履歴書を書く際、「どう書けばいいのか」「自分の想いをどう伝えればいいのか」と困ってしまう部分が志望動機です。
本記事では、土木施工管理の仕事を目指す方のために、志望動機の書き方を解説します。
経験の有無ごとにコツや例文を紹介する他、志望動機でNGな内容や、面接で追い込まれた時の切り返し方など実用的な情報が満載ですので、ぜひ参考にして下さい。
土木施工管理未経験者が志望動機を書く前に必要な作業
土木施工管理の求人に応募する際、必ず履歴書や職務経歴書を準備するかと思います。その中で多くの人を悩ます部分が志望動機や自己PRです。
どう書いたらいいのだろうか、上手く書く方法が分からないという人は、これからお伝えする2つの作業を行ってください。
前職での経験や実績を整理する
自己PRを書く前に、まず前職でやってきたことや積み上げてきた実績を書き出してみましょう。
箇条書きでもいいので、思い出しながらこれまでの経験をメモしておくと、自分の強みやアピールできるところを見つけ出す際の手助けになります。
まだ社会人未経験であれば、学生時代に頑張っていたこと、部活や学業で何か成果をあげたことがあれば、それをメモしておきましょう。
志望する企業のリサーチをする
志望動機をしっかり書くためには、志望先企業の情報を集めることが重要です。
企業のHPを見て、経営理念や事業内容、工事実績などをチェックしておきましょう。共感できるところや自分のやりたいことなどがあるかもしれません。
例えば、「自分はこれまで○○や○○などさまざまなことに果敢に挑戦してきました。そのため、貴社のチャレンジを応援するという経営理念に感銘を受けました。」
「自分がいつも利用する○○橋の建設に貴社が関わっていたということを知って、驚きました。自分も橋の建設には非常に興味があります。また、人々に役立てる橋を作っていきたいです。」
上記のように志望動機を書く際に役立つでしょう。
【未経験者向け】土木施工管理の志望動機を書くコツ
土木施工管理の志望動機の書き方は未経験の方と経験がある方では異なります。
ここでは土木施工管理の仕事経験がない方に向けて、志望動機の書き方や好印象に残るポイントについて解説していきます。
企業が未経験者に求める内容をまとめる
企業が土木施工管理未経験の方に求めているのは、「仕事に対するやる気」や「成長意欲」です。
企業側は未経験者である人を育てていきたい、1日でも早く一人前に育ってほしいと思っているでしょう。
仕事にやる気のある人を歓迎する傾向があるので、志望動機でアピールしておくと好印象を与えることができます。
「私は子どものころから土木工事の仕事にずっと興味がありました。
1日でも早く現場で仕事をして、1日でも早く経験を積んで貴社に貢献したいです。」など自分のやる気を全面的に出してアピールしていきましょう。
土木施工管理の仕事に対する内容をまとめる
なぜ土木施工管理の仕事に携わりたいのかは十人十色でしょう。企業側としては、数ある職業の中から土木施工管理という仕事を選んだ理由を知りたいはずです。
土木施工管理は仕事量が多く、肉体的、精神的にもきつい仕事と言われています。そのため、入社してもすぐに辞めていく人も少なくありません。
企業側は採用に対して、時間と金銭的コストをかけて行っているので、きちんと選んで採用したいと思っています。
そこで土木施工管理を選んだ理由を明確にして書くことで好印象を与えることができます。
例文を1つ紹介しましょう。
「私は子どものころから橋や道路の工事に興味がありました。今でも工事があれば1日中座って眺めたいと思うくらい好きです。
また、大きな橋の建設では、なんで崩れ落ちないのか、構造に興味が湧いたり、どうやって作っているのか気になったりし、勉強も始めました。
その勉強の過程で土木施工管理の仕事を知りました。
土木施工管理は工事前から完了まで全ての工程に携わることができるので、これこそ自分のやりたい仕事だと思いました。
自分の携わったものが人々の生活の役に立てるという点でも土木施工管理の仕事に就きたいと思っています。」
