タクシードライバーは未経験者でも挑戦しやすく、転職先として人気です。近年ではインバウンドの増加により、全国の観光地を中心にタクシー需要が拡大しています。
この記事を読んでいる方の中にも、タクシー運転手への転職を検討している方がいるのではないでしょうか。その中で気になるのは、タクシー運転手の平均年収ですよね。
未経験でも挑戦しやすいとはいえ、企業が提供する給与体系を十分理解し、一定の収入を確保できなければ転職成功とは言えません。
この記事では、タクシー運転手の平均年収について、性別や雇用形態ごとに詳しく解説します。転職後の初年度年収も紹介していますので、内容を理解した上で転職を検討してみましょう。
タクシー運転手全体の平均年収は419万円
職業情報提供サイトjobtagが公表した、令和5年度におけるタクシー運転手の平均年収は419万円です。同年度における国民全体の平均年収は569万円であるため、平均よりも150万円ほど低い水準です。
ただし、タクシー業界では歩合制を用いた給与形態が一般的ですが、各企業が独自の歩合率や報酬制度を採用しているため、売上次第では年収500万円以上も十分に目指せます。
また、冒頭でも解説した通り、近年ではインバウンド需要の影響でタクシー運転手の平均年収は上昇傾向にあると言えるでしょう。ここでは、タクシー運転手の平均年収の推移や性別による収入の違いについて解説します。
タクシー運転手の平均年収【推移表】
タクシー運転手の平均年収は景気動向に左右されやすく、近年はインバウンド需要も大きく影響しています。平均年収のこれまでの推移は以下の通りです。
直近では、令和2〜3年を中心に新型コロナウイルスの影響により、大幅に平均年収が下がっているものの、全体的には緩やかに上昇してきています。
近年では、地方の公共交通機関の衰退に対応するため、タクシーを活用する自治体も増えてきており、さらに需要が高まっていく可能性があります。
参考:令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況 |一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会
出典:タクシー運転手・職業情報提供サイトjobtag|厚生労働省
出典:令和5年分民間給与実態統計調査|国税庁
女性タクシー運転手は平均年収が低い傾向にある
タクシー運転手の平均年収は、性別によって異なります。タクシー業界は男性の比率が非常に高いこともあり、男性運転手の平均年収は全体のデータと同じ数値です。
一方、女性タクシー運転手の平均年収は、以下の通り推移しています。
女性運転手の年収は、全体の平均年収よりも低い水準で推移しています。これは女性に運転手の適性がないからではありません。
タクシー業界は24時間営業の会社が多く、勤務時間や出勤時間を柔軟に調整しやすい特徴があります。女性運転手の中には、子育てや家事と仕事を両立する人が多く、男性運転手に比べて労働時間が短いため、年収が低くなっていると考えられます。
同じ労働時間で働けば、女性運転手でも高収入を目指すことは十分に可能です。
参考:令和5年タクシー運転者の賃金・労働時間の現況p11 |一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会
タクシー運転手の年収が変動する要因と今後の見通し
タクシー運転手の年収は、景気などの外部要因によって大きく変動します。また、柔軟な働き方が可能で、乗務時間や個々の営業スキルといった内部要因によっても収入が変動します。
ここでは、タクシー運転手の年収が変動する具体的な要因と、今後の見通しについて解説します。これらを理解した上で転職を検討してみましょう。
タクシー運転手の年収に影響を与える外部要因
タクシー運転手の年収に影響を与える外部要因の1つが「景気動向」です。景気が好調な時には、ビジネス利用や観光客の需要が増え、運転手の収入が上がります。一方、不景気になると利用者が減少し、収入が下がりやすくなる傾向です。
次に影響するのが「インバウンド需要」です。外国人観光客が増えるほど観光地を中心にタクシー利用が増加します。この他では、世界情勢による燃料費の変動も収益に影響すると言えるでしょう。
タクシー運転手の年収に影響を与える内部要因
タクシー運転手の年収に影響を与える内部要因の1つが「勤務時間や出勤日数」です。タクシー業界では隔日勤務が主流であり、1勤務で2日分働き、翌日が休みになります。
一方、日勤や夜勤で働くことも可能で、勤務時間帯によって売上の上げやすさが異なるため、年収にも影響があります。
次に影響するのが「地理や需要に対する知識」です。効率的に稼ぐためには、需要が高いエリアや時間帯を把握し、乗車率を最大化する必要があります。
