みなさんもトラック運転手の仕事を探す際に、大手企業や中小企業といったさまざまな運送会社の求人票に目を通していくかと思います。
その中で気になるのは会社の規模や勤務形態といったところですが、一番注目する項目はやはり給料面に関することではないでしょうか。
給料の面に関しては、一般的に中小企業の運送会社よりも、大手企業の方がいろいろな面で優遇されているといわれています。
今回はそんな気になる大手企業の給料事情を、大手企業がもつ特有の特徴などの視点から検証していきたいと思います。
大手企業の給料事情がどのような感じなのか気になる人は、この記事を参考にしてください。
大手企業の大型トラックドライバーは給料が高い傾向がある
みなさんはトラック運転手の給料について、大体どれくらいの金額をイメージしていますか。
トラック運転手と一口に言っても、大型から中・小型までさまざまな種類のトラック運転手があり、運転するトラックの大きさによって当然給料額も違ってきます。
また年代によっては平均年収のピークも異なってくるでしょう。
ここでは大手企業の観点ではなく、トラック業界全体からみたトラック運転手の給料や平均年収についてみていくことにします。
トラックの運転手は、小型から大型までいろいろな大きさに対応したトラック運転手がいます。またトラックの大きさによってトラック運転手が得る給料の額も異なってきます。
厚生労働省が2017年に発表した賃金データによると、普通・小型トラック運転手と大型トラック運転手それぞれのの平均給料と年収は以下のようになります。
・普通・小型の場合
平均給料:316,900円 年収:約415万円(賞与等含む)
・大型の場合
平均給料:353,200円 年収:約454万円(賞与等含む)
(賃金構造基本統計調査より「(きまって支給する現金給与額×12)+年間賞与その他特別給与額」にて計算)
一見してわかる通り、大型トラック運転手の方が高収入といえます。
これは専門的な運転技術が必要な分多くの手当てなどが支給されている点もありますが、トラック運転手自体の肉体的及び精神的負担の差なども、収入増の理由として考えられるでしょう。
関連記事:運送会社の給与トップ5を大公開!高収入会社への転職方法と注意点とは?
関連記事:【必見】運送会社で高収入な企業の月収や年収を詳しく解説
大手企業のトラックドライバー:年収のピークは45〜49歳
トラック運転手の仕事は、労働環境やトラックにおける運転性能及びトラック内部の居住性の進歩などによって、
一昔前と比べて肉体的及び精神的負担は少なくなってきましたが、デスクワークと比べるとまだまだ体力が必要な仕事といえます。
よって歳をとればとるほど仕事内容がきつく感じ、ケースによっては定年までトラック運転手を続けることができなくなる可能性があります。
そこでトラック運転手の年収のピークは、大体をどのくらいの年齢で迎えるのかということが気になってきます。
各年代別で見る平均年収は以下の表になります。
年齢 | 大型 | 普通・小型 |
25~29歳 | 408万円 | 389万円 |
30~34歳 | 439万円 | 414万円 |
35~39歳 | 454万円 | 454万円 |
40~44歳 | 476万円 | 439万円 |
45~49歳 | 481万円 | 451万円 |
50~54歳 | 471万円 | 434万円 |
55~59歳 | 456万円 | 410万円 |
60~64歳 | 387万円 | 349万円 |
※賃金構造基本統計調査より「(きまって支給する現金給与額×12)+年間賞与その他特別給与額」で計算し、万円単位で四捨五入
トラック運転手の年収におけるピークは、大型と普通・小型両方とも45~49歳にあたることが、この表から見て取れます。
その後の推移をみていくと、普通・小型トラック運転手の平均年収は451→434→410万円と微減していくのに対して
、大型トラック運転手の平均年収が481→471→456万円と、特に50代半ばを過ぎてからの平均年収の下げ率が大きいのがわかります。
平均年収は全ての世代において普通・小型トラック運転手より大型トラック運転手の方が上回っていますが、
50代を越えてからの落差を考えると、平均年収の安定感においては、むしろ普通・小型トラック運転手の方になります。
関連記事:トラック運転手は年収1,000万稼げる?給与の実態を解説
大手運送会社3つの特徴
トラック運転手を雇用している運送会社は、大手企業の運送会社もあれば、中小企業などさまざまな規模の会社があります。
ここからはその中で大手企業の運送会社における特徴を、ワークライフバランス・人材育成・積み降ろしといった視点からみていくことにします。
ワークライフバランスを保ちやすい
大手企業は運送会社に限らず、勤務管理がしっかりとしている会社が中小企業と比べて多い傾向があります。
勤務管理がきちんとおこなわれているということは、労働時間もしっかりと管理され、残業や休日出勤の回数が少なくなるため、
規則的な勤務時間で働くことができ、休日も定期的にとることができます。
また有給休暇を取得しやすい環境も整っており、さらに昨今の働き方改革を積極的に取り組むなど、ワークライフバランスを意識した管理をおこなっています。
仕事もプライベートも充実した生活を送りたいのなら、中小企業よりも大手企業での就業が向いているのかもしれません。
人材育成への取り組みが充実している
大手企業が掲載しているトラック運転手の求人票の中には、資格欄等に「未経験可」などの記載がされていることがあるかと思います。
