CADオペレーター

CADオペレーターはやめとけ?実態やメリット・将来性を解説

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建築業界やモノづくりを行う業界で活躍しているCADオペレーター。

働いている人や過去に経験があった人から「CADオペレーターはやめとけ」と聞いたことはありませんか?

なぜそのように言われるのか、その理由、実態、メリットや将来性について解説します。

CADオペレーターとは?

CADオペレーターとは、CADソフトウェアを使用して、建築や機械、電気、土木工学などの分野で製図や図面の作成を行う専門的な職種を言います。

仕事内容は手描きの図面をCADソフトウェアに変換し、設計図や詳細図の作成などです。

CADオペレーターは、ものづくりに携わる企業で活躍していますが、その多くは建築や土木といった建設関係の会社で働いています。

CADオペレーターの仕事内容や必要な資格などについては、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」を参照してください。

厚生労働省jobtag「CADオペレーター」

CADオペレーターは「やめとけ」と言われる理由

なぜCADオペレーターになるのはやめとけと言われるのか、その理由は下記の通りです。

労働環境に関する理由

CADオペレーターはやめとけと言われる理由の1つは労働環境にあります。

単純作業が多い

CADオペレーターの仕事は単純作業が多く、すぐ飽きてしまいます。

単純作業と言われる仕事内容は下記の通りです。

・図面の確認・修正

・部品の分解・組立

・仕様書や説明書の作成

CADオペレーターの仕事は単純作業ですが、正確さを求められます。細かい作業の連続になるため、飽きやすい人には苦痛に感じるでしょう。

長時間のパソコン作業を求められる

CADオペレーターの仕事は基本的にパソコン作業です。1日のほとんどがパソコン作業のため、集中力が必要です。

また、長時間座っての作業となるので、血流が悪くなり、体のさまざまな部分に支障が出やすくなります。

目:疲れ、ドライアイになりやすい。最悪の場合、視力低下になる。

首:ストレートネックになり、首こりが起こる。

肩:血流が滞るため、肩こりになる。

腰:座り作業によって腰痛を引き起こす。

上記の症状はパソコンを使った仕事をする人に多く出るため、VDT症候群という病名がついています。

納期が厳しい

CADオペレーターは仕事の流れ上、納期が厳しいと言われています。CADを使って設計図を作成する前に、設計技術者が設計を考えないといけないためです。

納期は設計を考えるところも含まれているので、設計がなかなか決まらないと後のCADオペレーターの仕事期限が詰まってしまいます。

また、設計技術者の指示が下りてくるまでは仕事がなく、暇な状況が続くこともキツイと言われています。

残業が多い

CADオペレーターは忙しいときと暇なときの差が激しく、忙しいときは残業が続きます。

上述したように設計技術者の指示が遅れてしまい、納期までに日数が足りない場合は毎日残業しなければいけません。

しかし、暇な時は定時で上がれるため、そのギャップに耐えられなくなり、辞めていく人もいます。

会社によって業務内容が異なる

CADオペレーターは基本的にCADソフトを使った仕事を行いますが、一方で事務作業を兼任させる会社があります。

CADを使った設計を行いたいと入社しても、実際のところは関係のない事務作業をさせられると、理想と現実の違いに嫌気がさしてしまうかもしれません。

そういったことが起きないようにするためには、入社前に問い合わせておく、または面接時に仕事内容について質問しておくなど事前の確認が大切です。

メンタルに関する理由

CADオペレーターはやめとけと言われる理由はメンタル面にも関係があります。

責任が重い

どんな仕事でも責任はありますが、CADオペレーターは人一倍責任が重たいと感じる人がいます。

その理由を解説していきましょう。

①納期に間に合わせなければいけない

納期に関して、設計士からの指示が遅くなればなるほど納期までのスケジュールがタイトになります。

しかし、指示が遅かったからという言い訳はできないため、どんなに厳しいスケジュールでも間に合わせなければいけません。

納期を守る=会社の信用を守るということになるので、常に大きなプレッシャーがあります。

②ミスは許されない

もし図面を間違えたまま完成させてしまうと、そのまま間違った工事が進められてしまいます。工事の途中で修正するとなると大きなコストや時間が発生し、大きな損害を生むことになります。

