タクシードライバーは異業種からの転職者が非常に多い特徴があり、過去の経験に関係なく働けるため、多くの人が希望する職種の1つです。
しかし未経験で挑戦する場合「本当にこんな転職理由でやっていけるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。
今回はタクシードライバーに転職する方の主な転職理由や、数ある職種の中から選ばれる人気の理由について解説していきます。
この記事でわかること
・タクシードライバーに転職する人の特徴
・タクシードライバに転職して良かったと思える理由や辞めていく人の理由
タクシードライバーへの転職理由5選
タクシードライバーは、異業種からの転職者が多い職種の1つと言えます。
別の業界から転職する場合、新しく覚える業務が多いことに加えて未経験であるため、同年代のドライバーと同じ収入が保証されるわけでもありません。
それでもタクシードライバーの道を選択した人たちは、どのようなことを理由に転職するのでしょうか。
ここでは5つの転職理由について解説していきます。
未経験からの転職をしやすいから
タクシードライバーの求人は他の求人と比べて中途採用の募集が多く、特別な条件指定もありません。
中堅と呼ばれるような年代であっても、特別な経験や知識は求められず、未経験であっても挑戦しやすい職種です。
また、入社後の研修制度も整っており、未経験者であっても活躍しやすい環境が整っていると言えるでしょう。
最近では、コロナウイルスの流行による影響も限定的になってきており、タクシードライバーの需要は高まってきています。
現役ドライバーの高齢化問題も解消できていないことから、今後もタクシードライバー職は需要が下がらず、転職しやすい状態が続くと推測されます。
歩合給なので稼ぎやすいから
全く経験のない業界へ転職すると、活かせる知識や資格がないため、基本給は低く資格手当も付かないケースがほとんどです。
しかしタクシードライバーの場合、基本給に加えて「歩合給」を設けている会社が多くあります。
そのため、業界未経験の新人であっても、結果を出せればすぐに高収入を目指せます。
異業種からタクシードライバーに転職した結果、年収が上がった人も少なくありません。
給与形態には「固定給+歩合給+各種手当」や「完全歩合制」があり、リスクを高くしたくない方は、固定給ありの求人がおすすめです。
長期で勤めやすいから
タクシードライバーは運転ができる限り、現役で働き続けられます。
一般的な企業のように出世争いもなく、高齢になるにつれてポストが減っていくようなこともありません。
むしろ、経験値を積むほどサービス品質が向上し、売上を増やしやすくなります。
運転技術さえあれば長期的に安定して働き続けられることも、タクシードライバーの魅力と言えるでしょう。
前職のドライバー職が体力的に辛いから
別のドライバー業からタクシードライバーへ転職してくる人も多くいます。
特に多いのはトラックドライバーであり、主な転職理由は「体力的に辛かったから」という内容です。
トラックドライバーは、トラックの運転に加えて荷物の積み下ろし作業も行う必要があり、長距離配送の場合は数日かけて目的地へと向かいます。
そのため、若い頃は大丈夫でも歳を取るにつれて、力仕事を負担に感じ始めるドライバーも出てきます。
タクシードライバーは比較的車両サイズも小さく、荷物の積み下ろしや、何時間も連続で運転するようなことはありません。
前職の労働環境が悪いから
運送業界は労働時間が他の業界と比べても長く、労働環境の改善が進んでいないと言われています。
特にトラック運転手は体力的な辛さとは別に、顧客第一の考え方が長時間労働を招いているのが現状です。
「荷主の都合が合わないから」と、長時間にわたり待機させられることも珍しくありません。
一方でタクシー業界は福利厚生が整っていやすく、運転免許の取得費用の負担や、研修期間の給与保証などがあります。
また、体を休められるよう、会社に休憩室や社員食堂を設けている会社も多くあります。
こういった労働環境の違いから、別業界から転職を決意する人も少なくありません。
関連記事:ドライバーに転職する理由はどう書く?転職成功のコツも紹介
タクシードライバーに転職する人の特徴
未経験者を歓迎する求人が多く研修制度が整っていても、全く経験のない職種への挑戦は誰もが不安を感じるものです。
