施工管理

入社後にしたいことは何を書く?施工管理の志望動機の書き方

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施工管理の仕事では、担当する工事全体を管理しながら、計画通りに各工程を進めていきます。

工事に関する知識や経験はもちろん、現場で働く職人をまとめ上げていくリーダーシップスキルが必要となります。

このような施工管理の仕事を目指す中で、「入社後にしたいこと」を聞かれた時、どのように自分をアピールすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

今回は、施工管理の志望動機・入社後にしたいことの内容について、分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

・施工管理職の志望動機や入社後にしたいことを考える上で重要となる内容
・施工管理職の具体的な業務内容
・施工管理に向いている人の特徴や企業が求めるスキルや能力
・志望動機に説得力を出す3つの方法
・施工管理の志望動機の具体的な構成
・志望動機を魅力的に書くコツと業種別の例文

施工管理が入社後にしたいことは具体性が命

施工管理の仕事は、工事を計画通りに進めるために「安全・品質・工程・予算」といった各視点から全体をチェックして回ります。

また、工事の前には工程ごとに作業スケジュールを明確に立てて、その通りに現場を動かしていかなければなりません。

そのため、先を見越した視野を持ち、各工程でやるべきことが明確になっている必要があります。

「入社後にしたいこと」は、先を見越した視野があるのか、施工管理者向きであるかの判断材料となります。

「大きな仕事をしたい」「責任のある仕事を通じて社会に貢献したい」といった、具体性にかける内容では、面接官に好印象を与えられません。

より具体的に将来やりたい仕事を伝えた上で、それを達成するための過程について、詳しく説明しましょう。

立派な内容ではなかったとしても、具体的な視野と考えが伝わる志望動機の方が面接官に自分をアピールできます。

施工管理とは

「入社後にしたいこと」や「志望動機」の内容は具体性が最も重要です。自分の明確なビジョンや考えを伝える上で、まずは施工管理の仕事について理解しておくようにしましょう。

ここでは、施工管理者が工事全体を管理する上で、具体的にどのような業務をこなしているのか、どのような魅力があるのかについて解説していきます。

具体的な業務を知った上で興味が湧いた内容があれば、その理由を考えて、今後すべきことを考えてみましょう。

施工管理の業務内容

施工管理者は、全ての工事に配置が必要な「主任技術者」や「監理技術者」として工事に従事します。

そのため、従事する工事によって施工管理者は以下の種類に分けられています。

・建築施工管理技士
・土木施工管理技士
・電気工事施工管理技士
・管工事施工管理技士
・造園施工管理技士
・建設機械施工管理技士
・電気通信工事施工管理技士

工事ごとに専門知識や監督経験が求められるのですが、ここでは建築施工管理と土木施工管理を例に、具体的な業務内容を紹介していきます。

【建築施工管理】
建築施工管理は、マンションや工場、学校といった建築工事の施工管理を行います。事前に作成された施工図を基に、各工程でどのような資材や機材を使用して、職人がどれくらい必要となるのかを検討していきます。全体的な工期を踏まえた上で、各工程にかけられる作業時間も決めていかなければなりません。

 

 

