機械設計エンジニアの転職で、不採用にならない自己PRのコツと書き方を知りたい人も多いのではないでしょうか。
実際に、機械設計エンジニアの転職で、自己PRのコツや書き方のポイントは、経験の有無によって異なります。たとえば、経験者の場合、企業が求める機械設計の技術力屋実績を記載しなければなりません。
一方の新卒・未経験者は、自己PRの中でなぜ応募先の企業で働きたいのかや機械設計を学ぶ意欲を伝える必要があります。
この記事では、機械設計エンジニアの転職に役立つ自己PRの書き方や例文を、経験者と未経験者のケースに分けて紹介します。機械設計エンジニアへの就職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
機械設計エンジニアが自己PRを作成する流れ
自己PRを作成する際、過去の実績や経験を効果的にアピールするためには、適切なステップに従って準備することが重要です。
以下に、機械設計エンジニアが自己PRを作成する際の大まかな流れを解説します。
過去の実績を整理する
まずは、自身がこれまで携わってきたプロジェクトや業務の中で、成果や貢献を挙げた経験を洗い出しましょう。例えば、以下のような具体的な実績をリストアップします。
- 新規開発プロジェクトのリーダーとして、製品を成功させ、1年で△△円の売上に貢献
- 3D CADを活用した効率的な設計プロセスの構築により、製品開発期間を短縮
- 技術的な課題解決を通じて、製品の品質向上に成功
転職先に求められるスキルを考慮して絞り込む
次に、転職先企業やポジションで求められるスキルや能力を意識し、どの実績が最も効果的にアピールできるかを絞り込みます。
例えば、応募する企業が求めているのがプロジェクト管理能力やリーダーシップであれば、これに関連する実績を優先的に選びましょう。
経験をスキルに置き換える
選び抜いた実績を基に、それを証明するスキルや能力に変換します。たとえば、新規開発プロジェクトのリーダーとしての経験からは、以下のようなスキルを導き出すことができます。
- プロジェクトマネジメントスキル
- リーダーシップ
- 問題解決能力
このように、企業が求めるスキルセットと自身の実績を結びつけていくことがポイントです。
100〜200文字で簡潔にまとめる
自己PR文は、採用担当者が読みやすいように、履歴書や職務経歴書の記入欄の7〜8割程度を目安に、100〜200文字でまとめることが重要です。
文字数が多すぎると読みにくくなり、内容が伝わりにくくなるため、要点を絞って記載しましょう。例えば、以下のようにまとめると良いです。
このように、実績を簡潔に示し、転職先での貢献を具体的に伝えることが大切です。
【経歴別】機械設計エンジニアの自己PRのコツ
機械設計エンジニアの自己PRのコツは、自身が経験者か未経験者かによって異なります。
ここでは、経歴別に自己PRのコツについて解説します。
機械設計エンジニア「経験者」向け
機械設計エンジニア「経験者」向けの自己PRのポイントは3つです。
- 企業が求める機械設計の技術力を記載する
- 機械設計エンジニアとして経験した詳細を記載する
- 専門的なツール・ソフトの使用歴を記載する
それぞれのポイントについて解説します。
企業が求める機械設計の技術力を記載する
シンプルに「機械設計経験○年」と書き記すのではなく、企業が求める技術力を具体的に明記しましょう。
たとえば、過去にどのようなツールを活用して、どのような製品や部品を設計したのか明記すると、企業の採用担当者は技術力を評価しやすくなります。
複数の実績があるのであれば、転職したい業界に近しいものを明記しましょう。
また、機械設計エンジニアに役立つ「機械設計エンジニア1級〜3級」・「技術士(機械部門)」・「機械・プラント製図技能士」・「CAD利用技術者」の資格があれば記述しましょう。採用担当者は求職者の保有資格から技術力を把握できます。
機械設計エンジニアとして経験した詳細を記載する
機械設計エンジニアとして経験したプロジェクトを具体的に記述しましょう。過去実績の詳細な記述は自分の強みやスキルの裏付けになります。
たとえば、どのようなプロジェクトに参画して、どのような製品・装置の設計に携わったのかを具体的に説明します。
