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危険物取扱者乙4類の難易度は高い?試験概要や合格率について

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クリーンルームで機械操作する作業員

危険物取扱者は、毎年20万人以上の人が受験する人気資格です。乙類は扱える危険物によって1類〜6類に分類されています。その中でも特に受験者が多いのが乙4類です。

就職や転職、キャリアアップのために危険物取扱者乙4類の取得を検討しており、合格率や勉強方法を知りたいという人もいるのではないでしょうか。

危険物取扱者は国家資格のため、簡単に取得できるわけではないものの、試験概要に沿って正しく受験計画を立てれば、未経験者でも合格を狙える資格です。

この記事では、危険物取扱者とはどのような資格なのか、取得難易度や試験概要を中心に解説していきます。資格を活かせる職場や合格に必要な勉強時間も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

危険物取扱者とは

危険物を点検する様子

危険物取扱者とは、ガソリンやエタノールなど消防法で定められた危険物を取り扱う際に必要な国家資格です。

危険物取扱者は「甲種(こうしゅ)・乙種(おつしゅ)・丙種(へいしゅ)」の3種類に分かれており、扱える危険物の範囲に違いがあります。

危険物は、ガソリンスタンドや各種工場などで使用されており、資格取得の際に身に着けた知識は、さまざまな業務で活かせます。特に以下のような業種には必須といっても過言ではありません。

  • 石油製品の製造および販売
  • 化学工業
  • 倉庫、物流業
  • ビル管理、施設管理
  • 消防、救急

特に乙4類は、危険物全体の8割を扱える有効性の高い資格です。危険物取扱者を取得するうえで、最もおすすめの種類と言えます。

関連記事:危険物取扱者とは?仕事内容や資格の取得方法を詳しく解説

危険物取扱者・乙4類は全体の8割の人が受験する人気資格

施工管理技士取得に向けて学習する様子

危険物取扱者・乙4類で扱える危険物は「引火性液体」で、具体的にはガソリン・軽油・重油・灯油などがあります。

どの危険物も生活に身近なものであるため、さまざまな職場で需要があり有効性の高い資格です。乙種は危険物の取り扱いだけでなく保安の監督もできます。

危険物取扱者試験に挑戦する人のうち、8割は乙種を受験しており、その中でも特に人気なのが乙4類です。

人気資格であるため、他の試験と比べてテキストや講座も充実しており、計画的な学習スケジュールを組めば、独学でも十分合格を目指せるでしょう。

危険物取扱者・乙4類の難易度と合格率

女性がデスクワークをこなす様子

危険物取扱者・乙種の直近の合格率は、以下の通りです。

乙種の種類 令和6年6月 令和6年5月 令和6年4月
乙1類 69.1% 70.6% 75.1%
乙2類 65.7% 66.4% 67.8%
乙3類 63.8% 68.0% 73.4%
乙4類 32.0% 35.5% 42.1%
乙5類 62.5% 66.3% 74.9%
乙6類 64.8% 68.8% 79.4%

乙4類の合格率は4割前後で、他の乙種資格と比べて合格率が低い状態で推移しています。この理由としては、受験者数が多く勉強量や学習意欲に差がでやすいことが影響していると推測されます。

令和6年6月試験の場合、乙種4類以外の受験者数が2,000人前後であるのに対して、乙4類の受験者数は47,422人です。

また、出題される3科目全てで6割以上の正答率でなければ合格できないため、まんべんなく勉強する必要があります。

ただし、危険物取扱者の試験はほぼ毎月実施されており、何度でも挑戦できるため、取得難易度はそこまで高くないと言えるでしょう。

参考:試験実地状況|一般財団法人消防試験研究センター

危険物取扱者乙4類を活かせる主な職場

作業員が話し合う様子

危険物取扱者・乙4類は、ガソリンや軽油など普段の生活で使用する危険物が含まれているため、さまざまな職場や職種で活かせます。具体的には以下のような内容があります。

  • 石油を製造・管理する企業
  • 化学工場
  • ガソリンスタンド
  • タンクローリーのドライバー
  • ビル管理

各職場や職種でどのように活かせるのか、解説していきます。

石油・関連製品を製造・管理する企業

石油を製造・管理する企業において、危険物取扱者・乙4類は必須の資格と言えるでしょう。石油製品の製造過程では、引火や爆発のリスクが生じるため、必要な安全措置を講じる必要があります。

