最近では1つの会社で定年まで働くことは少なくなり、理想の企業と出会うために積極的に転職することが当たり前になりつつあります。
建築施工管理の仕事に従事している方の中にも、現職への不満や他にやりたい仕事があるからと転職を検討している方もいるのではないでしょうか。
今回は建築施工管理の転職先としておすすめしたい仕事について、詳しく解説していきます。
転職を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・建築施工管理から転職するメリット
・建築施工管理からの転職先としておすすめする16の仕事と4つの業界
・建築施工管理からの転職を成功させるポイントと方法
建築施工管理者から転職するよくある7つの理由
建築施工管理の仕事は建築工事現場で「品質・工程・安全・予算」の管理を行います。
工程ごとに協力業者や職人が変わる中で、適切に作業の指示を出しながら安全教育や予算の管理も行わなければなりません。
建築工事現場での指示だけではなく、報告書類を作成したり事務所に戻って打ち合わせをしたりするため毎日が激務と言えます。
建築施工管理の役割は、建築工事において欠かせないものでありやりがいの大きな仕事である一方で、転職したいと感じる人も少なくありません。
ここでは建築施工管理の仕事を辞めて転職したいと感じる、6つの理由について解説していきます。
給料が安い
国税庁が公表した「1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与」によると、建設業全体の平均給与は345,833円、平均賞与は590,000円です。
参照元:国税庁|II 1年を通じて勤務した給与所得者
これに対し、建築施工管理の平均給与を実際にある求人を元にリサーチした結果、以下のような内容となりました。
1級建築施工管理技士の平均給料:481,250円
2級建築施工管理技士の平均給料:350,000円
※実際にある求人の内容を元に算出。
参考元:indeed
会社によって異なりますが、建築業界全体と比べても建築施工管理の給料は比較的高いことが分かります。
一方で建築施工管理の仕事量はとても多く、残業が続いたり、工事の進捗状況によっては休日出勤になったりするケースも珍しくありません。
そのため実際に働いた時間と給料が割に合っていないと感じて、転職を考える方も中にはいるでしょう。
特に見習いとして建築施工管理の業務を担当している場合には、経験が少なく給料も低いので不満が溜まりやすくなります。
責任が重い
建築施工管理の仕事は一部の業務ではなく建築工事全体を管理するため、予算の算出や工程の管理など全てが責任重大です。
予算の算出が曖昧であったり、工程管理が不十分で予定通り工事が進まなかったりすると、工事全体に影響が出てしまいます。
多くの機材や資材を発注し職人も動いているため、数日作業がストップするだけでも大きな損失が発生します。
工事が終わるまで常にプレッシャーがかかることから、精神的な疲労が蓄積してしまい転職を考えてしまう方も中にはいるでしょう。
業務量が多い
建築施工管理の業務には以下のような作業があります。
・施工計画の作成
・計画に必要な資材や機材の発注、協力会社の決定
・建築工事の各作業での工程管理
・現場での安全管理と職人への教育
・建築工事全体での予算管理
・イレギュラー発生時の対応
これらの業務全てで緻密な調整が必要であり、現場の職人や依頼主、建築士と話し合いながら工事を進めていきます。
その日の工事が終わった後も、各報告書類の作成など事務作業もこなさなければなりません。
最近では建築業界全体が人材不足となっていることもあり、建築施工管理担当の負担も増えていると言えます。
毎日が忙しすぎるのも、建築施工管理の仕事から転職する理由の1つです。
休みを取りにくい
建築工事では建物が完成するまでにさまざまな工程があり、各作業が同時進行で進められます。
そのため、担当している1つの工程が完成しても別の工程を管理しなければならず、区切りをつけて自分の仕事を終わらせることができません。