また、設計による数値を交えた成果も可能な限り明記しましょう。採用担当者が自己PRを読む時間は限られています。具体的なデータがあると、書類審査で通過する確率が上がると言われています。
専門的なツール・ソフトの使用歴を記載する
機械設計エンジニアにとって、CAD(Computer Aided Design)やCAE(Computer Aided Engineering)などのツールを使いこなせなければ、仕事になりません。
専門的なツール・ソフトの使用歴を明確に記述しましょう。また、ツール・ソフトを活用して得られた成果も併せて記述するとよいでしょう。
機械設計エンジニア「未経験者」向け
機械設計エンジニア「未経験者」向けの自己PRのポイントは3つです。
- 機械設計の職種以外でアピールできる内容を記載する
- なぜ応募先の企業で働きたいのか詳細に記載する
- 機械設計を学ぶ意欲を記載する
それぞれのポイントについて解説します。
機械設計の職種以外でアピールできる内容を記載する
機械設計の経験がない場合でも、過去に培ってきたスキルや経験は必ず活かせます。したがって、機械設計の職種以外での経験や実績でもアピールしましょう。
たとえば、分析力・問題解決力・コミュニケーション能力などに関しては、機械設計の職種以外でも身につけられます。また、機械設計エンジニアの業務でも分析力・問題解決力・コミュニケーション能力は重宝されます。
機械設計の職種以外でもアピールできる内容は記述しましょう。
なぜ応募先の企業で働きたいのか詳細に記載する
機械設計エンジニア未経験の場合、応募先の企業で働きたい理由は経験者以上に求められます。単に「貴社に興味があります」と伝えるだけでは採用担当者に熱意が伝わりません。
したがって、なぜ応募先の企業で働きたいのかを具体的に説明しましょう。
たとえば、機械設計エンジニアは未経験であるものの、応募先の企業が前職の業界と一致していたり企業理念に共感したりしている点は志望動機になり得ます。
機械設計を学ぶ意欲を記載する
機械設計に関する業務を経験していない場合は、これから機械設計の世界で長期的なキャリアを積みたい旨を明記しましょう。そのために、機械設計を学ぶ意欲を記述しなければなりません。
どのように機械設計を学んでいくのか、具体的な計画を説明しましょう。一方で、自身の成長だけにフォーカスした自己PRは厳禁です。
機械設計を学んだ先に、企業でどのように寄与できるのかまで伝えましょう。
【用途別】機械設計エンジニアの自己PRの例文
機械設計エンジニアの転職で不採用にならない自己PRの書き方は、経験の有無によって異なります。
- 機械設計エンジニア「経験者」向けの自己PR方法
- 機械設計エンジニア「新卒・未経験者」向けの自己PR方法
機械設計エンジニア「経験者」向け自己PRのサンプル
機械設計エンジニア「経験者」向けの自己PR方法ならびに例文を3つに分けて紹介します。
- 機械設計のスキルを自己PRする
- 入社してから貢献できる内容を自己PRする
- 機械設計の適性を自己PRする
機械設計のスキルを自己PRする
機械設計を経験している場合、スキルを伝える際に経験年数や実績を盛り込み、説得力を持たせましょう。
機械設計のスキルを自己PRする例文は、次のとおりです。
前職では、○○部品の○○を担当し、従来部品よりも○○%コストダウンしながら、強度の維持に成功しました。貴社でも、これまで培ってきた経験とスキルを活かし、高品質な機械設計に寄与したいと考えております。
転職活動する上でスキルの自己PRは特に重要です。
入社してから貢献できる内容を自己PRする
機械設計エンジニアとして入社してから応募先の企業に寄与できる内容を、自己PRしましょう。
機械設計エンジニアとして入社してから応募先の企業に寄与できるイメージを採用担当者に持たせる例文は、次のとおりです。
私は前職で○○部品の○○を担当し、従来部品よりも○○%コストダウンしながら、強度の維持に成功しました。
この経験から、貴社で質・コストを意識した製品開発に寄与いたします。
応募先の企業は、求職者が会社に寄与できるのかをチェックしています。したがって、入社してから寄与できる内容に沿った自己PRが重要です。
機械設計の適性を自己PRする