本当に自分がタクシードライバーに向いているのか、適性を知りたい方もいるのではないでしょうか。
ここではタクシードライバーに向いている人の3つの特徴について、仕事内容を踏まえながら解説していきます。
向上心が強い
タクシードライバーは「固定給+歩合給」で給料が決まるため、仕事に取り組む上で結果にこだわる必要があります。
新人研修で接客マナーなどを身に付けただけで、乗車回数が増えるようなことはありません。
乗車回数を増やすために最も効率的な道を覚え、お客さんを見つけやすくする方法を自分で研究することで、初めて結果が出せるようになります。
そのため、タクシードライバーとしての成長を常に意識できるような、向上心を持っている人が向いていると言えるでしょう。
運転が好き
タクシーを長時間運転する以上、運転が好きであることはタクシードライバーを目指す上で大前提と言えるでしょう。
タクシードライバーは日勤や夜勤の他に「隔日勤務」という勤務形態があり、途中休憩をはさみながら20時間ほどの勤務をこなします。
そのため、1回の勤務で10時間を超えることも当たり前にあります。
隔日勤務以外の勤務形態もありますが、どちらにしても労働時間の大半を運転しながら過ごすため、運転が好きでなければかなり苦痛に感じてしまうでしょう。
接客が得意
タクシードライバーは老若男女問わず、さまざまな人を目的地へお送りする仕事です。
性格は人それぞれで、乗客に合わせた接客が求められます。
上司が見ていないからと不愛想な接客ばかりしていては、当然顧客満足度は上がらず、売上も減るでしょう。
いかにサービス精神を持ち、接客できるかが非常に重要であるため、接客が得意な人はタクシードライバーに向いていると言えます。
この他では「自己管理能力が高い人」も、タクシードライバーに向いています。
タクシードライバーはどのような時でも交通ルールを遵守し、乗客を安全に目的地へ送り届けなければならないからです。
勤務前日に夜遅くまで遊ぶなどして自己管理ができていないような人は、一人前のタクシードライバーにはなれません。
タクシードライバーに転職して良かったと思える理由
タクシードライバーに転職する理由は人それぞれですが、転職した多くの人たちが仕事に満足しながら活躍し続けています。
別の職種からタクシードライバーに転職した人たちは、どのようなことに満足しているのでしょうか。
ここでは、タクシードライバーに転職して良かったと思える3つの理由について解説していきます。
直接お礼を言ってもらえるから
目的地への移動手段はタクシーに限らずバスや電車があり、料金もかなり安いと言えます。
それでもタクシーを利用する理由は「何かしらの問題が発生して困っているから」といったケースがほとんどです。
不具合による電車の運休や、寝坊して駅に向かっていては間に合わない時に、タクシーを利用した経験は誰もがあるのではないでしょうか。
こういった乗客を直接助けられるタクシードライバーは「ありがとう」とお礼を言ってもらえる機会がよくあります。
直接感謝の気持ちを伝えてもらえることは、日々の業務の励みとなり「転職して良かった」と思える瞬間でもあるでしょう。
努力次第で収入が増えるから
会社員として組織で働いている以上、自分だけがどれだけ頑張ったとしても会社の業績が悪ければ、なかなか収入に反映されにくいと言えます。
賞与や昇給に反映されたとしても、結果に見合っていないと不安も感じる人も少なくありません。
タクシードライバーの場合は、給料に歩合給が含まれているため、結果がそのまま収入に反映されます。
誰でも簡単に結果を出せるわけではありませんが、日々向上心を持ちながら努力した結果、収入が上がった際には「転職して良かった」と感じられるでしょう。
また、自分1人で仕事をこなすため、どのような結果であっても納得せざるを得ません。
「今まで以上に自分と向き合えるようになり、ストレスが減った」といった声もあります。
プライベートの時間を大切にできるから
タクシードライバーの勤務形態は以下の3種類があります。
・夜勤務
・隔日勤務
プライベートの過ごし方に合わせて、勤務時間を希望することが可能です。
隔日勤務では丸1日働くため、勤務が終わった日は休みのような過ごし方も可能で、次の日が公休の場合は2連休のような感覚となります。
残業も比較的少なく「家族との時間が取りやすくなった」と満足している人もいます。
