「施工管理で新卒一年目だけど、もう辞めたい。すぐ辞めると転職しにくくなる?」
この記事はこのような悩みを持っている方にオススメです。
辞めるかどうかの判断基準、施工管理一年目にオススメの転職先や業種、辞めた方々の体験談などを紹介するので、参考にしてください。
新卒で施工管理になった人が辞めるタイミング
施工管理一年目で辞めたいと感じるタイミングは、主に以下の3つです。
心身に問題が発生している
以下のような心身の問題が発生しているときに、辞めたいと感じる方が多くいます。
- 翌日の仕事を考えると憂鬱になってしまう
- 仕事の前になると涙が出てくる
- 仕事のことを考えると気持ち悪くなって食事がとれなくなる、動悸がする
これらは精神的ストレスが溜まって体に危険信号が出ている状態です。
無理に続けると鬱や適応障害といった心の病にかかる(もしくはすでにかかっている)可能性があります。
できるだけ早めに休みを取り、病院で診断してもらいましょう。
やりがいを感じない
施工管理の仕事の大きな魅力の1つは、工事が完了した時の達成感です。
1つの建築物を完成させるまでに多くの職人が関わり、長い時間をかけて作り上げていくため、それが完了した時の嬉しさや喜びは、他に変え難いものがあります。
「苦労やストレスも多いけど、終わった後の達成感があるから施工管理を辞められない」という方も少なくありません。
その点、もしこのような達成感を日頃から得られていないのであれば、施工管理の仕事が合っていない可能性があります。
他の職業に目移りする
つい他の職業に目移りしていることに気づき、施工管理からの転職を考え始める方もいます。
たとえば、「あの職業は肉体労働がなくてうらやましい」「危険な工事現場に行かない仕事の方が、家族も安心するかな」などです。
目移りすることが増え、あまりに仕事に身が入らなくなっているのであれば、転職を検討してもいいかもしれません。
新卒で施工管理になった人が辞めるかどうかの判断基準
ここでは施工管理の一年目が仕事を辞めるかどうかの判断基準を4つ紹介します。
年間休日
年間休日が88日未満の場合、転職を考えても良いとされています。これは隔週休2日に、年末年始5日と夏季休暇5日を加えた日数です。
施工管理の業務においては、隔週で2日休みが取れる状況は比較的恵まれていると言えます。さらに、年末年始やお盆期間に長期休暇が取れれば理想的です。
そのため、この88日を下回る休日の場合、転職を検討するのが妥当かもしれません。
残業時間
残業時間が多いことを転職の理由とする場合、以下の基準を参考にしてください。
現在の施工管理業務では、通常の勤務時間に加えて休日労働を含む残業が多く、平均して月80時間を超えることが少なくありません。
80時間の残業とは、4週間の月で週6日勤務した場合、1日あたり約3.5時間の残業に相当します。
もし平均して月80時間を超える残業がある場合は、転職を検討しても良いでしょう。
サービス残業の有無
施工管理の仕事では、残念ながらサービス残業の文化が残っている現場もあります。しかし、施工管理の現場では働き方改革によって2024年から以下のルールが徹底されます。
- 時間外労働の上限は月45時間、年360時間
- 臨時的な特別な事情がある場合、年720時間(月60時間)以内
- 臨時的な特別な事情がある場合、時間外と休日労働の合計が2~6ヶ月の平均で80時間以内臨時的な特別な事情がある場合でも、月45時間を超える残業は6ヶ月が限度
そのため、既にサービス残業が常態化している職場では、今後の状況を見極めつつ、転職を考慮することが賢明かもしれません。
年収
求人ボックスによると施工管理職の平均年収は約445万円で、全国平均と比較して高めの水準にあります。
地域による差が顕著で、特に関東地方が最も高く、中でも東京都は平均492万円となっています。
対照的に、最も給与が低い地域は島根県で、平均368万円と東京都と124万円の差があります。このような相場から見て、自身の年収が著しく低い場合は転職を考えるのが良いでしょう。
新卒の施工管理者が辞めるならおすすめしたい転職エージェント
転職活動といえば、「求人サイトを見る」、「ハローワークに行く」、「知人や友人から紹介をしてもらう」などの方法が一般的です。
しかし、自分のスキルや性格に合いそうな会社を自力で探し出す難易度は高く、履歴書の作成や面接対策に不安を感じている求職者の方は多いです。
そこで、そのような方にオススメのサービスが『転職エージェント』になります。
転職エージェントとは?