ある程度事前に指示を出して休みの調整をしていた場合でも、天候不良や機械の故障など予期せぬ緊急事態により、工程に支障が出てしまう可能性もあります。
このような場合でも工期に遅れが出ないよう、建築施工管理技士には迅速な対応が求められます。
工事期間中、希望した日に休めなかったり有給休暇も取得できなかったりすることが続くと、転職を検討する方も中にはいるでしょう。
出張が多い
担当する建築工事は必ずしも自宅から通える距離にあるとは限らず、地方での工事となるケースもあります。
大規模な建築工事の場合には年単位での出張も珍しくなく、地元を離れて仕事をこなさなければなりません。
毎日忙しくなかなか休みが取れない上に、家族や友人とも会えないとなると孤独感が高まりストレスも溜まりやすくなります。
また、複数の工事を同時に担当する場合には各地を行き来するため、出張の準備や移動も大変でしょう。
大手企業の場合は全国の支店へ転勤となる可能性もあり、家族を持ったタイミングで転職を検討する方も中にはいます。
業務に危険が伴う
建築工事現場では足場が不安定な箇所もあり、現場をチェックしている側では重機が動いていたり、大きな資材を吊ったクレーンが動いていたりします。
普段から安全管理を徹底していても、物が落下したり頭をぶつけたりすることも珍しくありません。
高所でチェック作業もあり、普段の業務には危険が伴います。
自身の危険に対する不安はもちろん、普段の作業で大きな事故が起きてしまわないかと、ストレスを抱え込んでしまう人も中にはいるでしょう。
中には、実際に労働災害に遭ってしまったことで転職を検討する方もいます。
人間関係の問題
建築施工管理の仕事では、さまざまな協力会社の人と一緒に工事を進めていくために、細かく作業の指示を出していく必要があります。
指示を出す職人の中には自分よりずっと年上の人や、愛想がなく指示を出しにくいような人もいるでしょう。
こうした職人たちを束ねて建築工事を進めるのは容易ではなく、当然ストレスも溜まります。
工事の依頼主や上司からの指示に現場の職人が納得してくれず、板挟みになることも時にはあるでしょう。
工事でトラブルが発生した際や、近隣住民から苦情があった場合にも率先して話し合いをこなさなければなりません。
このような人間関係によるストレスに耐えきれず、転職を検討する方もいます。
関連記事:建築施工管理技士の転職理由11選。オススメの転職先とは?
建築施工管理者から転職する3つのメリット
建築施工管理の仕事は需要が高く給料も高いため、転職するのはもったいないと思う方もいるかもしれません。
しかし、建築施工管理の仕事を辞めて転職するメリットも3つあります。
建築施工管理の仕事を辞めようか迷っている方は参考にしてみてください。
給料が増える
転職する職業や働き方によっては、建築施工管理の仕事よりも給料が増える可能性があります。
特に建築施工管理で学んだ知識や技術を活かせる職種では、即戦力として活躍しやすいため給料も上がりやすいと言えるでしょう。
全く別の職種に転職する場合でも、管理スキルやコミュニケーションスキルを活かせれば実績に伴い給料が上がる可能性があります。
転職後すぐに給料が上がるとは一概に言えませんが、長期的に見ると我慢しながら働くよりも、転職して好きな仕事に挑戦した方が収入は上がりやすいと言えます。
危険を回避できる
建築施工管理業務の経験は、他の職業の管理業務でも活かせます。
建築施工管理の仕事では安全・工程・予算・品質においてトラブルを未然に防ぐ危険予知のスキルが重要となります。
ちょっとした工事現場の違和感に気づき、あらかじめ対策できる能力は誰でも簡単に真似できるものではありません。
そのため、新しい職場でも仕事の工程や人材管理に役立てられますし、有利に仕事を進められるでしょう。
時間に余裕のある生活を送れる
残業の少ない職種や休暇を多く取れる会社に転職すれば、建築施工管理の仕事では確保しにくかったプライベートな時間を十分に楽しめます。