建築工事は杭工事や地下躯体工事、外装工事といったさまざまな工程があり、高い専門技術が必要なことから、従事する業者が異なります。

施工管理者は具体的な施工計画を立てる上で、事前に協力業者の選定をした後に、工程ごとで話し合いを行っていきます。

施工計画の策定が終わると工事着工となり、ここから重要となるのが「工程・品質・安全・原価」の4大管理です。

・工程管理

工程表は全体の工期とは別に月間や週間でも作られており、その進捗状況を確認しながら、作業員の人数や手配する重機を調整します。

実際に作業を進めていく上で、天候不良による工事の中断や資材搬入の遅れ、作業ミスは珍しくなく、都度作業計画を作り直しながら工期に間に合うようにしていきます。

・品質管理

品質管理では、設計図や仕様書通りの品質を満たしているかをチェックするために、材料の規格や寸法を確認します。

また、定められた箇所ごとに耐震性・強度・仕上がり・密度をチェックします。

基準を満たしていない箇所があった場合には、原因を解明した上で最適な工法を考え直し、作業をやり直さなければなりません。

・安全管理

建築工事ではさまざまな重機が動いており、高所作業もあります。

足場が不安定な箇所もあるため、常に危険と隣り合わせです。

施工管理者は、全工程で事故を未然に防ぐための安全対策を実施します。

具体的には、消火設備や手すりの設置・作業員への安全教育と健康チェック・重機の定期的な点検・ヒヤリハットの共有などがあります。

現場をチェックして回りながら、些細な違和感に気づけないと事故が発生してしまうため、常に気が抜けません。

・原価管理

予算管理では、工事でかかる材料費や重機のレンタル費、人件費などの予算を管理します。

予算を抑えたいからといって、人員の数や材料の発注数を少なくしすぎると、従事する職人の負担が増えてしまい、ミスなどが起こりやすくなります。

逆に各工程に予算を振り分けすぎると、万が一イレギュラーが起きた際に予算がオーバーしてしまいかねません。

また、予算管理の中では自社の利益も確保する必要があり、工事全体を考えたバランスで予算を組む必要があります。

参考元:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag|建築施工管理技術者

【土木施工管理】
土木施工管理者が管理する工事には、以下のようなものがあります。

・橋梁工事
・ダム工事
・道路工事
・トンネル工事
・海岸、河川工事
・砂防工事

施工管理者の仕事の流れに大きな違いはなく、設計図や関連法規、仕様書を基に施工計画を立案していきます。

施工計画では、工程ごとに最善な施工法・電力や給水、工事用道路などの仮設備・機械設備について、協力業者と話し合いながら決めていきます。

土木工事は他の工事と比べて、自然を相手にするため工期の調整が難しく、安全管理もより徹底して行わなければなりません。

また、施工管理者は工事を行うための申請を官公庁に行ったり、必要に応じて近隣住民への説明も行ったりします。
参考元:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag|土木施工管理技術者