企業は入社後、長期間働いてくれるのかを確認しています。したがって、機械設計エンジニアの適性を自己PRしなければなりません。
機械設計エンジニアの適性を自己PRする例文は、次のとおりです。
また、チームワークを大切にし、周囲と協力しながら目標達成を目指す性格です。貴社でも、常に向上心を持って、チームの一員として長きにわたって活躍したいと考えております。
機械設計の適性も、過去の経験を踏まえて明記できるとよいでしょう。
参考:職務経歴書における自己PR欄の必要性と書き方について | マイジョブ・カード
機械設計エンジニア「新卒・未経験者」向け自己PRのサンプル
機械設計エンジニア「新卒・未経験者」向けの自己PR方法ならびに、例文を3つに分けて紹介します。
- 対応できる業務内容を自己PRする
- コミュニケーション力を自己PRする
- 入社してから貢献できる内容を自己PRする
対応できる業務内容を自己PRする
機械設計の業務を経験していなくても、対応できる業務内容を自己PRしましょう。
対応できる業務内容を自己PRする例文は、次のとおりです。
大学で学んだ知識を活かして、貴社の製品開発に貢献したいと考えております。
具体的には、設計図の作成や部品の選定、強度計算などを担当し、先輩方のサポートをしながら、実務経験を積み、将来的には貴社の中心的な機械設計エンジニアになります。
機械設計の業務を経験していなくても、過去の経験から貢献できる業務はあるはずです。可能な限り対応できる業務内容を自己PRに盛り込みアピールしましょう。
コミュニケーション力を自己PRする
機械設計の業務を経験していなくても、コミュニケーション力をアピールできる可能性があります。
機械設計の業務を経験していない人が、コミュニケーション力を自己PRする例文は次のとおりです。
貴社に入社後は、先輩や同僚と積極的に意見交換を行い、チームの一員として貢献したいと考えております。また、顧客とのコミュニケーションを通して、ニーズを正確に把握し、顧客満足度の高い製品開発に貢献します。
培ったコミュニケーション力をどのように企業で活かすのかも記述できるとよいでしょう。
入社してから貢献できる内容を自己PRする
機械設計の業務を経験していなくても、入社してから貢献できる内容を自己PRしましょう。
機械設計の業務を経験していない人が、入社してから貢献できる内容の自己PRは次のとおりです。
貴社に入社後も積極的に新しい技術を学び続ける予定です。最新の技術を取り入れた設計で、貴社の製品開発に貢献したいと考えております。
過去の取り組みや意気込みから入社後の働きぶりをイメージできる自己PRを作成しましょう。
機械設計エンジニアが評価されやすいスキル
機械設計エンジニアが持つスキルは、他職種への転職においても非常に高く評価されます。ここでは、特に強みとなる3つのスキルを紹介します。
機械工学の知識
機械設計エンジニアとして習得した機械工学の知識は、あらゆる業界で大きな強みとなります。
機械を扱う企業に限らず、食品工場や医療機関など、機械を使うさまざまな分野で必要とされるため、転職先の幅が広がります。
特に生産設備や医療機器のメンテナンスをおこなう技術者は需要が高く、重宝されるでしょう。
機械力学・材料力学の知識
機械力学や材料力学に関する知識も転職市場で高く評価されます。これらのスキルは、自動車や重機の構造設計や強度解析、また振動対策に欠かせないものです。
さらに、材料力学の知識は、製品の軽量化や耐久性向上に役立ち、航空宇宙産業や自動車業界、電子機器製造など、多岐にわたる分野で貢献できる可能性があります。
流体力学・熱力学の知識
流体力学や熱力学の知識も、エネルギー効率や環境負荷削減が求められる現代では重要視されます。
これらの知識は、自動車や航空機、プラント、ダム設計など、多様な分野で役立つものです。特にエネルギーや環境技術に関連する職種では、これらのスキルを持つエンジニアが高く評価されます。
CADスキル
機械設計エンジニアの必須スキルであるCADも、転職市場で強力な武器になります。
2Dや3Dの設計図作成はもちろん、複雑な構造物のモデリングやシミュレーションが可能で、さまざまな業界で重宝されます。
特に3DCADを扱える技術者の需要は増加しており、今後も3Dプリンターの進化と共にその価値はさらに高まるでしょう。