仕事とプライベートのバランスを保ちやすくなり、家族や友人との時間も取りやすくなるでしょう。
空いた時間は遊ぶだけではなく、資格取得など自分への投資にも使えるためキャリアアップもしやすくなります。
スキルが上がれば評価も得られて、おのずと給料も上がっていくでしょう。
関連記事:施工管理の転職理由7選!仕事を続けるか悩んでいる方、離職率の高い企業は必見です。
建築施工管理者の転職先としておすすめの仕事|16選
建築施工管理の仕事から転職を検討中で、まだ具体的な職種を決めていない方もいるのではないでしょうか。
ここでは建築施工管理で得た知識や経験を活かせる、おすすめの16職種について解説していきます。
具体的な仕事内容やなぜ向いているのかについて解説しますので、参考にしてみてください。
営業職
営業の仕事は、自社で取り扱うさまざまな商品やサービスを売るのが仕事であり、以下のようなスキルが求められます。
・顧客との関係を構築するためのコミュニケーション力
・相手の関心や課題を見つけて適切なアプローチを行う対人スキル
・顧客からの要望をどのように解決するのかを考える問題解決スキル
・いかに商品が優れているのかを説明し相手に納得させるセールステクニック
・営業を効率良く進めるための市場や競合情報をリサーチする分析能力
・顧客の変化や要望に対応する適応性と柔軟性
・目標達成を意識して行動に移す強い気持ち
建築施工管理の仕事は、さまざまなタイプの職人に分かりやすく計画を説明しなければならず、納得して業務にあたってもらう必要があります。
工事現場で発生するイレギュラーに関しても柔軟な対応が求められ、どのように問題解決していくか考えます。
このようなコミュニケーション能力や対人スキル、問題解決スキルは営業職でも十分に活かせるでしょう。
営業職は結果が全てであり、過去の実績は関係のない厳しい世界である一方で、結果を出せば確実に収入を上げられるメリットもあります。
転職して給料をどんどん上げていきたい人には特におすすめです。
不動産管理会社
不動産管理会社の仕事は、所有者の代わりにマンションやアパートを管理します。
時には入居者の苦情や要望にも対応しなければならず、所有者と入居者双方が納得できるような環境を作らなければなりません。
具体的には以下のようなスキルが求められます。
・問題解決や予防するためのコミュニケーション能力
・不動産の法律や規制、修繕・メンテナンスの手段に関する知識
・不動産管理システムや査定ツールなどを操作するテクニカルスキル
・複数の不動産管理を同時に進めるプロジェクト管理スキル
・問題が発生した際にどうやって解決するかを考える問題解決能力
建築施工管理の仕事で経験したトラブル発生時の迅速な対応力は、不動産管理でも十分活かせます。
複数の不動産を同時に管理する業務もあらゆる建築工事の工程管理経験があれば、すぐに慣れることができるでしょう。
法律や規制の知識を付けなければなりませんが、全くゼロからのスタートにはなりません。
不動産ディベロッパー
新築マンションやリゾート、宅地の開発などさまざまな開発事業を手掛けるのが不動産ディベロッパーの仕事です。
具体的な業務は土地の取得や資金の調達、不動産のマーケティング活動、プロジェクト管理があります。
不動産ディベロッパーの業務をこなしていくためには、以下のような能力が必要です。
・不動産評価や土地の取得、建設プロセスなどの不動産取引の知識
・スケジュールや予算管理、リスク管理などを行うマネジメントスキル
・資金調達における投資家や金融機関の交渉、企画提案スキル
・チームで動くため全体を指揮するリーダーシップスキル
スケジュールや予算管理、リスク管理は内容が違いますが管理業務には変わりなく、建築施工管理の経験を活かせるでしょう。
どうすれば理想の利益を出せるのか、自らリサーチして投資家や金融機関と交渉する際には、これまでに身に付けてきた問題解決スキルも役立てられます。
開発事業は業務の幅が広く、年収も高水準であり収入を増やせる可能性が高いと言えます。
ただし、求人件数が少なく中途採用枠もあまりないため、他の職種と平行して探すようにしましょう。