施工管理の魅力

建設工事ではさまざまな建物や工作物が作られていきますが、自分の手掛けたものが完成し、形として残ることには大きな達成感を感じられます。

施工管理者は、工事の最初から最後までを管理してきているため、特に達成感を感じられるでしょう。

完成した建物や工作物は、人々の生活を支えていくため、社会に貢献している実感も感じられやりがいを持って働くことができます。

また、工事の途中で多くの職人と協力しながら作業を進めていく過程に、やりがいや楽しさを感じて従事している人もいます。

施工管理に向いている人の特徴

施工管理の仕事には、工事全体を管理するため、さまざまなスキルが求められます。

知識を学び経験を積んでいくことが大切なのですが、仕事の向き不向きも少なからず影響します。

ここでは、施工管理者にどのような人が向いているのかを解説していきます。

リーダーシップがある人

自分だけでなく、周りを巻き込んで物事を進めていけるリーダーシップがある人は、施工管理者に向いていると言えます。

工事を進める上では、多くの協力会社の職人さんと一緒に仕事を進めていかなければならないからです。

人を引っ張っていくのが好きであったり、周りとワイワイ盛り上がるのが好きだったりするような人はおすすめです。

また、建築現場は体育会系の雰囲気であるため、運動系の部活動に所属していた方は、比較的馴染みやすいと言えるでしょう。

リーダーシップを得意として施工管理職に就いた人の体験談を紹介します。

建築施工管理者・8年目

学生時代は野球部のキャプテンをしており、約50名の部員をまとめていた経験があります。

当時は野手・投手・マネージャーと、立場によってさまざまな悩みを持っている部員がいる中で、組織として成長していけることをキャプテンとして常に意識していました。

また、私は子供の頃からプラモデルの作成が大好きで、ものづくりに興味があったこと、現場全体をまとめる施工管理者として世の中に貢献したいと思い挑戦しました。

工事全体の責任者的な立場ではあるものの、指示を聞いて工事作業を進めてくれるのは職人さんなので、同じ視線で考えることをまずは意識しました。

体育会系のノリもあり、職人さんからは可愛がってもらえて嬉しかったのを覚えています。

その一方で、最善のスケジュールを組むのが当初は難しく、職人さんに迷惑をかけてしまうことも多くありました。

それでも「お前のことだから悪気はないだろうし、仕方がない」と、最後までついてきてくれたこともあります。

リーダーシップやコミュニケーションは、仕事を計画通りに進めていく上で本当に大切だと感じた経験でした。

リーダーシップがある人は、現場全体を動かすことに長けており、予定の変更や急なイレギュラー対応の必要が出た際に乗り切りやすい特徴があります。

バランス感覚がある人

幅広い視点で全体をまとめられるバランス感覚のある人も、施工管理に向いていると言えます。

リーダーシップと似ていますが全体を積極的に引っ張らずとも、自然と周りをまとめられるような人です。

積極的に意見することはないものの、物腰がとても柔らかく職人を大切にして最適な工法を選択し、自然と現場全体がまとまって作業が進んでいくような感じです。

このようなタイプの人は、威圧感が少なく気軽に話しかけやすいため、自然と職人の声を取り入れられて、多くの人と仲良くできます。

バランス感覚が活きた施工管理者の体験談を紹介します。

建築施工管理歴・13年目

大学卒業を前にして、やりたいことが無かった私はなんとなくカフェの店員として働き始めました。

しかし、1年もしないうちにお店が閉まることになり、たまたま求人に合った建築会社へ就職します。

仕事に従事する中で、将来性が高く力仕事のない施工管理者を目指すことを決意します。

「工事全体の管理者として、大きな工事に従事したい」というような感じは苦手だったので、みんなが気分良く工事してくれればいいと考えていました。

そのため、仕事前には職人さんにコーヒーを差し入れしたり、その日の作業現場周辺を掃除したりしていました。

そのうちに職人さんから声をかけてもらえるようになり、次第に打ち解けていったのを覚えています。

初めのころは、工事の各工程を詳しく把握しておらず、作業スケジュールを組むのがとても苦手でした。

しかし、私のスケジュールを見た職人さん達が「この工程は半日早く終わらせられるけど、次のこの工程は、天候が悪化するかもしれないから…」といった感じで丁寧に教えてくれました。

