トラック運転手で年収800万稼げる？高年収求人の特徴と注意点

未経験からでも挑戦しやすく、高収入を目指しやすい職種の1つに、トラック運転手があります。

トラック運転手の求人には、推定年収600～800万円といった収入のものも実際にあります。

運送業界が深刻な人材不足となっており、多くの求人があることから、転職を検討している人も少なくありません。

しかし「本当に年収800万円も稼げるのか」と不安に感じる人もいるでしょう。

今回はトラック運転手として年収800万円は可能なのか、実際の収入事情や求人を探す際の注意点を中心に、詳しく解説していきます。

トラック運転手に向いている人の特徴や、年収を上げていく方法も解説していますので、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

【この記事で分かること】 ・トラック運転手の年収相場や求人の年収相場について ・年収の高いトラック運転手求人の特徴 ・年収800万円を目指し求人を探す際の注意点 ・トラック運転手として年収を上げるコツ ・トラック運転手が向いている人の特徴

トラック運転手で年収800万円を稼げるのか？

トラック運転手の求人は非常に多く、年収や賞与の詳細は求人によって異なります。

実際の求人を見ていると、推定年収が800万円前後になるようなものも見受けられます。

しかしながら、ほとんどの求人は推定年収300～500万円であり、本当に年収800万円も稼げるのか疑問に感じる人もいるでしょう。

ここでは、トラック運転手の年収相場や、求人の年収相場について詳しく解説していきます。

トラック運転手の年収相場

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和4年度のトラック運転手の平均年収は477万4,000円となっています。