不動産仲介業者
不動産仲介業者は、不動産の売買や賃貸契約の仲介が主な仕事内容です。
賃貸借主と売主の間に立ち交渉や契約締結を進めます。
この他にも不動産の評価や適正な価格設定をしたり、賃貸契約に関する書類の作成や手続きを行ったりします。
不動産仲介業務を進める上では以下のようなスキルが必要です。
・賃貸借主や売主との話し合いをするコミュニケーション能力
・賃貸借主の要望に応じて的確に特徴や魅力を伝えるプレゼンテーション能力
・不動産賃貸契約に至るまでの全体的なプロジェクト管理能力
不動産の建築工事施工に関する専門知識を活かすことが可能であり、不動産の評価でも役立てられるでしょう。
建築工事に従事した経験から、他のスタッフ以上にさまざまな視点で不動産の魅力やデメリットを説明できます。
ハウスメーカー
住宅を販売するハウスメーカーは、住宅の企画から設計・施工・販売を一貫して行います。
建築施工管理と同じように、建築工事の施工管理や予算管理をするため業務内容が非常に似ていると言えるでしょう。
その他では、住宅販売時の顧客対応や引き渡し後のアフターサービスまで行います。
施工管理業務はもちろん、顧客対応では建築に関する質問や要望にも十分対応できます。
プレゼン能力が高ければ、ハウスメーカーでの営業職としても活躍できるでしょう。
ゼネコン
ゼネコンでは設計図面を取り扱う設計職が特におすすめです。
建築施工管理のチェック業務は全て設計図を元に行うため、設計図面の読取は容易にできるでしょう。
また建築士の視点からでなく、実際に現場監督としてさまざまな工程に立ち会ってきた側からの視点も持っていることは大きな武器と言えます。
ハウスメーカーのクライアントとの打ち合わせでも、建築施工管理の経験を活かしたプレゼンができるでしょう。
改修工事業者
改修工事業者は建物の改修やリノベーション工事を専門としています。
新築工事と比べると、ほとんどの案件を直接受けるので工期の交渉が容易な特徴があり、比較的余裕をもって建設工事管理を行えます。
依頼主との話し合いで要望やニーズを聞いてから改修のアイデアを提案し設計していく流れです。
その後は予算管理や工事計画、品質管理など建築施工管理技士として行ってきた業務をそのまま活かせます。
マンション改修施工管理技術者の資格もあり、取得すれば収入も上げやすくなるでしょう。
土木建設コンサルタント
土木建設コンサルタントは、土木建設プロジェクトにおいて設計や計画、監督など専門的なサービスを提供するのが仕事です。
業務をこなす上で必要なスキルには以下のようなものがあります。
・建設工学や土木工学に関する知識や最新技術情報の収集スキル
・資源の調達や予算管理などプロジェクト全体の管理能力
・クライアントの要件を理解して提案を行うコミュニケーションスキル
・建築工事でのトラブル発生時の問題解決能力
土木工学に関しては学び直す必要がありますが、建設工事におけるプロジェクト管理は、即戦力として対応できるでしょう。
土木建設コンサルタントの会社の中には官公庁発注に特化した会社もあり、土日祝日に休みが取りやすい特徴があります。
プライベートと仕事のバランスを取りながら、専門家として成長できる環境を作れます。
技術系公務員
ワークライフバランスを整えやすく、収入も安定しているのが技術系公務員です。
土日祝が休みとなり、福利厚生が充実しているメリットがあります。
具体的には、建築プロジェクトの設計や監理業務を担当する建築技術者職のほか、都市や地域の開発・計画に関する業務を担当する都市計画官などがあります。
求められるスキルや職種によりますが、建築施工管理の経験を活かせるでしょう。
地域によって試験の応募条件は異なりますが、中途採用も行っているため定期的に情報を調べながら挑戦してみるのもおすすめです。
設計事務所
設計事務所では図面の作成はもちろん、クライアントとの交渉や営業も行います。
図面を最初から読み取れますし、CAD関連の資格も取得していけば自身で設計図を作成できるようになります。
