施工管理技士から転職を考えている人も、多いのではないでしょうか。
実際に、施工管理の仕事は長時間労働や残業が多いなどの理由で、転職を検討している人が多くいます。加えて、施工管理技士が転職市場で高く評価されていることも、転職者が多くなる理由のひとつです。
本記事では、施工管理技士が転職しやすい理由や転職を失敗させない方法を紹介します。転職を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
施工管理技士の人が転職しやすい5つの理由
施工管理技士は膨大な業務を同時にこなしているため、実績やスキルが評価されて転職しやすいと言われています。施工管理技士が転職しやすい理由は次の5つです。
- 高いコミュニケーション能力がある
- 柔軟な対応力がある
- 責任感がある
- マネジメント能力がある
- リーダーシップ能力がある
それぞれについて解説します。
高いコミュニケーション能力がある
施工管理技士は、工事全体に関与する多くのステークホルダーとのコミュニケーションが不可欠です。建設工事にはさまざまな関係者が関わり、情報共有や問題解決で優れたコミュニケーション能力が求められます。
転職後、どの業種や職種でも、チームメンバーやクライアントなどとの円滑なコミュニケーションが必要です。施工管理技士は日々、多方面にコミュニケーションを図っているため、高いコミュニケーション能力がある方にとっては、転職しやすいと言われています。
柔軟な対応力がある
建設工事では、予測困難なトラブルや急な変更が頻繁に起こります。施工管理技士は、事あるごとに柔軟な対応で問題を乗り越えなければなりません。
転職先でも新しいプロジェクトやチームに参画して、変化に対応する力は重宝されるでしょう。施工管理の業務で培った柔軟な対応力は転職先でも活かせるので、転職しやすいと言われています。
責任感がある
施工管理技士は現場監督として大きな責任を担っており、建設工事の進捗や品質、さらには安全性などの面の責任者です。
施工管理に限らず他の業種や職種でも、主体的に責任感を持って業務に取り組む姿勢が求められます。責任感の強い施工管理技士は、転職先でも重宝されるでしょう。
マネジメント能力がある
施工管理技士は予算・スケジュール・資材・人員などのリソースを管理して、効率的に工事を遂行しなければなりません。そのため、施工管理技士は日々の業務を通して、マネジメント能力が身につきます。
施工管理以外の職種でも、プロジェクトを円滑に進行するマネジメント能力が重要であり、施工管理技士として培ったマネジメント能力が活かされるでしょう。
リーダーシップ能力がある
施工管理技士は多くの作業員をまとめて工事を完了するため、リーダーシップ能力が必要です。また、施工管理技士はひとつのチームだけでなく、複数の工事を通して多種多様なチームをまとめます。
どのような職業でもチームで仕事をするにあたり、リーダーシップが不可欠です。転職先でもプロジェクトの中でリーダーシップを発揮できれば、組織やプロジェクトの成功に大きく貢献できるでしょう。
施工管理技士から転職を検討する人の理由5選
施工管理技士は転職を検討する人が多いようです。転職を検討する理由は次の5つです。
- 長時間労働がしんどい
- 職場環境が合っていない
- やりたい仕事内容ができない
- 評価されない
- 転勤が多い
それぞれについて解説します。
1.長時間労働がしんどい
施工管理技士は、日々、現場の進捗や品質を管理するため、朝早くから夜遅くまでの勤務が多くあります。また、施工管理の仕事は、残業や休日出勤も少なくありません。さらに、現場が遠い場合は通勤に時間を要します。
長時間労働は体力的にも精神的にも負担が大きく、健康や家庭生活に影響を与えかねません。施工管理技士は労働時間を短くしたり通勤時間を短縮したりするために、転職を検討する人が多いと言われています。
2.職場環境が合っていない
施工管理技士は長時間労働のため、1日のうち大半の時間を職場で過ごします。施工管理技士にとって職場環境が合っていないと、ストレスを感じ、モチベーションが低下しかねません。
職場環境で求める対象は物理的な環境だけでなく、人間関係や労働条件などの精神的なものまでさまざまです。特に、施工管理は現場で多くの人と関わる仕事であり、人間関係の悪化は転職理由になります。
たとえば、上司や同僚からのパワハラやいじめを受けたり、職人や施主とのトラブルに巻き込まれたり、さらには部下の対応に苦慮したりするのが挙げられます。
職場環境が合っていない場合、施工管理技士は引く手あまたであり、転職して別の施工管理会社で勤めたいと考えるケースも多くあるでしょう。
3.やりたい仕事内容ができない
施工管理技士の業務は幅広いので、やりたい仕事ができない場合もあります。たとえば、住宅やマンションの施工管理をしたいのに道路や橋梁の施工管理を任されたり、設計や積算の仕事をしたいのに現場監督の仕事を頼まれたりするかもしれません。