結果、大きな作業遅れや品質問題の発生もなく、工事を進められたのを覚えています。

今では経験を積み最適な作業スケジュールができるようになりましたが、それでも工事現場がまとまりやすくなるような、雰囲気づくりを第一に意識しています。

このように積極的に現場を引っ張っていかなくても、全体をまとめることは可能です。

職人から「この人の言うことなら…」といった感じで思ってもらえることは、大きな強みと言えるでしょう。

仕事が丁寧な人

建設工事では、地盤改良工事・基礎工事・内装工事など、さまざまな工程があります。

どの工程も建物の品質を維持する上で欠かせないのですが、施工管理者として各作業の細かいところまで把握して指示出しするのは容易なことではありません。

知識や経験があったとしても、やることが多すぎて仕事が雑になってしまうこともあります。

細かい作業まで丁寧に仕事ができる人は、正確な情報の共有や的確な指示出しができるため、施工管理者に向いていると言えるでしょう。

どれだけ仕事に追われていても、品質管理の写真撮影や現場の見回り、工事終了後の事務作業まで丁寧に進められるような人です。

施工管理者は長時間労働となりやすく、最後の方は疲労が溜まりどうしても作業が雑になってしまいがちです。

このような時でも、真面目に自分のやるべきことをやれる人は、施工管理者に向いています。

仕事の丁寧さが活きた施工管理者の体験談を紹介します。

電気工事施工管理歴・9年目

もともと、家電の仕組みに興味があり、将来は電気工事士になることが夢でした。

電気工事会社に無事就職した私は、マンションの電気設備工事に従事していました。

配線工事は、ただ図面通りに作業すれば良いわけではなく、後々メンテナンスがし易いように配線作業を丁寧に行わなけければなりません。

昔から几帳面で、細かい作業が得意だった私は、仕事の丁寧さが評価され電気工事施工管理者を目指すべきだと打診を受けました。

そこから約2年間勉強をして、試験合格後に主任技術者として電気工事管理を行うようになります。

施工管理の仕事では、元々作業に従事していた経験も踏まえて、職人さんが困らないように、作業スケジュール表や図面の修正、作業現場の細かい指示出しを意識していました。

そのうちに、職人さんからも頼ってもらえる存在となり、信頼関係が築けたので指示を出した際にも素直に聞き入れてもらえるようになりました。

施工管理者の仕事は、現場で働く職人さんから見られる仕事であり、全ての作業が工事に大きく影響します。

そのため、自分の忙しさに関係なく、その場の工事作業第一で判断したり、仕事を進めたりしていくことがとても大切だと考えています。

工事現場では、職人や施工管理者が協力し合って工事を進めていきます。

施工管理者は工事全体を管理する立場にあるため、仕事の丁寧さは全体に影響すると言えるでしょう。

企業が施工管理に求めるスキルや能力

施工管理者に向いている人の特徴を紹介しましたが、これから施工管理を目指していく人に対し、企業側はどのようなスキルや能力を求めているのでしょうか。

ここでは、施工管理を目指す上で求められるスキルとその詳細について、解説していきます。

リーダーシップ

施工管理者は、工事現場を監督していく上で、職人に指示を出しながら全体を引っ張っていかなければなりません。

そのため企業は「リーダーシップがあり、周りをまとめて目指す方向に動かせる人」を求めています。

リーダーシップをアピールする場合、部活のキャプテンなど、グループの代表として頑張った経験が用いられますが、それ以外では以下のような経験でもアピールできます。

・計画通りにいかなかった時に、積極的に解決しようとした経験
・難しいと分かっていることにあえて挑戦した経験
・目標に向かって努力した経験
・難しい問題に直面した際に、自分で考え決断した経験