転職エージェントとは、プロの転職アドバイザーが求職者に合った仕事を探し、転職するまでのサポートしてくれるサービスです。
企業と求職者の間に立って、お互いの理想を叶えるためのマッチングをおこなってくれます。
主なサービス内容としては、
- 経歴や職歴を見て、自分に合った転職先を探してくれる
- 履歴書や職務経歴書などの書類の添削
- 面接対策として過去の事例をもとに重要なポイントを教えてくれる
- 採用が決まった後も、入社日や部署、年収などの交渉をしてくれる
となっています。細かなサービス内容は提供する会社によってさまざまですが、基本的には全て無料で利用できるものが多いです。
転職エージェントのメリット
転職エージェントを利用することで得られる主なメリットは、以下の3つです。
- 仕事をしながら転職活動ができる
転職をする際にネックとなるのは、仕事をしながら転職活動をしないといけないことです。
施工管理の仕事は拘束時間が長い傾向にあるので、ゆとりをもって転職活動することが難しいです。
その点、転職エージェントであれば、隙間時間や自分の余裕のある時に転職活動に取り組めます。
- 自分に合った企業や業種を探してくれる
転職エージェントは初期の面談で、転職によってどのようなことを叶えたいのか、どのような企業が合いそうなのかなど、多くの情報をヒアリングしてくれます。
その情報をもとに相性の良い企業や業種を紹介してくれるため、転職後のミスマッチが起きにくくなります。
- 転職成功率が上がる
新卒で3年以内に辞めるとなると、キャリアに傷がつくのではないかと不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、転職エージェントであれば同じような境遇の方をサポートした経験が豊富にあります。
求人サイトやハローワークスなどを使って自力で転職活動をするより、成功率が格段に上がると思っていいでしょう。
オススメの転職エージェント
同業他社への転職を検討している場合は、ぜひ『建職キャリア』をご利用ください。
建職キャリアは日本最大級の施工管理の専用転職サービスです。
全国の建設企業の施工管理技士向けの求人情報を豊富に扱っており、10代~60代、全年齢に対応しています。地域/職種/給与/エリア などの詳細検索から、様々な求人を検索することができます。
施工管理の求人を検索する(無料)新卒の施工管理者が辞める際の意思の伝え方
続いて、一年目から施工管理をやめたいと伝える場合の対処法を3つ紹介します。
交渉ではなく報告
退職を上司に伝える際は、「退職は既に決定事項である」という姿勢で、交渉ではなく報告のスタンスを取ることが重要です。
強い引き止めにあう可能性もあるので、意志を強く持つことが肝心です。
なお、退職の報告をする際は以下の点を考慮すると良いでしょう。
- まずは直属の上司に話をし、他の上長や同僚、部下にはその後で知らせるようにすること
- 会社の就業規則を確認し、退職届を提出する期限や手続きの流れを理解しておくこと
- 転職先の社名は明かさず、大まかな情報に留めること
- 会社批判や現状の不満を退職理由として挙げるのは避けること
- 一度退職の意向を示した後は会社内での扱いが変わる可能性を理解すること
音信不通はNG
実際に、過酷な労働環境や精神的ストレスに耐えかねて、突然音信不通になるケースが存在します。
しかし、このような行動は決して推奨されるものではありません。
仮に辞めたいと感じていても、突然の音信不通は避けるべきです。
その理由は、前職の退職手続きが未完了のままになると、結果として無職期間が発生してしまうからです。
さらに、次の職場での面接時に退職理由を尋ねられた際に、誠実さを疑われるような回答になるリスクもあります。
したがって、辞めたいと考える場合でも、まずは正式な手続きを経て、両者の合意のもと退職することが重要です。
無責任な行動は将来のキャリアに悪影響を与える可能性があるため、慎重に対応しましょう。
退職代行サービスの活用
施工管理の仕事を辞めたいが、直接退職の意向を伝えるのが困難な場合、退職代行サービスを利用する選択肢もあります。
たとえば、職場の雰囲気がピリピリしていたり、上司が怖くて退職の意思を伝えるのが難しいと感じていたりするケースです。
特に建設業界で長年勤める上司の中には、パワハラ気質の人や扱いにくい性格の人も少なくなく、退職の相談をしようとすると一方的に説教をされることも珍しくありません。
このような状況では、退職を切り出すこと自体が非常に難しいです。
このような場合は退職代行サービスの利用を検討してみてください。同サービスであれば、直接職場の人間とコミュニケーションを取ることなく、円滑に会社を辞められる可能性があります。
新卒の施工管理者が辞めるならおすすめしたい転職先や業種
ここでは20代前半、20代後半、30代以降の3つの世代ごとに、施工管理一年目にオススメの転職先や業種を紹介します。
