機械設計技術者試験2級に向けて、勉強を始めようとしている方もいるでしょう。
一発合格するためにも、しっかり勉強時間を確保する必要がありますが、機械設計技術者試験2級の勉強時間は400時間程度必要と言われています。
機械設計技術者資格は、機械設計に関する知識やスキルを証明できることから、昇格やキャリアアップを目的とした転職に役立ちます。
近年は設計業界における資格の認知率も上がってきており、取得を目指す現役の技術者も増えてきていますので、しっかり対策して臨みましょう
今回は、機械設計技術者試験2級の合格に必要な勉強時間を中心に、試験概要や勉強法について解説していきます。
【この記事のまとめ】 ・2級試験の合格に必要な勉強時間は400時間前後 ・2級試験を受験するには所定の実務経験を満たす必要がある ・試験の傾向を把握し得点源を絞って過去問を繰り返し解くのがおすすめ |
機械設計技術者試験2級の勉強時間:約400時間
2級試験の合格に必要な時間は、受験者のレベルにもよりますが400時間前後を目安にしましょう。
【2級試験の合格に必要な学習期間】 ・1日1時間勉強した場合:約1年1ヵ月 ・1日2時間勉強した場合:約7ヵ月 ・1日3時間勉強した場合:約4~5ヵ月 ・1日4時間勉強した場合:約3ヵ月 |
2級試験に挑戦するには、学歴や資格取得状況によって2~7年の実務経験が必要です。
実務経験によって身に付けた知識やスキルが多い場合は、さらに短時間での資格取得も狙えます。
自分のレベルが分からない場合は、過去問にチャレンジしたうえで、現状を理解してから学習計画を立てていきましょう。
ちなみに、試験の開催時期は11月下旬ごろで、年に1回のみ実施されます。
機械設計技術者試験2級:中間の資格
試験は1級〜3級に分かれており、試験のレベルや出題範囲が異なります。
2級は、基本設計に基づいて機械や装置の機能・機構・構造を、具体的に計画できるレベルであるかが試されます。
ちなみに1級は、機械や装置の基本仕様を決めるための計算や構想図の作成といった、基本設計業務をこなせるレベルであるかが試されます。
3級は、機械設計に関する基礎的な知識を身に付けており、詳細設計のサポートや製図業務をこなせるレベルの人が受験対象です。
機械設計技術者試験2級の概要
試験は、受験級によって受験資格や試験の形式、出題範囲が異なります。
効率良く勉強を進めるためにも、まずは2級試験の概要について理解しておきましょう。
令和3年から試験科目と手続き方法が変更されている
試験は、機械設計業界の変化や設計者のニーズに対応するため、定期的に内容が変更されます。
直近では、令和3年度から以下のような内容で変更がありました。
・2級試験の出題科目 ・受験申請の手続き方法 |
受験申請は、受験票が届いてから写真票の提出が求められていましたが、令和3年度からは、申請時に顔写真(デジタルデータ)も一緒に用意します。
2級試験の出題科目変更に関しては、内容が変わったものの試験の難易度自体はほとんど変わっていません。
この他にも変更点が出てくる可能性があるため、事前に試験の公式ページを確認するようにしましょう。
受験資格は条件により異なる
機械設計技術者試験は、受験級によって、以下の通り受験資格が設けられています。
最終学歴 | 2級試験 | 1級試験 |
・工学系の大学 ・職業能力開発大学校 ・高専専攻科 ・高度専門士 |
・3級合格者の場合は2年以上 ・直接受験の場合は3年以上 |
・2級合格者は次年度から受験可能 ・直接受験の場合は5年以上 |
・短大 ・高専、専門学校 ・職業能力開発短期大学 |
・3級合格者の場合は3年以上 ・直接受験の場合は5年以上 |
・2級合格者は次年度から受験可能 ・直接受験の場合は7年以上 |
その他(上記以外) | ・3級合格者の場合は4年以上 ・直接受験の場合は7年以上 |
・2級合格者は次年度から受験可能 ・直接受験の場合は10年以上 |
3級に関しては、特別な受験条件がなく誰でも受験できます。
実務経験は、どのような業務でも認められるわけではなく、事前に職務経歴書による審査を受けます。
職務経歴書を提出する流れや、具体的なルールに関しては、日本機械設計工業会の試験専用ページに掲載されています。
令和6年度の試合日程は11月17日
技術者試験は、受験級に関係なく11月下旬ごろに実施されます。
令和6年度の試験スケジュールは以下の通りです。
令和6年度試験の予定スケジュール | 日付 |
受験申請の受付期間 | 7月19(金)~9月30日(月) |
受験料の入金期限 | 10月7日(月)まで |
試験実施日 | 11月17日(日) |
合格発表 | 12月頃を予定 |
確定した情報ではないため、試験の公式ページを事前にチェックするようにしましょう。
受験料は22,000円
各級の受験料は、以下の通りです。
受験級 | 受験料(税込) |
1級 | 33,000円 |
2級 | 22,000円 |
