タクシードライバーの仕事にはさまざまな勤務形態が存在し、その中でも「隔日勤務」というスタイルが多くのドライバーたちの間で注目されています。
しかし、隔日勤務の実際の働き方はあまり知られていません。
そこで本記事では、タクシードライバーの隔日勤務の実態、タクシードライバーの隔日勤務のメリット・デメリットなどについて解説します。
タクシー運転手の隔日勤務とは:1日働いて1日休む働き方
タクシー運転手の隔日勤務は「1日働いて1日休む」働き方をします。勤務時間は長めですが、次の日はしっかりと休むことができ、体の負担を軽減しつつ安定した収入も得られる魅力があります。
また、夜間の割増料金の加算で効率よく稼げる点も魅力です。働いた後に丸一日休めるため、自分の時間を大切にしたい人におすすめの働き方です。
次章では、タクシードライバーの隔日勤務を含む3つの勤務スタイルについて解説します。
タクシードライバーの隔日勤務を含む3つの勤務スタイル
タクシードライバーの勤務形態は「昼日勤」「夜日勤」「隔日勤務」の3種類にわけられます。
ここでは、それぞれの勤務スタイルについて詳しく解説します。
隔日勤務
最後に、タクシードライバーの隔日勤務について解説します。
タクシードライバーの隔日勤務とは、一日の長時間シフトをこなした後、翌日を休みとする勤務形態を指します。
隔日勤務の最大の特徴は、長時間の労働とそれに続く長い休息時間の繰り返しとなることです。
このため、タクシードライバーは体力的な疲れをきちんと回復させる時間が確保できます。
一方で、連続した休みが取りにくく、長時間の運転によって疲労が蓄積されるという側面もあります。
隔日勤務は、労働と休息のバランスを保ちつつ、収入を確保するための一つの方法として多くのタクシードライバーに採用されています。
関連記事:【徹底解説】タクシードライバーはやめとけ?言われる理由と不安解消のコツ
関連記事:タクシー業界ってブラックなの?きついと言われる理由や良い会社を見つける方法を紹介
勤務時間の例
隔日勤務のタクシードライバーの勤務時間の例は、以下の通りです。
勤務時間 |
|
休憩時間 | 3時間/1乗務 |
勤務日数 | 11~13乗務/月 |
隔日勤務の勤務時間帯はタクシー会社によって大きく異なります。
タクシー会社は、大半が24時間の営業を行っています。
そのため、一日を通してタクシーが停まることなく運行できるよう、ドライバーのスケジュールが工夫されています。
通常、タクシー会社では、上記のA勤務からI勤務までの時間帯のうち、少なくとも2つの勤務パターンを持つことが一般的です。
タクシー会社に多いのが、B勤務とE勤務の組み合わせや、A勤務とF勤務の組み合わせです。
1ヶ月のシフトの例
隔日勤務のタクシードライバーのシフトの例は、以下の通りです。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 「出勤」 | 2 「明け番」 | 3 「出勤」 | 4 「明け番」 | 5 「出勤」 | 6 「明け番」 | 7 「公休」 |
8 「出勤」 | 9 「明け番」 | 10 「公休」 | 11 「出勤」 | 12 「明け番」 | 13 「出勤」 | 14 「明け番」 |
15 「公休」 | 16 「出勤」 | 17 「明け番」 | 18 「出勤」 | 19 「明け番」 | 20 「公休」 | 21 「出勤」 |
22 「明け番」 | 23 「出勤」 | 24 「明け番」 | 25 「公休」 | 26 「出勤」 | 27 | 28 「出勤」 |
29 「明け番」 | 30 「公休」 | 31 「出勤」 |
シフトに記載されている「明け番」とは、早朝に勤務を終えた日が休みとなることを表します。
つまり、その日は丸一日休みとなるため、公休を含めると、隔日勤務のタクシードライバーは、月の約半分が休日ということになります。
昼日勤
まずは、タクシードライバーの昼日勤について解説します。
タクシードライバーの昼日勤とは、主に昼間の時間帯に働く勤務形態を指します。
昼日勤では、一般的に朝の早い時間から夕方までのシフトとなっており、夜間の深夜帯や早朝帯には勤務しないスタイルです。
特に都市部では、通勤ラッシュが発生する鉄道の駅や、オフィス街や商業施設の集まるエリアでの需要が特に高くなるため、この時間帯のタクシードライバーは忙しいことが多いです。
昼日勤のメリットとしては、夜の運転に伴うさまざまなリスクが少ないという点が挙げられます。
勤務時間の例
昼日勤のタクシードライバーの勤務時間の例は、以下の通りです。
勤務時間 | AM7:00~PM16:00、AM8:00~PM17:00など |
休憩時間 | 1時間/1乗務 |
勤務日数 | 22~24乗務/月 |
昼日勤では、早朝の通勤ラッシュや高齢者の病院への移動など、特定の顧客層からの需要が高まります。
特に、出勤時のビジネスマンや住宅街からの移動を頼む高齢者は主要な客層となり、そのため早朝をどれだけ有効に活用するかが収入を伸ばすポイントです。
昼日勤は多くのタクシードライバーから注目される勤務スタイルでありますが、タクシー業界自体には課題も抱えています。
昼のみの勤務者が増えると、夜の時間帯のドライバーが足りなくなり、夜のタクシーの運行頻度が減少するリスクが高まります。
その結果、夜の売上が落ちてしまう恐れがあるため、昼日勤専門の採用を行っているタクシー会社は限られているのです。
1ヶ月のシフトの例
昼日勤のタクシードライバーのシフトの例は、以下の通りです。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 「出勤」 | 2 「出勤」 | 3 「出勤」 | 4 「出勤」 | 5 「出勤」 | 6 「公休」 | 7 「公休」 |