年齢別平均年収では、45〜49歳が最も高く499万3,700円です。

ちなみにハローワーク求人統計データによると、求人賃金の平均は25万9,000円となります。

このデータから、トラック運転手が当たり前のように年収800万円稼ぐのは、かなり難しいことが分かります。

あくまでも平均であるため、年収500万円以上稼ぐ人も多くいるものの、年収800万円はかなり珍しいと言えるでしょう。

出典：職業情報提供サイトjobtag トラック運転手｜厚生労働省

年収800万円の求人はほぼない

冒頭でトラック運転手の求人の中には、推定年収が800万円になるものもあると解説しましたが、その数はかなり少ないと言えます。

実際の求人をリサーチした結果、以下のような求人がありました。

【飲料・雑貨のパレット荷物配送】 配送エリア：関西・関東・中部 配送距離：長距離配送 給与：月収50～65万円 条件：大型免許必須

【船舶貨物のトレーラー配送】 配送エリア：関西・関東・中部 配送距離：長距離配送 給与：月収40～75万円 条件：大型免許・けん引免許必須

【重機オペレーター兼大型トレーラーによる輸送】 配送エリア：鹿児島 配送距離：未記載 給与：月収70万円 条件：大型免許・けん引免許・ボイルローダー経験必須

このように、推定年収が800万円近くになる求人は実際にありました。

ただし、全てのトラック運転手求人10万4,069件のうち、予想年収が600万円を超えるものは1,019件のみとなります。

その中でも予想年収800万円の求人はほとんどなく、求人全体の1%に満たないことが分かります。

この結果からも、トラック運転手として年収800万円は不可能ではないものの、かなり難しいと言えるでしょう。

参考：トラック運転手求人｜indeed

年収が高いトラック運転手の求人の特徴

予想年収が800万円になるトラック運転手の求人は少ないものの、平均年収である500万円を超えるような求人は多くあります。

トラック運転手として高収入を目指せる求人には、以下のような特徴がありました。

・大型トラックであり、タンクローリーといったけん引車両 ・残業手当や資格手当が用意されている ・長距離配送

基本的に運転する車両は、最も大きい大型トラックやタンクローリー、キャリアカーとなります。

配送距離は、数日かけて配送するような長距離のものが多くなります。

福利厚生に関しては、残業手当や運転免許手当が支給されるといった特徴がありました。

この他ではフォークリフトによる積み込みができることや、運転経験2年以上といった条件がありました。

また、全ての求人に該当するわけではないものの、月の休みは4日～6日と、かなり少なめの印象があります。

トラック運転手が年収800万の求人を探す際の4つの注意点

予想年収が800万円になるトラック運転手の求人は非常に少なく、簡単に目指せるわけではありません。

また、前述した通り、高収入の求人ならではの特徴もあり、応募する際には仕事内容や応募条件について理解しておく必要があります。

ここでは、予想年収の高いトラック運転手の求人を探し、応募する上で注意すべきことを、4つ紹介していきます。

休みが少ない可能性がある

トラック運転手は「基本給＋歩合」である会社が多く、仕事をこなした分だけ給料が上がります。

そのため、高収入を目指せる求人は休みを少なく設定している会社が多く、1週間に1日しか休めない可能性があります。

一概には言えないものの、予想年収400万円前後の求人は週休2日制が多く、年収が高くなるほど休みの数が少ない傾向にあると言えるでしょう。

大型免許の保有が応募条件の場合がある

高収入を目指せるトラック運転手の求人の多くは、大型免許の保有や運転経験の条件が定められています。

未経験の場合は、応募できない可能性が高いため注意しましょう。

仮に未経験で応募できる求人があった場合も、一般的なトラック運転手よりも高度な運転スキルが必要であり、勤務時間が長い可能性が高いと言えます。

未経験からの挑戦で高収入を目指したい場合には、中型トラックなどの乗務で経験を積み、大型トラックへのキャリアアップを意識すると良いでしょう。

深夜勤務が多い可能性がある

収入の高いトラック運転手の求人は、賃金が割増となる夜中の勤務(22時～翌5時)の勤務である可能性が高いと言えます。

トラック運転手は荷主が希望する時間に荷物を配達しなければならず、深夜や早朝の運転となることも珍しくありません。

また、船舶のコンテナを配送する場合には、船の到着に合わせた集荷が求められます。

歩合制で収入が不安定な可能性がある

トラック運転手として稼いでいる人は、給与の多くを歩合が占めています。

運送業界は歩合や残業代で稼ぐのが一般的であり、基本給は配送距離に関係なく低めに設定されています。

そのため、閑散期になり運ぶ荷物が少なくなれば給料も下がります。

高収入を維持できるわけではないことも理解しておきましょう。

関連記事：大型トラック運転手の給料の実態を年代・地域・男女別に解説

トラック運転手が年収を上げるコツ

トラック運転手として年収を上げる方法は主に3つあります。

・トラック運転手として経験をつみ、大型トラック乗務を目指す ・関連資格を取得する ・転職する

ここまで解説してきた通り、高収入を目指せるトラック運転手の特徴には「車両の大きいサイズのトラックを運転する」ことがあります。

大型トラックやトレーラーは、長距離配送の割合が多く、高度な運転スキルが求められる分、収入も高い傾向にあります。