なるべく自分以外の人が関わっているのが理想ですが、1人で経験した内容でも問題ありません。

コミュニケーション能力

建設工事では、工程ごとに協力業者が変わり、従事する職人も異なります。

職人は依頼された工程に従事するため、工事全体の工期や計画を把握していません。

そのため、今後のスケジュールなども踏まえて、上手に職人達に対し指示出しができるかが、工事を計画通りに進めていく上で重要となります。

年齢に関係なく的確な指示出しをしたり、意見を聞いたりできるコミュニケーション能力を企業は求めています。

コミュニケーション能力をアピールする際には、自分を主張しすぎないようにするのが大切です。

「自分が周りの人と積極的に話したから…」
「自分があの人をグループの輪に取り入れたから…」

このように自分をアピールしすぎてしまうと「他の人が困っていても関係ないのでは?」「自分が評価されさえすれば良いのでは?」という印象を持たれる可能性があります。

どちらかと言えば、コミュニケーションを通じて周りに気配りができた協調性をメインにアピールするといいでしょう。

コミュニケーション能力の大切さが分かる、施工管理者の体験談を紹介します。

電気工事施工管理者・11年目

大学では電気工学を専攻しており、どのような仕事に就こうか迷っていましたが、人と話すのが大好きだったので施工管理者を目指すことにしました。

工事計画を組んだ上で、その通りに作業を進めていくのも大切ですが、経験豊富な職人さんの意見を積極的に取り入れることを意識しています。

過去には、コミュニケーションを積極的に取っていたからこそ、ミスを未然に防げた経験もあります。

施工管理として駆け出しの頃で、工事全体を管理する上で余裕が全くありませんでした。

半分愚痴のような感じで、話し相手の職人さんが担当ではない工事のことを相談していたのです。

ある日私は上司の指示を聞き間違えてしまい、間違った電気図面で指示出しを行い、申請作業のため工事現場を離れました。

すると1時間後に上司から連絡があり「職人さんがお前のミスに気づいて、早急に対処してくれた」と言われました。

職人さんは、間違った図面を渡された後で、私が話していた工事工程ならこの図面はおかしいと気づいてくれたのです。

本来ならその職人さんとは関係のない工程なのですが、情報が共有できていたため、その日は作業に遅れを出すことなく対応してもらえました。

上司からはきつく怒られた上で、職人さんとコミュニケーションをしっかり取っていたことを褒められました。

今でも、工事現場で指示出しする際には、スケジュール等を共有した上で、職人全員で工事を進めることを大切にしています。

もちろん、自分だけでなるべく決断せずに、職人さんや依頼主などいろんな人と積極的にコミュニケーションをとるようにしています。

スケジュール管理スキル

施工管理者は、事前に決まっている工期や予算、作業計画を基に、工事を進めていかなければなりません。

計画通りに進めるのはもちろんですが、イレギュラーが発生した際にどのような対処で解決したかが重要です。

アピールする際に、最後まで責任感を持って取り組んだ経験を話す人がいますが、それではただ頑張っただけになってしまいます。

計画に遅れが出ないように、どのような対策を施したのか、問題が発生した際にはどのように遅れを取り戻したのかを具体的に話すと良いでしょう。

緊急時の対応力

建設工事では、予定していた作業が悪天候で中断したり、機械が故障したりとさまざまなイレギュラーが発生します。

工事自体は問題なく進んでいても、騒音などによる近隣住民からの苦情もあります。

急にこういったイレギュラーが発生した際にも、迅速に対処できる対応力を企業は求めています。

経験をアピールする場合には、どのようなイレギュラーを解決したのかではなく、どのような対処をしたのか、詳しく解説していきましょう。

資格を取得する意欲

工事の監督業務を行う「主任技術者」や「監理技術者」となるには、施工管理技士の資格が必須となります。

採用時から資格取得に向けた意欲があれば、目的を持って仕事に取り組みやすくなり、仕事を覚えるスピードも変わってきます。

また、資格取得の意欲は、将来的なビジョンを持っていることにもなります。

意欲をアピールする場合には、入社後にどのような経験を積みながら資格取得を目指すのか、これまでの取り組みがあれば、一緒にアピールしましょう。

基礎体力

施工管理の仕事は、各種話し合いや現場のチェック、各種書類の作成といった業務をこなしていきます。

早朝出勤が多く、工事が終わっても事務作業が残っており、工期に余裕がないと連日の残業も珍しくありません。

また、さまざまな職人に指示出しを行ったり、近隣住民からのクレーム対応をしたりと、精神的な体力も必要です。

このような環境が長期間続いていても、逃げ出さずに取り組める体力がある人材を企業は求めています。

運動系の部活経験をアピールするのも良いのですが、精神的に辛い時期が続いても耐え抜いた経験があれば、よりタフさをアピールできるでしょう。

企業研究をして志望動機に説得力を出す3つの方法

建設工事には大手ゼネコンやサブコン、その他中小の下請け企業が関わり、どの企業に就職しても施工管理の仕事はあります。

志望動機や入社後にやりたいことをより明確にするには、志望する企業をまずは決めていきましょう。

ここでは志望する企業を決めるための企業研究のやり方と、志望動機に説得力を出せる方法について解説していきます。

業務内容を比較する

前述した通り、あらゆる工事に施工管理者は必須であり、就職する企業によって受注する工事の内容が異なります。

まずは、どの工事で施工管理をしたいのかを決めていきましょう。

ちなみに、各工事を受注している主な企業は以下の通りです。

・土木工事:清水建設、鹿島建設、西松建設
・建築工事:大成建設、竹中工務店、大林組
・管工事:高砂熱学工業、大気社、三機工業
・電気工事:きんでん、関電工、住友電設

