があり、素早く決断できるような人も施工管理の仕事に向いていると言えます。

施工管理者は、工事の責任者として問題が発生するたびに決断を迫られるからです。

適切で素早い判断は、後の工程に大きく影響します。

自分で考え物事を決断するのが好きな人は施工管理者に向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション力がある

コミュニケーション能力が高く、人と話すことが好きな人も施工管理者に向いています。

施工管理者は、工事全体を計画通り進めるために、各工程に携わる責任者や職人に指示出しを行います。

年上で自分よりも経験豊富な職人であったとしても、適切に指示出しをしなければなりません。

多くの人から信頼を得るには、どのような人でも積極的に話せるコミュニケーション能力が必須と言えます。

年齢や性別に関係なく、周りと仲良くなれるような人は、施工管理者に向いていると言えるでしょう。

外での仕事が苦にならない

野外での仕事を苦に感じないことも、施工管理の仕事をこなす上で大切な特徴です。

施工管理者は、作業自体を手伝うことはないものの、工事現場を歩き回りながら仕事をこなします。

野外の工事現場はエアコンなどが効いておらず、熱さや寒さに耐えながら仕事をこなさなければなりません。

体力に自信があり、現場での仕事に抵抗がない人は施工管理の仕事が向いていると言えます。

冷静に仕事ができる

施工管理者はあらゆる観点から工事を管理する必要があり、現場や発注者の要望をくみ取りつつ適切に指示出しします。

職人や発注者との板挟みになることもある中で、感情的になってしまっては、工事全体に影響がでてしまいます。

時には近隣住民からクレームが入ったり、職人に反抗されたりすることもある中で、冷静に対処できるような人は、施工管理者に向いていると言えます。

デスクワークが苦手ではない

施工管理者は、現場を歩き回り指示出しするだけでなく、工事に関する報告書なども作成します。

そのため、体を動かすことが好きでありながら、デスクワークも得意としているような人は施工管理の仕事に向いていると言えるでしょう。

特に近年は、専用端末などを活用しデータ管理するようになってきているため、デスクワークの割合も増えてきています。

施工管理の激務に関するよくある質問

夜間に設備点検する様子

最後は、施工管理の激務に関する、2つのよくある質問に答えていきます。

・施工管理は忙しい仕事ランキング何位ですか?
・施工管理は誰でもなれる仕事ですか?

他の仕事と比べた施工管理者の忙しさや、施工管理者になる難しさに関する内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

施工管理は忙しい仕事ランキング何位ですか?

多くの求人を取り扱う「doda」が、94職種を対象に平均残業時間の調査を行った結果、以下のような順位となりました。

【残業時間が多い職種ランキング】

第1位:ディレクター・プロデューサー:37.1時間
第1位:ビジネスコンサルタント:37.1時間
第3位:施工管理:35.3時間
第4位:商品企画、サービス企画:34時間
第5位:運輸、物流サービス:31.1時間

94職種中、施工管理の仕事は3番目に残業が多いという結果となりました。

あくまでも平均であり、残業の少ない企業もあるものの、施工管理者は他の職種と比べても多忙であると言えます。

参考:残業が少ない仕事・多い仕事は?平均残業時間ランキング【94職種別】|doda

施工管理は誰でもなれる仕事ですか?

施工管理は誰でも目指せる仕事であり、2級施工管理技士の一次試験は、満17以上であれば受験可能です。

ただし、二次試験に関しては学歴に応じて実務経験の指定があります。

施工管理に関係する学校を卒業していない場合、8年以上の実務経験が必要です。

工事全体を管理するためには、各工程に関する専門的な知識が必須であり、管理スキルも求められます。

誰でも目指せる一方で、一人前の施工管理者として活躍するまでには長い下積みが必要です。

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施工管理の激務についてのまとめ

腕を組む技術スタッフの様子

施工管理の仕事は、工事全体をまとめ上げる役割を担っており、仕事量が多いという特徴があります。

工期に余裕がない場合、連日残業となることもあり、休日出勤も珍しくありません。

ただし、近年は働き方改革が積極的に進められており、激務だった状況少しずつ改善されつつあります。

また、施工管理者にはさまざまなやりがいや魅力もあります。

激務ではあるものの、将来性が高く人気の職種と言えるでしょう。

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