各液体危険物の特性や取扱い方法について熟知していなければ、大事故に繋がる恐れがあり、火災が発生した際の初期対応も重要です。乙4類を保有していることで、各液体危険物を正しく管理できるでしょう。

関連記事:製造業で役立つ資格を6つのジャンル別に|取得のメリットも

化学工場

化学工場もアルコールや石油といった引火性の液体を原料に製品を製造するため、適切な取り扱いと保管が求められます。

工場によっては引火性以外の危険物も取り扱うため、乙種4類以外の資格区分も取得することでさらに業務の幅を広げられるでしょう。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドは、多くの人が給油することから、火災や爆発に細心の注意が必要です。

危険物取扱者を持っていない一般ドライバーが給油作業を行う際には、資格保有者の立ち合いが消防法で義務付けられています。

セルフスタンドでは、誰でも気軽に給油できるようになっていますが、必ず危険物取扱者が常駐しています。

計量器に関しても入金すれば勝手に給油が始まるわけではなく、事務所にいるスタッフ(資格保有者)が都度給油許可を出しています。

危険物取扱者・乙4類は、ガソリンスタンドを経営するうえで必ず必要な資格です。

タンクローリーのドライバー

ガソリンなどの引火性液体を輸送するタンクローリーのドライバーも、必ず危険物取扱者・乙4類が必要です。ドライバーが資格を持っていない場合は、有資格者が同乗しなければなりません。

タンクローリー以外の小型車両も同様で、引火性液体を扱う場合は乙種4類を保有しておく必要があります。

関連記事:タンクローリー運転手はきつい?平均年収や必要な資格、将来性について

ビル管理

危険物とは関係なさそうなビル管理の仕事ですが、各建物ではボイラーや非常用発電機が設置されており、重油や軽油を燃料としています。

そのため、ビル管理業務においても危険物取扱者・乙4類を持っている作業員が必要です。危険物以外では、ボイラー技士や冷凍機械責任者の資格も普段の点検業務などで役立ちます。

関連記事:設備管理に活かせる資格一覧|施設管理との違いや仕事内容

危険物取扱者乙4類の勉強方法

電気工事士がデスクワークをこなす様子

危険物取扱者・乙4類の取得に向けた勉強では「インプットとアウトプットの繰り返し」を意識しながら知識を身に着けていきましょう。

流れとしては以下を繰り返していくイメージです。

  • 各科目の知識を身に着ける
  • 小問題や過去問に挑戦
  • 間違った箇所を解説を参考に理解を深める

出題範囲の全てを覚えようとする人もいますが、出題傾向がある程度決まっているため、アウトプットを途中で取り入れながら進めると、効率よく知識を身に着けられるでしょう。

使用するテキストに特別な条件はなく、学習環境に合ったものを選ぶようにしましょう。家ではテキストを読み、外出先ではYouTubeの解説動画を見るといった組み合わせもおすすめです。

独学が難しいと感じた場合は、初心者用のカリキュラムが組まれた通信講座がおすすめです。解説動画を繰り返し確認できたり、分からない箇所があった場合は講師陣へ質問したりすることも可能です。

危険物取扱者乙4類の試験概要

学科免除について調べる様子

試験に合格するには、試験概要の詳細について理解しておくことも大切です。ここでは危険物取扱者・乙4類の試験日や申請方法などを解説していきます。

試験日

危険物取扱者の試験は、各都道府県で開催されており1〜2ヶ月に1回のペースで実施されています。全国統一で、同じ日に試験が行われるわけではありません。

試験日や試験会場については「消防試験研究センター」のホームページで確認できますので、希望する試験地で日程を検索してみましょう。例として、東京都の令和6年度10月の試験日程を紹介します。