従事したい工事を選んだ理由は、志望動機にも関係するため、明確な理由を説明できるようにしておきましょう。

また、従事したい工事について工事内容や工程を調べれば、入社後にどのようなことをしたいのかもイメージしやすくなるでしょう。

企業規模を比較する

企業規模によっても受注する工事の内容は変わります。

大手ゼネコンである「大林組・鹿島建設・清水建設・大成建設・竹中工務店」は工事の元請け企業となるため、建設工事全体を統括します。

ゼネコンは各種工事をサブコンに依頼し、サブコンは作業ごとに中小の建設企業へと工事を依頼する流れです。

就職する企業がどの立ち位置にいるのかによって、管理する範囲や具体的な業務内容も異なります。

一概には言えませんが、中小企業に就職する主なメリットは以下の通りです。

・全国に支店がないので転勤がなく地域密着で働ける
・顧客や社員同士の距離が比較的近い
・さまざまな業務経験ができる
・昇進しやすい

大手ゼネコンの場合は国内全域に支店があったり、事業によっては海外展開していたりするため、転勤も珍しくありません。

また、業務に関しても細かく割り振られているケースが多く、施工管理に関する全ての作業を行いにくいと言えます。

中小企業の場合は、受注する規模が小さいこともあり社員数も少ないので、1人でさまざまな業務をこなしていきます。

その時の状況によって安全管理をメインで担当したり、品質管理がメインになったりと、幅広く施工管理を経験しやすいと言えるでしょう。

特徴を比較する

企業ごとに手掛けている工事事業にも特徴があります。

例えば「積水ハウス」の場合は戸建て住宅の建設をメインにしており、年間供給数は業界最大手となります。

「鹿島建設」は、お台場のフジテレビ本社ビルや東京駅丸の内駅舎など、さまざまな建設工事を手掛けていますが、ダムや上下水道といった土木工事に強みを持っています。

受注する工事だけではなく、業務内容も施工管理をメインとしていたり、現場作業をメインとしていたりするなど企業によって異なります。

自分が従事したい工事になるべく特化した企業を選び、就職後にどのような業務に就きたいのかも考えれば、志望動機が明確にできるでしょう。

施工管理の志望動機で王道の構成

志望動機を明確に答えられるようにするには、4つのポイントごとに自分の考えを明確にします。

・志望利用
・なぜ施工管理なのか
・なぜその企業なのか
・企業に貢献できること(入社後にしたいこと)

この4つのポイントについて、詳しく解説していきます。

志望理由

志望理由では、施工管理のどこに魅力を感じたのかを考えていきましょう。

・建物が完成した時の達成感
・建設工事を自分の意思で動かせる
・職人と足並みを揃えて建物を作り上げた満足感
・社会に貢献することへのやりがい
・さまざまなものづくりに携われる

