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運行管理者のデメリットとメリットは?仕事内容や年収、資格取得までの流れ

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運行管理者のデメリットとメリットは?仕事内容や年収、資格取得までの流れ

ドライバーのキャリアチェンジの選択肢として、運行管理者という職業があります。

しかし、そもそも運行管理者がどのような仕事をしているのかは、あまり広く知られていません。

そこで本記事では、運行管理者になるメリット・デメリット運行管理者資格の取得方法運行管理者の給料などについて解説します。

運行管理者とは:自動車運送事業に必要な国家資格

運行管理者とは:自動車運送事業に必要な国家資格

まず、運行管理者とはどのような職業なのかについて詳しく解説していきます。

運行管理者は自動車運送事業に必要な国家資格で、国土交通省は以下のように定義しています。

運行管理者は、道路運送法及び貨物自動車運送事業法に基づき、事業用自動車の運転者の乗務割の作成、休憩・睡眠施設の保守管理、運転者の指導監督、点呼による運転者の疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示等、事業用自動車の運行の安全を確保するための業務を行います。

引用:国土交通省「自動車運送事業の運行管理者になるには」

事業用自動車とはトラックやタクシーといった、運送業務に使う自動車のことで、その事業用自動車の安全を管理するのが運行管理者です。

運行管理者の資格取得の要件

運行管理者の資格取得の要件

運行管理者になるためには「運行管理者資格者証」を取得する必要があり、業務の種類によって

「一般乗合旅客」「一般貸切旅客」「一般乗用旅客」「特定旅客」「貨物」の5つに分けられています。

「運行管理者資格者証」取得の手段としては「運行管理者試験に合格する」「事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について一定の実務経験を積む」の2通りの方法があります。

運行管理者試験の合格率は約38〜40%

運行管理者試験の合格率は約38〜40%

では、実際の運行管理者試験の合格率を紹介します。下記の表は令和4年度第1回試験の概要を表しています。

  貨物 旅客
試験実施県 47都道府県 47都道府県
受験者数(人) 28,804 5,403
合格者数(人) 11,051 2,167
合格率(%) 38.4 40.1
参考:運行管理者試験センター「令和4年度第1回試験の実施状況」

