電験一種の年収は約600〜800万円と上位7％の高年収｜キャリアアップする方法

電気主任技術者の最上位に位置しているのが、電験一種です。資格取得することで、あらゆる電気工作物の保守・監督に携わることができます。

現在、取得を検討しており、どれくらいの年収を目指せるのか気になるという人もいるでしょう。

キャリアアップの方法を理解したうえで電験一種を取得できれば、高確率で年収アップが期待できます

今回は、電験一種を保有している技術者の平均年収を中心に、キャリアアップの方法も解説していきます。

【この記事のまとめ】 ・電験一種を保有する技術者の平均年収は600～800万円 ・資格を取得するだけでなく、社内での出世や好待遇の会社へ転職でキャリアアップすることが大切 ・転職を有利に進めたい場合は、サポート体制が整っている転職エージェントがおすすめ

電験一種の年収は約600〜800万円と高水準

第一種電気主任技術者は、電気に関する資格の中でも最上位に位置する資格です。電気主任技術者の公的な収入データはないものの、平均年収は600〜800万円と言われています。

令和4年における国民全体の平均年収が458万円であることから、かなりの高水準と言えるでしょう。

電験一種資格の保有者が高収入である理由としては、以下のような内容が考えられます。

・社内での評価を受けやすく出世により年収アップしやすい ・需要が高く待遇面が良い

あらゆる施設に設置されている、電気工作物の保守・監督業務は、電気主任技術者にしかできない独占業務です。そのため、需要が高く他の職種よりも好待遇の傾向です。

資格取得することで、知識やスキルの証明にも繋がるため、出世もしやすくなります。

資格取得後、すぐに収入が上がるわけではないものの、年収アップを目的としたキャリアアップに役立つ資格と言えるでしょう。

電験一種の求人の中には、想定年収が800万円を超えているものも珍しくありません。

出典：令和４年賃金構造基本統計調査　結果の概況｜厚生労働省
出典：令和４年分　民間給与実態統計調査｜国税庁

電験一種を取得できると年収1,000万円も視野に入ってくる

電験一種の保有は、電気設備の保守・監督業務だけでなくさまざまな業務に活かせます。経験を積み、プロジェクト全体をまとめ上げる立場になれば、年収1,000万円も十分に目指せます。

電験一種保有を条件とする求人の中には、想定年収が1,000万円を超えるものもあります。具体的な業務例や待遇は以下の通りです。

【求人例1・太陽光発電所の保守管理】

業務内容	保守計画の策定、巡回点検、遠隔監視、報告書の作成
必須条件	電験一種保有、設備保全業務の経験
給与・報酬	想定年収500～1,000万円

【求人例2・天然ガス発電所の保安・監督】

業務内容	保守計画の策定、巡回点検、遠隔監視、報告書の作成
必須条件	電験一種保有、火力発電所における保守・監督業務、発電事業の経験
給与・報酬	想定年収800～1,000万円

関連記事：電気主任技術者で年収1,000万円は夢じゃない｜高収入を得る方法

【求人例3・国内外の風力・太陽光発電所の開発支援】

業務内容	現地調査と基本設計、電力会社との技術的調整、買収案件の技術評価
必須条件	特別高圧電気設備工事の施工管理、保全業務経験、電験一種か二種
給与・報酬	想定年収600～1,100万円

資格取得後、保守・監督業務の経験を積めば、上記のような企業への転職も可能です。

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電験一種を取得して年収をアップさせる3つの方法

第一種電気主任技術者は、電気業界に欠かせない存在であることから、平均年収は高水準です。ただし、資格取得後、すぐに収入が増えるわけではありません。

資格を活かして年収を上げたい場合は、以下の方法でキャリアアップを目指す必要があります。

・給料水準の高い会社に転職する
・出世する
・個人事業主（フリーランス）として独立する

キャリアアップを目指すうえで、意識するべき内容を踏まえながら解説します。

給与水準の高い会社に転職する

電気主任技術者は、非常に需要が高く多くの企業が求人をかけています。今の会社よりも年収を上げたい場合は、転職を検討してみましょう。

好待遇の求人に共通しているのは、実務経験に関する条件です。専門的な施設での保守・監督業務や、プロジェクト管理経験に指定がある求人ほど収入も高く設定されています。

好待遇の求人には、どのような業務経験の指定があるのか理解しておくことも、キャリアアップを目指すうえで重要です。

出世する

今の会社を辞めずに年収を上げるためには、出世することを意識しましょう。入社して間もない場合は、よりレベルの高い技術者を目指します。

技術者として経験を積んできている人の場合は、管理職側への出世を意識してみましょう。具体的には関連資格の取得や、これまでに経験のないプロジェクトの経験などがあります。