企業に対する志望動機をまとめる
企業は土木施工管理の仕事を選んだ以外に、自社を選んだ理由も重要視しています。
なんとなく選ばれただけでは、思っていたことと違ったり、少し嫌なことがあるとすぐに辞められたりする可能性があるからです。
なぜその企業を選んだのか、きちんとまとめることでこの人は長く働いてくれそうだな、頑張ってくれそうだなと思ってくれます。
企業のHPに理念や社風、これまでの実績などが記載されているので、自分の志望理由に合う部分を探すといいでしょう。
例文を1つ紹介します。
「私が貴社を志望した理由は、‘‘事業に関わる全ての人々を大切にしたい‘‘という理念に共感したためです。
私は人との繋がりをとても大切にしています。なぜなら自分一人では何もできないからです。人を大切にするからこそ、自分も大切にでき、自分の人生も豊かになると信じています。
私はコミュニケーションが得意です。
貴社で働く人や関連企業、そしてお客様と密にコミニケーションを取りながら、お互い良い仕事ができた、してもらったと思えるよう、1つ1つの仕事を大切に行っていきたいと思います」
未経験者ならではの熱意をまとめる
未経験者の場合、経験者のように強みをアピールすることが難しいです。しかし強みがない分、やる気で補うことはできます。
熱意を持ってアピールすれば、採用担当者の心をつかむことができるかもしれません。
例えば
「私は子どものころからモノづくりが好きで、工作にはげんでいました。しかし、工作は小さなモノしか作れず、いつか大きなモノを作ってみたいという夢をずっと描いていました。
土木施工管理は私の夢を叶えてくれる仕事です。誰よりも努力して、一日でも早く役に立ちたい、大きな工事に携わりたいと思っています。」
関連記事:施工管理は未経験からでも始められる?求人を探す際のポイントや志望動機の書き方などを紹介!
【経験者向け】土木施工管理の志望動機を書くコツ
土木施工管理の経験がある場合、自身の経験や実績などを志望動機に盛り込むようにしましょう。書き方のコツは以下の3つです。
即戦力になれることを伝える
土木施工管理の会社の多くは人手不足に悩まされています。そのため、未経験者を歓迎しているところもありますが、経験者の方が優遇されます。
これまでの実績や経験を伝えることで即戦力だとアピールすることができるでしょう。
「○○の工事を担当した」「プロジェクト費用は○○円だった」など内容を具体的にすることが大切です。
また、経験や実績をアピールするだけでなく、自分のスキルをどう活かせるのかを伝えることも重要になります。
明確に伝えることで採用担当者は自分の会社に入社した後、どう頑張ってくれるのか想像しやすくなるでしょう。
具体的に貢献できる根拠を説明する
土木施工管理の経験がある場合、即戦力としてどのような部分で会社に貢献できるのかを具体的に説明しましょう。
ここではこれまでの経験を語ると有効です。
例えば、工事でトラブルがあった際に工期や予算を守るために行った工夫などを紹介します。
その際、自分は想定外の事態が起きても柔軟に対応できる、迅速な対応ができるなどを一緒に盛り込むと効果的なアピールになるでしょう。
入社後のビジョンを語る
入社後、どのようなことをしたいのか、どうキャリアアップしていきたいのかを志望動機に盛り込むことも重要です。
こんな工事やプロジェクトに携わりたい、こんな土木施工管理になりたいといった自分の理想図を語りましょう。
その際に注意しなければいけないことが、応募先の企業の理念や事業内容とズレがないかどうかです。
例えば、ダムの建設が中心の企業に対して「自分は明石海峡大橋のような大きな橋を作りたいです」などと書いてしまうと、
採用担当者から自社では活躍できなさそうだと判断されるかもしれません。
ビジョンを書く際は、企業先で実現できそうな内容を書くようにしましょう。
関連記事:入社後にしたいことは何を書く?施工管理の志望動機の書き方
【未経験者向け】土木施工管理の志望動機例文
