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大型乗用自動車等の交通法とは?知っておきたい標識・違反・罰則

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大型車の中には、荷物を載せるトラックと人を乗せて走るバスに分かれますが、道路交通法もそれぞれの自動車によって細かく法律が規定されています。

そこで、気になるのが、交通法大型乗用自動車等とはどのような車種でどのような規定があるのか知りたいのではないでしょうか。

そこで、大型乗用自動車等とはどんな定義や規則があるのか、また他の通行止めの標識にはどんな種類があるのか詳しく解説していきます。

大型乗用自動車等の交通法とは

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道路を走る自動車を分類する定義には、道路運送車両法道路交通法の二つの法整備により自動車の大きさを分類してわかりやすくしています。

大型乗用自動車等の漢字の組み合わせをバラバラにすると、大型、乗用、自動車、そして等となります。この漢字の意味の通り、大型の乗用自動車等となりますが、等の意味は、同種のものを並べて、この他にもそのようなものがあることを意味します。

大型乗用自動車ではありますが、これと似たようなものも含まれることになります。

そこで、道路交通法によると大型乗用自動車等には定義が定められており、漢字の通り大型乗用自動車が通行止めとなりますが、等とあるので特定中型乗用自動車も大型乗用自動車等に含まれます。

一般的に大型乗用自動車は観光バスや路線バスなどの大型バスになり、特定中型乗用自動車は、マイクロバスや中型バスのことになります。

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大型乗用自動車等の交通法によって通行止めとなる車種

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大型乗用自動車等通行止めの標識がある場所で通れない車種は、大型乗用自動車と特定中型乗用自動車となります。

ただし、標識には例外などを表示するための補助標識を取り付けてあることがあります。

例えば、大型乗用自動車等通行止めの補助標識に「マイクロを除く」とあれば、特定中型乗用自動車は通行できますし、「路線バスを除く」とあれば、大型乗用自動車の路線バスは通行することが可能です。

ただし、曜日や時間指定が補助標識に表示されることがあるので、併せて標識を確認して通行することが重要です。

大型乗用自動車

大型乗用自動車となる大型バスは、大型乗用自動車等通行止めを通行することはできません。大型乗用自動車の範囲は、車輌総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上の乗用自動車で、観光バスや路線バスなどが大型乗用自動車等に該当します。

通常、大型バスは、大型乗用自動車等通行止めの標識がある場所を通行することができませんが、補助標識の表示方法によって通行することができる場合もあります。

このほか、大型乗用自動車等通行止めでも許可申請を受けていると通行することができます。

特定中型乗用自動車

特定中型乗用自動車とは大型乗用自動車等に含まれます。新しく新設された中型自動車運転免許で運転できるマイクロバスや中型バスの通行を禁止にするための規制車両区分の自動車となります。

特定中型乗用自動車は、最大積載量5トン以上6.5トン未満、車両総重量8トン以上11トン未満、乗車定員11人以上29人未満のマイクロバスや中型バスのことを指します。

大型乗用自動車等通行止め標識の補助標識で多いのが、マイクロバスを除くですが、この補助標識が付いていれば、特定中型乗用自動車は通行することができます。ただし、曜日指定や時間指定に注意しなければなりません。

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大型乗用自動車等の交通法で定められた標識や違反・罰則

夕方走るトラック

大型乗用自動車等通行止めの標識は、大型の乗用タイプの自動車に向けた禁止事項や注意事項を表示している標識になります。

しかしそこには、本標識一つの場合と補助標識や他の標識が繋がっている場合もあります。

そのため、走行中の短時間の間に標識の内容がわかるよう、簡潔にそして意味内容がわかるように表示されています。

また、大型乗用自動車等通行止めの標識がある場所も、やむを得ない場合に通行できるよう許可制度を導入しており、大型バスやマイクロバスなどの運行が可能となる制度があります。

そこで、大型乗用自動車等通行止めの標識やその意味合いなどを詳しく見ていきます。

通行止め道路標識の意味

通行止めの道路標識は、公安委員会や道路管理者が道路交通の危険予防や円滑な交通を図るために設置されます。

このほか道路を走る自動車の排気ガスによる環境汚染を防ぐ目的などで通行止めの道路標識が設置されています。

通行止め道路標識は、道路利用者に警告や案内、そして指示を出す役目があり、全てのドライバーが見やすい場所に設置しています。

似ている標識に要注意

大型乗用自動車等通行止めと似ているデザインと名前は、大型貨物自動車等通行止めの標識になります。

大型貨物自動車等通行止めの標識の意味は、大型貨物自動車、大型特殊自動車、特定中型貨物自動車が通行禁止となり、大型バスやマイクロバス、中型バスといった大型乗用自動車等は通行止めにはなりません。

通行許可がおりる条件とは

大型観光バスや中型観光バスは、観光地にお客さんを連れていく乗り物ですが、観光地の場所によっては大型乗用自動車等通行止めの場所に入らなければ、目的の場所に向かうことができないことがあります。