クライアントとの打ち合わせの際に、建築施工管理の経験を活かしたアドバイスや受け答えができることは大きな武器となります。
建築施工管理にはない建築設計の知識や設計ソフトを学ぶ必要はありますが、ゼロからのスタートにはならないでしょう。
CADオペレーター
CADオペレーターは設計専用のソフトCADを使い、設計図や各種図面を作成していきます。
設計に関する知識を学び技術を身に付けていく必要はありますが、これまでに図面に多く接してきた経験を活かせるでしょう。
また図面の内容が実際にどのような作業で進められるのか、実際に目で見てきている経験は大きな武器となります。
転職活動時においても、建築施工管理の経験があると採用されやすくなります。
テック企業
テック企業とは、建築業界や不動産業界にテクノロジーを活用したサービスを提供する企業のことです。
建築業界は他の業界と比べてもDX化が遅れていると言われており、オンラインでの業務管理やVR技術を駆使した物件の内覧などが取り入れられ始めています。
建築施工管理技士として工事現場で働いてきたからこそ、現場の悩みや課題を理解しているため、新しい技術をどう活かすのかより具体的に考えられるでしょう。
今後あらゆる業界のIT化やDX化が進んでいくのは間違いなく、将来性も高いと言えます。
テック企業は新しい働き方を採用していることが多く、フレックス勤務や在宅勤務などこれまでにない働き方もできるようになるかもしれません。
製造業
製造業は建設業界と同様に人材不足が深刻化しており、専門的な資格の保有や経験がなくても転職しやすい業界です。
製造業とはいっても自動車製造業や食品加工業、建材製造業、医薬品製造業などジャンルが豊富です。
これまでの経験と関わりのある建材製造業を選ぶのはもちろん、全く違う業界への挑戦も可能です。
製造業の中には機械操作などの現場仕事以外にも、生産や品質を管理する部門もあります。
生産計画やスケジュール管理の経験を活かせるでしょう。
飲食業
飲食業も製造業と同様に、未経験でも調整しやすい業界の1つと言えます。
調理に関する技術や知識は初めから身に付けていかなければなりませんが、接客に関してはこれまでに身に付けたコミュニケーションスキルを活かせます。
料理が趣味の方や食べることが好きな方におすすめの業種です。
比較的給料は少ない業界ではありますが、経験を積んでいけば将来的に独立して収入も上げられるでしょう。
鉄道会社
鉄道会社は建設業界と無縁な感じがするかもしれませんが、建築施工管理の経験を活かせます。
鉄道会社の中でも特におすすめするのが、技術職や事務職です。
鉄道会社の技術職や事務職には以下のような業務があります。
・車両やシステムの品質基準を監査して品質改善などを行う品質管理業務
・車両や設備の定期的な保守やメンテナンスを実施する点検業務
・関連規制への対応や鉄道全体の安全性を確保する安全管理
このような業務では、細かい項目ごとに異常がないかのチェックや関連の報告書の作成、管理計画を進めていきます。
鉄道に関する専門知識は勉強していかなければなりませんが、建築施工管理業務の経験は鉄道業界でも十分活かせます。
独立行政法人都市再生機構
地域経済の縮小や人口減少、世界の都市間競争の激化といった近年の課題を街づくりを通じて解決する役割を担っているのが、独立行政法人都市再生機構です。
都市再生・賃貸住宅・災害復興において、民間事業者や地方公共団体と連携しながら業務を進めていきます。
建築プロジェクトの管理や契約している施工業者との打ち合わせでは、建築施工管理の経験を十分活かせます。
この他、建築関連の規制に関する業務や建築プロジェクトの立案などにも、建築施工管理で身に付けた経験や知識が役立ちます。
拘束時間や休日取得のしやすさなどにおいても、建築施工管理に比べると融通が利きやすい特徴があります。
関連記事:施工管理の経験を活かした転職先を探したいあなたへ。成功させるためのポイントや異業種へ転職する方法を紹介します
建築施工管理者から転職しやすい業界|4選
次に建築施工管理から転職がしやすい別の業界について解説していきます。