大手企業は中小企業よりも人材育成や社員教育に力を入れているところが多く、大手企業が作成した独自の社員教育プログラムなどによって、
トラックの運転や業界自体の就業経験がなくても、効率的なステップアップやキャリアアップを図ることができます。
このような人材育成のシステムは、大手企業特有ともいえる会社規模と資金力といったマクロな経営資源を活かすことによって運営することが可能なのです。
手積み手降ろしが少ない
大手企業の運送会社では直轄の配送センターを設けているところが多く、センターによっては最新の設備を整えた施設もあります。
その中で最大の恩恵といえるのが、最新設備を活用した荷物の積み降ろし作業になるでしょう。
以前は積み下ろしの際にトラック運転手自らが、手作業で荷物の手積みまたは手降ろしをおこなっていましたが、この作業自体大変体力のいる仕事でした。
また基本空調の効かない倉庫内作業になるため、夏は暑い中・冬は寒い中でおこなうというきつい作業でもあったのです。
手積み・手降ろしの作業が完全になくなったわけではありませんが、効率性の一環ではあるものの、
少しでもトラック運転手への肉体的負担を減らすように配慮しているのも大手企業の特徴といえます。
関連記事:運送会社の給料ランキングTOP10は?職種別・業種別の平均年収も徹底解説
大手企業のトラックドライバーの給料事情
ここまではトラック運転手の視点からみた大手企業の特徴について述べていきました。
一般的に給料に関しては、大手企業のほうが給料が高く、その反面中小企業の給料は安いというイメージがあります。しかし実際のところはどうなのでしょうか?
ここからはみなさんも気になる大手企業におけるトラック運転手の給料事情そのものについてみていくことにしましょう。
中小企業と比較すると高い傾向にある
大手企業のトラック運転手における給料は中小企業と比べて高い傾向にあります。
まず大手企業の給料は基本給が高く設定され、また残業時間や休日出勤も少ないため、毎月支給される給料は比較的安定しています。
また賞与や各種手当が充実してるのも大手企業の特徴といえます。
しかし中小企業と比べて給料の振り幅が少ない分、稼ぎたいときにたくさん出勤して少しでも給料を多く稼ぐといったことは難しいといえます。
逆に基本給が大手企業ほど高くなく、働いた分だけ稼ぐことができるシステムは、中小企業に多く採用される傾向にあります。
よって大手企業のほうが給料が高く、それに対して中小企業は安いという一般的なイメージは、働き方次第によっては充分に逆転する可能性があるといえます。
スキルアップに応じた昇給が期待できる
先述しましたが大手企業は中小企業と比べて、勤務管理や社員教育がしっかりしている会社が多い傾向にあります。
上記の2つがきちんと制度化されていることは、トラック運転手も含めてこの業界に未経験の社員であっても、
効率よくスキルアップやキャリアアップをおこなうことができるだけでなく、その技量における向上がきちんと評価され、昇給または賞与という形で給料に反映されることを意味します。
対照的に中小企業では、大手企業と比べて即戦力としての現場における評価が優先されることで、給料に反映される傾向があります。
現場において成果を上げなければ昇給に直結しない中小企業の給与体系が、給料が安いというイメージを持たれる1つの理由かもしれません。
関連記事:大手企業トラック運転手の給料はどのくらい?特徴・給料事情を徹底解説!
関連記事:大型トラック運転手の給料の実態とは?今がチャンスである理由
大手のトラックドライバーを目指す際に気をつけるべきこと
ここまでトラック運転手における大手企業の給料事情について述べてきましたが、ただ規模の大きい会社に就職すること=いい会社に入社となるわけではありません。
会社を選ぶ際に必要なことは給料の件もそうですが、自分が働くスタイルも同じくらい重要になってきます。
1つ目は安定を重視する働き方です。具体的には基本給が高く、毎月一定額の給料を受け取り、残業や休日出勤が少ないワークライフバランスがとれた働き方です。
しかしこの場合だと一定額を超えた給料を得ることは難しくなります。
2つ目は稼ぎたいときにとことん稼ぐという働き方です。具体的には基本給自体が低くても、働く日数を増やすことによってより多くの給料を受け取る働き方です。
しかし残業時間の増加や休日出勤をおこなう必要もでてくるため、定期的な休日が取れないことや体調管理にも影響してきます。
トラック運転手として働く会社を探すときは、大手企業といった規模や給料額のみにこだわらず、自分の働き方に合った会社で働くことが重要になってきます。
関連記事:【必見】トラック運転手の給与明細や形態を詳しく解説
大手トラックドライバーに関するまとめ
いかかでしたでしょうか。以上ここまでトラック運転手における大手企業の運送会社の特徴や給料事情についてあらゆる角度からみてきました。
大手企業それぞれの利点や欠点、また中小企業にもそれぞれの利点や欠点があります。
給料が安い・高いといった点も確かに重要なことですが、自分が理想とする会社に就職するためには、やはり自己分析をしっかりとおこなうことが近道になるのではないでしょうか。
この記事がみなさんが就職したい理想の会社へ入社できる後押しになれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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