現職での仕事内容が自分のスキルや目指すキャリアに合っていない場合、やりたい仕事ができないと感じて充実度が低下します。転職を通じて自分の望む仕事に携わることで、キャリア形成に繋がります。
4.評価されない
施工管理技士は工事の成功や失敗に責任を負う重要な役割を担っていますが、望んだ評価が受けられるとは限りません。時には、自分よりも能力の低いと思っていた人が先に昇格したり、ボーナスの査定が想像以上に低かったりする場合もあるでしょう。
評価次第では、自分の努力や成果が認められていないと感じることもあるかもしれません。評価に不満を感じると、仕事のやる気や自信を失います。そして、自分をより高く評価してくれる会社に転職したいと考えるでしょう。
5.転勤が多い
施工管理技士は現場によって勤務地が変わることが多く、転勤や出張が増える傾向にあります。特に大手企業では、日本全国や海外に工事現場があり、転勤や出張が多いと言われています。
一方で、家庭の事情や地域に根ざした生活を望む場合、転勤が多い職場は適していないと感じるかもしれません。転勤の少ない安定的な生活を求めて、転職を検討するケースもあります。
施工管理技士から転職する際に気をつけるべき3つのポイント
施工管理技士から他業種に転職する際、特に気をつけるべきポイントは3つです。
- 明確な目的を持って転職する
- 転職先の評判は必ず確認する
- 大手企業には高い経験やスキルが必要になる
それぞれについて解説します。
明確な目的を持って転職する
現職の施工管理技士から転職する際には、なぜその転職を考えているのか、どのようなキャリアを築きたいのかを明確にしておきましょう。
明確な目的の例として、小規模でも自分の影響力のある仕事に就きたいや大企業でより大きなプロジェクトに参画したいなどです。
転職はキャリア形成にあたって大きな決断であり、目的が不明確だと適切な転職先は見つからない可能性が高くなります。自分のスキルや興味に合った新しい分野を探し、その分野でどのようなキャリアを描いているのかを具体的に考えましょう。
転職先の評判は必ず確認する
転職先の企業や業界の評判を事前に必ず確認しましょう。企業の風土や働き方、従業員の満足度などをリサーチし、自分の価値観やキャリア目標に合致するかを検討します。
また、転職先の将来性や安定性も確認し、選択肢を検討する際にリスクを最小限に抑えるよう心掛けましょう。たとえば、転職候補先の離職率があまりに高ければ、「ブラック企業かもしれない」と推測できます。
大手企業には高い経験やスキルが必要になる
大手企業への転職は実績やスキルが求められるケースが多いです。大手企業は競争が激しく、専門知識や実務経験を有する候補者を好む傾向があります。
大手企業を志望する場合は、目に見える実績やスキルがあるとよいでしょう。施工管理の世界で言えば、施工管理技士の資格取得はスキルを示す一例です。
施工管理技士から転職しやすい業種3選
施工管理技士から別の職種への転職を考えるケースもあるでしょう。施工管理士から転職しやすい職種は次の3つです。
- CADオペレーター
- 設計
- ビルメンテナンス
それぞれについて解説します。
CADオペレーター
CADオペレーター(Computer-Aided Design Operator)とは、コンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用して図面や設計データを作成する専門職です。CADは、建築や製造などの分野で広く利用されており、物理的な製品や建築物のデザインや製図を効率的に行うためのツールとして重要な役割を果たしています。
施工管理士は工事の図面や設計書の作成ならびに確認、他にも修正などに関与します。CADオペレーターへは施工管理の経験を活かした転職が可能です。
他にも、CADオペレーターへの転職で施工管理技士の経験を活かせるポイントがあります。CADオペレーターはエンジニア・建築家・施工管理技士などのプロジェクトチームと協力し、設計の要件や変更についてコミュニケーションをとります。施工管理技士で培った高いコミュニケーション能力も活かせるでしょう。
施工管理技士の知識や経験がCADオペレーターとしてのキャリア形成に繋がると言われています。
設計
設計職は、製品や建築物、他にもシステムやソフトウェアなどの設計に従事する専門家や技術者です。設計職はさまざまな分野での専門知識やスキルを駆使して、新しい製品や構造を創造したり、既存のものを改良したりする役割を果たしています。
施工管理技士は工事の進行管理や品質管理だけでなく、設計段階での意見や提案も求められます。異業種への転職は、知識習得などの自己研鑽が必要ですが、施工管理技士から設計職への転職も可能です。
設計職は、創造性と技術力が求められる分野であり、さまざまな工学やデザインの原則が組み合わさっています。施工管理技士から設計職に転職する場合、プロジェクト全体の理解や問題解決能力が活かされ、新たな設計の側面に貢献できる可能性を秘めています。
