電気設備の設置や電気配線などを行う電気工事士として働く場合、電気に関する専門的な知識とスキルが欠かせません。一方で、電気工事士の求人には未経験者を歓迎するものも少なくありません。
「本当に未経験でも電気工事士になれるのか」と、不安に感じている人もいるでしょう。この記事では、未経験でも本当にやっていけるのか、転職前に知っておくべきことについて解説していきます。
電気工事士の適性やきつさについても紹介していますので、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
【結論】未経験からでも電気工事士への転職は可能
この記事の結論から述べると、全くの未経験者でも電気講師への転職は可能です。近年は、若手人材の確保を目的として、未経験者を歓迎している企業が増えてきています。
ただし、年齢によって転職のしやすさや電気工事士としての将来的なビジョンが異なります。また、未経験で転職した場合は数年間の見習い期間をこなさなければなりません。
この後に紹介する、電気工事士の適性やきつさも理解したうえで、転職するかどうか考えてみましょう。
【年代別】未経験で電気工事士に転職する前に知っておくべきこと
未経験でも電気工事士に転職できると前述しましたが、年齢によって採用してもらえる確立や将来的なビジョンが異なります。
ここでは、年代別で電気工事士に未経験で転職する前に知っておくべきことについて解説していきます。
20代・未経験で転職する場合
電気工事業界では、若手人材が不足していることもあり、20代であれば未経験者でも転職しやすいと言えます。
専門的な知識やスキルは、入社後にゆっくり覚えられるため、転職時には仕事に対する気持ちや将来的なビジョンをアピールしましょう。
30代・未経験で転職する場合
30代に関しても、若手から中堅に差し掛かった辺りであるため、若手人材として確保してもらいやすいと言えるでしょう。
前職でどのような経験をしてきたのかを通じて、電気工事士への適性が判断されます。後述する適性の中で当てはまっていることを中心に面接でアピールするようにしましょう。
40代・未経験で転職する場合
40代は社会人としての中堅層に位置しており、若手人材ではなくなります。他の若手人材と一緒に頑張れるか、コミュニケーションスキルや仕事の適性が面接時にチェックされます。
どのように若手人材との差を埋められるか、社会人経験を踏まえて説明できるように準備しておきましょう。体力面も落ち始めてきているので、健康管理能力の高さもアピールできることが理想です。
50代・未経験で転職する場合
50代でも未経験で電気工事士への転職はできるものの、残りの社会人としてのキャリアを考えると採用確立は下がってしまいます。
電気工事士は力仕事が多く身体を動かす業務が続くことから、50代で転職する場合は、体力の有無が重視されます。定年までのビジョンなどについても質問されるため、明確に答えられるようにしておきましょう。
未経験で電気工事士に転職すると見習い期間がきつい
未経験で電気工事会社に入社した場合、資格を取得するまでは、専門的な作業に携われません。先輩職人の補助役として見習い期間をこなさなければなりません。
見習い期間は雑用が多く、重いケーブルや照明器具などを運ぶような作業がメインになります。40代以降で転職する場合、見習い期間で体力的な辛さを感じやすいことを理解しておきましょう。
また、見習い期間は収入も低いため、家族持ちで一定以上の収入を確保する必要がある場合は事前に予定年収について調べておくことも大切です。
電気工事士への転職で役立つ資格
電気工事に関連する資格を取得しておくことで、転職を有利に進められるようになります。紹介する2つの資格とも、実務経験なしで受験できますので、取得を検討してみてください。
第二種電気工事士
まず1つ目が第二種電気工事士です。電気工事士になってから取得するイメージを持つ人もいますが、未経験者でも受験可能です。
第二種電気工事士を取得できれば、600ボルト以下で受電する小規模設備の電気工事に従事可能となります。具体的には小規模店舗や一般住宅などがあり、入社後にある見習い期間の短縮にも繋がります。
試験の合格率は40〜50%で、未経験者でも十分合格を狙える難易度と言えるでしょう。
関連記事:【2024年度】第二種電気工事士の試験概要|試験日や合格発表日について
消防設備士
消防設備士は、さまざまな建物に設置してある消防設備の点検や整備を行うための資格です。電気工事士とのダブルライセンスで、仕事の幅を広げられます。
電気工事の仕事ではなくなりますが、ビルメンテナンス業界では電気工事士や消防設備士の有資格者が優遇される傾向です。
消防設備士には甲種と乙種があり、受験資格や合格率は種類によって異なります。
関連記事:消防設備士・甲種4類の試験概要|受験資格や過去問について
関連記事:消防設備士・乙6類の試験概要|勉強時間や合格率について
関連記事:消防設備士の乙種・甲種の難易度は?勉強時間や受験資格について
未経験者を歓迎する電気工事士の求人