その場合は、事前に管轄する警察署に許可申請を行い警察署長から許可を受けなければなりません。

例えば、新潟県村上市にある笹川流れは、粟島や佐渡島などが見渡せる日本海の美しい眺めを楽しめることができる国道345号線沿いにあります。

しかし、笹川流れの桑川集落から板貝集落までの約3㎞区間を30人以上の大型観光バスで走行する場合、通行禁止道路通行許可書の取得が必要となります。

この場合は、事前に村上警察署に申請すると通行できます。(ただし7月海の日の前土曜日~8月20日以降の日曜までは通行、通り抜け禁止期間となります。)このように、大型乗用自動車等通行止めでも、観光のためにやむを得ない場合には許可申請ができます。

このほか、車庫など車両を保管するための場所に出入りするためや、冠婚葬祭、引越し等で生活上やむを得ない理由や歩行が困難な方が車両を利用する場合などは、使用する道路を管轄する警察署に大型乗用自動車の通行許可申請をすることで、大型乗用自動車等通行止め区間を走行することができます。

違反したらどんな罰則を受ける?

大型乗用自動車等通行止めの場所は、大型バスなどが走行できるほど道幅が広くない場所で、空中に電線やビルの看板がひしめく場所などで、高さがバスの屋根と接触する可能性のある場所が通行止めとなっていることが多くなります。

また、道路の入り口が広くてもその先で通行困難な場所も当然通行止めとなっています。

ただ、場所によっては道路幅や高さ、そして道路の強度も問題ないのに、歓楽街などでも大型乗用自動車等が通行止めの場合があるので注意が必要でしょう。

当然、大型乗用自動車等通行止めの道路を走行して警察などに見つかれば罰則があります。

もし、大型乗用自動車等通行止めの標識を見落として通行した場合、罰則には3つのパターンがあります。

それは、通行許可証を忘れた場合と、通行許可証の申請をしていない場合、そして警察官による指示に従わなかった場合です。

罰則は、大型乗用自動車等通行止めを見落として進入した場合は、違反点数2点反則金は9,000円、通行許可証を携行しなかった場合は違反点数1点反則金6,000円です。

そして警察官通行禁止制限違反を行うと点数は2点ですが、罰則は反則金通告制度が適用されず、赤切符となり懲役3ヶ月以下又は罰金5万円以下となります。

中型トラックも通行禁止対象

大型乗用自動車等通行止めの道路は、大型乗用自動車や特定中型自動車が通行できません。

乗用自動車等通行止めなので、乗用となる自動車が対象となりますから、中型トラックは貨物になるので通行禁止対象ではありません。

しかし、大型乗用自動車等通行止めの標識がある道路には、大型貨物自動車等通行止めの標識が併設されていることがあります。この標識がある場合は、中型トラックは、特定中型車となるので通行することができません。

大型乗用自動車等の交通法で定められたその他の標識

ここまでは、大型乗用自動車等の通行止めについて解説してきました。他の車に対しても道路には通行止めの規制が行われていることが多くあるほか、歩行者に対しても通行止めの標識があります。

そこで、通行止めの標識の種類やその意味を見ていきます。

通行止め

通行止めの標識は、道路法第46条第1項の規定又は、交通法第8条第1項の道路標識によりすべての歩行者、車、路面電車の通行を禁止する標識です。

通行止めの標識は、下地が白い標識に外側を赤い丸で囲み中には赤いバツ印をつけて青い字で通行止めと記載されています。

通行止めの標識がある場所は、歩行者も通れないので原動機付自転車のエンジンを切って押して歩いても通行することはできません。

車両通行止め

車両通行止めとは、その名前の通り車両の通行を禁止している区域です。この標識には補助標識が付くことがなく、すべての自動車、原動機付自転車、軽車両が通行できません。

もちろん、自転車も軽車両となるので通行することができないので注意が必要です。ただし、自転車やバイクもエンジンを切って歩いて押している場合は、歩行者となるので通行は可能です。

この標識が取り付けられる場所は、主に歩行者天国が行われる時や、工事により車両の通行が困難となる場合などに車両通行止めの標識が設置されます。

標識のデザインは、白地に外側を丸く赤で囲み、左上から右下に赤い斜め線が入っています。

車両進入禁止

車両進入禁止は、車両通行止めと同じ区分となるすべての自動車、原動機付自転車、軽車両が進入禁止となります。車両通行止めと異なる点は、一方からの侵入しかできない一方通行路に設置されます。

車両進入禁止は、補助標識が取り付けられることが多く、進入禁止となる車両の種類や進入禁止となる時間帯が表示されることが多いでしょう。

そのため、補助標識がある場合は、補助標識に表示されている時間帯や曜日などを確認して通行するようにします。

2輪車は、エンジンを切って押して歩いていれば歩行者扱いとなるので、車両進入禁止は通行できます。また、自転車も軽車両になるので、車両進入禁止を自転車に乗って通行することはできません。