20代前半の場合
20代前半の施工管理者にとって、転職はかなり有利と言えます。
特に23歳から26歳くらいの若者は、社会人としての基本的なマナーを身につけつつも、まだ新しい職場でフレッシュな存在として見られることが多く、第二新卒として採用されやすいです。
また、理系出身であることや専門的な資格を持っていることは、転職市場では大きなアピールポイントになるでしょう。
公務員や他業種への転職も十分に現実的な選択肢です。特に「IT」「マーケティング」「ベンチャー企業」などの業界では、今より労働環境が良くなる可能性があります。
転勤の少なさ、残業時間の短さ、リモートワークの可能性、副業の許可など、柔軟性が高い業界だからです。
このように20代前半の方であれば、転職先や業種は多くの選択肢があり、未経験の業界でも活躍できる可能性が十分にあるでしょう。
20代後半の場合
20代後半の施工管理者にとって、公務員への転職は有望な選択肢の一つです。
実際に、29歳以下の施工管理者の中には公務員への転職に成功している人が多くいます。
なお、施工管理が公務員へ転職しやすい理由はいくつかあります。
1つは、年齢的なチャンスがまだあることです。近年、公務員試験の受験年齢上限が引き上げられているため、29歳であればほとんどの自治体で受験が可能です。
また、試験準備をしやすいことも挙げられます。
20代であれば独身の方が多く、実家暮らしの場合、仕事を辞めて公務員試験の勉強に専念することも可能です。
これらの理由から、20代後半で施工管理一年目の方は、公務員への転職を検討してみる価値があるでしょう。
30代以上の場合
30代以上の施工管理の転職先としてオススメなのは、同業他社です。
一般的にはゼネコンから造園会社、橋梁会社、CAD系システムの会社など、建築関連業界内での転職を選ぶケースが多いです。これには大きく2つの理由があります。
1つは、同業他社への転職が、新しい業種への転職に比べて手間が少なく、既に持っている知識やスキルを活かしやすいためです。
もう1つは、年齢的に新しい業種へ挑戦することに躊躇する方が多いためです。
施工管理で培った経験やスキルは、多くの場合、建築業界特有のものであり、営業や事務など、全く異なる業界では活かしにくい傾向があります。
さらに、30代以上では家庭を持っているケースが多く、転職先をじっくり選ぶ余裕がないこともあります。
新卒で施工管理になったが辞めた人の体験談
ここでは、参考までに施工管理を一年目で辞めた方々の体験談を紹介します。
公務員に転職(T・Nさん)
私は仕事でのストレスと上司のパワハラが原因で、公務員に転職しました。
今の職場では厳しい工期に追われ続けるような状況がないので、精神的にはかなり楽になったと感じています。
仕事が忙しい時期もありますが、休日をしっかり取れるようになり、転職して本当に良かったです。
都市計画に関わる仕事に参加できているので、キャリアアップにもつながりました」
IT会社に転職(M・Yさん)
「私の場合、前職とは全く異なるIT業界に飛び込みました。
同年代の若い人が多くて、時代の変化にも柔軟に対応している印象があります。
前職の施工管理の大きな違いとして、残業が少なく、リモートワークができるのが個人的には嬉しいですね」
改修ゼネコンに転職(A・Sさん)
「私は改修ゼネコンに転職しました。施工管理の経験を活かしつつ、業務量が適切なのがありがたいですね。仕事とプライベートのバランスが取りやすい環境だなと感じています。
特にマンションの改修工事では、残業が少なく、定時で帰れるので、私にとっては理想的な職場です」
新卒の施工管理者が辞めるならおすすめしたい転職先に関してよくある質問
ここでは施工管理を辞めたい方に関連してよくある質問に回答します。
建設業の離職率はどれくらいですか?
厚生労働省が公表した「令和2年雇用動向調査結果の概要」によれば、建設業の離職率は約9.5%で、16業種中11番目に位置づけられています。
このデータから判断すると、建設業界の離職率は比較的低いと言えるでしょう。
3年続けるのが当たり前と聞きますが、一年目で転職して大丈夫ですか?
多くの場合、短期間の職歴は懸念されますが、初めての仕事であれば、そこまで大きな問題にはなりにくいです。
ただし、次の面接では退職理由をはっきりと説明できるように準備することが大切です。
新卒の施工管理者が辞めるならおすすめしたい転職先についてのまとめ
新卒の施工管理者の方は長く続けることも大切ですが、スパっと気持ちを切り替えて次の仕事に向けて行動することもとても重要です。
確かに新卒はブランドですが、新卒を辞めた後の第二新卒というのも企業からするとブランド品です。ただ第二新卒は25歳くらいまでの若いうちだけのものなので、現状がつらいと感じているのであればすぐに転職活動を始めてくださいね。
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