今回は4つの業界を紹介します。
・不動産業界
・IT業界
・製造業界
・飲食業界
業界全体でどのような特徴があり、なぜ転職しやすいのか詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
不動産業界
不動産業界の主な仕事内容として営業や不動産の管理・開発業務があります。
どの業務も建物を取り扱うため、建築施工管理で学んだ建築施工技術や建築基準法、都市計画法に関する知識を活かせるでしょう。
営業でも高いコミュニケーションスキルを活かせるだけでなく、建物に関する知識も1つの武器として役立ちます。
IT業界
「IT業界は建設業界とあまり関係がないのでは」と方も多いのですが、IT化が進む中で建設業の知識や経験を持つ人材の需要が高まってきています。
建築の知識に関しては、直接的にはIT関連業務に役立てられることが少ないと言えます。
一方で、プロジェクトの進行管理スキルや、トラブルが発生した際に迅速に解決策を見つけだす問題解決能力はIT業界でも役に立つでしょう。
製造業界
製造業には部品・食品・医薬品・飲料などさまざまなジャンルがあり、需要が高いため転職がしやすい業界の1つと言えます。
専門的な機械操作経験を求められることも少なく、働きながら知識や技術を身に付けられます。
また製造業において重要な業務の1つに管理業務があります。
生産管理や品質管理、資材の調達や予算管理では、建築施工管理の経験を活かせます。
飲食業界
飲食業界も製造業と同様にさまざまなジャンルがあり、非常に需要が高い業界です。
主な業務内容には調理と接客の2種類がありますが、どちらも未経験を歓迎する求人が多くあります。
知識や技術を身に付けてお店を任せられるまでになると、アルバイト人員や食材の管理で過去の経験を活かせるでしょう。
いろんな人と連携しながら働いてきたコミュニケーションスキルは、飲食業界でも欠かせないスキルです。
独立してお店が繁盛すれば高収入も狙えるでしょう。
転職後も活かせる建築施工管理のスキル
建築業界でしか働いた経験がない場合、どのようなスキルが他の職場で活かせるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
転職後も役立つスキルを理解し、自分の長所を知ることで採用されやすくもなります。
ここでは転職後も活かせる建築施工管理のスキルについて4つ解説していきます。
リーダーシップ
建築工事現場で働く職人は年齢や性別がバラバラであり、中には強いこだわりを持った頑固な職人もいます。
このような職人たちと足並みをそろえて、一緒に建築工事を進めていった経験は他の職場の連携にも役立つでしょう。
特に部下を持つ立場になった時や、何かのプロジェクトを担当する際に力を発揮できます。
コミュニケーション能力
施工管理の仕事では、現場で働く職人や依頼主、会社の上司などあらゆる人と話し合いながら工事を進めていきます。
立場も年齢も違う人たちに合わせて上手に会話するコミュニケーション能力は、業界問わずさまざまなシーンで役立つでしょう。
転職の際に長所やスキルを聞かれた際には、最もアピールしたいスキルとなります。
財務能力
建築施工管理の業務の1つに予算管理があります。
依頼者の予算内に工事費用を抑えるのはもちろん、自社の利益も出せるように資材や機材の発注、協力会社の選定を行います。
利益を一番に考えすぎると、資材や協力会社にお金を使えず十分な工事ができなかったり、工期に間に合わなかったりします。
工事の途中で起こるトラブルに対応しながら、このような予算管理を行うのはとても大変です。
このような予算管理スキルは、転職先でもさまざまな管理をする際に活かせます。
使命感・責任感
建築施工管理の仕事は工事中の4大管理を最後まで行い、建物を完成させなければいけないため大きな責任が伴います。
工事中には資材が届かなかったり、天候により工事が止まってしまったりするトラブルもおきます。
近隣住民からの苦情や、依頼主からの急な変更依頼も珍しくありません。