それぞれに施工管理の仕事を目指す理由があるはずです。

志望理由が決まった後は、具体的にどのような作業や業務で魅力を感じられるのか、詳しく説明できるようにしておくと、より面接官に理解してもらいやすくなるでしょう。

なぜ施工管理か

前述した志望理由は、建設業界を選んだ理由でもあるため、建設関連の仕事の中でもなぜ施工管理のポジションを志望するのかも明確にします。

施工管理を目指す理由に正解の内容はありませんが、他の建設業界の職種と比較した上で、具体的な違いやそれに魅力を感じた理由を考えていきます。

なぜその企業か

「施工管理ができるならどこでもいいのでは」と思われないようにするには、その企業を志望した理由についても説明できる必要があります。

前述した通り、企業によってメインとしている事業や、受注している工事内容も異なります。

また、企業ごとに社員育成や福利厚生、IT技術の導入など力を入れている取り組みも働く上で大切です。

企業のホームページや公式SNSをリサーチしながら企業研究を行い、相手が納得できる内容で入社意欲を上手く伝えられる志望動機を考えてみましょう。

企業に貢献できること

従事したい工事や業務、志望する企業が決まれば、これまでの経験を入社後にどうやって活かすのかも浮かんできやすくなります。

建築系の学校に通っているのであれば、これまでに学んできた知識や技術を踏まえて、どのような業務に従事したいのかをアピールします。

専門学科を専攻していない場合は、協調性・資格取得意欲・リーダーシップ・体力でアピールできることをピックアップしていきましょう。

その上で、どのような業務で活かしたいのかを伝えます。

入社後にやりたいこと

入社後にやりたいことに関しては、すぐにできるものである必要はありません。

将来的にやってみたい仕事があれば、内容に気を遣わずそのまま話してみましょう。

ただし、志望する企業の事業とは全く関係ないものは避けましょう。

従事したい建設工事では、具体的な建物を答えられると相手もイメージしやすくなります。

企業ごとに、過去に建設した建物はリサーチできるので、必要に応じて例にしながら自分のやりたいことを伝えていきます。

王道の構成で書いた志望動機の例文

最後にここまで解説してきた王道の構成を基に、志望動機の例文を紹介します。

私はものづくりに興味があり、家の近くで行われていた建築工事で立派なビルが出来上がっていくのに感銘を受けて、建設業界を目指すようになりました。

建設に関する勉強を進めていく上で、大掛かりな工事をまとめ上げ、計画通りに建物を完成させる、施工管理者の存在を知りました。

私も自分の意志で工事全体を動かし、建物を作り上げてみたいと感じて、今では施工管理者を目指しています。

貴社では大規模なマンションの建設工事を中心に施工管理を行っており、IT技術やloT技術を積極的に取り入れています。

他の企業では経験できないような、最新技術を駆使した建築工事に携わってみたいと思い、貴社を志望しました。

また、私は学生時代にバスケットボール部のキャプテンをしており、人とコミュニケーションをとるのが得意です。

入社後には、建築工事について積極的に学び、まずは最短で施工管理技士の資格を取得できるように頑張りたいと思います。

今回紹介した構成を基に志望動機を作成すれば、内容に関係なく相手に熱意や具体的な志望理由を分かりやすく伝えられるでしょう。

まずは、自分が思うままに構成通りで作成を行い、周りの人たちに聞いてもらうことで客観的な意見をもらってみるのもおすすめです。

施工管理が入社後にやりたいことを魅力的に書く3つのコツ

「入社後にやりたいことが現時点で上手く浮かばない」といった場合、3つのコツを意識して考えてみると良いでしょう。

・職種ではなく、1つの業務に絞って伝える
・過去の経験や希望の業務内容と紐づける
・資格取得の意思を伝える

具体的なポイントについて解説していきます。

具体的に伝えてイメージさせる

やりたいことが抽象的過ぎると、熱意が伝わりにくくなる可能性があります。

業務内容を更に細かく分けて、自分がやりたい内容を探してみましょう。

「どのような作業・どのような場面で」仕事をしたいのかを決めて、自分なりでいいので、過去の経験で活かしたい内容があれば一緒に伝えます。

【悪い例】

・まずは事務作業を中心に貢献できればと思います。
・先輩の補助として業務全体をフォローできればと思います。

【良い例】

・法規や工事の申請内容についてまずは学びたいので、工事申請書類の作成や申請業務に挑戦してみたいです。

・工事を管理する上での着眼点について学びたいので、先輩社員と一緒に工事現場をチェックして回る業務に従事したいです。

過去の経験や企業の業務内容と紐づける

志望した会社でしかできない業務を、自分のやりたいことにすれば、一貫性をアピールできます。

事業内容を詳しく調べた上で、他の企業ではできない業務を見つけ、過去の経験で活かせるものを紐づけしていきアピールしてみましょう。

【悪い例】

・私はボランティア活動に定期的に参加しており、人の役に立った後に充実感を感じられるのが大好きです。

・入社後には、工事工程に関する工程から学んでいきたいです。

【良い例】

・私はボランティア活動に定期的に参加しており、人の役に立った後に充実感を感じられるのが大好きです。

・入社後には、工事現場で自分なりにできる作業を見つけて、職人さん達が気持ちよく仕事ができるような施工管理業務を行いたいです。

資格取得の意思を伝える

業務内容でやりたいことが上手く浮かばない場合は、資格取得に対する意思を伝えると良いでしょう。