機械設計エンジニアの避けるべき自己PRの書き方|3選
機械設計エンジニアの避けるべき自己PRの書き方は3つです。
- 業務に関係ないことばかり記載する
- 短所ばかり記載する
- 自分を大きく魅せるウソの内容を記載する
それぞれについて解説します。
業務に関係ないことばかり記載する
自己PRは、あくまでも機械設計エンジニアとしての能力や経験、今後の働きぶりをアピールする場です。趣味や特技などの業務に関係ない内容を長々と記述するのは避けましょう。
企業の採用担当者は、応募者の業務能力を求めています。一方で、私生活に関する情報は重要ではありません。また、業務に関係ない内容が多いと、自己PRの内容が薄くなり、説得力が弱くなります。
仮に、採用担当者が求職者の私生活に関する話に触れたい場合は、面接で質問されるでしょう。私生活に関する質問の例は、ストレスの発散方法などです。
短所ばかり記載する
自己PRでは、自分の強みや能力のアピールが重要です。短所を正直に伝えることは大切ですが、多く記述する必要はありません。
実際に、自己PRで短所ばかり強調すると、ネガティブな印象を与えてしまいます。また、短所を記載する場合は、マイナス面をどのように克服して成果を出したのかまで明記しましょう。
自分を大きく魅せるウソの内容を記載する
機械設計エンジニアへの就職に向けて、自己PRで自分を大きく魅せるウソの内容を記述するのは避けましょう。
自己PRで記述した内容をもとに、企業の採用担当者が面接を実施します。その結果、面接で自己PRの内容を深掘りされた際に、ウソがばれるかもしれません。
また、仮に入社できたとしても、企業が求める人物像と求職者がマッチせず、双方がつらい思いをするでしょう。
機械設計エンジニアの自己PRに関するよくある質問
機械設計エンジニアの自己PRに関するよくある質問は次のとおりです。
- 機械設計エンジニアの自己PRは短くても大丈夫ですか?
- 自己PRは何個くらい用意すればいいですか?
- 自分自身の強みと自己PRの違いは何ですか?
それぞれについて解説します。
機械設計エンジニアの自己PRは短くても大丈夫ですか?
自己PRは、短くても大丈夫と言われています。ただし、具体性に欠ける場合は、文章を肉付けする必要があるでしょう。
一方で、文字数の指定があれば、ルールに則った自己PRを作成しましょう。
企業の採用担当者は多くの求職者の自己PRを確認します。長々と自己PRを記述しても頭に入ってこない可能性があります。
簡潔にポイントを絞って伝えるとよいでしょう。
自己PRは何個くらい用意すればいいですか?
自己PRは3個ほど用意するのが一般的です。
たとえば、1個だけ準備した場合、面接で「他にもありますか」と質問された際に回答できない可能性があります。
一方、4個以上になると、自己PRの内容が長くなりすぎてしまうでしょう。
自分自身の強みと自己PRの違いは何ですか?
自分自身の強みでは、スキルをアピールするケースが一般的です。一方で、自己PRでは、過去の経験やスキルを活かした実績を伝えて、貢献度をアピールしなければなりません。
自分自身の強みを踏まえた自己PRを作成できると、説得力が増すでしょう。
関連記事:機械設計エンジニアにおすすめの資格10選|メリットや難易度も
機械設計エンジニアの自己PRに関するまとめ
今回は、機械設計エンジニアの転職に役立つ自己PRの書き方や例文について解説しました。
機械設計エンジニア「経験者」向けの自己PRのポイントは3つです。
- 企業が求める機械設計の技術力を記載する
- 機械設計エンジニアとして経験した詳細を記載する
- 専門的なツール・ソフトの使用歴を記載する
また、機械設計エンジニア「新卒・未経験者」向けの自己PRのポイントは以下の3つです。
- 機械設計の職種以外でアピールできる内容を記載する
- なぜ応募先の企業で働きたいのか詳細に記載する
- 機械設計を学ぶ意欲を記載する
さらに、機械設計エンジニアの転職で自己PRを作成する際は、業務に関係ないことや短所ばかりを記述しないように注意しましょう。
これから機械設計エンジニアへの転職を検討しているのであれば、自己PRを磨いてチャレンジしてはいかがでしょうか。
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