「設備管理として働くにあたって、活かせる資格はあるのか」などと気になっている人も多いのではないでしょうか。
実際、設備管理に活かせる資格は8つあります。たとえば、第二種電気工事士や危険物取扱者乙種などです。
この記事では、設備管理の仕事に活かせる資格を一覧で紹介します。また、設備管理として活躍できる就業先や施設管理との違い、大変なところややりがいなども解説します。設備管理の仕事に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
設備管理に活かせる資格一覧
設備管理は、建物の安全性・快適性・経済性の維持に欠かせない業務です。近年では、高齢化社会の進展や地球温暖化対策など、設備管理を取り巻く環境は大きく変化しています。
その結果、業務の中で、高度な専門知識と技術が求められています。
設備管理に活かせる資格一覧は次のとおりです。
- 第二種電気工事士
- 二級ボイラー技士
- 危険物取扱者乙種
- 第三種冷凍機械責任者
- 第三種電気主任技術者
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
- 消防設備士
- エネルギー管理士
それぞれの資格について解説します。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、一般住宅や小規模な建物の電気工事を行う際に必要な国家資格です。学歴・実務経験などの受験要件がないため、誰でも取得できる可能性があります。
第二種電気工事士の資格を取得すると、600V以下の電気の配線や照明器具の設置、修理などの業務を担当できます。
電気工事士の資格は、第二種と第一種の2種類です。第一種電気工事士は第二種の上位資格です。第一種電気工事士の場合、500kw未満の大規模工事を担当できます。
第一種電気工事士を目指すには、3年間の実務経験が必要です。
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士は、伝熱面積25㎡未満のボイラーを扱うにあたって必要な国家資格です。二級ボイラー技士の主な仕事内容は、ボイラーの運転・保守・修理です。
ボイラー技士の資格は、二種・一級・特級の3種類あります。中でも、二級ボイラー技士は、最も難易度の低い資格です。一級・特級の資格があれば、より大規模なボイラーを取り扱えます。
二級ボイラー技士の受験資格は特に設けられていませんので、誰でも受験できます。ただし、実務経験がない場合は、筆記試験合格後に所定の実技講習を修了しなければなりません。
危険物取扱者乙種
危険物取扱者(乙種)は、消防法で定められている国家資格です。引火性や爆発性などのある危険物を、定められた範囲内で取り扱えます。
また、乙種危険物取扱者は、第1類から第6類までの6種類に分類されています。それぞれの資格で取り扱える危険物の種類や範囲は次のとおりです。
- 第1類: 火薬類・爆発物
- 第2類: 圧縮ガス・液化ガス
- 第3類: 引火性液体
- 第4類: 可燃性固体
- 第5類: 酸化剤
- 第6類: 毒劇物
第三種冷凍機械責任者
第三種冷凍機械責任者は、高圧ガス製造保安責任者の中のひとつです。冷凍設備に関わる機械・装置の保安業務を担っています。
冷凍機械責任者の資格種類は、第一種、第二種、第三種の3種類です。中でも、第三種冷凍機械責任者は難易度の低い資格です。資格の種類によって、取り扱える冷凍機械の規模が異なります。
第三種冷凍機械責任者は、冷凍能力100t未満の製造施設を取り扱えます。
第三種電気主任技術者
第三種電気主任技術者は、電圧5万V未満の事業用電気工作物の保安・監督を担う国家資格です。一般的に、電験三種とも呼ばれ、電気設備の設計・施工・保守・点検などに関わる専門知識と技術を有しています。
電気主任技術者の資格は、第一種・第二種・第三種の3種類です。資格によって取り扱える電圧の範囲が異なり、第一種電気主任技術者は、すべての事業用電気工作物の取り扱いが可能です。
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律により、特定建築物で選任が義務づけられた国家資格です。
特定建築物とは、特定用途に利用される部分の面積が3,000㎡以上の建物と定められています。また、学校の場合は8,000㎡以上です。
建築物環境衛生管理技術者は、建物の維持管理業務に幅広く携わっています。
消防設備士
消防設備士は、建築物における火災の発生及び拡大の防止を目的とした消防設備の設置・点検・整備を担う国家資格です。具体的には、消火器・スプリンクラー・火災報知器・避難設備の取付・検査・修理・保守などです。
消防設備士の資格は、大きく甲種と乙種に分けられています。
甲種は、乙種以上に高度な知識と技術が求められ、設置を含むすべての業務を担当できます。一方で、乙種の対応業務は点検と整備のみです。
エネルギー管理士
エネルギー管理士は、エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく国家資格です。エネルギー管理士が必要な施設は、年間エネルギー使用量が原油換算で3,000klを超える工場などがあります。他にも、病院・学校・商業施設などでもエネルギー管理士が必要です。