特に都市部では、イベント会場や観光地、繁華街などの混雑予想を的確に予測するスキルが必須と言えるでしょう。また、接客スキルが高いほどリピーター獲得にも繋がり、高収入を目指せます。
タクシー運転手の年収と今後の見通し
タクシー運転手の年収は、外部環境や業界の変化により、ゆるやかに上昇していくと予想されます。近年はインバウンド需要が増加傾向にあり、観光地や都市部を中心にタクシー需要が高まっている状況です。
地方においては、過疎化に伴う公共交通の代替手段として、タクシーの活用が進められています。また、配車アプリの普及により、稼働効率が向上し、収入の安定化につながっています。
手数料やコスト増といった課題もありますが、これらを乗り越えることで、タクシー運転手の年収は上昇していく可能性があると言えるでしょう。
【雇用形態別】タクシー運転手の平均年収
タクシー運転手の平均年収は、雇用形態によって異なります。近年の運転手不足を背景に、政府や自治体は個人タクシーの導入やライドシェアの活用を進めています。
こうした取り組みを受け、今後は個人タクシーとして働く人も増えていくでしょう。ここでは、雇用形態別でタクシー運転手の平均年収について解説していきます。
正社員の平均年収は約465万円
求人ボックスが公表したデータによると、令和6年10月時点でタクシー運転手の正社員平均年収は約465万円です。タクシー運転手全体の平均年収約419万円より45万円ほど高い水準です。
正社員の場合、基本給に加えて賞与や福利厚生が整っているため、全体平均よりも高くなる傾向があります。また、一部の企業では特定の免許を持つことで手当が加算される場合もあります。タクシー運転手として安定的に稼ぎたい方には、正社員雇用が最適と言えるでしょう。
出典:タクシー運転手・職業情報提供サイトjobtag|厚生労働省
参考:タクシー運転手の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス給料ナビ
アルバイト・パートの平均時給は約1,091円
求人ボックスのデータによると、令和6年10月時点でアルバイト・パートのタクシー運転手の時給は1,091円です。この時給は求人ボックス上で掲載されている求人情報をもとに算出されており、地域によって差があります。
たとえば、都内で経験豊富なタクシー運転手のアルバイト・パートであれば、時給1,500円以上の高時給で稼げる求人もあります。
一方、地方では時給1,000円程の場合もあり、収入に大きな差が出るのが現状です。タクシー運転手としてアルバイトやパートで効率的に稼ぎたい場合、需要が高い地域で働くことが重要と言えるでしょう。
参考:タクシー運転手の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス給料ナビ
派遣社員の平均時給は約1,297円
「求人ボックス」のデータによると、令和6年10月時点で派遣のタクシー運転手の時給は1,297円です。アルバイト・パートと比較して、200円ほど高い水準です。
派遣社員としてタクシー運転手を選ぶメリットは、高時給が期待できる点にあります。ただし、派遣社員で働く場合、労働時間が不規則になりやすく、月々の収入が安定しないデメリットもあります。
さらに、派遣という雇用形態では、福利厚生面での手厚い待遇は望めません。時給水準と労務環境の「メリット・デメリット」をよく理解した上で、自分に合った働き方を選びましょう。
参考:タクシー運転手の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス給料ナビ
個人タクシーの平均年収は約300〜1,000万円
個人タクシーの年収は300〜1,000万円と幅広く、運転手自身の努力や営業スタイルに収入が大きく左右されやすい特徴があります。
最大のメリットは働き方の自由度が高い点で、勤務時間や休暇を自分で決められるため、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。一方、デメリットとしては、経費負担の多さがあり、車両の購入費やメンテナンス費、保険料など全て自己負担となります。
また、顧客を獲得するための営業力や地域の需要に対する知識が求められます。
関連記事:個人タクシーは本当に儲かる?リアルな年収と働き方を公開
タクシー運転手の初年度年収はどれくらいか?
未経験でタクシー運転手に転職する場合、地理知識や営業スキルがないため、初年度の月給や年収が平均を下回る傾向にあります。
ここでは、タクシー運転手として働き始めた初年度の年収がどれくらいになるのか、必要な資格やスキルの取得がどのように影響するのか、さらに高収入を目指す方法を解説します。
初年度の年収はどの程度か?
