軽トラの積載量はどれくらいなのか、高さや幅や長さ、荷台に載せられるもの、道路交通法によるルール、カスタムツールなど、軽トラの積載量に関する情報を網羅的に解説します。
仕事で軽トラを利用する予定がある方は参考にしてください。
軽トラの特徴と積載量について
まずは軽トラの特徴や積載量、最大積載量が決まっている理由を解説します。
軽トラとは
軽トラは荷台が広く、その積載量を活かして様々な荷物を運搬することが可能なため、建設現場や農業などで幅広く使用されています。
中型や大型トラックと比べてサイズが小さいため、畑や街中の狭い道でも走行しやすく、運転免許も普通自動車免許があれば運転可能です。
最近では荷物の運搬だけではなく、荷台の広さと積載量を活かした「軽トラキャンプ」なども注目を集めています。
規格は名前の通り「軽自動車」となっており、荷物を多く積むことが多いため、2WDや4WDがあります。
最大積載量の目安
軽トラックは荷台スペースが広く設計されていますが、規格は軽自動車となるため他の軽バンなどと同様に、350kgが最大積載量となります。
ちなみに軽トラは基本的に2人乗りとなりますが、乗車している人の体重を除いて最大積載量が350kgですので、覚えておきましょう。
また、道路交通法によって積載量以外にも以下のような細かいルールが設けられています。
- 高さ:地面から2m50cmまで
- 幅:車両の幅と同じ
- 長さ:車両の長さの10分の1まで
長さは、軽トラの全長が3400mmだった場合、340mm以内に抑えなければなりません。
基本的に上記のサイズ以内に抑えなければなりませんが、どうしても制限を超えている荷物を運びたい場合は、出発地の警察署で「制限外積載」の許可申請をすれば運搬できることもあります。
車両から荷物がはみ出ている場合は先端に印をつけたり、しっかり固定をしましょう。
なお、軽トラックとは異なる種類の貨物車における最大積載量は以下の通りです。
- 小型トラック: 3トン未満 ※2トン~3トンの車両重量を持つもの
- 中型トラック: 4トンから8トン ※メーカーによる規定がある場合
- 中型トラック: 3トンから6.5トン ※道路交通法で定義される中型車の場合
- 大型トラック: 6.5トン以上 ※11トンから25トンの車両総重量を持つもの、トラックの形状により異なる
これらの積載量を超えると、事故のリスクが高まり、罰則の対象となる可能性があるため、各車両の積載規定を遵守することが重要です。
最大積載量が決まっている理由
軽トラックが軽自動車であっても最大積載量が定められているのは、大型トラックと同様に貨物輸送を目的とした車両であるためです。
この制限は、安全性と道路の保護を目的としています。積載量が増えると、車両の制動距離が伸び、衝突時の衝撃が増大し、カーブでの横転や対向車線への逸脱リスクが高まります。
これらの危険を防ぐため、軽トラックを含むすべての貨物車には、最大積載量が設定されているのです。
また、道路や橋は特定の使用目的に基づいて設計されており、過積載による重量超過は道路の損傷や橋の安全性に影響を及ぼす可能性があります。さらに、積載荷物の落下による事故のリスクも考慮されています。
そのため、軽トラックでも最大積載量の規定があり、それを守ることが、安全運転と道路の保護に繋がっています。
関連記事:軽トラに高さ制限はある?走行ルールをわかりやすく解説!
