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電気工事士はやめとけと言われる4つの理由

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電気工事士はやめとけと言われる4つの理由

近年、電気工事士という職種が注目を集める一方で、「電気工事士は避けた方がいい」との声も少なくありません。そこには、この業界特有の厳しい環境や様々な課題が隠されています。

本記事では、電気工事士を目指す前に知っておくべき「電気工事士はやめとけ」と言われる理由を解説します。また、電気工事士の仕事内容と、電気工事士が向いている人と向いていない人の特徴などについても詳しくまとめました。

電気工事士がやめとけと言われる4つの理由

まずは、電気工事士がやめとけと言われる理由を4つ紹介します。

肉体的にきついから

電気工事士がやめとけと言われる理由の1つ目は、肉体的にきついという意見があるからです。

工事現場での作業は、高い場所での作業や重い機材の取り扱いなど、体力を要する場面が少なくありません。

長時間にわたる立ち仕事や、様々な環境下での作業は、日常的に繰り返されるため、体力的に負担が大きくなることも考えられます。

このような肉体的な厳しさに耐えられるかどうかは、電気工事士を目指す上での大きなポイントとなるでしょう。

繁忙期がきついから

電気工事士がやめとけと言われる理由の2つ目は、繁忙期がきついからです。

繁忙期とは、特定の期間中に工事の依頼が集中する時期のことを指し、この時期には日常よりも多くの仕事が入るため、長時間労働や休日出勤が増えることが一般的です。

また、工事スケジュールがタイトになることも多く、計画的な仕事の進行が求められるとともに、急なトラブル対応なども増えるため、精神的なプレッシャーも高まります。

このような繁忙期の厳しさに耐えられるかどうかは、電気工事士としてのキャリアを考える際の重要なポイントとなるでしょう。

出典:電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について|経済産業省

最初は年収が低いから

電気工事士がやめとけと言われる理由の3つ目は、働き始めの時期は年収が低いからです。

電気工事士は多くの職種と同様に、経験やスキル、実績を積み重ねることで収入は増加していく傾向にありますが、電気工事士になった直後は、基本的な技術やノウハウを学ぶ期間となります。

この学びのフェーズでは、実務経験が浅いために企業から評価される価値が低く、それが給与にも反映されることが一般的です。

したがって、短期間での高収入を望む方にとっては、電気工事士としての初期段階での収入面の厳しさは、就職の選択肢を検討する際の検討ポイントとなるかもしれません。

資格取得に必要な実務経験が長いから

電気工事士がやめとけと言われる理由の4つ目は、資格取得に必要な実務経験が長いからです。

特に、電気工事士の上位の資格を取得するためには、多くの実務経験が要求されることが一般的です。

このような長期間の実務経験は、資格取得のハードルを高くするだけでなく、経験を積む過程での挫折や、待望の資格が手に入るまでの間に多くの時間が必要となるというデメリットも伴います。

したがって、短期間で資格を取得してキャリアアップを目指したい方にとっては、電気工事士の道は長期的な視点と忍耐が求められる職種と言えるでしょう。

やめとけと言われる電気工事士の離職率

昨今、電気工事の分野で働く新入社員は3年以内に離職するケースが増えており、離職率は全産業の平均よりもやや高めの40%となっています。

退職の背景には、十分なOJT(実地研修)の機会の欠如、取得可能な休日の少なさ、または厳しい勤務環境などが影響しているとされています。

今の電気工事業界の人材構成を見ると、工業高校の卒業生が約50%を占めているのに対し、中途での雇用や他の業界からの転職は少ないのが実情です。

工業高校の卒業者数の減少に伴い、電気工事士の数も将来的には下降すると見込まれています。

そして、高い退職率が続くと、現場に残るスタッフの仕事の量が増大し、結果的にさらなる退職を引き起こす可能性があり、電気工事士の不足はさらに深刻化することが予想されます。

出典:電気保安人材の中長期的な確保に向けた課題と対応の方向性について|経済産業省

やめとけと言われる電気工事士の仕事内容

このように、離職率も高い電気工事士ですが、実際の仕事内容は、どのようなものなのでしょうか。ここでは、電気工事士の仕事内容について詳しく解説します。

主な仕事内容

電気工事士の仕事内容は、電気設備の設置や修理、保守を主に行う職種です。

具体的には、住宅やビル、工場などの施設において、電気配線の工事や、照明器具、エアコン、太陽光発電システムなどの電気設備の取り付け・交換作業を行います。

また、既存の電気設備の故障やトラブルの際の修理や点検も重要な業務です。さらに、電気工事士は、電気工事の安全を確保するための基準や法律を遵守しながら作業を行う必要があります。