職業情報提供サイトjobtagが公表している「ハローワーク求人統計データ」によると、令和5年度におけるタクシー運転手求人の平均賃金は19万4,000円です。
この数字をもとに賞与なども踏まえたタクシー運転手の初年度の年収は230〜300万円と推測されます。未経験でタクシー運転手に転職した場合、入社後の2〜3ヶ月は研修期間として日給制となり、1日あたり8,000〜12,000円程度が支払われます。
研修終了後は、歩合制の給与体系へと移行しますが、地理知識や営業スキルの習熟度が不十分であるため、全体の平均年収よりも低くなる傾向があります。
出典:タクシー運転手・職業情報提供サイトjobtag|厚生労働省
初年度の年収に影響する要因
タクシー運転手の初年度年収は、以下の要因によって変動します。
- 研修期間
- 勤務エリアの特性
- 個々の働き方
研修期間は固定給制が採用されるため、この間の収入は限定的です。都市部や観光地付近での勤務の場合、タクシー需要が高く乗車率が上がりやすいため、地方と比べて高収入を目指しやすい傾向です。
最も年収に影響するのが個々の働き方です。勤務時間や出勤頻度が多いほど売り上げが増えて収入に直結します。
初年度から高収入を目指す方法
タクシー運転手として初年度から高収入を目指すには、効率的な働き方が重要です。地理知識やタクシー需要を早期に把握することで、需要の高いエリアや時間帯を狙って乗車率を高められます。
勤務時間に関しては、隔日勤務や夜勤が適してます。深夜や早朝といったタクシーの需要が増える時間帯に勤務することで、売上を確保しやすくなります。普段の業務を通じて接客スキルも向上していくと、リピーターも増えていくため、安定した売上を確保できるようになるでしょう。
初年度年収と業界平均との差を埋める方法
初年度年収と業界平均との差を埋めるには、売上を上げる必要があります。需要の高いエリアや時間帯を狙って営業を行ましょう。具体的には、都市部の駅周辺や繁華街、イベント会場などがあり、他の交通機関が止まる深夜や早朝の時間帯が狙い目です。
リピーターを増やすには営業スキルが欠かせません。積極的に声をかけて乗客との信頼関係を築くことを意識しましょう。
タクシー運転手の年収を左右する3つの給料体系
タクシー業界には主に3つの給与体系が存在し、それぞれに特徴があります。
- 固定給(A型賃金)
- 完全歩合給(B型賃金)
- 基本給+歩合給(AB型賃金)
これらの給与体系によって、年収がどう変わるのか解説します。
固定給(A型賃金)
固定給(A型賃金)は、毎月決まった金額が給料として支給される給与体系です。固定給の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・固定給があるので安定する・未経験でも安心して仕事が始められる・勤続年数で固定給が上がる可能性がある | ・売上を上げても歩合率が低い・モチベーションをあげにくい |
売上によって給与が変動しないため、未経験でタクシー運転手に転職する人で「高収入よりも収入の安定を重視したい」という方に最適と言えるでしょう。
関連記事:タクシー運転手のメリットは?稼げる給料体系と働きやすさの秘密
完全歩合給(B型賃金)
完全歩合給(B型賃金)は、タクシー運転手の売上直結型の給与体系です。完全歩合給の主なメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・歩合率が高いので稼げる人は稼げる・頑張りが反映されてやる気につながる・勤務時間を自由に決めやすい | ・営業や運転など総合的なスキルが必要になる・売上が上らなければ不安がでる |
売上がそのまま収入に直結するため、努力次第で初年度から高収入を目指せることが魅力と言えます。
その一方で、勤続年数に関係なく売上がなければ収入も大きく下がるため、売上を安定させられるスキルと知識が必須と言えるでしょう。タクシー運転手として一定の経験があり、キャリアアップを目指している方や、とにかく高収入にこだわりたい方に最適と言えるでしょう。
関連記事:タクシードライバーのボーナス事情|制度の仕組や支給条件、平均額について
基本給+歩合給(AB型賃金)