タクシードライバーの面接で転職理由を聞かれた時のコツ
タクシー会社への転職の際に必ず聞かれると言っても過言ではないのが「転職理由」です。
「なぜタクシードライバーを目指したいと思ったのか」
「なぜこのタクシー会社を選んだのか」
この2つの内容は、ドライバーとしての適性などが判断される重要なものと言えるでしょう。
ここでは自分らしさを上手にアピールできる、転職理由の内容について解説していきます。
タクシードライバーになりたい理由を明確に
乗り物を運転する仕事はトラックドライバーなど、他にも複数の職種があります。
その中でもなぜタクシードライバーを選択したのか、明確に話せるようにしておきましょう。
「タクシードライバーを通じて直接お客様の役に立ちたいから」
「運転技術はもちろん、接客スキルも学んでいきたいから」
こういった、実際の業務を踏まえたポジティブな理由であるようにしましょう。
「他のドライバー職と比べて体力が必要なさそうだから」といった理由は、タクシードライバー以外でもいいと思われる可能性があります。
また、長年タクシー業界で働いてきた採用担当者からすると、印象を良くする内容とは言えません。
そのタクシー会社に入社したい理由を明確に
数あるタクシー会社の中から、当該の会社を希望した理由も明確に説明できるようにしておきましょう。
仕事内容はどの会社であってもほぼ同じですが、経営理念や安全運行に対する具体的な取り組みは異なります。
会社のホームページなどで企業研究を行い、その会社にしかない魅力を踏まえながら転職理由を考えてみましょう。
「どの会社よりも新入社員研修に力を入れており、タクシードライバーとして成長できる環境が整っていると感じたから」
「ドライバーによる日常点検はもちろん、車両整備士も在籍しており、安全運行に力を入れているから」
その会社以外にもあるような「休日が多いから」「残業がほとんどないから」といった理由では、採用担当者に強い印象を与えられません。
ネガティブな理由は言わない
転職理由を考える際には、ネガティブな理由は避けましょう。
「前の会社は運行管理者の力量がなくて大変だったから」
「残業ばかりで休日出勤もさせられたから」
「給料が低くて生活が苦しかったから」
たとえ退社理由がこれに当てはまっていたとしても、転職理由では触れないようにします。
こういった仕事の大変さは、タクシードライバーとして働いていく中でも充分あり得るものです。
ネガティブな考えを転職理由にすると「この会社でも不満を持ってしまい、すぐに辞めるのでは」と思われてしまう可能性があります。
「運転好き」だけだと不十分
タクシードライバーを志望した理由に「運転が好きだから」と述べる人がいますが、ドライバーとして働いていく上で大前提のことであるため、別の理由にしましょう。
前述した通り、数ある車両を運転する職種の中からタクシードライバーを選んだ理由を明確にします。
「運転が好きだから」という理由だけでは、強い印象を残せないだけでなく、仕事に対する熱意もあまりないと思われる可能性もあります。
タクシードライバーが別の仕事に転職する理由5選
タクシードライバーに転職して良かったと思う人もいる一方で、不満があり別業界へ転職していく人もいます。
未経験からタクシードライバーに就職する場合、メリットだけではなくデメリットも知っておく必要があります。
ここではタクシー業界を辞めていく人の具体的な転職理由について、タクシードライバーのデメリットも踏まえながら解説していきます。
理想とギャップがあったから
タクシードライバーの求人は「未経験者歓迎」が多く、社員研修も受けられるため安心です。
しかしながら、運転に慣れるにはさまざまな経験が必要であり、狭い路地で車をぶつけてしまうことも珍しくありません。
目的地までの最短ルートを覚えられず、乗客に叱責される日もあるでしょう。
このような経験が続くうちに「タクシードライバーに向いていないのでは」と自信を持てなくなり、転職してしまう人もいます。
このような経験は新入社員の誰もが経験することであるため、気にしすぎる必要はありません。
タクシードライバーの仕事に慣れるまでは半年ほどは必要だと言われているため、大きなミスをしたとしても気にしすぎないようにして、辞めずに頑張ってみるようにしましょう。
そもそも高齢で入社したから
タクシー業界は、新卒採用ではなく中途採用者がほとんどのため、全体の平均年齢が高い状況にあります。