上記で紹介した志望動機の書き方のコツを踏まえた、志望動機の例文を紹介していきましょう。
IT企業から施工管理職に転職する場合
私が貴社に応募した理由は、未経験者歓迎と書かれていたためです。
私は子どものころからモノづくりが好きで、おもちゃで城や町を作って遊んでいました。
大学卒業後はIT関連に就職し、一生懸命仕事に励んでいましたが、モノづくりの楽しさが忘れられず、モノづくりの仕事を探しているときに、土木施工管理という職業を見つけました。
施工管理は一から工事に携われる点に、すごく魅力を感じました。
貴社は橋の施工が得意と聞き、非常に興味を持ちました。
明石海峡大橋や瀬戸大橋のような立派な橋を見て、どのような構造をしているのか興味を持ったため、橋の建設に携わりたいと思い、貴社を志望しました。
大工から施工管理職に転職する場合
私が土木施工管理になりたいと思った理由は施工管理の仕事に興味が出たためです。
私はこれまで大工として、家作りを行ってきました。大工の仕事はとても楽しかったのですが、
現場監督としてスケジュールを考えたり、マネジメントしたりしている施工管理をやってみたいと思う気持ちが強くなってきました。
貴社は人を育てることに力を注いでいるため志望しました。
私は施工管理の経験はありませんが、経験を積んでいき、ゆくゆくは一級土木施工管理の資格を取得したいと思っております。
また、大工の経験を活かして、良いモノづくりに貢献できるよう尽力したいと思っております
【経験者向け】土木施工管理の志望動機例文
土木施工管理の経験がある方が同業他社に転職する場合の志望動機の書き方を2パターン紹介していきます。
同業他社に転職する場合①
私はこれまで道路工事の施工管理を行ってきましたが、上下水道工事を主力とする貴社を志望しました。
以前の震災を経験した際に、水道の重要さに気付きました。水が通っていない間は給水車があったため、水はありましたが、不便さはずっと感じていました。
水道が回復した際の嬉しさは今でも忘れられません。
私も水道工事を管理する仕事に就いて、人々の役に立ちたいと思っています。
同業他社に転職する場合②
私は土木施工管理として、中小規模のダム建設に携わってきました。
しかし、黒部ダムのような大きなダムを見るたびに、自分もいつか大きなダム建設に携わりたい気持ちが膨れ上がってきました。
貴社はダム建設を得意としているため志望しました。
私もいずれは○○ダムや○○ダムのような大きなダム建設を任されたいと思っています。私に任せたら大丈夫と思っていただけるよう、尽力してまいります。
【未経験者必見】土木施工管理の志望動機でNGな内容
土木施工管理の志望動機に書いてはいけない内容をまとめました。
自分のメリットにばかり注目している
自分のメリットばかり書くことはあまり良い印象を持たれません。企業側が自分を雇った場合のメリットも書くようにしないと雇う理由が見当たりません。
どう貢献できるのかを明確にしましょう。
特に「休日が多いから」「給料が高いから」という理由はNGです。これでは仕事にやる気を感じられません。
自分を過大評価している
土木施工管理の実績がある場合や、さまざまな資格を持っていても、自分を過大評価したアピールはしないようにしましょう。
会社にどう貢献できるのかをアピールすることは重要ですが、度を過ぎてしまうと自慢のように聞こえてしまいます。
扱いにくい人と感じられる可能性もあるので、注意しましょう。
自己都合の印象が強い
貴社で学びたい、一人前になりたいといった理由は一見良いように思えますが、悪い印象を持たれる場合があります。
会社は学校ではなく働くところです。会社は給料を支払っているので、どう貢献してくれるのか、価値を出してくれるのかを知りたいのです。
土木施工管理が未経験の方は特に注意しましょう。
企業理念に共感した旨を書いている
志望動機の定番として企業理念に共感したというものがありますが、基本的には書かないほうがいいです。