軽トラの積載量の確認方法と関連法
続いて、軽トラの積載量の確認方法や関連法について解説します。
最大積載量の確認方法
軽トラの利用において、最大積載量の正確な把握は安全運転の要です。そこで、ここでは軽トラックの最大積載量の確認方法について解説します。
まず基礎として、「車両重量」と「車両総重量」の違いを理解することが重要です。車両重量は車体のみの重さに、ガソリン、エンジンオイル、冷却水、バッテリー、その他標準装備の重さを加えたものです。
これに対して車両総重量は、車両重量に加えて乗車定員全員(1人あたり標準55kgとして)と最大積載量の荷物を積んだ状態の合計重量を指します。最大積載量の計算は次の式でおこないます。
最大積載量=車両総重量−(車両重量+乗車定員×55kg)
この式により、車両が満タンの燃料を搭載し、定員が全員搭乗した状態で、さらに安全に積載できる荷物の重量を計算できます。
乗用車の場合、明確な最大積載量の規定は設けられていないことが一般的ですが、目安として「乗車定員数×10kg」が考えられます。
例えば、乗車定員が5名の場合、目安となる最大積載量は約50kgです。このように最大積載量を確認し、遵守することは、軽トラを安全に運転する上で不可欠と言えます。
最大積載量に関する法律や罰則
貨物車の最大積載量違反には法的な罰則が設けられており、超過の度合いに応じて違反点数と罰金が課されます。
これは運送会社や荷主にも影響を及ぼす可能性があります。 罰則の詳細は以下の通りです。
積載量の50%超過 | 2点の違反点数と3万円の罰金 |
積載量の50%~100%超過 | 3点の違反点数と4万円以下の罰金 |
積載量の100%超過 | 6点の違反点数(免許停止の可能性あり)、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金 |
軽トラックの場合、最大積載量は350kgと定められており、これには車両自体や運転手の重量は含まれていません。そのため、そう簡単には最大積載量を超過しないのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、大型家電や石材などの重い荷物を積む場合、容易に最大積載量を超えることがあります。
そのため、荷物を積む前には必ず最大積載量を確認し、過積載にならないよう適切に分けて運搬することが重要です。
軽トラの過積載対策をした方がいい2つの理由
「大きなトラックではないから、そこまで積載量を気にする必要はない」と思う人もいるかもしれません。しかし、軽トラと言えども過積載対策はきちんと取り組むことをオススメします。
そこで、ここでは軽トラの過積載対策をした方がいい2つの理由を紹介します。
取り締まりが厳しくなったから
過積載対策が必要である主な理由は、ひと昔前と比べて取り締まりが厳しくなったからです。
2017年、国土交通省はトラックの過積載に対する取り締まりを強化する方針を打ち出しました。
そしてその結果、2012年から2014年にかけて違反車両の摘発数は約30%増加したのです。
「捕まらないように過積載はやめよう」という動機でも十分ですが、ドライバーとして知っておきたいのは、過積載が道路インフラに与えるダメージです。
国土交通省の試算によれば、道路や橋の劣化原因の大部分が、大型車両の過積載によるものだと判明しています。
軽トラックが大型車両と同等の影響を与えるわけではありませんが、細い道や農道などでの継続的な走行は、最終的に道路のひび割れや陥没を引き起こす可能性があります。
したがって、過積載対策は単に罰則を避けるためだけではなく、道路の保全と人々の安全を確保するために必要な措置なのです。
コストカットにならないから
過積載をおこなう動機の1つとして「運搬コストを削減できる」ことがあげられます。
しかし、法規制の強化と罰則の厳格化により、このような過積載のメリットは失われつつあります。
実際、過積載の状態では荷物を受け入れない荷主や事業所が増加しているのです。
特にスクラップを扱う製鋼所では、トラックの重量を検査し過積載が確認された場合、荷物を返送するのが一般的です。
返送となれば、再度運搬するための手間やコストが増えるため、過積載運搬によるメリットはほぼ消滅していると言っていいでしょう。
軽トラの荷台は積載量を守れば運搬物に特別な制限はない
軽トラの荷台はとても広く、積載量さえ守れば基本的に何を運搬しても問題ありません。
ただし、平台であって横や後ろのアオリは低いため、それを超えて背の高い荷物を運搬したりする場合は固定をしっかりと行う必要があります。
