タクシードライバーの服装と聞くと、多くの人がワイシャツにベストといった格好を想像するでしょう。
しかし、中にはジャケットを着用しているドライバーもいますし、色もバラバラです。
これからタクシー業界を目指したいと考えていて、「仕事中の服装が気になる」という方もいるのではないでしょうか。
今回はタクシードライバーの服装や身だしなみに関するルールについて、分かりやすく解説していきます。
この記事でわかること
・タクシードライバーの服装に関するよくある質問
タクシードライバーの服装のルール〜基本編〜
タクシードライバーの服装はどの会社もほとんど同じです。
ここでは、タクシードライバーの服装に関する基本的なルールについて解説していきます。
タクシー会社ごとにルールが異なる
全国共通のタクシードライバーの服装に関するルールはなく、タクシー協会で指針などが定められているわけでもありません。
一般的にワイシャツ・ジャケット・スラックス・ネクタイというスタイルを採用している会社が多いのですが、それ以外の服装でも問題はありません。
沖縄の場合は、かりゆしウェアやポロシャツを採用しているタクシー会社もあります。
ただし、タクシー乗務員を狙った強盗被害が発生していることから、対策として切創に強いケブラー繊維を使用した服装を採用するなどの傾向はあります。
制服を義務とする会社が多い
タクシードライバーの制服に関するルールは各会社で決められており、多くの会社で独自の制服ルールを設定しています。
前述した通り、ワイシャツの上からジャケットかベストを着用し、下はスラックスといった格好が基本的な服装ルールです。
運転中は操作のしやすさが最優先のため、ワイシャツのみの格好をするドライバーも少なくありません。
制服は支給される
タクシードライバーが着用する制服は、会社から支給されることがほとんどです。
消耗品であるため、1年に3枚ほど定期的に支給されます。
ただし中には初回だけ無償で提供され、次回からは給料から天引きとなるようなタクシー会社もあります。
制服の貸与に関しては求人詳細に記載してあるため、事前に確認しておきましょう。
制服の特徴
タクシードライバーが着用する制服は、派手過ぎず落ち着いた印象であることが特徴です。
多くの会社でネクタイや制服の色は、黒や紺を基調にしています。
ちなみに性別で制服に大きな違いはなく、女性もスカートではなくズボンにワイシャツが基本となります。
タクシードライバーの服装のルール〜応用編〜
タクシードライバーの基本的な服装ルールについて解説してきましたが、最近では状況に応じて服装のルールを変える会社が増えてきています。
ここでは、さまざまなシチュエーションでのタクシードライバーの服装ルールについて解説していきます。
クールビズにおけるタクシードライバーの服装
最近では当たり前となった官公庁や民間企業の「クールビズ」の採用を受けて、タクシー会社の中にもクールビズを導入する会社が増えてきています。
大手タクシー会社の1つである「日本交通株式会社」では、2008年からクールビズを導入しました。
服装のデザインは変わりませんが、上着は着用せずにノーネクタイで普段の業務を行っています。
夏場に最適な服装に変えることで、エアコンの設定温度を変えるなどして、燃料費の節約にも役立っています。
女性タクシードライバーの服装
タクシードライバーは長時間勤務ということもあり、男性の割合が多い業界ではありますが、年々女性ドライバーも増えてきています。
年によって増減はあるものの、平成5年時点で4,601人だった女性ドライバーは、令和4年時点で9,470人にまで増加しました。
参考元:厚生労働省|自動車運転者の長時間労働改善に向けたポータルサイト|統計からみるハイヤー・タクシー運転者の仕事
女性のタクシードライバーも男性と同じく、パンツにワイシャツが多かったのですが、最近ではスカートを選べるようにしている会社も増えてきています。
また、ネクタイに関しても、スカーフの着用が用いられてきています。
お客様との体感温度に大差がある場合の服装
タクシードライバーは一日の大半を車内で過ごすため、外で過ごしていた乗客と体感温度に大きな差が出てしまいやすいと言えます。
このような場合、乗客に車内の温度を合わせる必要があるため、夏場は低めに、冬場は暑めにしなければなりません。
そのため、タクシードライバーはあえて季節とは逆の服装をする人もいます。
ただし、明らかに違和感がある服装は乗客に不快な思いをさせてしまう恐れもあるため、清潔感があり違和感をなるべく出さないことが重要と言えます。
タクシーセンター地理試験の時の服装
東京・神奈川・大阪でタクシードライバーとして働く場合、地理試験に合格しなければなりません。
普段の業務とは別とはいえ、試験時の服装にも注意が必要です。
試験自体に服装の指定はありませんが、試験の合格者は乗務員証を発行するために、証明写真を撮影します。
私服で写ってしまった場合、乗客のイメージを損なう恐れがあるため、会社の制服かスーツで受験するようにしましょう。
タクシードライバーの面接時の服装
これからタクシー業界に転職する場合、面接時の服装が気になる方もいるでしょう。タクシードライバー面接時の服装は、一般企業と同じくスーツを着用します。
採用された後は会社にロッカーが用意されているため、多くの会社で私服での出勤を許可しています。
ちなみに、タクシードライバーの仕事では身だしなみや清潔感を重視されるため、明るい茶髪は黒髪に染め直す・ピアスは外しておくなど、TPOに合わせた格好をするようにしましょう。
関連記事:トラック運転手の適切な服装は?作業・面接のベストな服装を解説!
タクシードライバーの服装に関してよくある質問
最後はタクシードライバーの服装に関してのよくある質問に答えていきます。
・ひげや髪型に規定はありますか?
・個人タクシーや介護タクシーの服装に規定はありますか?
タクシードライバーとして働いていく上で大切な内容となるため、今後転職を検討している方は理解しておくようにしましょう。
ネクタイや靴などの小物に規定はありますか?
ネクタイや靴などの規定はタクシー会社によって異なりますが、細かく指定している会社は少ないと言えます。
メーカーや種類は指定せず、素材や色の指定がある程度です。
ただし、見た目の問題からデザインが派手すぎるものや、ぼろぼろで汚れているようなものは着用しないように注意しましょう。
ひげや髪型に規定はありますか?
ひげや髪型に関しても、細かく規定を定めている会社は少ないものの、乗客を不快にさせるような見た目は避けましょう。
派手過ぎず常識的な範囲内であれば茶髪でもOKとしており、ひげも整えていれば問題ないとしている会社もあります。
女性に関しても、清潔で派手すぎない髪型であれば問題ないケースがほとんどです。
関連記事:トラック運転手の髪型にルールはある?服装や靴についても解説
個人タクシーや介護タクシーの服装に規定はありますか?
個人タクシーの場合、自分自身でルールを決められるため自由に服装や髪型を選べます。
お客様に不快感を与えないようにする点は、社員のドライバーと変わりませんが、個性を出すためにあえて派手な格好を選ぶ人もいます。
介護タクシーの場合は、服装に関する決まりはないものの、介護・医療職に似た服装のドライバーが多いと言えます。
送り迎えだけでなく、乗り降りを手伝うことが多いからです。
ただし、細かい服装のルールに関しては会社によって異なります。
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タクシードライバーの服装に関するまとめ
今回はタクシードライバーの服装に関する決まりについて解説してきました。
タクシードライバーの服装には業界内で統一した決まりがなく、会社ごとに制服のルールを決めています。
ワイシャツにベスト、下はスラックスという格好が一般的ですが、夏場にはクールビズを取り入れるような会社も増えてきています。
見た目に関するルールはそこまで厳しくはありませんが、乗客が不快に感じない格好を意識する必要があると言えるでしょう。
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