なお、電気工事士の資格には、第一種と第二種があり、それぞれ対応できる業務範囲が下記のように異なります。

主な仕事内容
作業内容 第一種電気工事士 第二種電気工事士
外線配線工事 電柱の上で、電線を各施設につなぐ △(600V以下に限る)
屋内配線工事 施設内で電源やケーブルを配線し、電気が使えるようにする △(600V以下に限る)
冷暖房設備工事 エアコンの取り付けや取り外しなど △(600V以下に限る)
ビル管理 ビル内の電気・水道・空調設備の保守管理 △(600V以下に限る)
変電設備工事 変電所の保守管理 ×
線路工事 線路上の電気設備の保守点検 ×
駅の電気設備の点検・工事 駅の電気設備の保守点検 ×

電気主任技術者や電気通信主任技術者との違い

電気工事士と電気主任技術者、電気通信主任技術者との違いは、下記の表のとおりです。

職業名業務内容受験資格制限試験内容
電気工事士電気設備の設置や修理、保守特になし学科試験と技能試験
電気主任技術者特定の電気使用施設での電気の使用に関する技術的な管理や監督特になし学科試験
電気通信主任技術者電気通信設備の設計、施工、保守特になし学科試験

業務内容に違いがあるほか、電気工事士の試験では技術試験が課されるのに対して、他2つの試験では学科試験のみとなっています。なお、受験資格の制限は、3資格とも特にありません。

電気工事士の資格を取得するメリット

続いては、電気工事士の資格を取得するメリットを3つ紹介します。

転職活動に有利

電気工事士の資格を取得するメリットの1つ目は、転職活動に有利であることです。

電気工事士の資格は、電気工事の専門知識と技術を持つことを証明するものであり、多くの企業が求める要件となっています。

電気関連の仕事を希望する場合、電気工事士の資格の有無が明確なアピールポイントとなり、他の応募者との差別化が可能です。

また、電気工事士の資格を持っていることで、初任給が高く設定される場合や、資格手当が付与される企業も存在します。さらに、将来的には独立開業する際の強力なバックアップとしても機能します。

このように、電気工事士の資格は、転職市場での競争力を高めるだけでなく、キャリアの幅を広げる大きな武器となるでしょう。

資格手当が支給されることがある

電気工事士の資格を取得するメリットの2つ目は、資格手当が支給されることです。

一部の企業では、電気工事士の資格を所持していることで、「資格手当」として追加の手当が支給されることがあります。この手当は、電気工事士の資格を持っている社員への報酬や、資格を活かした業務への期待として給与に上乗せされるものです。

電気工事士の資格は専門的な知識と技術を持つことを証明するものであるため、その資格を活かせる仕事に従事する際には、資格手当としての追加収入を期待することができます。

このような資格手当により、電気工事士の資格取得の努力が金銭的な形で評価され、経済的な利益を享受することが可能となるのです。

社会的に信用されやすい

電気工事士の資格を取得するメリットの3つ目は、社会的に信用されやすいことです。

特に電気関連の業務や取引を行う際、電気工事士の資格は信頼の証となり、顧客やビジネスパートナーからの信頼を高める要因となります。

また、安全や法規制の厳しい電気業界において、資格を持っていることはその人の技術力や適正を示す証拠として、多くの場面でその価値を発揮します。

従って、電気工事士の資格を持っていることで、社会的な立場や信用を強化し、より多くの機会やチャンスを掴むことができると言えるでしょう。

関連記事:電気工事士はやめたほうがいい?そうとも言えない5つの理由

電気工事士の資格を活かせる仕事

続いて、電気工事士の資格を活かせる仕事を6つ紹介します。

配線工事

電気工事士の資格を活かせる仕事の1つ目は、配線工事です。

配線工事は、建物や施設内の電気設備を安全に動作させるための基盤となる工事であり、電気工事士の専門的な知識と技術が必要不可欠です。

具体的には、新築やリノベーション時の電気設備の設置、既存の電気設備の点検・修理、あるいはエアコンや照明器具の取り付けなど、さまざまな場面での配線作業が行われます。

これらの作業は、電気の流れを理解し、安全に作業を行うための専門的なスキルが求められるため、電気工事士の資格を持つことで、高い技術力と信頼性を持って仕事に取り組むことができます。

エアコン工事

電気工事士の資格を活かせる仕事の2つ目は、エアコン工事です。

エアコン工事では、新しいエアコンの設置や既設のエアコンの取り替え、メンテナンスなどの作業が主に行われます。

特に、エアコンの設置や取り替えの際には、電源を適切に取り付けるための電気配線作業が必要となります。この作業には電気に関する専門的な知識と技術が求められ、電気工事士の資格を持つ者がその役割を果たすことが一般的です。