基本給+歩合給(AB型賃金)は、タクシー業界で最も主流な給与形態で、B型賃金をベースに歩合の一部が賞与として積み立てられ、年に数回支給されます。基本給+歩合給のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・固定給がありA型よりも歩合率が高い・貯金が苦手な人に取って賞与システムは安心できる・リスクをバランスよく取り稼げる | ・歩合率がB型より少なくやる気が落ちる場合がある・A型と比べると基本給が少なく設定されている |
一定の収入を確保しつつ、歩合により高収入も目指せるため、最もおすすめの給与形態と言えます。
出典:タクシー運転手の最低賃金について|厚生労働省
参考:タクシードライバーの給与体系とは?各体系のメリット・欠点も解説|一般財団法人日本海事協会
タクシー運転手が年収アップする3つのコツ
タクシー運転手として年収をアップさせるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 転職して都心部で働く
- 歩合制のタクシー会社を選ぶ
- 隔日(かくじつ)勤務にする
これらのコツを意識することで、なぜ年収アップを狙えるのか解説します。
転職して都心部で働く
タクシー運転手として年収を上げるには、東京や横浜などの都心部で働くことが効果的です。都心部は地方と比べて人口が多く、通勤や買い物、観光などでタクシーの需要が高い傾向にあります。
特に朝夕のラッシュ時や深夜の繁華街、イベント会場周辺では利用客が集中するため、効率よく稼ぐことが可能です。
また、都心部は距離が短い乗車が多く、初乗り運賃が繰り返し発生するため、効率的に売上を積み上げやすいと言えます。回転率も高まり、安定した収入を得やすい環境が整っています。
歩合制のタクシー会社を選ぶ
タクシー運転手として年収を上げるためには、歩合率の高い会社を選ぶことも重要です。歩合率が高い会社ほど、売上が直接年収に反映されやすくなるため、高収入を目指しやすくなります。
ただし、AB型賃金(基本給+歩合給)の場合、歩合率が高いほど基本給が安めに設定されやすく、売り上げが少ないと収入も下がります。
未経験でタクシー運転手に転職する場合は、営業テクニックや接客スキルをある程度身につけた後に検討するようにしましょう。
隔日(かくじつ)勤務にする
タクシー運転手が年収を上げるためには、隔日勤務を選ぶことも有効です。隔日勤務は1勤務の稼働時間が長く、深夜帯や早朝などの需要が高い時間帯に乗務できるため、効率的に売上を伸ばせます。
また、隔日勤務には収入アップ以外にも、月の出勤回数が11〜13回程度と少なく、勤務後にしっかりと休息を取れるため、リフレッシュしやすいメリットがあります。
関連記事:タクシー運転手の隔日勤務がきつい理由と続けられる4つのメリット
関連記事:タクシー運転手が稼げる理由とは?給与相場や稼ぐコツ
タクシー運転手の年収はいくらまで増やせるのか?
タクシー運転手は歩合制が主流のため、売上次第で平均年収を大きく上回る高収入を得ている人もいます。
高収入を目指してタクシー運転手への転職を検討しており、最大でどれくらい稼げるのか気になる方もいるでしょう。ここでは、タクシー運転手として年収をいくらまで増やせるのか、給与の仕組みを交えながら解説します。
タクシー運転手は1日売上4万円の約60%(約2.4万円)が平均収入になる
タクシー運転手の売上は、営業場所や乗務時間によって異なりますが、隔日勤務の売上は1乗務あたり4〜5万円が平均と言われており、年収に換算して約300~400万円です。
歩合制の場合、一般的な歩合率は60%であるため、一日あたりの収入は2万4,000〜3万円ほどです。隔日勤務は1ヶ月の出勤回数が11〜13回であるため、月収は26万4,000円〜39万円、年収は約318〜468万円となります。
営業テクニックや接客スキルを身につけて、仮に1乗務の平均売上6万円を達成できた場合、年収は以下のようになります。
- 11日勤務の場合:39万6,000円(年収475万2,000円)
- 12日勤務の場合:43万2,000円(年収518万4,000円)
- 13日勤務の場合:46万8,000円(年収561万6,000円)
毎日安定して収入を確保するのは難しいものの、年末年始やゴールデンウィークといった繁忙期に売上を伸ばせれば、年収500万円以上も十分に目指せるでしょう。
タクシー運転手の上位1%は最高年収が1,000万円を超えている
前述の通り、タクシー運転手は売上次第で年収500万円以上を十分に目指せます。さらに上を見ると最高年収が1,000万円を超えている人も中にはいます。