トラック運転手として年収を上げていきたい場合は、運転経験を積みながら大型免許の取得を目指しましょう。

また、運転免許以外の関連資格を取得する方法もあります。

具体的には、以下のような資格があります。

・フォークリフト免許 ・けん引免許 ・玉掛け免許 ・危険物取扱者 ・高圧ガス移動監視者

フォークリフトや玉掛け免許は、荷物の積み降ろし作業で役立ちます。

けん引免許は、トレーラーやキャリアカーといった車両を運転するのに必須の免許です。

ガソリンやガスといった燃料を配送する場合には、危険物取扱者や高圧ガス移動監視者が必要です。

これらの関連資格を取得すれば、資格手当によって年収を上げられるでしょう。

トラック運転手として一定以上の経験を積んだ場合は、予想年収の高い求人への応募も検討してみましょう。

トラック運転手が向いている人の特徴

トラック運転手として高収入を実現し、働き続けるには運転手に対する適性があるかも大切です。

たとえやる気がある人でも、適性がなければ働き続けるのが苦痛になってしまう恐れがあります。

トラック運転手に向いていると言えるのは、以下のような特徴に当てはまる人です。

・運転が好き
・1人で仕事がしたい
・単純作業が好き

なぜこのような特徴に当てはまる人がトラック運転手に向いているのか、仕事内容も踏まえながら解説していきます。

運転好き

トラック運転手として働く上で必須と言っても過言ではないのが「運転が好きであるかどうか」です。

配送距離や運転する車両に関係なく、仕事の大半は運転となるため、運転が好きであることはとても大切です。

運転が好きでなければ、できない仕事というわけではありませんが、苦手意識がある人にはおすすめしません。

また、運転が好きである一方でイライラが運転に出てしまう人や、交通違反を繰り返してしまっている人は不向きと言えます。

1人で仕事がしたい

一人で黙々と仕事をするのが好きな人もトラック運転手に向いています。

トラック運転手は、仕事中の大半を一人ですごし、自分で判断して業務を進めるからです。

誰かに指示されたり、協力し合ったりしながら仕事をすることは少ないと言えます。

一方で、みんなとコミュニケーションを取りながら一緒に仕事を進めるのが好きな人は、苦痛に感じてしまう可能性があります。

単純作業が好き

単純作業が好きで、ルーティンワークに抵抗がない人もトラック運転手に向いています。

具体的な業務は会社や配送距離によって異なりますが、集荷後に配達先まで運転を行い、荷物を積み下ろすのがトラック運転手の仕事内容です。

毎日この繰り返しとなるため、他の職業と比べると単純作業と言えるでしょう。

特にルート配送の仕事は行き先や積み込む荷物、ルートまで毎回全て同じです。

ルーティンワークが苦手という人はすぐにマンネリ化してしまう可能性があるため、注意が必要です。

トラック運転手の年収に関してよくある質問

最後はトラック運転手の年収に関する、2つの質問に答えていきます。

・アメリカのトラック運転手の年収はどれくらい？
・トラック運転手は年収1000万円を稼げるのか？

日本と比べて平均年収の高いアメリカのトラック運転手の年収や、高収入を稼げる可能性について解説していますので、ぜひ転職の際に参考にしてみてください。

アメリカのトラック運転手の年収はどれくらい？

アメリカのトラック運転手の年収は700～800万円と言われています。

日本と比べると約200万円も高いことになり、高収入と言えるでしょう。

アメリカでもトラック運転手の不足が深刻化しており、最高で1,400万円もの報酬を支払うと発表している企業もあります。

ただし、アメリカでは会社に所属するのではなく、個人で行うのが当たり前であり、トラックの購入はもちろん、整備等も自分で行う必要があります。

そのため、700～800万円がそのまま収入になるわけではありません。

トラック運転手は年収1000万円を稼げるのか？

トラック運転手として、年収1,000万円を稼ぐことはかなり難しいと言えます。

トラック運転手として高収入を達成するには、仕事量を増やさなければなりません。

しかし近年は、長時間労働による事故が問題視されており、2024年4月からは年間960時間までしか残業ができなくなります。

好きなだけ働けなくなった今、トラック運転手として年収1,000万円を稼ぐのはかなり難しいと言えるでしょう。

ただし、経験を積んだ上で独立し、運送企業の経営者として年収1,000万円以上稼いでいるひとは少なくありません。

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トラック運転手の年収についてのまとめ

トラック運転手として高収入を目指す場合、歩合で稼ぐこととなります。

しかし近年は、残業時間の規制が厳しくなってきており、好きなだけ働けなくなったため、年収800万円も稼ぐのは難しいと言えるでしょう。

ただし、トラック運転手の求人の中には、予想年収800万円前後のものも僅かながらあります。

予想年収800万円の求人は、大型トラックやトレーラーの運転であり、経験年数の指定があることが特徴です。

トラック運転手として年収800万円稼ぎたい場合は、経験を積みまずは大型トラック運転手を目指しましょう。

今回は年収800万円に焦点を当てましたが、トラック運転手として年収500万円以上稼ぐことは十分可能です。

未経験からでも挑戦可能であるため、気になる方は転職の検討をしてみてはいかがでしょうか。