多くの人がタクシーに深夜料金があることを知っていますが、いつからいつまでなのか?どれくらい料金があがるのか?知らない方が多いです。
今回はタクシーの深夜料金について詳しく解説しています。どれくらい金額があがるのか?計算方法を知りたい人やタクシーを頻繁に利用する人は必見の内容となっています。ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
タクシーの深夜料金について
タクシーの深夜料金がかかる時間帯や料金などについて解説していきましょう。
深夜料金がかかる時間帯
タクシーで深夜料金が発生する時間帯は夜の22時から翌朝5時までが一般的です。この時間帯はタクシー会社が取り決めているのではなく、地域の運輸局が定めています。
そのため、一部の地域では夜23時から翌朝5時までというところもあります。時間帯を調べたい場合は地域のタクシー会社のHPを調べてみると表記されています、
深夜料金の金額
夜22時から翌朝5時の間に利用すると料金が2割増になります。ただし、よく勘違いされるのですが、これはメーター料金が2割上がるというものではありません。
実際はメーターが上がるまでの距離が2割短くなるというのが正解です。日中よりも深夜帯の方が初乗り距離や加算距離が2割短くなるため、結果的に料金が2割増すこととなるのです。
MKタクシーを例にしてみると初乗り料金が1.2㎞で420円、加算運賃が276mごとに80円となります。つまり日中は1.2㎞までは420円、そこからは276m移動するたびに80円加算されます。
しかし、深夜の場合はまず初乗り料金が1.2㎞から960mとなります。
そして加算運賃が276mから約220mになります。つまり1㎞以上移動すると初乗り料金以上の料金がかかってしまいます。
乗車中に深夜帯になった場合どうなる?
夜22時前から乗車し、乗車中に22時を超えた場合はどうなるのでしょうか?結論から言うと22時から深夜料金でそれまでは通常料金となります。
つまり、22時までは加算距離が276mですが、22時以降は220mごとに80円加算されるようになるということです。
関連記事:タクシー料金を丸ごと解説!初乗り料金や加算料金、深夜料金などを詳しく紹介します!
深夜にタクシーを利用した時の料金シミュレーション
それでは実際にタクシーを深夜帯に利用した場合、どれくらい料金がかかるのか?日中の料金と比較して計算してみましょう。
なお今回計算する料金は上記でも紹介したMKタクシーの料金設定をもとにしています。
また、実際のタクシー料金は時間距離併用制といって、進んだ距離以外にも時速10㎞以下の速度になると自動的に加算される仕組みを併用しています。例えば乗車中の信号待ちの間やコンビニで買い物をしている間でも料金が加算されていきます。
この金額や時間は会社によって異なり、MKタクシーの場合は100秒ごとに80秒加算されています。
今回のシミュレーションではあえてこの時間料金は外して計算するため、実際の料金よりは安くなってしまいますが、おおよその料金は分かるかと思います。
それでは計算してみましょう。
※MKタクシーの初乗り料金は1.2㎞で420円、加算運賃は276mごとに80円。深夜帯の初乗り料金は960mで420円、加算運賃は220mごとに80円です。
3キロ移動した場合
日中に3キロ移動した場合を計算してみましょう。初乗り距離は1.2㎞であるため、加算距離は1.8㎞となります。そのため加算回数は、
1,800m÷276m=6.521…で小数点以下は切り捨てになるので6回です。
つまり3キロ移動した場合は
420円(初乗り料金)+(80円(加算運賃)×6回)=900円
となります。
同じ距離を深夜に移動すると、初乗り距離が960mであるため、加算距離は2,040mとなります。
そのため、加算回数は、
2,040m÷220m=9.2727…で小数点以下は切り捨てになるので9回です。
つまり、3キロ移動した場合は
420円+(80円×9回)=1,140円
となります。
3キロの場合、深夜帯の方が240円高くなることがわかりました。
10キロ移動した場合
次に10キロ移動した場合で比較してみましょう。
日中に10キロ移動した場合は、加算距離は8.8㎞となるため、加算回数は
8,800m÷276m=31.884…で小数点以下は切り捨てとなり31回となります。
つまり10キロ移動すると
420円+(80円×31回)=2,900円
となります。
次は深夜帯に移動した場合を計算します。加算距離は9.04㎞(9,040m)となるため、加算回数は、
9,040m÷220m=41.09090…で小数点以下は切り捨てになるので41回です。
つまり10キロ移動すると
420円+(80円×41回)=3,700円
となります。
10キロの場合、深夜帯は800円高くなることがわかりました。
なぜタクシーに深夜料金があるの?