このような事態が起きても、最善を尽くして最後までやりきる強い使命感と責任感は業務内容に関係なく役立つと言えます。
建築施工管理からの転職を成功させるコツ
建築施工管理の経験はさまざまな業界や職種で活かせますが、それ以前に転職活動を成功させなければ意味がありません。
転職活動の進め方に失敗すると、理想の会社に出会えず転職を繰り返す可能性もあります。
ここでは転職を成功させる5つのポイントについて解説していきます。
転職サービスを使う
主な転職活動方法には転職サイトでの求人探しやハローワークでの紹介があります。
この2つの方法はとても有効ですが、時間に余裕がないとハローワークに毎回行くのは大変ですし、転職サイトでは比較方法が分からない方もいるでしょう。
そこでおすすめするのが「転職エージェント」の利用です。
転職エージェントでは初めにヒアリングを実施して、担当スタッフが理想の条件や考えを理解します。
その後、自分の希望条件にあった理想の企業を選定し見つけてきてくれます。
多くの方の転職に携わってきた、経験豊富なスタッフによる紹介なので安心です。
求人を出している企業と繋がりがあるため、疑問や不安があれば事前に質問してもらうこともできます。
初めて転職する方であっても、面接日の調整や提出書類の添削も依頼できるので転職活動の負担を最小限に抑えられるでしょう。
入念に企業リサーチをする
企業研究を行うことも転職に失敗しないために重要な作業です。
求人に記載してある労働条件だけでなく、公式ホームページを調べて、他の同業者と何が違うのか・どんな特徴があるのかを理解しておくようにしましょう。
理解した上で企業の考えに同感できていれば、面接での受け答えもスムーズにできます。
転職理由はポジティブな内容にする
応募した企業の面接では「なぜ前の仕事を辞めることになったのか」という質問をされます。
退職理由はさまざまですが、面接官に一番好印象を与えられるのが前向きな理由です。
・職人が私の指示を聞かず、誰も工事のことを全く考えてくれないので、もうついていけないと感じたからです。
・業務の中でIT技術の凄さに感動し、建築施工管理での経験や自分の考えを技術に活かしてみたいと考えたからです。
この2つの退職理由を聞いた時に、好印象を持つのは明らかに後者と言えます。
面接官は採用した後にどう戦力になってくれるのかを知ろうとしています。
過去の不満や文句ではなく、今後どうしていきたいのかが伝わる、前向きな退職理由や転職理由でアピールしましょう。
転職理由と志望動機に一貫性を出す
転職理由と志望動機の内容を関連付けて一貫性を出すことで、自分が今後何をしたいのか相手に伝えやすくなります。
退職理由が「家族との時間を最優先にしたかった」である一方で、志望動機が「お客様を感動させられるようしっかりと働きたい」では関連性が見出せません。
面接官によっては、何を望んでいるのかが分からず「うちの会社にきてもまた辞めてしまうのでは」と思われる可能性があります。
転職理由と志望動機には一貫性を出して、今後どんなことをやっていきたいのか面接官に伝わるように意識しましょう。
実績や強みを簡潔にまとめておく
企業リサーチを行い、考えや特徴を理解してから志望動機で今後何をしたいのかを考えた後には、その企業で活かせる自分の強みを見つけていきます。
やりたいことに対し、これまでの経験をどう役立てられるのか、自分なりに強みを見つけて説明できるようにしておきましょう。
面接の際に伝えられれば、強い印象を残しアピールできるでしょう。
建築施工管理者の転職に強い転職サービス
最後に理想の求人を見つけやすい転職サービスについて解説していきます。
同業界や関連業界に強いサービスや、他業界への転職に強いサービスごとに解説していきますのでぜひ試してみてください。
GATEN職
GATEN職は全国の土木建設・運輸・農業・倉庫など、ガテン系現場職の紹介に特化した求人サイトです。
求人は主に以下の4つの項目で探せます。
・エリア
・業種
・希望条件
・動画