工事に関係する資格を保有していない場合は、特に「入社後に資格を取る意思」をアピールするのが重要です。

資格を保有している場合に関しても、別の資格を挙げて、積極的に資格取得の意思と熱意をアピールしましょう。

関連記事:管工事施工管理の志望動機の書き方・例文・NG例を紹介

施工管理が入社後にやりたいことの例文4選

施工管理を目指す上で入社後にやりたいことを伝える場合、従事したい工事の種類によって内容が異なります。

ここでは4つの工事における、入社後にやりたいことについて例文を紹介していきます。

土木の施工管理

まずはトンネル工事やダム工事、道路工事などを行う、土木施工管理者を目指す場合の例文です。

トンネルや道路は、私たちの生活になくてはならないものであり、工事の中でも特に社会への貢献度が高いと考えております。

こういった工事で指揮を取り、多くの人々と一緒に工作物を作り上げたいと思い、施工管理の仕事を志望しました。

さまざまな土木工事に携われる点に魅力を感じたため、御社を志望いたしました。

大学時代はサークルの運営に携わることが多く、1つ1つ問題を解決しながら良い方向に全体が向くようにしていく過程に、やりがいを感じていました。

土木施工管理の業務に活かせる知識や技術はありませんが、勉強と経験を重ねて、少しでも早く施工管理技士の資格を取得したいと考えております。

資格取得後には、道路工事に携わりたいと考えており、多くの人に長く使ってもらえるような道路を造っていきたいです。

電気の施工管理

次に各施設の電気設備工事などを行う、電気施工管理者を目指す場合の例文です。

電気は私たちの生活に欠かせないものであり、生活を豊かにしてくれています。

最近では、カーボンニュートラルに向けた取り組みも進められており、電気自動車や太陽光発電設備も増えてきました。

私は、御社が力を入れている、再生エネルギー事業で自然を活かした発電設備工事に携わりたいと思い、志望いたしました。

大学時代では電気工学を専攻しており、電気を活かした設備の仕組みを学んできています。

今後は実際に電気設備工事を経験することで、施工管理の技術も学び、施工管理技士の資格取得を目指したいと考えております。

施工管理技士の資格取得後には、再生エネルギー事業を通じて人々の生活を下支えできるようになっていきたいです。

設備系の施工管理

次は設備系の工事に携わる、建築施工管理技士を目指す場合の例文です。

私は、少し前に完成した「あべのハルカス」といった、ランドマークとなる建物の建設に携わりたいと考えておりました。

学生時代には、あべのハルカス内の飲食店でアルバイトをしていたのですが、来場者が利用する箇所はもちろん、裏側まで消防や空調などの設備が整っていることに感銘を受けました。

普段は注目されない箇所ではあるものの、建物内を快適にするのはもちろん、安全性を維持する上でも欠かせない設備となります。

見えないところだからこそ、丁寧に仕事ができるような施工管理者になりたいと考えています。

建築に関する知識はありませんが、入社後には勉強をしながら経験を積み、早く施工管理の資格を取得したいと思っています。

ハウスメーカーの施工管理

最後は、住宅の建築工事に携わる、建築施工管理技士を目指す場合の例文です。

私は大学で専攻した建築学の仕事に就きたいと思っています。

特に身近な建築物である住宅は、私たちの生活に欠かせないものであり、長く利用するものです。

建築工事に携わり、多くの方に喜んでもらいたいと考えている中で、御社はオーダーメイド設計に力を入れている点に魅力を感じました。

依頼者の意見を建築工事の段階から活かし、世の中に1つしか存在しないような住宅を一緒に作っていける施工管理者になりたいと考えております。

入社後には、実際の建築工事現場で施工管理の仕事を学び、最短で資格を取得したいと考えております。

関連記事:土木施工管理の志望動機の書き方とは?未経験者の方は必見

施工管理の採用面接で注意したいこと

建設企業の採用試験では、エントリーシートの提出が求められ、1次面接と最終面接に分かれるケースがほとんどです。

ここでは、面接ごとにどのようなポイントを意識すれば良いのか、注意点について解説していきます。

1次面接

1次面接では、志望動機や入社後にしたいことよりも、実際に対面した時のコミュニケーション能力があるのかをチェックされます。

説得力のある内容にするのも大切ですが、相手に分かりやすく自分の意見を伝えられるようにしましょう。

コミュニケーション力を測る上で、話す態度は非常に大切なので、姿勢をよくして相手の目を見ながら話すようにしましょう。

最終面接

最終面接では、コミュニケーション力に加えて、より具体的な施工管理者への適性を判断されていきます。

それまでに考えてきた志望動機や入社後にしたいことを、分かりやすく相手に伝えていきましょう。

施工管理の適性に関する質問の回答はとても重要なので、仕事に対する熱意や意志の強さをしっかりと伝えていきます。

関連記事:施工管理の面接で採用される逆質問とは?採用が勝ち取れる具体例も紹介

まとめ

今回は、施工管理者の志望動機や入社後にしたいことの内容について、解説してきました。

より印象に残る志望動機にするためには、施工管理者の仕事内容や企業リサーチが大切です。

仕事を理解した上で、志望する企業の考えや事業内容を詳しく調べれば、過去の自分の経験で紐づけられるものが見つかるはずです。

具体的に施工管理で活かせることを話しながら、相手に熱意と意思の強さをアピールしていきましょう。

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