転職活動を始めようとお考えの方は多かれ少なかれ、現在の職場、職業に不満を持っています。
より良い転職活動を進めるにはご自分が何を求めて転職活動をするのかについてまずはっきりさせ、できれば優先順位を振ると良いでしょう。
【目的別】整備士が有利に転職活動を進める方法
整備士の転職理由としてよく上がるものをあげてみます。
転職する目的 | そんなあなたに | |
給与アップを目指したい! | ・アジャスター ・営業職 |
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他の仕事にチャレンジしてみたい! | ・トラック運転手 ・アジャスター |
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スキルアップを目指したい! | ・ディーラー整備士 | |
長時間勤務をしたくない! | ・刑務官 ・講師職 |
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より柔軟な働き方がしたい! | ・トラック運転手 |
自動車整備士の経験者が最も求められている(=好条件の求人が出てきやすい)分野は実は自動車整備です。
現場の人手不足などから求人広告の出ていないいわゆる「非公開求人」が多く存在しているのであまり実感はないかもしれません。
そういった業者の求人情報が集まっている人材紹介サービスはこちらからご利用ができます。
後半では元整備士の転職希望者に人気のある異業種転職先もご紹介しているので合わせてお読みください。
一口に自動車整備士と言っても様々な企業で様々な働き方が可能です。以下で1つずつご紹介します。
ディーラー整備士に転職する方法
ディーラーで働く整備士は特定のメーカーの販売する車を整備する他、売約済みの車についてオプション設備を取り付けたり、リコール時の部品交換などに対応する整備士です。
自動車整備士として数年働いた後は、検査員やサービスフロント業務、法人営業など、様々なキャリアパスが描けることも魅力的です。
想定年収:200万円〜500万円
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆☆☆★★
ディーラーの整備士はスキルアップと整備士としてのキャリアアップを考える上では、最もお勧めできる職場の1つです。
メーカーから整備する内容などについて補助を受けられます。このため、最新の知識を得られます。
また、他の修理工場や、点検業車と違う点として、働いている場所で対応できないのでメーカーに回すなどと言ったことができないことがあげられます。
したがって整備士としてのスキルアップを常に求められる環境です。
ただし、離職率が高いと言われていることと、多くの場合ジョブローテーションがあることを留意しておく必要があります。
高い離職率の原因としてあげられるのが長時間労働です。近年改善が進んでいますが、残業代がきちんと支払われない業者も少なくありませんでした。加えて繁忙期の忙しさもよく離職の理由としてあがります。
また、ディーラーで働き始めて数年が経つと、サービスフロントとしてお客様と直接や取りすることを求められるようにもなります。人によってはこの点に嫌気がさして転職を考えるそうです。
関連記事:【40代・50代】整備士は何歳まで働ける?年齢ごとの転職・就職を考える
運送業者の整備士に転職する方法
客運・物流会社で整備士として働くという方法もあります。自社で保有しているトラック、バス、タクシーなどの点検・整備、洗車のほか、ディーラーとの連絡業務を行います。
また、研修の受講などは基本的に入社後に行うことが一般的ですが、以下の資格のある人であれば、客運・物流会社において整備管理者として働くことが可能で、給与アップが見込める場合もあります。
想定年収:300〜500万円
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆☆★★★
運送業者は客運と物流に大別され、業務内容は様々です。当然そこで働く整備士の働き方や求められるスキルも違ってきます。
しかし一般的に、転職直後の給与額はディーラー整備士とあまり変わりがないことが多いです。ただし、業種によっては危険物取扱者の免許などを取得することで給与アップを見込めることもあります。
また、シフト制が多く、残業はそこまで多くないのが特徴です。
関連記事:現役整備士98人に聞いた転職理由と面接・履歴書での言い換え集
カー用品ショップの整備士に転職する方法
カー用品の販売店で整備士として働く方法もあります。基本的な業務は車検やグッズの取り付けなどになります。
想定年収:240万円〜480万円
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆☆★★★
純粋な自動車整備の仕事以外にも、お客様に対して販売商品の説明を行うなど接客業務も求められるところが多いようです。
整備やカスタマイズについて専門家としてお客様にアドバイスをする立場でもあり、人によってはやりがいのある職場になり得ます。
また他の業種に比べて大手の正社員としての求人が多いところは特徴的です。
関連記事:自動車整備士が年収1000万円を目指せる4つの方法
整備工場の整備士に転職する方法
自動車の整備、点検を専門に行う業者で、法定車検や整備を行う工場でのキャリアです。
扱う自動車は会社を含め様々であることが多いです。
想定年収:300万円〜540万円
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆★★★★
完全週休二日制をうたう工場も少なくありません。
反面、宿直業務が発生する工場もあります。
また、特に地方の整備工場だと、リタイア後の整備士を積極的に雇用しているところが少なくないことも特徴的です。
整備士以外の転職先:アジャスター
アジャスターとは、主に保険調査会社に雇われて働く、事故の原因調査と損傷自動車の修理費調査のプロです。
日本損害保険協会がアジャスター登録をした専門職です。
事故の損害額を算出する他、事故原因、損傷部位、事故車に技術的な問題はなかったかを調べ、確認するほか、被害者との示談交渉にも参加します。
想定年収:400〜800万円程度
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆☆☆☆☆☆