「貨物」の試験では受験者数28,804人に対して合格者が11,051人、合格率は38.4%

一方、「旅客」の試験は受験者数5,403人に対して合格者が2,167人、合格者は40.1%と、両試験とも合格率は約40%となっていることがわかります。

運行管理者の仕事内容|8選

運行管理者の仕事内容|8選

続いて、運行管理者の業務内容について説明します。

自動車の安全管理を行う運行管理者の業務内容は多岐にわたりますが、ここでは8つに分けて紹介します。

労務管理

運行管理者の業務内容1つ目は、労務管理です。

ドライバーの労働時間や残業時間を記録し、勤務時間の管理をする業務です。

休憩時間や睡眠時間も管理してシフトの作成なども行います。

安全運転の指導

運行管理者の業務内容2つ目は、安全運転の指導です。

事故やトラブルを未然に防ぐために安全指導を行い、ドライバーの安全運転への意識を高める業務です。

定期的に講習会を開催して、実際の事故の状況やトラブルを例に挙げながら安全運転の指導を行います。

車両の管理

運行管理者の業務内容3つ目は、車両の管理です。

会社や事業所が保有する事業用自動車の管理も運行管理者の業務です。

車両にトラブルがある状態で走行をしてしまうと事故やトラブルの原因となり、自社はもちろん取引先にも迷惑をかけることになります。

そのような事態にならないように、運行管理者は常日頃から入念に車両管理を行う必要があります。

ただし、車両の点検作業そのものは運行管理者以外が担当し、運行管理者はその報告を受けて最終確認するというケースがほとんどです。

また、万が一ドライバーが車両に異変を感じたときは運行管理者に報告が行き、その報告を受けた運行管理者はスタッフと連携して原因を調査して、問題解決に注力します。

このときの運行スケジュールの調整・管理も、運行管理者が担います。

運行計画の作成

運行管理者の業務内容4つ目は、運行計画の作成です。

納期やドライバーの能力・キャリアを考慮して、滞りなく業務をこなせるスケジュールを運行管理者が作成します。

例えば、キャリアの浅いドライバーは中距離の運送、効率のよい運送が見込めるベテランドライバーには長距離の運送というような計画の立て方です。

ドライバーはその運行計画に則って行動するため、この運行計画に問題があると各方面に大きな影響を与えることになります。

さらに、最新の道路情報をチェックして効率的で安全なルートをドライバーに伝達することも、運行管理者の重要な業務です。

健康状態の確認

運行管理者の業務内容5つ目は、健康状態の確認です。

ドライバーの疲労度や健康状態を確認するのも、運行管理者の業務です。

万が一健康状態に問題があったり、運転前に飲酒をしていたりした場合は、ドライバーの差し替えも行わなければなりません。

運転に関する記録

運行管理者の業務内容6つ目は、運転に関する記録です。

「誰がどの時間にどこを走っているか」などの乗務記録や運行記録、事故が起きた場合には事故の記録といったように、運行に関する様々なデータを収集・管理する業務です。

交替運転者の配置

運行管理者の業務内容7つ目は、交替運転者の配置です。

長距離運転や夜間運転の場合、交代要員のドライバーを配置しておく必要があるため、その手配も運行管理者が担当します。

異常気象時の措置

運行管理者の業務内容8つ目は、異常気象時の措置です。

異常気象や天災などの理由により、安全運転が難しいと判断した場合には、運行管理者が各ドライバーに指示を送り、適切な措置を講じます。

運行管理者の年収は約300〜800万円

運行管理者の年収は約300〜800万円

運行管理者の正社員の平均月収は約34万円です。ドライバーが25万円前後であるため、月収で約10万円の違い、年収では賞与などを含めると約150万円の違いがあります。

この金額は企業によっても異なります。

例えば、中小企業に勤める運行管理者は年収300〜400万円ほどが一般的ですが、大手企業の場合は年収600万円〜800万円ほどです。

このように、運行管理者の平均月収・年収は、ドライバー職が中心の運送業界では高水準と言えます。

関連記事:運行管理者の仕事内容とは?年収事情や将来性も解説

運行管理者の資格を取得する2つの方法

運行管理者の資格を取得する2つの方法

運行管理者の資格を取得するには、2つの方法があります。

運行管理者試験に合格する

運行管理者の資格を取得する方法1つ目は、運行管理者試験に合格することです。

運行管理者試験の合格を目指す場合は、運行管理者試験センターが実施している試験を受験しなければなりません。

しかも、この試験は誰でも受験できるわけではなく、以下2要件のいずれかを満たしている場合にのみ受験が認められています。

  1. 事業用自動車(事業の種別は問わない)の運行管理に関して1年以上の実務経験を有している
  2. 自動車事故対策機構が行う基礎講習を修了している

また、試験は「旅客」と「貨物」の2種類に分かれており、道路運送法や労働基準法といった業務に関連する法知識が問われる内容となっています。

国土交通省の定める要件を満たす

運行管理者の資格を取得する方法2つ目は、国土交通省の定める要件を満たすことです。

国土交通省が定める要件とは、以下の通りです。

取得しようとする運行管理者資格者証の種類(一般乗合旅客、一般貸切旅客、一般乗用旅客、特定旅客、貨物)ごとに、それぞれに応じた種別の自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除きます。)の事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、その間に運行の管理に関する講習を5回以上受講していること等の要件があります。運行の管理に関する講習として、自動車事故対策機構が行う基礎講習及び一般講習が認定されており、5回以上の講習のうち、少なくとも1回は基礎講習を受講している必要があります。

引用:国土交通省「自動車運送事業の運行管理者になるには」

つまり、最低5年の実務経験と5回以上の講習受講が必須となることです。

運行管理者試験は2021年からCBT試験に全面移行

運行管理者試験は2021年からCBT試験に全面移行

運行管理者試験に関して補足して説明します。

運行管理者試験はこれまで筆記試験のみで実施されていましたが、2021年度(令和3年度)の第3回試験からは、パソコンを使って解答する「CBT試験」に全面移行されました。

CBT試験は指定された期間から希望日を選んで受験するスタイルとなっており、

最新の令和4年度第2回運行管理者試験の試験日は令和5年2月18日(土)~3月19日(日)となっています。

なお、試験会場も選択できるため、これまでよりも受験のハードルはグッと下がりました。

関連記事:運行管理者資格の試験難易度を解説!資格取得の近道とは?