試験日 実施する試験の種類
10月6日(日) 乙4
10月12日(土) 乙1.2.3.5.6
10月14日(月) 乙4
10月20日(日) 乙4
10月27日(日) 乙4

試験日ごとの受験申込期間や合格発表日も一緒に掲載されています。

受検資格

危険物取扱者には甲種・乙種・丙種があり、各種類の受検資格は以下の通りです。

資格の種類 受験資格
甲種 下記のいずれかの条件を満たしていること
・大学などで化学に関する学科を修めた卒業した人
・大学などで化学に関する授業科目を15単位以上修得した人
・乙種危険物取扱者免状を保有しており実務経験が2年以上ある人
・化学に関する事項を専攻した修士、博士の学位を有する人
乙種 年齢や学歴に関係なく誰でも受験可能
丙種 年齢や学歴に関係なく誰でも受験可能

甲種は第1類〜第6類まで全ての危険物を取り扱えるだけでなく、定期点検や保安の監督にも従事できます。また、実務経験が半年以上ある場合は、危険物を扱う施設の保安監督者にも慣れます。

乙種を取得できた場合は、甲種の取得も検討してみましょう。

参考:一般財団法人消防試験研究センター

受験の申請方法と手数料

危険物取扱者の受験申請は、書面申請と電子申請のいずれかで行います。書面申請の場合は、願書と必要書類を揃えたうえで、消防試験研究センターの各道府県支部にて申請する流れです。願書は近くの消防署でもらえます。

電子申請の場合は、消防試験研究センターの「電子申請ページ」で受験地や試験の種類などを入力していきましょう。

申請手続きが終わった後は、3日以内に試験手数料・5,300円(非課税)を支払います。支払方法はクレジットカード払い・コンビニ・ペイジーの3種類から選べます。

受験票は専用ページからダウンロードを行い、印刷します。規定の写真を貼りつけて試験会場に持参するようにしましょう。

危険物取扱者乙4類に関するよくある質問

遠くを見つめる作業員の様子

最後は危険物取扱者乙4類に関する、3つのよくある質問に答えていきます。

  • 試験合格に必要な勉強時間は?
  • 独学でも合格できる?
  • 過去問はどこで確認できる?

受験計画を立てるうえで役立つ内容ですので、参考にしてみてください。

試験合格に必要な勉強時間は?

危険物取扱者・乙4類の取得に必要な勉強時間は40〜60時間と言われています。下記期間を目安に取得を目指してみましょう。

  • 1日1時間勉強:1~2ヶ月
  • 1日2時間勉強:3週間~1ヶ月
  • 1日3時間勉強:2週間~3週間

試験は毎月実施されていますので、無理せず確実に合格できるタイミングでの挑戦をおすすめします。

独学でも合格できる?

危険物取扱者・乙4類は、人気資格でテキストや通信講座が豊富にあります。近年はYouTubeなどにも解説動画が投稿されているため、独学でも十分に合格を目指せるでしょう。

仮に不合格となっても、すぐに再挑戦できるため積極的に挑戦してみましょう。

過去問はどこで確認できる?

危険物取扱者試験の過去問は、資格解説サイトや試験実施機関である消防試験研究センターのホームページで確認できます。

危険物取扱者ページの「過去に出題された問題」で確認できますので、ある程度知識が身に付いた段階で挑戦してみましょう。

参考:一般財団法人消防試験研究センター

試験日程に合わせたスケジュールを立てて危険物取扱者乙4類を取得しよう

作業員が横並びに立っている様子

危険物取扱者・乙4類は、ガソリンや軽油といった引火性液体を扱うための資格です。ガソリンスタンド・化学工場・ビル管理といった、さまざまな職場や職種で活かせます。

合格率は約4割ほどで、国家資格の中では比較的簡単に取得できる資格と言えるでしょう。勉強方法は、インプットとアウトプットを繰り返しながら知識を深めていく方法がおすすめです。

試験はほぼ毎月実施されており、インターネット申請により申込できます。約1〜2ヵ月ほどで取得できるため、危険物を扱う職種や職場で働いている場合は、受験を検討してみてください。

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