なんで22時から翌朝5時までは2割増になるの?と疑問に感じた方がいるでしょう。バスや電車は深夜でも同じ料金なのにどうしてタクシーだけ?と不満に感じる人もいるかもしれません。
タクシーが深夜料金を取るのには理由があります。その理由とは労働基準法が関係しています。
正社員やアルバイトなどの仕事で深夜帯は時給が上乗せされるということを聞いたことがある、知っているという方は多いでしょう。労働基準法において、深夜22時から翌朝5時の間に勤務をした場合は、その間の賃金を25%以上割増で支給することが定められています。
同じようにタクシー会社は深夜帯に働いている運転手に割増賃金を支払わなければいけないため、その財源確保のために深夜料金をとっているということになります。
深夜料金が無料のタクシー会社はある?
基本的にタクシー会社はどこも深夜料金をとっています。しかし、中には深夜料金なしのところもあります。例えば東京都にある株式会社アシスト。
ここは東京23区と武蔵野市・三鷹市で営業をしているのですが、深夜料金をとらないという方針で営業しています。
他にはエコタクシーという会社も同じように深夜料金が無料です。
深夜・早朝料金なしという会社はあまり多くはありませんが、いくつかはあるので、お得に利用したい方は一度調べてみるといいでしょう。
深夜・早朝料金以外に加算されるタクシーの料金
タクシー料金の中で深夜料金以外にも加算されるものがあります。それらについて紹介していきましょう。
迎車料金
迎車料金とはタクシーを呼んだ際にかかる料金のことです。電話やアプリを利用して、乗車地点まで配車依頼をすると料金がかかります。
料金はタクシー会社によって異なりますが、200〜400円が相場です。迎車料金は降車の際にメーター料金に上乗せされます。
配車にお金がかかることは意外と知られておらず、メーター料金よりも高くなっているとクレームをつける方がたまにいるそうなので、トラブルを防ぐためにも知っておきましょう。
タクシー会社のなかには迎車料金が無料のところもあります。料金の詳細はタクシー会社のHPなどに記載されているので、一度確認してみるといいでしょう。
予約料金
数時間後や数日後などの予約をした場合にも料金を取られます。予約料金の金額はタクシー会社によって異なりますが、200〜400円あたりが相場です。
気を付けるポイントとして、自宅などに配車を予約した場合、この予約料金と上述した迎車料金が発生することを覚えておきましょう。
しかし、迎車料金と同様に予約料金が無料のところもあります。同じようにタクシー会社のHPに記載されているので一度確認してみてくださいね。
関連記事:タクシーの迎車料金ってなに?仕組みや金額、その他のタクシーに関するお金をことを紹介します
冬季割増料金
関東地方や近畿、九州などに住まわれている方は冬季割増料金に馴染みがないかと思います。
この冬季割増料金とは、北陸地方、東北地方、北海道で発生する料金のことで、12月から2月ごろの雪の多い時期のみ適用されています。
大雪であまり運転したくない、道路が凍結していて危険など冬場の運転はいつもよりも神経を使いますし、危険を伴います。
そういった場合でも仕事をするタクシー運転手のためにいつもよりも賃金を支給できるよう冬季割増料金があるのです。
関連記事:タクシー運賃の仕組みを紹介!5km移動した場合、10分乗車した場合などでどれくらい料金がかかるのかを詳しく解説します!
タクシーの深夜料金を事前に調べたい方はアプリがおすすめ
タクシーアプリというものを知っていますか?スマホアプリの1つでスマホを操作するだけでタクシーを呼ぶことができるものです。
これまでは電話か道端で流しのタクシーを拾うことが一般的でしたが、アプリなら好きな時間に自分の呼びたい場所を指定することができます。
タクシーアプリについての詳細は省きますが、アプリの機能の1つに料金計算があります。事前に乗車地と目的地を入力することでおおよその金額がわかります。あらかじめルートも表示されるため、知らない土地でも安心してタクシーを利用できます。
その料金計算では、深夜帯に利用するとき自動的に深夜料金で計算してくれるよう設定がしてあります。事前に金額を知っておきたい方にはとても便利でしょう。
また、アプリ内には各タクシー会社の迎車料金や予約料金も表示されているので、HPなどを確認する手間も省けます。
タクシーの深夜料金についてのまとめ
タクシーの深夜料金について詳しく紹介してきました。一般的に深夜帯は高いと知っている方は多いですが、詳しい内容までは知っている方は少ないでしょう。
もし深夜帯にタクシーを利用する人がいるのなら、今回の内容を伝えてあげると喜んでくれるかと思いますよ。
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