特に風が強い日や、畑道など路面状況が悪い場所は荷物が落下する可能性が高いため注意が必要です。
また、軽トラの荷台に人が乗って走行しているのを、見かけたことがある人もいるでしょう。
軽トラの荷台に人を乗せて走行するのは違法とならないのですが、荷物の形状によりどうしても人が抑えておく必要がある場合に限ります。
祭りなどのイベントで複数人を荷台に乗せて走行する必要がある場合、走行する地域の警察署で許可を得る必要があります。
関連記事:軽トラの荷台からはみ出してしまう荷物の運搬方法について解説
軽トラの荷台には積載量を超えない限り、形状問わず乗せることが可能です。
ですが中には濡れてはいけないものや、振動に弱い荷物もあります。
そのような荷物を運搬するときに役立つアイテムをいくつか紹介していきます。
- 軽トラの荷台シート
平台のトラックように販売されており、軽トラの場合はサイズが1号・2号となります。
背の高い荷物を運搬する場合は、少し大きめのサイズを購入することで隙間ができにくくなります。
軽トラ荷台シートの価格は4,000~20,000円ほどとなり、通販やホームセンターで購入ができます。
- 軽トラの荷台マット
荷台に敷いて使用するもので、種類として樹脂(プラスチック)製やゴム製があります。
ゴム製は滑り防止や衝撃の軽減に役立ち、樹脂製はビール瓶のケースなどプラスチックのものを積み込んだりするときに滑らせれるので積み込みが楽になります。
軽トラの荷台マットの価格は4,000~25,000円ほどとなり、通販やホームセンターで購入できます。
この他にも折りたたみ式のコンテナなども販売されており、自分で設置できるものから業者に依頼するものまで選ぶことが可能です。
また最近では、荷台スペースにテントを設置して、リビングや就寝スペースとして使用する「軽トラキャンプ」などのアイテムもあります。
関連記事:軽トラ荷台のいろんなカスタム例や関連商品を詳しく紹介!
軽トラのカスタムツールと積載量
軽トラは手軽に荷物を運べる強みがある一方で、セキュリティ面や荷物の安定性の面で他の車両よりも性能が劣る傾向があります。
そこで、ここではそのような軽トラの弱点を補うカスタムツールを4つ紹介します。
幌(ほろ)
幌は、軽トラの荷台部分をシートで覆って、箱車にしたものを言います。使い勝手が良く、取り付けや取り外しが簡単で、荷物を雨風から保護できます。
多様なデザインがあり、ウイングタイプや後方視界を確保しやすいタイプなど、用途に合わせて選択可能です。
荷台ボックス
雨風から荷物を守り、機密性に優れているのが荷台ボックスです。軽トラ専用のものが販売されており、高性能なものであれば荷物を保冷できるタイプもあります。
コンテナ
軽トラ専用のコンテナもあります。コンテナがあれば、荷台の上で荷物が動いたり、大きく揺れる心配がありません。
ロールバー
ロールバーは軽トラの躯体を強化し、荷台の剛性を高めるアイテムです。軽トラのドレスアップにも役立ち、見た目と機能性の両方を向上させます。
軽トラのメリット・デメリット
様々な荷物を運ぶことができる軽トラですが、メリットもあればデメリットもあります。
軽トラのメリットとしてあるのが、他のトラックと比べて車両価格や維持費が安いことです。
軽自動車のため、税金が安く車両価格も普通のトラックに比べて安くなります。
また、軽バンなどのように室内の荷台ではないため、臭いがあるものや汚れているもの、濡れているものでも運びやすいと言えます。
軽トラのデメリットとしてあるのが、乗車スペースが狭く、一般車に比べて快適ではないことです。
リクライニング機能がついておらず、エンジン音なども比較的大きくなります。
関連記事:軽トラは何人乗り?乗車定員や荷台に関するルールを解説
関連記事:軽トラで高速道路は走行できる?注意点やマナーを解説
軽トラの積載量についてのまとめ
軽トラは軽自動車の規格となっているため、最大積載量は荷物のみで350kgまでとなっています。
また幅や長さ、高さにおいても道路交通法によりルールが定められているため、注意が必要です。
このようなルールを満たせば基本的に何でも積み込むことが可能で、荷物を支えたりする必要がある場合に限り、人が荷台スペースに乗ることもできます。
荷台スペースは運ぶ荷物や使用目的により、様々な活用方法があり、関連商品も販売されているため、自分仕様にカスタマイズしてみてもいいでしょう。
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