3級 | 8,800円 |
1級・2級を受験する場合、上記受験料とは別に実務経験の審査料として5,500円必要です。
試験の形式は原則マークシート+一部記述式
受験級ごとの試験形式は、以下の通りです。
受験級 | 出題形式 |
1級試験 | 全て記述式で、小論文に関しては出題テーパから1つ選んで解答する |
2級試験 | 原則マークシート方式ではあるものの一部記述式となる場合あり |
3級試験 | マークシート方式 |
ちなみに、試験当日のスケジュールは以下のような流れで進みます。
受験級 | 試験時間(令和5年度試験の場合) |
1級試験 | ・1時限目:9:30~11:40 ・2時限目:12:40~14:40 ・3時限目:15:00~16:30 |
2級試験 | |
3級試験 | ・1時限目:12:00~14:00 ・2時限目:14:20~16:20 |
出題範囲は7項目
機械設計技術者試験の出題範囲は、以下の通りです。
受験級 | 出題範囲 |
1級試験 | 環境経営関連/機械設計/基礎設計管理関連/実技関連 |
2級試験 | 力学分野/流体・熱分野/メカトロニクス分野/材料・加工分野/機械設計分野/安全・環境分野/応用・総合 |
3級試験 | 機械要素設計・機構学/工業材料/流体工学/工作法/機械製図/機械力学/制御工学/熱工学 |
機械設計技術者試験2級の勉強法
試験に合格するには、機械設計に関する知識を幅広く身に付けておく必要があります。
ここでは、効率良く学習を進めていくためのポイントを5つ紹介していきます。
傾向を把握する
試験は、知識を暗記して解く問題と、計算式を用いて解く問題に分かれています。
暗記科目は「機械要素設計・機構学/機械製図/工作法/工業材料/制御工学/メカトロニクス分野」です。
計算科目は「材料力学/機械力学/流体工学/熱工学」です。
機械設計に関する知識がある人は、過去問を解いてみながら自分の得意な分野と不得意な分野を把握したうえで、弱点を克服していきましょう。
戦略を立てる
勉強の進め方は、ケースバイケースではあるものの、全体的に勉強し直す場合は全体の理解につながる科目や計算式を用いる科目を優先しましょう。
暗記科目は、勉強の序盤で覚えたとしても、計算式の科目をやっているうちに忘れてしまう可能性があります。
得点源を絞る
機械設計技術者試験は、各問題の配点が公表されていません。
そのため、過去問で正答率をしらべたうえで、さらに点数を伸ばせそうな科目に絞って勉強する方法がおすすめです。
過去問を活用する
試験の出題科目によっては、毎年似たような問題ばかりでているものもあります。
ある程度、知識が身についてきた後は、過去問を繰り返しといて試験の傾向や解答ペースに慣れていきましょう。
過去問は1年分を繰り返し解くのではなく、少なくとも3年以上の過去問を活用するようにします。
関数電卓に慣れておく
計算問題では、関数電卓を使って解く問題も出題されます。
設計に関する知識があったとしても、電卓の操作を間違えてしまっては意味がありません。
操作に慣れていない場合、試験当日に緊張で打ち間違いをしてしまいやすくもなるため、定期的に使用するようにしておきましょう。
ちなみに、受験者の中には前日まで自宅で関数電卓を使用しており、カバンに入れ忘れてしまう人もいます。
必ず忘れないように、家を出る前には再度チェックするようにしましょう。
機械設計技術者試験2級のおすすめ参考書
2級試験の対策としておすすめの参考書は、日本機械設計工業会が出版した「令和3年版 機械設計技術者試験 問題集」がおすすめです。
過去問について解説までついているため、より理解を深めながら勉強できます。
解説を必要としないという人は、日本機械設計工業会の公式サイトで、過去問のみの電子書籍が2,000円で販売されています。
機械設計技術者試験2級:試験当日のポイント
試験当日のポイントは、主に2つあります。
・試験が始まったら忘れないうちに主要な計算式を紙に書き出す ・全ての問題を確認しておおよそのペース配分を決める |
機械設計で使用する計算式は種類が多く、似たようなものも存在します。
十分に覚えたつもりでも、試験当日は緊張により忘れてしまうようなことも珍しくありません。
そのため、試験が始まると同時に、空いたスペースに重要な計算式を記入することから始めましょう。
また、ざっと全ての問題に目を通して、ペース配分を調整しましょう。
機械設計技術者試験2級の勉強時間についてのまとめ
2級試験の合格に必要な勉強時間は、400時間前後と言われています。
試験は11月下旬ごろに実施されますので、一日に確保できる勉強時間を踏まえて学習スケジュールを立てていきましょう。
2級試験は出題範囲が広いため、効率良く勉強を進めることが大切です。
今回紹介した勉強法も参考にしながら、受験勉強を進めてみてください。
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