年収1,000万円を超えるタクシー運転手の特徴としては「優良顧客の確保と信頼関係の構築」が挙げられるでしょう。
上位1%のタクシー運転手は、単に乗客を運ぶだけでなくリピーターを増やし、高額なサービスを提供できる体制を整えています。たとえば、高級車を使った快適な車内環境の提供やWi-Fi、USB、空気清浄機といった設備投資に力を入れています。
また、利用者が増えている配車アプリも積極的に活用しており、アプリから需要が高まるエリアや時間帯を分析するなどして、適確に稼ぎやすい場所を見つけることも可能です。
配車アプリは、運賃の事前決定やキャッシュレス決済に対応しているため、乗客の利便性を高めることにも役立ちます。顧客ごとに接客スタイルを調整し、ニーズに応える柔軟性が備われば、年収600万円以上を目指すことも可能です。
参考:「年収1000万超え」タクシードライバーの仕事術|東洋経済オンライン
タクシー運転手はやり方次第で年収600万円は目指せる
タクシー運転手として、上位1%になり年収1,000万円を目指すのは、ハードルが高いかもしれませんが、年収600万円を超えることは、やり方次第で十分に可能です。すぐに試せる具体的な実践テクニックは、以下の通りです。
- 需要の高い時間帯やエリアを狙って乗務する
- 配車アプリを活用する
- 接客スキルを向上させてリピーターを増やす
- 繁忙期にフル稼働する
近年は、近くにいるタクシーと乗客をマッチングする配車アプリが複数あります。流し営業や付け待ち営業だけでなく、配車アプリを活用しながら回転率を上げていきましょう。
年末年始やゴールデンウィークなどは、タクシー需要が高く稼ぎ時となります。繁忙期は、なるべく休まないようにして売上を確保しましょう。
【都道府県別】タクシー運転手の年収ランキング
タクシー運転手の需要は、人口の多い都市部や観光客の多い観光地エリアが特に高い傾向にあります。売上も上げやすいため、年収にも影響します。
ここでは、都道府県別でタクシー運転手の年収ランキングを紹介します。ただし、運転手のスキルや知識も収入に影響するため、全ての運転手に当てはまるわけではないことを理解しておきましょう。
平均年収・給料が高い都道府県|トップ5
全国ハイヤー・タクシー連合会が公表した、令和5年度における平均年収・給料が高い都道府県は、関東地方や都市部を中心に、以下の内容となっています。
1位は前年度より160万円もアップした東京で、次いで大阪府、神奈川県でした。人口が多く、人気の観光地であるエリアが上位にランクインしています。
岡山県や埼玉県に関して、年収が高い明確なデータはないものの、都市部と地方部の中間的な位置付けにあり、人気エリアが近くにあることも影響していると推測されます。
参考:第1表 タクシ-運転者の賃金・労働時間(令和5年)p1|一般財団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
平均年収・給料が低い都道府県|ワースト5
次に同データにおけるタクシー運転手の平均年収・給料が低い都道府県は、以下の通りです。
地方の人口が少ないエリアほどタクシー需要が少なくなる傾向にあり、上記の県がランクインしました。
青森県や福井県では、新幹線の開通やねぶた祭などの季節イベントでタクシー需要が増加しますが、冬季は観光需要が減少し、売上が下がりやすい傾向があります。
参考:第1表 タクシ-運転者の賃金・労働時間(令和5年)p1|一般財団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
【年齢別】タクシー運転手の年収ランキング
タクシー業界では管理職がほとんど存在しないため、他業界のように年齢とともに年収が上がる仕組みはありません。全国ハイヤー・タクシー連合会が公表した、令和5年度におけるタクシー運転手の年齢別の平均年収は、以下の通りです。
年代別で最も年収が高いのは40代前半で、次いで30代前半です。運転手としての経験が豊富であることに加え、体力があるため長時間営業が可能な点が要因と考えられます。
参考:第4表 タクシー運転者と全産業労働者の年齢階級別給与比較(令和5年)p4|一般財団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
タクシー運転手の年収についてよくある質問
最後はタクシー運転手の年収について6つのよくある質問に答えていきます。
- 田舎のタクシー運転手の給料はいくらですか?