業種に関しては建築工事業や塗装工事業、電気工事業など多くの業種の中から選択して求人を探せます。
希望条件も豊富に用意されており、業種未経験OK・年齢不問・寮あり・独立支援などから理想の条件を複数選択可能です。
動画では各企業の働く様子を見れて、職場の雰囲気をより具体的に知ることができます。
ドライバーキャリア
運送業界の求人を豊富に取り扱っている求人サイトで、求人数がとても多い特徴があります。
取り扱っている主なジャンルは以下の通りです。
・ドライバー、運転手
・運行管理、車両管理
・物流作業員
・倉庫、フォークリフト
・工場作業員
・自動車整備士、検査員
・施工管理
・計測、積算、測量
・建物保守、点検
・現場作業員
・設備工事作業員
・土木作業員
・営業、事務その他
ジャンル内では更に細かく職種分けされており、気になる職種で求人を探せます。
求人の条件では雇用形態や給与、福利厚生や資格から絞り込むことも可能です。
求人詳細では募集内容の他に具体的な仕事内容、どんな人が向いているのかなど詳しく解説されているため、入社した後の想像をしやすい特徴があります。
どんな求人があるのか気になる方は、公式ホームページをチェックしてみてください。
日本最大級のドライバー求人サイト:X Work・クロスワーク
建築施工管理者以外の転職に強い転職サービス
次に他業界への転職に強いサービスを3つ紹介していきます。
転職サービスごとに特徴があるので、気になったところを試してみてください。
doda
「doda」は国内大手の転職サービスで、さまざまな業種の求人を取り扱っています。
2023年5月時点での求人数は約234,000件もあり、新着求人数だけでも2万件を超えています。
働き方では在宅勤務や年間休日120日以上など豊富な条件から探すことが可能です。
転職に失敗しないための診断・書類作成ツールも豊富に用意されています。
・人気企業300社の合格診断
・年収査定
・キャリアタイプ診断
・自己PR発掘診断など
さまざまなコラム記事も配信されているため、転職に関する知識を身に付けながら転職活動に取り組めます。
Indeed
Indeed(インディード)とは、求人検索に特化した検索エンジンによりあらゆる転職サイトや企業の採用情報ページから集めてきた求人を見られるサービスです。
全てのサイトから求人を収集しているため、求人掲載数が桁違いに多いことが特徴です。
会員登録の必要はなく、無料でいつでも利用できます。
求人は最新のものと並び替えも可能で理想の求人を見つけやすいと言えるでしょう。
マイナビエージェント
マイナビエージェントでは、2023年5月現在で63,428件の求人を掲載しています。
求人サイトではなく転職エージェントであるため、求人の紹介はもちろん内定までのサポートを一貫してサポートしてもらうことが可能です。
担当するのは各業界の転職事情に詳しい専任アドバイザーであり、最適な求人を提案してもらえます。
これとは別に企業の人事担当者とのやり取りをするアドバイザーも在籍しており、職場の雰囲気など求人情報で分からないことも質問できます。
具体的なサービスの流れは以下の通りです。
- 無料申し込み
- 対面かWebでの面談
- 求人紹介
- 応募
- 要望に応じて面接の練習
- 内定、入社
内定の段階では年収の交渉や入社日の調整も可能です。
関連記事:施工管理を一年目でやめたい方に教えたいオススメの転職先や業種
関連記事:土木施工管理からの転職先でオススメしたい19の仕事を紹介
建築施工管理者の転職先に関するまとめ
今回は建築施工管理からの転職について解説してきました。
建築施工管理での経験や身に付けたスキルは、さまざまな業界や職種で活かせます。
建築以外の資格や経験がない方でも、理想の会社に転職することは十分可能です。
今回紹介した業種を参考に、転職のポイントを意識しながら上手に転職活動を進めていきましょう。
理想の条件にマッチする企業が見つかるはずです。
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