例えば地域社会に寄付や福祉活動を通じて貢献している企業に応募する場合、これまでボランティア活動などをしたことがない人がその活動に共感したと伝えても説得力を感じられません。
これまでの自分の活動や経験とリンクしないのであれば、書かないほうがいいでしょう。
関連記事:土木施工管理に多い転職理由10選。オススメの転職先も紹介
【未経験者向け】土木施工管理の志望動機:面接で困った際の対処法
面接の際には志望動機に触れられることが多いです。志望動機に書かれていることは本当なのか、深く聞かれることがあります。
その時、言葉に詰まると嘘だと思われるかもしれません。
面接で志望動機について追い込まれた場合、切り返す方法を3つ紹介していきましょう。
「弊社で長期的に働けると断言できますか?」
これまで仕事が長続きしなかった人によく聞かれる質問です。自分の会社でも同様に長続きしないと思われているでしょう。
こういった場合はすぐに辞めない理由を丁寧に説明しましょう。
例えば、以下のように説明しましょう。
「以前の会社は給料が高いという理由だけで入社しました。
給料は良かったのですが、仕事内容が自分のやりたい橋の建設ではなく、道路工事の施工管理であったため、辞めました。
貴社は橋の建設を得意としているので、自分のやりたい仕事とリンクしているので志望しました。もちろん毎回自分の好きな仕事ができるとは思っていないので大丈夫です。」
「前職はなぜすぐに辞められたのですか?」
前職の退職理由は必ず聞かれる質問と言っても過言ではありません。
「土木施工管理の仕事をやりたい、好き」などと志望動機に書いた場合、企業側はなぜ前職を辞めたのかが気になるものです。
退職理由を話す際は、本当の理由を話してもいいですが、できる限りポジティブに伝えるようにしましょう。
例えば、以下のような伝え方がおすすめです。
「前職の仕事はとても楽しかったのですが、経済的な理由で退職しました。
前職では手取りの給料を20万円いただいていましたが、5年先に入社した先輩社員に聞くとほとんど変わらない給料でした。
私は今独身ですが、両親に仕送りをしたいことや、いつか家庭を持った時のことを考えています。給料が変わらない可能性がある会社では働き続けるのは難しいと考え、退職しました。」
「またすぐに辞めることはないと約束できますか?」
きつい言葉に聞こえますが、ここまで追い込んだ質問をするということは採用したいと思っている可能性が高いです。
ここで、「はい、もちろんです」などと簡単に答えてしまうのも嘘っぽく聞こえるのでよくありません。
ここでは下記のような答え方が良いでしょう。
「病気や事故などで働けなくなってしまう場合もあるので、必ずしも長く働けるとはお約束できません。しかし、私は貴社でずっと働き続けたいと思っております。」
未経験で施工管理者を目指す場合:研修制度が整った会社を選ぶ
土木施工管理の仕事が未経験者であれば、研修制度が充実した会社を選ぶようにしましょう。
未経験者を募集している会社はたくさんありますが、研修制度は会社によってまちまちです。
会社によっては、最初から現場に立たせるという場合もあるので注意が必要です。
きっちりと研修を受けてからでないと、困るのは自分なので求人要項や企業のHPなどで確認しましょう。
研修期間については、2か月以上行っている会社がおすすめです。
関連記事:未経験でも土木施工管理になれる?必要な実務経験年数とは
関連記事:30代未経験者でも施工管理には挑戦できる!その理由や求人の際に気を付けるポイントを紹介
土木施工管理の志望動機と未経験に関するまとめ
志望動機は自分の思いを書く場所です。土木施工管理に対しての想いが強い人ほど文章が長くなってしまいますが、なるべく短く書くようにしましょう。
重要なことは読み手の気持ちを考えることです。読み手が負担にならないよう、分かりやすく簡潔にまとめるようにすると、好印象を与えることができます。
これから志望動機を書く際は、今回お伝えしたコツを参考にしてください。
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