エネルギー管理士の仕事内容は、使用量の監視、設備の導入・運用、計画の作成・実行などです。
設備管理の資格を活かして活躍できる就業先
設備管理の資格を活かして活躍できる就業先は次のとおりです。
- 独立系のビルメンテナンス会社
- 系列系のビルメンテナンス会社
- プロパティマネジメント会社
それぞれの就業先について解説します。
独立系のビルメンテナンス会社
独立系のビルメンテナンス会社には、系列企業がありません。したがって、独自の経営方針や社風を持つ会社が多い傾向にあります。
独立系のビルメンテナンス会社では、一気通貫して幅広い業務を経験できる可能性があります。その結果、設備管理に関する幅広い知識とスキルを身につけられるでしょう。また、経営に携わる機会も得られるかもしれません。
系列系のビルメンテナンス会社
系列系のビルメンテナンス会社は、大手企業のグループ企業として運営されているケースが一般的です。その結果、系列系のビルメンテナンス会社での勤務は、安定した経営基盤と福利厚生制度が充実しているメリットがあります。
また、グループ内の他企業との連携により、幅広い業務を経験できるかもしれません。
たとえば、新規事業開発などは、独立系より系列系のビルメンテナンス会社で働く場合に経験できる可能性が高いでしょう。
また、系列系のビルメンテナンス会社では、キャリアパスが明確に定められているケースが多く、自身のキャリアプランに合わせてスキルアップを目指せます。また、グループ内の他企業への異動や、海外勤務の機会も得られる可能性もあるでしょう。
プロパティマネジメント会社
プロパティマネジメント会社は、ビルのオーナーに代わって、ビルの賃貸管理や運営を担う会社です。設備管理業務以外にも、入居テナントの募集・管理、会計業務、法令遵守などの業務を行います。
設備管理の資格は、プロパティマネジメント会社でも活かせるでしょう。
たとえば、設備管理以外にも、入居テナントからの問い合わせ対応や契約手続きなどを担当できるでしょう。
プロパティマネジメント会社では、ビルの経営に関する幅広い業務を経験できます。また、テナントやオーナーとのコミュニケーションを通して、顧客対応スキルを磨けるでしょう。
関連記事:設備管理に向いている人の特徴|仕事内容や役立つ資格、やりがい
設備管理に活かせる資格に関してよくある質問
設備管理に活かせる資格に関して、よくある質問は次のとおりです。
- 設備管理と施設管理は何が違いますか?
- 設備管理の大変なところは何ですか?
- 設備管理のやりがいは何ですか?
それぞれの質問について解説します。
設備管理と施設管理は何が違いますか?
設備管理と施設管理は混同されがちですが、実際には異なる分野です。設備管理の業務は、主にビルや工場などの施設における機械やシステムの維持・管理です。
具体的には、電気設備・空調設備・給排水設備・エレベーターなどのメンテナンスや故障対応、点検業務などがあります。
一方、施設管理の業務は、建物全体の運営・維持管理です。具体的には、清掃・セキュリティ・環境保全・リース管理などがあります。設備管理が特定の技術的な部分に特化する一方で、施設管理はより広範な業務をカバーしています。
設備管理の大変なところは何ですか?
設備管理の大変なところは、一般的に、常に施設の設備が正常に稼働するように維持しなければならない点です。
たとえば、設備の故障は予期せぬタイミングで発生します。その結果、迅速に対応するために、場合によっては夜間や休日でも対応が必要になるかもしれません。
他には、設備の故障を未然に防ぐために、見えない部分の点検やメンテナンスに細心の注意を払う必要があります。
設備管理のやりがいは何ですか?
設備管理のやりがいは、達成感・責任感がある点です。
たとえば、設備の故障や問題を解決し正常な状態に戻せた場合、大きな達成感があるでしょう。他にも、設備を通して人々の生活を支えているため、保守・修理に努めなければなりません。
設備の利用者を目にしたとき、大きな責任を実感できるでしょう。
関連記事:設備管理がきつい?激務と言われる理由や目指すメリット、応募人の注意点
設備管理に活かせる資格についてのまとめ
この記事では、設備管理に活かせる資格一覧、ならびに施設管理との違いも解説してきました。
設備管理に活かせる資格一覧は次の8つです。
- 第二種電気工事士
- 二級ボイラー技士
- 危険物取扱者乙種
- 第三種冷凍機械責任者
- 第三種電気主任技術者
- 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)
- 消防設備士
- エネルギー管理士
たとえば、第二種電気工事士を取得できれば、電気設備に携わるキャリアを歩めるでしょう。したがって、携わりたい設備に応じた資格取得を検討しましょう。
また、設備管理の業務は、主にビルや工場などの施設における機械やシステムの維持・管理です。一方で、施設管理の業務は、建物全体の運営・維持管理です。
これから設備管理として働きたいと考えているのであれば、関連資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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