「絶対にミスを犯してはいけない」というプレッシャーのもと仕事を進めないといけないので、精神的にキツイと感じてしまうこともあるかもしれません。

設計者への質問がしにくい

設計者の仕事はさまざまな部署と連携しながら進めているので、基本的には忙しいです。そのため、質問をしたくてもなかなか話しかけづらいことがあります。

質問をしてからでないと仕事が進められないという状況の場合、ムダに時間だけが過ぎ、その結果納期が近づくということが起きています。

設計者に気をつかいつつ、納期に間に合わせなければいけないという二重苦で精神的に追いつめられるかもしれません。

下積み期間が長い

「CADオペレーターになったからには、大きなプロジェクトに携わりたい」という気持ちを持っている方も少なくないでしょう。

しかし、いつまでたっても小さな仕事しかさせてもらえないことは意外とありがちです。

先輩社員にスキルの高い人がいるという理由や、ミスをさせたくないという考えの上司がいるとなかなか大きな仕事を担当することができません。

スキルアップをしたくてもできない環境の中で仕事をしているとストレスが溜まり、転職を考える要因になります。

その他の細かな理由

労働環境やメンタル面以外にもCADオペレーターならではの理由があります。

専門用語がたくさんある

専門用語がたくさんあることもCADオペレーターのキツイところです。

CADソフトウェアを使用するうえで、必要となる専門用語は多く、CADオペレータはそれらを1つ1つ正確に理解しておく必要があります。

専門用語を理解していないと設計図面を作成する際にミスが起こり、設計上の問題を引き起こす可能性が生まれるからです。

会社によって細かなルールが違う

会社によって仕事のやり方やルールが異なることも、CADオペレータの大変なところです。

具体的には、

・ファイルの保存方法

・命名規則

・フォーマット

・使用しているソフトウェアのバージョン

などです。

これらのルールは会社独自に作られたもので、長年業務についている人がやりやすいように設定されているため、変えることは難しく、適応していかなければなりません。

また、プロジェクトの時間や予算の制限も会社ごとで異なります。スピード重視の会社もあれば品質にこだわる会社もあります。

ソフトのバージョンアップがある

CADソフトウェアは頻繁に新しいバージョンがリリースされます。新たな機能が追加されるほか、これまでの機能が使えなくなる、仕様が変更となって今までの使い方とは異なるなど、変更があるたびに対応しなければいけません。

ソフトウェアが更新されるたびに最新技術に追いつかなければいけないので、そのための勉強に時間と労力がかかります。

他人のモデルを修正するのが大変

モデルの作成方法は人によって異なるため、他人が作ったものを修正するのは大変な場合があります。

その人の作成方法やクセを理解しておかないとエラーばかり起き、なかなか前に進めないということもよくあります。

前任者とコミュニケーションを取ることができれば問題ありませんが、突然辞めたような場合は連絡が取れないため、スムーズに作業が進まなくなり、大きなストレスを感じてしまうかもしれません。

関連記事:CADオペレーターは辛いのか?仕事内容や年収の実態を解説

CADオペレーターがキツくない働き方を実現するには?

上記で紹介したように、CADオペレーターはキツイと言われている仕事です。しかし、働き方によってはキツくないと感じることができます。

1つの取り組みとしては、CADや工事に関する知識を獲得することです。

CADオペレーターの大変なところは専門用語が多く、知識を有していないと仕事が進まなくなる点です。

基本的な知識はもちろんですが、専門知識を理解すること、CAD以外でも工事で使用する道具や材料の名前を覚えておくと、途中で調べたり質問したりする必要がなくなります。

覚えるまでは大変ですが、覚えた後は仕事が楽しくなる・上司や同僚からの信頼を勝ち取れるなど、モチベーションアップに繋がります。

CADオペレーターになるメリット

CADオペレーターはやめとけと言われますが、一方で魅力もたくさんあります。CADオペレーターになると得られるメリットは以下の通りです。

達成感がある

CADオペレーターの仕事をしているとさまざまな場面で達成感を得られます。

1つ目は仕事が完了したときです。

CADオペレーターの仕事はミスが許されないので、精度の高い仕事が求められます。設計や図面の作成において、細かな作業、修正などが必要なため、出来上がったときの達成感が大きいです。

2つ目は自分の作ったモデルの建築物や製品を見ると、自分が作ったのだなと感じることができます。

他にもチームで達成感を味わえることも魅力です。1人で黙々と作業をするイメージがありますが、実際は設計や製造において、チームと協力しながら作業を進めることが多いです。

