工場勤務に将来性はある？AIに奪われにくい業務とは

工場勤務は、あらゆる製品を製造する仕事であり、人々の生活に大きく関わっています。

近年の製造業は、人手不足が問題視されており、未経験者を歓迎する工場勤務の求人が多くあります。

福利厚生が手厚く、別業界からの転職者も多い人気の職種です。

しかし、近年はAI技術の導入が進んでいるため「将来的になくなる仕事」といった声もあります。

本当に転職しても大丈夫なのか、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

今回は、工場勤務の将来性や転職するメリットを中心に分かりやすく解説していきます。

【この記事でわかること】
・工場勤務の将来性について
・工場勤務を含む製造業の平均年収
・工場勤務として働く3つのメリット
・工場勤務に関するよくある質問

工場勤務に将来性はあるのか

近年は、著しいスピードでAI技術が進歩しており、さまざまな業界で導入が進んでいます。

人によって行われていた作業をロボットが代行するようになり、便利になった反面、仕事を失う人も少なからず出てきています。

今後は更に、ロボットが代行する作業が増えるとされており、いずれなくなる仕事もあるかもしれません。

その中の1つに工場勤務がありますが、本当に仕事自体がなくなるのでしょうか。

ここでは、工場勤務の現状を踏まえながら、将来性について詳しく解説していきます。

AIの活用やDXの推進が課題

冒頭で解説した通り、製造業は人手不足が続いており、少子高齢化が進むことにより、更に深刻化すると予想されています。

この問題の解消に期待されているのが「AI技術やDX技術の推進」です。

【AI技術とは】
AI技術とは、人工知能が人のように自分で学習した上で、行動する技術のことです。学習が進めば、人が指示することなくAI自身で物事を判断するため、さまざまな業務に活かせます。具体的な導入例には、自動車の自動運転や製造工場における不良品の検知、Google翻訳などがあり、人々の生活に欠かせない技術となっています。

【DX技術とは】
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、AI技術やIot技術といったデジタル技術によって、業務効率を改善したり、新しいビジネスモデル創出を目指したりするためのものです。

実際にさまざまな取組みが行われており、製造業における導入事例には以下のような内容があります。

・製品の入出庫処理を手作業からDX技術による自動化に変更
・各工場間の部品在庫情報の共有
・各ライン作業工程の作業進捗状況の一元管理

製造業におけるAI技術は、ロボットによる作業代行がメインであるのに対し、DX技術は生産管理や品質管理の効率化がメインとなります。

Iotとはモノとインターネットを繋げる技術のことで、製造業におけるAI技術やDX技術の導入は以下のようなイメージとなります。

・AI技術によりロボットが製造作業を実施
・Iot技術によりオンラインで製造情報を共有
・DX技術により、情報の一元管理を実施

工場勤務で将来性がある業界

製造業におけるAI技術やDX技術の導入で誤解されがちなのが「業界(仕事)がなくなる」ということです。

AI技術やDX技術が進歩すれば、人間が行っている作業をロボットが行うようになります。

しかし、人々の生活に必要なものは常に需要があるため、製造業自体がなくなることはありません。

ロボットが作業を代行するようになったとしても、それを管理する人材は必要です。

今後も需要がなくならないと予想される、将来性の高い業界は3つあります。

・製造業
・建設業
・自動車製造業

この3つの業界は人々の生活に欠かせないものであり、仕事の内容が変わったとしても需要自体はなくなりません。

製造業に関しては、食品や電気機器、繊維などあらゆる業種がありますが、どれも生活に欠かせないものであり、需要が落ちることはないでしょう。

ちなみに、今後更に需要が高まっていくと予想されているのは「電気自動車産業」と「医療機器産業」です。

直近では、新型コロナウイルスによる巣ごもり需要により、家電製品関連の市場も高まっています。

AIに奪われにくい業務は多い

AI技術やDX技術の導入により、仕事内容は変わったとしても、製造業・工場勤務の需要はなくならないと説明しましたが、AIでは代行できないものもあります。

熟練の作業員が、簡単に行っているように見えるライン作業は、微調整が必要な作業が多くあります。

湿度や気温によって変化する素材の加工や、材料の混ぜ具合など一見簡単そうに見える作業でもロボットに代行させることは困難と言えます。

単純な作業はロボットが行うようになりますが、作業スキルや経験があれば、将来的にも長く活用できるでしょう。

工場勤務が多い製造業の平均年収

転職する際に気になることの1つに収入がありますが、工場勤務を含む製造業の年収は、業種によって内容が異なります。

厚生労働省が公表している、製造業の業種別の平均年収は以下の通りです。

製造業・業種	所定内給与額	年間賞与・その他給付額	推定年収
紡織・衣服・繊維製品製造	20万1,000円	28万4,200円	269万6,200円
食料品・飲料・たばこ製造	21万9,700円	42万8,900円	306万5,300円
電気機械器具組立	24万6,500円	72万1,700円	367万9,700円
ゴム・プラスチック製品	25万9,900円	73万6,500円	385万5,300円
鋳物製造・鍛造	28万3,700円	79万1,800円	419万6,200円
はん用・生産用・業務用機械器具組組立	28万2,300円	96万1,100円	434万8,700円
自動車組立	28万6,200円	94万4,800円	437万9,200円
化学製品製造	29万3,200円	105万7,300円	457万5,700円