運行管理者のデメリットとメリット

運行管理者のデメリットとメリット

ここまでは運行管理者の仕事内容や資格取得方法について詳しく解説してきました。

続いては運行管理者の仕事の実態を説明するために、運行管理者になるメリットとデメリットを紹介します。

運行管理者になるデメリット

まずは、運行管理者になるデメリットから紹介します。運行管理者になるデメリットは主に3つです。

勤務時間が不規則

運行管理者になるデメリット1つ目は、勤務時間が不規則なことです。

運行管理者はドライバーが運転をしている時間帯に業務をこなすため、場合によっては夜勤や早朝の勤務が発生します。

さらに、それら時間帯の勤務も「毎週何曜日に発生する」と決まっているわけではないため、勤務時間は不規則になりがちです。

また、道路状況や天候の悪化などで想定外の業務が発生することもあり、残業や時間外勤務が必要となる場合もあります。

責任が重い

運行管理者になるデメリット2つ目は、責任が重いことです。

運行管理者の仕事はドライバーの安全を守ることであるため、事故が発生した場合には運行管理者が責任を問われる可能性があります。

そして、結果的にその責任の重さが自分自身の負担になり、仕事のパフォーマンスに悪影響を与える、という悪循環に陥る可能性もあります。

仕事の責任の重さに耐えきれず、運行管理者を辞める人も一定数いるのが現状です。

業務範囲が広い

運行管理者になるデメリット3つ目は、業務範囲が広いことです。

運行管理者の仕事は多岐にわたっており、一人でこなすにはかなり業務範囲が広いと言えます。

特に、電話応対やクレーム対応などの対人業務はストレスの原因になりやすく、精神的にもかなりの負担になる可能性は否定できません。

運行管理者になるメリット

続いて、運行管理者になるメリットを紹介します。運行管理者になるメリットは主に3つです。

内勤できる

運行管理者になるメリット1つ目は、内勤ができることです。

ドライバーは常に自動車を運転する仕事ですが、運行管理者の業務は事務所内でのデスクワークがメインです。

そのため、不規則なシフトで長時間運転し続けることも多いドライバーとは違って、精神的・体力的な負担が少なく、ワークライフバランスを保って勤務がしやすい仕事と言えます。

転職するのに有利

運行管理者になるメリット2つ目は、転職するのに有利であることです。

運行管理者はトラック運送会社やタクシー会社、バス会社など、事業用自動車を要する様々な会社で必要とされていますが、

資格取得者の数は限られているため、運送業界の転職市場では価値の高い人材として扱われます。

また、運行管理者の資格はある程度の実務経験の証明にもなるため、入社後すぐに即戦力として業務を任せてもらえる可能性も高いです。

将来性がある

運行管理者になるメリット3つ目は、将来性があることです。

トラックやタクシーなどの事業用自動車を保有している会社や事業所には、運行管理者の配置が義務づけられているため、運行管理者には一定の需要があります。

加えて、保有しているだけで資格手当が支払われたり、昇給や昇進の条件になっていたりするため、運行管理者は将来性がある職業と言えます。

関連記事:運行管理者の給料相場は?年収や求人例について詳しく解説

運行管理者のデメリットとメリットに関するまとめ

運行管理者のデメリットとメリットに関するまとめ

いかがだったでしょうか。今回は運行管理者になるメリット・デメリットを紹介しました。

運送業界において運行管理者の需要は今後もますます高まっていくことが予想されるため、本記事を参考にして運行管理者資格の取得を目指してみてください。

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この記事を書いたライター

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高坂 勇介

工業高校で電気技術・機械制御・自動車工学を専攻。卒業後、複数業種を経験したのち、大手プラントメーカーで非破壊検査、造船メーカーで品質・工程管理に従事。物流業者への発注業務も多数経験。現在は製造・建設業界で培った12年の知識と経験を活かし、転職専門ライターとして活動中。

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