高齢であることを理由に退職せざるを得ない人も少なくありません。
そのため、タクシー業界は他の業界と比べても、早期退職者が多い特徴があります。
体力的に辛くなったから
タクシードライバーには、荷物の積み下ろしや長距離配送がない一方で「隔日勤務シフト」があります。
1回で2日分働くような勤務であり、出勤時間は会社によりますが以下のようなシフトがあります。
・7:00~翌3:00
・12:00~翌8:00
・16:00~翌12:00
途中3時間の休憩が含まれてはいますが、17時間ほど連続で業務をこなさなければなりません。
そのため、体力的な限界を感じてしまい、別業界へ転職する人もいます。
日勤や夜勤の場合は8時間勤務のため、体力に自信がない方は隔日勤務以外を選択すると良いでしょう。
事故やトラブルに巻き込まれたから
毎日長時間の運転をしていると、気を付けていても事故を起こしてしまう可能性があります。相手側が完全に悪いような事故も少なくありません。
交通事故を引き起こしてしまった場合、相手方への保証や車両の修理費用は会社が加入している保険によって支払われますが、中にはドライバーに対してペナルティを科している会社もあります。
そのため、事故後に収入の減少で悩む人もいます。
また、ペナルティは一切なかったとしても、大事故がトラウマとなり運転が苦手になる人もいるでしょう。
事故のリスクを心配する方は、修理費や損害賠償のペナルティのないタクシー会社を選ぶことで安心して働きやすくなります。
免許停止になったから
前述した通りどれだけ交通ルールを守っていても、交通事故を引き起こす可能性はゼロではありません。
他にも些細なミスで交通違反を取られるケースもあります。
こうした交通違反による点数が積み重なると免停となり、違反内容によっては免許取り消しの可能性もあるでしょう。
免許停止になるとお金を稼げなくなるため、別業界への転職を余儀なくされる人もいます。
交通違反や交通事故はリスクをゼロにはできませんが、ドライバー以外のデスクワークを行う部署にも異動できる会社であれば、失職を防ぎやすくなります。
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タクシードライバーへの転職理由に関してよくある質問
最後はタクシードライバーへの転職に関する、よくある質問について答えていきます。
タクシー業界の現状と将来性に関する内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
タクシードライバーが減少しているのはなぜですか?
タクシードライバーが減少している主な理由としては「ドライバーの高齢化」があります。
他の業界でも人手不足が続く中で、人員を確保するのは簡単なことではありません。
タクシー業界は中途採用が多くドライバーの平均年齢が高いため、長期間に渡り働ける人材も少ないのが現状です。
日本を訪れる外国人観光客は、コロナウイルスの影響を受けて減少していたものの、最近は戻りつつあり、更に増加するとも予想されています。
参考元:JNTO日本政府観光局|国籍/月別訪日外客数(2003年~2023年)(Excel)
全ての観光客がタクシーを利用するわけではありませんが、将来的にもタクシードライバーは不足すると懸念されています。
一方でコロナウイルスの影響がなくなりつつある近年では、需要の高い将来性のある職種とも言えるでしょう。
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タクシードライバーへの転職理由に関するまとめ
今回は、タクシードライバーへ転職する理由について解説してきました。
タクシードライバーは年齢や運転経験に特別な条件指定はなく、未経験であっても挑戦しやすい特徴があります。
給料には歩合給が採用されているため、新入社員であっても結果次第で稼ぎやすく、労働環境も整っていることなどが主な転職理由となります。
ドライバー経験がない場合であっても、運転が好きで向上心が強く、接客が得意な人であれば充分活躍できる職種です。
コロナウイルスの影響も限定的なものとなりつつあり、需要が高まってきているため、将来性の高い職種とも言えるでしょう。
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