進入禁止の標識は、一方通行路の出口に設置されており、もう一つの一方通行終了の標識と併設されていることが多いです。

進入禁止のデザインは、赤い丸の真ん中に白い横棒が入っているデザインです。

二輪の自動車以外の自動車通行止め

二輪の自動車以外の自動車通行止めは、図柄に自動車が描かれており、左上から右下に赤い斜め線が入っています。

名前の通り、2輪車以外は通行することができません。しかし、図柄を見ると自動車の絵が描いてあるので、初心者などは自動車限定道路と勘違いされることがあります。

二輪の自動車以外の自動車通行止めは、普通自動車のほか当然大型乗用自動車等や大型貨物自動車等も通行できません。

大型貨物自動車等通行止め

大型貨物自動車通行止めの標識は、図柄に貨物トラックが描かれており、左上から右下に赤い斜めのラインが入っています。通行止めとなる車両は、大型貨物自動車(車両総重量11トン以上、または最大積載量6.5トン以上)大型特殊自動車、そして特定中型貨物自動車(車両総重量8トン以上11トン未満、または最大積載量が5トン以上6.5トン未満)は通行することができません。

ただし、補助標識が設置されていることがあり、そこには特定の最大積載量の表示があることがあります。例えば、積3tと補助標識がついていれば、積載量3トン以上の貨物は通行できませんが、3トン未満の貨物は通行可能となります。

また、大型自動車でも、大型乗用自動車等は貨物ではないので通行することが可能です。

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大型乗用自動車等の交通法における法定速度は?

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大型乗用自動車は、大型車なので大型トラックと同じ法定速度と思われている方もいるのではないでしょうか。しかし、大型乗用自動車の法定速度は普通乗用自動車と同じ法定速度となります。

なので、高速道路の制限速度が普通乗用自動車で100km/hであれば、大型乗用自動車も同じ100km/hとなります。

また、2019年3月から新東名高速道路と東北自動車道路の一部区間では120km/hに引き上げられましたが、この区間も大型乗用自動車は120km/hが法定速度になります。

ここで、一つの疑問として同じ大型車なのに大型貨物の高速道路の法定速度は80km/hなのに、なぜバスなどの大型乗用自動車は乗用自動車と同じ100km/hなのかといった点です。

この理由には、貨物車よりバスのほうが事故率が低いといった点が一つ上げられます。

そして、貨物車に比べてバスのほうが重量変化が小さいことも理由の一つです。この重量変化はトラックの場合、車両総重量が空車で10トン程度でも荷物を載せると20トンと倍近い車両総重量になることもあります。

しかし、バスの場合は、仮に50人乗りとして一人平均60kgの体重でも3トン程度であり、乗客の荷物を合わせたとしても4トン程度しか重量増になりません。

このことから、大型バスの場合、重量変化によるブレーキや車体操縦性への影響が少ないことから、法定速度は普通乗用自動車と同じに設定されているといえます。

また、一般道路の法定速度は、大型乗用自動車も大型貨物自動車も普通乗用車と同じ60km/hとなっています。

ちなみに、高速道路の法定速度には、最高速度と最低速度が設けられており、大型乗用自動車のみならず全ての車両の最低速度は50km/hとなります。

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大型乗用自動車の運転に必要な免許・取得条件とは

大型乗用自動車に必要となる運転免許や必要条件は、運転する大型乗用自動車等の大きさやそのバスの登録が旅客運送事業の緑ナンバーとそうでない自家用の白ナンバーとで条件が変わってきます。

白ナンバーのバスの場合、第一種大型自動車運転免許証があれば大型乗用自動車を運転することができます。

第一種大型自動車運転免許を取得するには、満21歳以上で、普通自動車運転免許を取得してから通算3年以上経過していることが条件です。

第一種大型自動車運転免許は、白ナンバーのバスのみしか運転できないので、バス会社に就職する場合は、第二種大型自動車運転免許証が必要となります。

ただし、バス会社に就職してもバスの回送など運賃の収受が発生しない運行の場合は緑ナンバーのバスでも運転できます。

第二種大型自動車運転免許の取得条件は、

  • 満21歳以上で第一種免許(大型、中型、普通、大特など)取得後、通算3年以上経過している事
  • 視力は両眼で0.8以上・片眼で0.5以上・深視力2.5mの距離で平均誤差2.0cm以内、
  • 10メートルの距離で90dbの警音器の音が聞こえる
  • 信号機の色の赤、青、黄色の判別ができる

などが条件となります。

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大型乗用自動車等の交通法についてのまとめ

大型乗用自動車等の交通法についてご紹介してきました。

大型乗用自動車等は、大型観光バスや路線バスなどや、マイクロバス、そして中型バスに当てはまる交通法となります。

大型乗用自動車等通行止め標識には、バスの絵が描いてあるのでどの車種が通行止めになるのかわかりやすくなっているのも特徴です。

道路交通法は、道路利用者がすぐにわかるように考えて作られていますが、補助標識が付いていると意味合いが変わることも覚えておきましょう。

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