社内での評価を高めることで、昇格や昇給により年収アップを目指せます。自分の立ち位置が分からない場合は、上司に相談してみるのもおすすめです。

個人事業主（フリーランス）として独立する

技術者として経験を積んだあとに、個人事業主として独立するのも、年収を上げる1つの方法です。

独立することで、仕事量を自分で調整できるだけでなく、利益も全て自分のものにできます。

電気管理技術者協会に登録後、営業活動を進めたり、転職サイトで業務委託の案件に応募したりしながら、仕事を見つけていきます。

ただし、技術者の業務とは別に、営業活動や会計などの事務作業をこなす必要があり、収入が保証されているわけではありません。リスクを理解したうえで検討してみましょう。

電験一種を取得すると業界内で長く活躍できる

電験一種を取得すると、保守・監督できる電気工作物の規模の指定が無くなります。大型発電所など、超高電圧にも従事できます。

資格を持っているだけでも就職が有利になり、経験を積み上げていくことで、長く業界内で活躍し続けられる資格です。

ちなみに、電験二種や三種の需要も非常に高く、一種を取得しなければ意味がないわけではありません。既に電気業界で働いている場合は、電気主任技術者の取得も検討してみましょう。

電験一種を活かせる高年収の求人探しは転職エージェント利用がおすすめ

これまでに転職経験がなく、自分に合った求人の見つけ方が分からない場合は「転職エージェント」を活用してみましょう。

経験豊富なキャリアアドバイザーが、二人三脚で転職活動を進めてくれます。条件にあった求人を見つけてくれるだけでなく、履歴書作成のサポートなどを無料で行ってくれます。

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電験一種に関係するよくある質問

最後は、電験一種に関する4つのよくある質問に答えていきます。

・電験一種は日本に何人いますか？
・電験一種は国家資格ですか？
・電験一種に受かるのは難しいですか？
・電験一種は需要がないから役に立たない？

電験一種についてより詳しく理解できる内容ですので、参考にしてみてください。

電験一種は日本に何人いますか？

電験一種の保有者は、全国で9,000人ほどと言われています。電験三種の保有者が23万人であることを踏まえると、かなり少ないと言えます。

試験の難易度が非常に高く、電験一種でしか扱えない電気工作物が国内にほとんどないことが有資格者数が少ない理由として考えられます。

電験一種は国家資格ですか？

電験一種は、電気工事業法に基づいた国家資格の1つです。ちなみに、電気工作物の保守・監督業務は、電気主任技術者の独占業務です。

電験一種に受かるのは難しいですか？

電験一種試験の合格率は、15％前後で推移しており例年の合格者数は200名ほどです。受験者のほとんどが現役技術者であることを踏まえると、かなり難易度が高いと言えるでしょう。

他の資格と比べると、一級建築士や日商簿記検定1級と同レベルの難易度と言われています。

関連記事：電気主任技術者の合格率は？試験概要や合格するための5つのコツも

電験一種は需要がないから役に立たない？

電気主任技術者には、第三種・第二種・第一種の三種類があり、扱える電気工作物の規模に指定があります。

電験一種でしか扱えない電気工作物としては、大型発電所の設備などが該当します。ビルや商業施設程の数がないため、需要は低いと言えるでしょう。

ただし、電験一種を取得できるほどの経験が備わっていれば、多くの企業で重宝される存在になれます。

関連記事：電気主任技術者の資格は3種類｜仕事内容や試験の内容

まとめ：電験一種を取得すると安定して高年収が稼げる

電験一種を保有する技術者の年収は600～800万円ほどです。資格取得後は、社内での出世や好待遇な企業への転職をするなどして、キャリアアップを目指せます。

また、技術者として経験を積むことで、個人事業主として独立も可能です。

必ず電験一種を取得しなければならないわけではなく、電験三種や二種でも十分活躍できます。今よりもさらに年収を上げたい人は、資格取得を検討してみてください。