未経験で電気工事士に転職する場合、休日や収入はどれくらいになるのか気になる人もいるでしょう。未経験者を歓迎する電気工事士の求人には、以下のような内容がありました。
【電気工事士の求人1】
主な仕事内容 | 大手通信事業者の施設内での蓄電設備の更改工事や保守メンテナンス作業 |
月給 | 年俸500万円前後 |
休日 | 月7~8日 |
主な福利厚生 | 資格取得支援制度・各種保険完備・退職金制度 |
【電気工事士の求人2】
主な仕事内容 | マンションや商業施設での照明器具の取り付け工事や電源工事 |
月給 | 25~35万円(各種手当を含む) |
休日 | 年年間休日100日 |
主な福利厚生 | 家族手当・資格手当・交通費支給 |
【電気工事士の求人3】
主な仕事内容 | ビルや商業施設の受変電設備工事や省エネシステム工事 |
月給 | 20~50万円 |
休日 | 年間休日120日 |
主な福利厚生 | 家族手当・資格手当・賞与年2回・深夜手当 |
キャリア形成のため、45歳までを中心として採用している企業が多い印象でした。
電気工事士資格を活かせる、ビルメンテナンスや設備管理の仕事であれば年齢関係なく募集している求人も多くあります。
未経験者が知っておくべき電気工事士の適性
未経験で電気工事士に転職する場合、仕事の適性について理解しておくことが大切です。適性について理解できていれば、転職に失敗する可能性を低くできます。
ここでは、電気工事士の業務内容を交えながら適性について解説します。
電気工事士に向いている人
電気工事士に向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 細かい作業が得意な人
- 責任感がある人
- 臨機応変に対応できる人
- コミュニケーション能力がある人
電気工事士の仕事は、細かい作業が多く電線の加工などは数ミリ単位での微調整を行います。そのため、細かい作業に抵抗がなく器用な人が向いています。
配線作業は、ちょっとしたミスが漏電やショートを引き起こす原因になります。最初から最後まで責任をもって作業に取り組まなければなりません。
電気工事では、事前に立てた計画通りに行かないことがよくあります。現場の状況を正確に伝えたり指示を受けられる、コミュニケーション能力が求められます。
電気工事士に向いていない人
電気工事士に向いていない人の特徴は、以下の通りです。
- 注意力や集中力がない人
- 体力に自信がない人
- 面倒くさがりな人
電気工事では、高所作業もあり目に見えない電気を取り扱うため、常に危険が伴います。注意力や集中力がない人は、作業ミスによる事故を引き起こす可能性が高いため向いていません。
力仕事が多く、一日中歩き回ることも珍しくないため、体力に自信がない人も向いていないと言えるでしょう。
工事作業は安全第一であり、対策として実施しなければならないことがたくさんあります。勝手に省略すると事故に繋がる恐れがあるため、面倒くさがりな人も電気工事士には向いていません。
【未経験者は要注意】電気工事士はやめとけと言われている理由
電気工事士は、需要があり将来性の高い仕事である一方で、きついと感じることも少なからずあります。ネット上では「やめとけ」といったネガティブな声も見受けられるほどです。
仕事の適性と同様に、電気工事士のきつさについても理解したうえで、転職するかを検討してみましょう。
肉体労働が多く体力的にきつい
電気工事士は、さまざまな工具を入れた作業用ベルトを身に着け、工事現場のさまざまな場所を行き来します。重いケーブルや照明器具を持ち歩くことも多く肉体労働と言えます。
年齢が高めの人は特に、体力的に付いていけない可能性があるため、注意が必要です。
繁忙期は休みを取りにくい
電気工事の内容にもよりますが、季節によって需要が変わるエアコンなどの取り付けを行う場合、夏にかけて忙しい日々が続きます。
夏季休暇など、自分の希望するタイミングで休みを取りにくい可能性があります。年間休日数や有給休暇の取得率は、事前にチェックしておくようにしましょう。
一人前になるまでは収入が低い
電気工事士は高収入を目指せるものの、未経験者に関しては収入の低い状態からのスタートとなります。
電気工事士の資格を取得し、一人前の技術者になるまでは高収入を目指せません。特に見習い期間は収入が低く「割に合わないから」と転職する人も少なくないため、注意が必要です。
未経験者で電気工事士に転職するなら教育体制の整った企業への転職がおすすめ
電気工事士は、未経験でも転職できます。近年は若手人材の確保を目的として、未経験者を歓迎している企業が増えてきています。
ただし、未経験者の場合は見習い期間が長くなりやすく、想像していたよりも収入が低かったり仕事がきつかったりする可能性があります。仕事のきつさや適性も十分理解したうえで転職するようにしましょう。
未経験者の教育体制が充実しており、働きやすい環境が整っている企業を選ぶようにしましょう。
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