アジャスターは日本全国に1500人前後しかいません。それでも多くの自動車整備士がアジャスターを目指しているため、転職難易度は大変高いです。
修理費用の見積もりを出す以外にも、損害を受けた車両を修理した工場の見積もり額や修理の内容が妥当なものかどうかを実際に工場に行って調べたり、被害者や、保険会社と交渉をしたりもします。
場合によっては感情労働が多くなりストレスフルになることもあります。
しかしながら、年収は400万円から600万円程度で、フリーランスなど多様な働き方が可能になります。
また必ず決まった曜日に休みを取ることができる点も魅力的です。
整備士以外の転職先:刑務官
元自動車整備士が自分のスキルを活かせる転職先として刑務官として自動車整備の講師をするという選択肢もあります。ただし、求人数はとても少ないです。
また、公務員資格の取得が必要になるため、少しハードルが高いです。
しかし年収は一般の公務員より12%ほど高くなる模様です。
想定年収:300万円から500万円程度
- オススメ度:☆☆☆★★
- 採用難易度:☆☆☆☆☆
整備士としての経験をそのまま活かせる点魅力的ではあるでしょう。
公務員ということで一般的な整備士と比べると規則的な働き方ができ、健康と体力の両面で負担が小さく済むでしょう。
また、受刑者たちに対して出所後も自分たちの生活を自分たちで支えていけるようにサポートする社会的に大変意義深い仕事ではあります。
整備士以外の転職先:トラックやバスのドライバー
トラックドライバーも元自動車整備士の転職先として人気です。荷物を所定の場所に運び、荷を降ろしたり載せたりする仕事です。
一口にトラックドライバーと言っても多様な働き方が可能な業種です。
例えば、ルート配送はいつも決まった場所に決まったものを配送するので、必然的に人間関係を新しく結ぶ必要性などはありません。
また、ドライバーとして働き始めてから、大型トラックの免許やけん引免許、危険物取扱者資格などを取得することで年収アップも見込めます。
想定年収:250万円から400万円程度
- オススメ度:☆☆★★★
- 採用難易度:☆★★★★
しかし、自動車整備士の国家資格が活かせるかといえば、活かせない場合が多いでしょう。
会社によっては、条件を満たせば「整備管理者」とドライバーを兼務することも可能です。
自動車整備士と同様、人手不足が叫ばれる業界ではあるので、今すぐ転職したいという方にはお勧めできます。
整備士以外の転職先:講師
募集数は少ないのですが、自動車整備士のセカンドキャリアとして人気なのが講師としての職です。
工業高校や専門学校の他、整備振興会やメーカーでの研修講師の職もあります。
想定年収:300万円から500万円程度
- オススメ度:☆☆☆☆★
- 採用難易度:☆☆☆☆☆
公務員資格は必要なく、自動車整備士の資格さえあればOKという求人も少なくありません。
整備のお仕事も人と接することも好きな人には強くお勧めできる仕事です。
給与に関しては経験や取得した資格に基づいてピンからキリまで設定されているようです。
整備士以外の転職先:自動車の営業職
整備士として積んできた経験を活かすことができる代表的な転職先の1つが営業職です。
主にディーラーに就職して、官公庁や法人に向けて営業をかけます。
想定年収:270万円から750万円程度
- オススメ度:☆☆☆☆★
- 採用難易度:☆☆★★★
カーディーラーでの営業は元整備士が有利に転職活動を進められる転職先の1つです。人気の理由は2つあります。
まず、自動車の営業職は、整備士として身につけた専門知識が営業の中で活かすことができます。
また、次の転職先の選択肢がグッと広がるのも魅力的です。営業担当者には契約している企業への電話営業のほか、新規開拓を目指し外回りをする機会もあります。
これらを通じて、営業担当者として他の業種にも通じるるスキルを身につけられ、将来の選択肢がグッと広がります。
整備士以外の転職先:中古車査定士
中古車査定士は中古車販売・買取業者に勤めて自動車の査定を行う仕事です。
中古車査定士には小型車査定士と大型車査定士の二種類があり、自動車査定協会が主催する試験に合格すれば名乗ることができます。
取得の義務はありませんが、大手の販売業車ではほとんどの従業員が取得を求められます。
想定年収:210万円〜360万円
- オススメ度:☆☆★★★
- 採用難易度:☆★★★★
整備士が特別有利に転職できる職種ではありませんが、整備のキャリアを活かして働くことができる転職先としてお勧めできるものの1つです。
まず、中古車査定士資格の受験資格には販売または整備の実務経験が半年以上必要になります。このため、整備士資格を持っている人ならこの条件はすでに満たしています。
ただし受験のためにはさらに所定の講習を受け、小型車査定士なら普通自動車免許、大型車査定士免許なら大型免許がそれぞれいります。
受験資格や試験内容について詳しくは一般財団法人日本自動車査定協会のサイトをご覧ください。
整備士以外の転職先:中古車販売・買取スタッフ
販売員の場合、整備士として身につけてきた専門知識を活かし、主に消費者に対して、車の状況の説明をしたり、売買契約を結んだりする仕事です。
買取スタッフの場合、営業をかける必要はなく、お客様のお話を聞き、車を査定するお仕事をします。
職場によっては損害保険募集人やすでに紹介した中古自動車査定士の資格があると有利になります。
想定年収:340万円から480万円程度
- オススメ度:☆☆★★★
- 採用難易度:☆★★★★
中古車販売員の募集において、整備士経験者や有資格者を優遇する募集はあまりありません。
ただし、自動車の仕組みについての専門知識がある分、お客様により専門的な説明ができるなど、実際に働く中で販売員として強みを発揮できることは確かでしょう。
整備士の転職に関するまとめ
この記事では同業種・異業種に分けて整備士が比較的有利に転職活動を進められる職業を給与や採用難易度、求人数などの観点で紹介してみました。
ご自分の興味のある職種について求人広告を求人サイトなどでチェックしてみるも良いでしょうし、人材紹介会社などに転職のサポートを頼むのもアリでしょう。
この記事が読者様の転職活動にプラスになっていれば嬉しいです。
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