建築設計や構造設計、環境設計などの専門性の高い設計職には施工管理士の経験が有益です。
ビルメンテナンス
ビルメンテナンスは、建物や施設の管理・保守をする仕事です。ビルメンテナンスは建物の機能を維持し、定期的な点検や修繕を行いながら、設備や機器が適切に動作し、住人や利用者が安全で快適な環境で暮らせるように務めています。
施工管理技士は建物の施工段階だけでなく運用・メンテナンスのフェーズにも関与しています。施工管理技士の経験を活かしてビルメンテナンスへの転職も可能です。
施工管理技士から転職しやすい異業種3選
建設業界から別の業界への転職を考えるケースもあるでしょう。施工管理士から転職しやすい異業種は次の3つです。
- ドライバー
- 運行管理
- 営業
それぞれについて解説します。
ドライバー
ドライバーは、運転免許と運転技術があれば、未経験でも転職できる仕事です。施工管理技士は、現場に出向いたり資材を運んだりする経験から運転経験が豊富です。また、現場の状況に応じて柔軟に対応する能力や、安全意識も備わっているでしょう。
ドライバーの仕事はトラックやバス、他にもタクシーなどさまざまな種類があり、自分の希望や条件に合ったジャンルを選びましょう。
求人を探す際は、求人サイト転職エージェント、他にもハローワークを活用するのが一般的です。弊社でも、ドライバー・トラック運転手の求人サイト「X work(クロスワーク)」を運営しており、運送・ドライバーの求人を多数取り揃えています。
「X work(クロスワーク)」を活用して、希望の転職先を見つけてみてはいかがでしょうか。
運行管理
運行管理は、物流や輸送などの活動を組織的に計画し、調整・監督する仕事です。目的は、生産から最終消費者に至るまでの物流活動を最適化し、効率的かつコスト効果的に遂行することです。
施工管理の業務である工程管理や人員管理、安全管理などの経験は物流活動の効率化などに
役立ちます。施工管理技士の経験を活かして運行管理に転職も可能です。
営業
営業職は、商品やサービスをお客様に提案し販売する仕事です。営業はお客様とのコミュニケーションが不可欠です。
施工管理技士も工事を把握し、関係者と円滑にコミュニケーションを取る必要があります。施工管理技士の業務を通して培ったコミュニケーション能力を活かして、営業職への転職も可能です。
営業職は、建設資材や建設関連サービスを提供する企業での営業、または異業種での営業など幅広い業界でのキャリア形成ができます。
関連記事:施工管理を一年目でやめたい方に教えたいオススメの転職先や業種
施工管理技士が転職しやすい理由に関するよくある質問
施工管理技士が転職しやすい理由に関するよくある質問は次の3つです。
- 施工管理技士から転職するタイミングはありますか?
- 施工管理で活かせる能力はありますか?
- 施工管理技士から転職するまでに何年かかりますか?
それぞれについて解説します。
施工管理技士から転職するタイミングはありますか?
転職のタイミングは個人によって異なりますが、いくつかの一般的なタイミングが考えられます。たとえば、労働時間が長すぎて体力面や精神面に不安があったり、職場環境が合っていなかったりする時です。
他にも、やりたい仕事と異なっていたり、適正な評価が受けられなかったりする場合は、転職を検討するケースが多いようです。
施工管理で活かせる能力はありますか?
施工管理で活かせる能力は、コミュニケーション能力・対応力・マネジメント能力・リーダーシップ能力などさまざまです。また、施工管理の仕事で身についたスキルは他の業種や職種でも重宝されます。
たとえば、CADオペレーター・設計・ビルメンテナンスドライバー・運行管理・営業など、施工管理で培ったスキルが応用できる職種は多岐にわたります。
施工管理技士から転職するまでに何年かかりますか?
施工管理技士から転職するまでにかかる時間は、転職する業種や職種などによって異なります。施工管理技士の経験を活かせる転職先であれば、そこまでの年数は要しないでしょう。また、未経験でも受け入れている業種や職種への転職は比較的、早く転職できると言われています。
まとめ
今回は施工管理技士が転職を検討するにあたって、転職に失敗しない方法や転職しやすい業種・職種について解説しました。
施工管理技士は多岐にわたる業務を経験する中で、転職に有利なスキルを複数身につけています。施工管理技士の経験を活かして、競合他社だけでなく他の業種や職種への転職もできます。
転職活動は明確な目的を持って行い、転職候補企業の評判については必ず確認してください。
転職を検討する際は、求人サイト「X work(クロスワーク)」を活用し自分に合った転職先を探してみてはいかがでしょうか。
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