このように、エアコン工事の分野でも電気工事士の資格は大きな価値を持っています。

ビルメンテナンス

電気工事士の資格を活かせる仕事の3つ目は、ビルメンテナンスです。

ビルメンテナンスとは、オフィスビルやマンション、商業施設などの建物の維持管理を指す業務で、その中でも特に電気設備の点検や保守、修理などが重要となります。

例えば、照明設備やエアコン、エレベーター、非常用発電機など、建物を機能的に使用する上で欠かせない電気設備の安全と効率的な運用を確保するためには、電気工事士の専門的な知識と技術が不可欠です。

そのため、ビルメンテナンスの業務においても、電気工事士の資格を有する者は高い評価を受け、多くのビルオーナーや管理会社からの信頼を勝ち得ています。

電気主任技術者

電気工事士の資格を活かせる仕事の4つ目は、電気主任技術者です。

電気主任技術者は、工場やビルなどの施設において、電気設備の安全管理や適切な運用を監督する責任者としての役割を果たします。具体的には、電気関連のトラブルや障害が発生した際の対応、新しい設備の導入や既存設備のアップグレード計画の立案など、幅広い業務を担当します。

電気主任技術者に就く際には、さらなる専門的な知識や経験が求められるため、電気工事士の資格を持つことが大きなアドバンテージとなります。

電気主任技術者に就くことで、より高度な技術や知識を駆使した仕事に携わることができ、電気工事士の資格取得後のキャリアの幅を広げることが可能です。

サービスエンジニア

電気工事士の資格を活かせる仕事の5つ目は、サービスエンジニアです。

サービスエンジニアは、家電製品や業務用機器などの修理、メンテナンスを行う専門家として活躍します。具体的には、顧客からのトラブル報告や不具合の情報を基に、原因を追求し、適切な修理や調整を行うことが主な業務となります。

電気工事士の資格を持つことで、電気的な問題に関する深い知識や経験が要求される場面でも、迅速かつ正確に対応することが可能となります。

また、新しい製品の取り扱いや研修を受ける際も、基本的な電気知識を有していることが大きなアドバンテージとなるため、電気工事士の資格はサービスエンジニアとしてのキャリアを一層豊かにすることが期待できるのです。

技術系公務員

電気工事士の資格を活かせる仕事の6つ目は、技術系公務員です。

技術系公務員は、自治体や国の公的機関で電気関連の業務を担当する役職を指します。例えば、市町村や都道府県の電気設備管理や、公共施設の電気メンテナンス、さらには大型プロジェクトの電気設計や監督など、多岐にわたる業務を行います。

電気工事士の資格を持つことで、これらの職務において専門的な知識や技術を活かし、より高度な業務への挑戦も可能です。

また、公務員としての安定した待遇や福利厚生、キャリアパスの展開など、多くのメリットが存在するため、資格を有することでさらなるキャリアアップを目指すことができます。

関連記事:電気工事士はやめとけ?資格を活かせる仕事や将来性を徹底解説

電気工事士に向いている人の特徴

電気工事士に向いている人の特徴としては、まず技術的な興味や好奇心を持っていることが挙げられます。電気の仕組みや設備に関する知識を深めることが好きで、常に新しい技術や方法を学ぶ意欲がある人にはピッタリの職種と言えるでしょう。

また、手先の器用さや細かい作業に対する集中力が求められるため、これらの能力に自信がある人にも適しています。

さらに、現場作業が中心となるため、体力的に自信があることも重要です。

最後に、チームでの作業が多いため、コミュニケーション能力や協調性を持っていると、よりスムーズに業務を進められます。

電気工事士に向いていない人の特徴

電気工事士に向いていない人の特徴として、まず物理的な作業や屋外での長時間の業務を避けたいと感じる人には難しい職種かもしれません。電気工事士の仕事は時に体力を要するため、体力的な負担を避けたい方には向きません。

また、細かい作業や手順を守ることが苦手な人も、電気工事の現場での作業は難しく感じるでしょう。

さらに、技術や知識の習得が必要なため、学ぶことや新しい情報を取り入れるのが億劫な人にはハードルが高いです。

最後に、危険を伴う仕事もあるため、リスクを避けたいという思考の人も、電気工事士の業務に不安を感じるかもしれません。

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電気工事士はやめとけと言われる理由についてのまとめ

今回は、電気工事士はやめとけと言われる理由について解説しました。

本記事で解説した通り、電気工事士の業務は辛いことも多いです。しかし、資格を取得すれば仕事に就くことができるという点では、安定した職業と言えます。

電気工事士の仕事に少しでも興味がある方は、本記事を参考にして、電気工事士の職業の実態を把握し、就職を検討してみてください。

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