- タクシー運転手に向いている人の特徴は?
- タクシー運転手で年収700万円は稼げますか?
- タクシーで1日いくら稼げますか?
- 未経験からタクシー運転手として年収を上げることは可能?
- 女性のタクシー運転手として年収を上げることは可能?
タクシー運転手の収入事情や適性に関する内容ですので、内容を理解した上で転職を検討してみましょう。
田舎のタクシー運転手の給料はいくらですか?
地方のタクシー運転手の平均年収は約250万円前後で、地域によって大きな差があります。たとえば「全国ハイヤー・タクシー連合会」によれば、令和5年度の石川県では約230万円と最も低い水準です。
年収は地域の人口や商業エリアの有無に左右されます。都市部や繁華街がある地域では利用者が多く収入が高くなる傾向があります。一方で地方では人口が少なく、稼ぎにくいのが現状です。
参考:第1表 タクシ-運転者の賃金・労働時間(令和5年)p1|一般財団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
タクシー運転手に向いている人の特徴は?
タクシー運転手に向いている人の特徴には、次のようなものがあります。
- 社交的で接客業が好きな人
- 誠実で安全に乗客を送り届ける責任のある人
- 忍耐力があり長時間の運転や突発的なトラブルに対応できる人
- 観察力がありコミュニケーションを取るのが好きな人
- 基本的にひとりで業務を遂行するため自己管理ができる人
タクシー運転手に向いているのは、社交的で責任感があり、自己管理が得意な人です。特に家事や介護などの生活と両立しながら柔軟に働きたい方に適しています。安全な運転や丁寧な接客ができることも大切な要素です。
関連記事:タクシー運転手に向いている人の特徴|求められるスキル、現役運転手の声も
タクシー運転手で年収700万円は稼げますか?
タクシー運転手で年収700万円を稼ぐことは可能です。都市部や繁華街など、需要が高いエリアで効率よく稼働することを意識しましょう。また、夜勤や隔日勤務を選び、深夜や早朝の利用者が増える時間帯で売上を上げられれば、高収入を目指せます。
さらに、接客スキルや営業力を磨いてリピーターを増やすことで、安定した高収入を実現しやすくなります。適切なエリア選択と努力次第で、年収700万円は十分目指せる金額です。
タクシーで1日いくら稼げますか?
タクシー運転手の1日の売上平均は4〜5万円です。繁忙期で多くの乗客を乗せることで、さらに高い売り上げも目指せます。
長距離移動のお客様が見つかり、10〜20万円の売上を達成できるケースもあります。
未経験からタクシー運転手として年収を上げることは可能?
未経験からタクシー運転手として年収を上げることは十分可能です。初年度は地理や接客スキルの習得に時間がかかりますが、需要の高いエリアや時間帯を狙った効率的な稼働で収入を伸ばせます。
さらに接客スキルを磨き、リピーターが増えればさらに安定した売上を確保できるでしょう。
関連記事:タクシーの仕事は未経験者でも目指せる|なるための方法、求人の選び方
女性のタクシー運転手として年収を上げることは可能?
女性のタクシー運転手でも年収を上げることは十分可能です。需要の高いエリアや時間帯を選ぶ効率的な働き方に加えて、接客スキルを活かすことで、リピーターを増やし収入をあげられます。
また、女性ならではの安心感や丁寧な接客を活かせれば、より高い評価を受けることも可能であり、リピーターの獲得に繋がるでしょう。
関連記事:タクシードライバーは女性でもなれる?3つのメリットと注意点
関連記事:女性でもタクシードライバーは目指せる|増加の理由や働くメリット、現役の声など
タクシー運転手の年収の仕組みを知って効率的に稼ごう
タクシー運転手の平均年収は419万円であり、全産業の平均を150万円ほど下回っています。ただし、タクシー業界は歩合制が一般的であり、年収を上げるテクニックを身につけられれば、売上を上げて高収入を目指せます。
誰もが必ず目指せるとは限らないものの、年収600万円を超えている運転手も少なくありません。近年はインバウンド需要が増加しており、地方では電車やバスに代わる移動手段として積極的に活用され始めています。
未経験からでも高収入を目指せる職種ですので、年収を上げたいと考えている方は、転職を検討してみましょう。
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