8 「出勤」 | 9 「出勤」 | 10 「出勤」 | 11 「出勤」 | 12 「出勤」 | 13 「出勤」 | 14 「公休」 |
15 「出勤」 | 16 「出勤」 | 17 「出勤」 | 18 「出勤」 | 19 「出勤」 | 20 「公休」 | 21 「公休」 |
22 「出勤」 | 23 「出勤」 | 24 「出勤」 | 25 「出勤」 | 26 「出勤」 | 27 「出勤」 | 28 「公休」 |
29 「出勤」 | 30 「出勤」 | 31 「出勤」 |
シフト例では日曜日が公休となっていますが、タクシー会社はシフト制のため、公休日は変動する場合がほとんどです。
夜日勤
続いては、タクシードライバーの夜日勤について解説します。
タクシードライバーの夜日勤とは、夜の時間帯に中心として働く勤務形態を指します。
夜日勤は、一般的に夕方から翌朝の早い時間までをカバーしています。
夜日勤のタクシードライバーは、夜の繁華街やレジャースポットからの帰宅客、早朝の空港や駅への移動客など、特定の需要に対応する必要があります。
都市部の夜間はイベントや宴会後の移動客が多く、特に週末は需要が高まることが一般的です。
また、夜日勤は深夜料金が加算されるため、1件の運賃が昼日勤に比べて高くなることが期待されます。
しかし、夜間の運転は、視界が限られるなどの理由で運転のリスクが高まることや、深夜の安全対策が求められる点を考慮する必要があります。
勤務時間の例
夜日勤のタクシードライバーの勤務時間の例は、以下の通りです。
勤務時間 | PM6:00~AM2:00、PM7:00~AM3:00など |
休憩時間 | 1時間/1乗務 |
勤務日数 | 22~24乗務/月 |
深夜時のタクシー利用には特別な割増料金が適用されるため、夜日勤は昼日勤と比べると収入の増加が期待できる特徴があります。
顧客層も昼と夜で変わり、繁華街からの帰宅客や飲酒後の利用者、終電を逃した人々などが主な乗客となります。
しかしながら、「昼日勤」と同じように、夜日勤のみを取り扱っているタクシー会社は少なめであるというのが実情です。
1ヶ月のシフトの例
夜日勤のタクシードライバーのシフトの例は、以下の通りです。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
1 「出勤」 | 2 「出勤」 | 3 「出勤」 | 4 「出勤」 | 5 「出勤」 | 6 「公休」 | 7 「公休」 |
8 「出勤」 | 9 「出勤」 | 10 「出勤」 | 11 「出勤」 | 12 「出勤」 | 13 「出勤」 | 14 「公休」 |
15 「出勤」 | 16 「出勤」 | 17 「出勤」 | 18 「出勤」 | 19 「出勤」 | 20 「公休」 | 21 「公休」 |
22 「出勤」 | 23 「出勤」 | 24 「出勤」 | 25 「出勤」 | 26 「出勤」 | 27 「出勤」 | 28 「公休」 |
29 「出勤」 | 30 「出勤」 | 31 「出勤」 |
昼日勤と同じく、公休日はシフトで変動することが多いです。
関連記事:タクシーの隔日勤務における労働時間は?2024年問題も解説
タクシードライバーの隔日勤務に関してよくある質問
ここからは、タクシードライバーの隔日勤務に関するよくある質問に回答していきます。
タクシー運転手の隔日勤務にメリットはありますか?
タクシー運転手の隔日勤務には、次のようなメリットがあります。
- 休みが多い
- 運転技術や地理の知識が向上しやすい
- 効率的に稼ぐことができる
- 自分のペースで働くことができる
- 勤務日数自体が少なくて済む
- 予定が立てやすい
- 連続して取れる休みの時間が多いため、自分の時間が持ちやすい
- 対人関係でトラブルが起きにくい
など
タクシー運転手のメリットについては、以下の記事でも解説しているのであわせて確認してみてください。
関連記事:タクシー運転手の隔日勤務がきつい理由と続けられる4つのメリット
タクシーの隔日勤務は何時間ですか?
隔日勤務の運転者の拘束時間(始業時刻から終業時刻までの時間)は、2暦日で21時間以内とされています。
また、勤務終了後は継続20時間以上の休息期間をとる必要があります。
参考元:タクシー・ハイヤー運転者の労働時間等の改善のための基準|厚生労働省
タクシードライバーの隔日勤務はきついですか?楽ですか?
結論から言えば、タクシードライバーの隔日勤務はきついと思われることが多いです。
タクシードライバーの隔日勤務は、一日勤務した後、翌日を休みとする形式を取ります。
この勤務形態の特徴として、運転時間だけでなく待機時間も含んだ一日の拘束時間が非常に長いことが挙げられます。
そのため、タクシードライバーの隔日勤務は体力的・精神的な疲労が溜まりやすく、きついと言われることが多いのです。
特に交通量の多い都市部では、長時間の集中力を要求されることが多く、これがドライバーにとっての大きな負担となることがあります。
もちろん、ある程度の期間勤務すれば、隔日勤務の働き方に慣れていく可能性もありますが、隔日勤務を経験したことのない人にとってはきついと感じられるでしょう。
関連記事:タクシー運転手になってすぐ辞めた人に多い5つの理由
タクシードライバーの隔日勤務についてのまとめ
今回は、タクシードライバーの隔日勤務について解説しました。
隔日勤務はメリットとデメリットがありますが、働き方に慣れることができれば、多くのタクシードライバーにとって魅力的な勤務形態であると言えます。
タクシードライバーに興味がある方は、本記事を参考にして、ぜひタクシードライバーへの就職に挑戦してみてください。
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