1つの大きなプロジェクトが完了した時は、チーム全員で達成感を得ることができ、やりがいや楽しさを味わえます。

在宅勤務も可能

CADオペレーターは在宅勤務が可能です。パソコンとCADソフトウェア、ネット環境があればどこでもできるため、自宅で仕事をしている人もいます。

必要に応じてオンラインで連絡を取り合わなければいけない面倒はあるものの、上司や同僚などの人間関係の煩わしさがないので、ストレスは溜まりにくいでしょう。

時給の相場が高め

CADオペレーターは専門知識や用語、CADソフトウェアを使用するスキルが必要なため、一般的な仕事よりも時給が高いです。

時給は経験年数やスキルによって異なりますが、1,500円以上のところが多く、中には2,000円のところもあります。

時給2,000円のアルバイトは他にはあまりないので、CADオペレーターは稼ぎやすい職種と言えるでしょう。

CADオペレーターの年収

CADオペレーターの平均年収や年収アップの方法について解説していきます。

平均年収

厚生労働省が発表した「令和3年度賃金構造基本統計調査」によると、CADオペレーターの平均年収は463.2万円です。

参考:厚生労働省「令和3年度賃金構造基本統計調査」

全産業の平均年収は約436万円のため、少し平均よりも高い年収となります。

専門的な知識や技術が必要なので、一般職よりも高めの設定となっています。

年収を上げる方法

CADオペレーターの平均年収は463万円ですが、1,000万円以上稼ぐことも不可能ではありません。

年収を上げるために必要なことは以下の通りです。

CADソフトの扱える幅を増やす

3DCADやBIMはCADソフトの中でも特に需要が高まっています。この2つを扱えるようになることで年収に差が生まれるかもしれません。

他にも社内で必要とされているソフトを知って扱えるようになると、社内で一目置かれる存在になる可能性が生まれます。

基本的な知識だけでは簡単な仕事しか任せてもらえないので、どんどん新たな知識を取り入れ、スキルアップをはかっていきましょう。

資格を取得する

CADに関連する資格を取得することもおすすめです。

例えば建築関係の会社に努めているのなら建築士の資格がいいでしょう。業務に関する知識がさらに深まり、CADオペレーターとしてさらに高いスキルを貢献できます。

会社としても希少な人材となるので、給料アップに繋がるかもしれません。

転職する

今の会社で経験を積み、知識やスキルを得て転職することもおすすめです。

高い年収を希望するなら大手企業がいいでしょう。大手企業は年収だけでなく、福利厚生も整っているため、今よりも働きやすい環境かもしれません。

関連記事:CADオペレーターの年収はいくら?仕事内容や将来性も解説

CADオペレーターの将来性

CADオペレーターには将来性があるのでしょうか?

一部でCADオペレーターには将来性がないと言われています。AIによって業務が代替される可能性があるからです。

しかし、実際は将来性があると言えます。

CADオペレーターの仕事は設計者の細かい要望やニュアンスを理解した上でデータを作るものですが、まだAIにはそういったことはできないとされています。

また、コミュニケーションや相談など人間でなければできないこともたくさんあるため、まだまだCADオペレーターは必要とされるでしょう。

CADオペレーターが辛ければ転職もあり

もしCADオペレーターがキツイと考えているのなら転職を考えましょう。

会社の人間関係や仕事内容に不満がある場合は、他の会社に転職することをおすすめします。

もしCADオペレーターそのものが嫌なのであれば、新しい職種を検討しましょう。今労働市場は売り手市場となっています。この機会に新しい世界に飛び込んでみるのもいいのではないでしょうか。

CADオペレーターが円満退社をする方法

転職を決意したあとは、気持ちよく会社を辞めるだけです。

円満退社をするには、少なくとも退職する1か月以上前には伝えるようにしましょう。また、はっきりと退職の期日を言うことで、引継ぎや退職の手続きがスムーズに行えます。

退職理由は、「新しい分野に挑戦したい」や「会社で学んだことを次に生かしたい」など、なるべくポジティブな理由にした方がいいでしょう。

もしどうしても退職が伝えられないなら退職代行サービスの活用をおすすめします。

CADオペレーターに関してよくある質問

CADオペレーターに関してよくある質問をまとめました。

CADオペレーターは暇すぎるって本当?

場合によっては暇になります。CADオペレーターは設計者からの指示が下りてくるまでは特に仕事がありません。待ち状態が長く続くと暇すぎると感じる人もいるでしょう。

CADオペレーターは何歳までできる?

CADオペレーターの仕事は知識や技術があれば何歳になっても働くことができます。自営業であれば、生涯現役で働くことも可能です。

また、CADの経験がない方でも知識をつければ、40歳からでも転職することは十分に可能です。

CADオペレーターはどのような人が向いてる?

CADオペレーターに向いている人は下記のような人です。

①集中力のある人

→納期までに仕事を仕上げないといけない&ミスが許されないため、高い集中力を持って業務に向き合える人に向いています。

②モノづくりが好きな人

→直接自分が建物や道具を作るわけではないけれど、自分の作った図面が大切な資料となるため、モノづくりが好きな人に向いています。

③単純作業が苦にならない人

→CADオペレーターの仕事の大半は単純作業であるためです。

④コミュニケーションを取ることが好きな人

→設計士やデザイナーなどチームでモノづくりを完成させていくため、コミュニケーション能力が高い方が重宝されます。

関連記事:未経験者が「施工管理はやめとけ」と言われる5つの理由

関連記事:土木施工管理はなぜやめとけと言われる?理由と将来性を解説

関連記事:電気主任技術者はやめとけ?現役のリアルな声や実態を紹介!

まとめ

今回紹介したようにCADオペレーターの仕事にはキツイ側面がありますが、それはどんな仕事にも言えることです。

自分がCADオペレーターに向いているのか、自分の性格と向き合い、また 、会社にも仕事内容や求められていることをしっかりヒアリングしておけば、後悔する可能性は十分に減らすことができます。

一度準備を整えた上で働いてみて、それでも続けるのが難しいと感じたのであれば転職を検討してみてはどうでしょうか。

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