未経験者が「施工管理はやめとけ」と言われるのには、理由があります。
そこでここでは「施工管理はやめとけ」と言われる5つの理由や、やめとけと言われやすい未経験者の特徴、未経験から施工管理で給与アップする手順などを紹介します。
未経験から施工管理を目指す人は参考にしてください。
施工管理はやめとけと言われる5つの理由
ここでは、施工管理はやめとけと言われる主な理由を5つ紹介します。
労働時間が長い
「施工管理の仕事はやめとけ」と言われる理由の1つに、労働時間の長さが挙げられます。
施工管理は、工事の作業員が来る前に出勤したり、作業員が帰るまで現場に残っていたり、工事後に報告書や工程表の確認したりなど、何かと労働時間が長くなりがちです。
定時で帰れるように効率的に仕事をしたとしても、工事中に何らかのトラブルが発生することもあります。
工期が遅れないようにスケジュール調整をしているうちに残業が増えることもあるのです。
このように、労働時間が長いことから「未経験者はやめとけ」と言われることがあります。
休日の回数が少ない
一般的な企業と比較すると、施工管理の年間の休日回数は少ない傾向があります。
原因の1つは、工期を優先しなければならないからです。
工期が遅れると罰金が発生するリスクがあるので、休日よりも工期を優先するのが施工管理あるあるの1なのです。
工事中は週休2日を取るのが難しいことも多く、中には6連勤をしている人もいます。
家族や友人とのプライベートに時間を割きにくいことから、「施工管理はやめとけ」と助言する人は多いです。
仕事量が多い
施工管理は「4大管理」と呼ばれる品質管理、安全管理、工程管理、原価管理が基本的な仕事であり、業務量がとても多いのが特徴です。
この管理が大変な上に、慢性的な人手不足であるため、1人が抱える仕事量が多くなる傾向があります。
そのため、日々残業をする施工管理の人が多く、残業をしても仕事が終わらない場合は休日出勤をすることさえあるのです。
あまりに仕事量が多くて体調を崩すケースもあるため、「施工管理はやめとけ」と言う人もいます。
業界自体がブラック
施工管理が働く「業界そのものがブラックである」という認識を持つ人もいます。
近年は働き方改革の影響で労働環境が整備されつつありますが、ひと昔前まで「施工管理はきつくて、危険で、給料が安い」と言われることも少なくありませんでした。
リスクが高い
施工管理は他の職種と比べると、危険な状況に身を置くことが多いです。
たとえば、工具でケガをする、滑って転んでケガをする、夏の暑さで熱中症になる、冬の寒さで凍傷を起こすなど、工事現場にはさまざまな危険が潜んでいます。
最悪の場合、鉄骨が頭に落下したり、重機と衝突したりすれば、命が危険にさらされることもあるでしょう。
そのために安全管理をするのも施工管理の仕事ですが、リスクを完全にゼロにすることはできません。
このように、リスクが高いことを理由に「施工管理はやめとけ」と言う人もいます。
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未経験者に「施工管理はやめとけ」と言わない人がいる理由
未経験者に対して「施工管理はやめとけ」と言う人がいる一方で、言わない人もいます。ここではその理由を4つ紹介します。
高年収で安定した生活を送ることができる
施工管理の平均年収は約530万円ほどです。国税庁の調査によると、日本人全体の平均年収は457万6000円ですので、施工管理の年収水準は高いと言えるでしょう。
1級施工管理の資格を持つ大手ゼネコンで働く人の中には、年収1000万以上を稼ぐ人もいます。
高年収であれば安定した生活を送りやすいので、施工管理として働くことに肯定的な意見を持つ人もいるのです。
需要が安定している
建設業界は今後も長期的に需要がある業界だと言われています。
新たな建造物を建てるだけでなく、今後は老朽化した建造物の修繕工事なども発生するので、現場の指揮を取る施工管理はますます需要が高まっていくでしょう。
仮にロボットやAIなどの最先端技術が導入されたとしても、現場での作業が効率化されるだけなので、施工管理という管理職のポジションが脅かされるわけではありません。
そのため、施工管理は将来性が高い仕事の1つと言えるでしょう。
社会貢献度の高い仕事である
施工管理はマンション、オフィスビル、商業ビル、橋、道路など、人々が社会で暮らすためのインフラ環境の整備に欠かせない仕事であり、社会貢献度の高い仕事です。
自分が携わった建物や施設、設備を人々が長年使い続けているのを見れば、大きなやりがいを感じられるでしょう。
このようなやりがいを他の職種では中々味わえないことから、施工管理の仕事に魅力を感じる人は一定数います。
未経験でも高収入な転職先がある
施工管理の場合、未経験の方でも高収入の転職先はたくさんあります。
過去の職業で管理職を経験していたのであれば大きなアピール力になりますし、管理職を経験していなくてもコミュニケーション能力が高ければ現場を指揮することも可能です。
建設業界は引く手あまたなので、未経験であっても自分の得意とする部分が合致すれば、高収入な転職先を見つけることはそこまで難しくないでしょう。
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施工管理はやめとけと言われやすい未経験者の特徴
「施工管理はやめとけ」と言われやすい未経験者の主な特徴は以下の通りです。
- コミュニケーションが苦手
- リーダーシップの発揮が困難
- マネジメント経験が乏しい
- 思考に没頭しやすく、行動に移しにくい
- パソコン作業が不得意
- 体力に自信がない
- 複数の仕事を同時にこなすのが苦手
これらの特性を持つ人が施工管理に就くと、職場での適応が難しく、早期離職に至ることが多いと言われています。
特に、コミュニケーションが不得意な人、マネジメントスキルに乏しい人、マルチタスクが苦手な人は、施工管理にとってかなり不利です。
なぜなら、施工管理は仕事の中で多くの関係者とのコミュニケーションや、スケジュール管理、複数のタスクの同時進行などが求められるからです。
そのため、これらのことに苦手意識がある人は、施工管理以外の職種を選ぶことをオススメします。
「施工管理はやめとけ」と言われにくい人の特徴
ここでは施工管理に向いている人の特徴を紹介します。
コツコツ努力できる人
新たに建築物を作る際、完成までには長い時間と労力が必要です。
比較的小規模なものでも1年は必要ですし、大規模な工事となると10年以上かかることもあります。
そのため、毎日コツコツ仕事ができる人、モチベーションが途切れないように自分の気持ちをコントロールできる人が向いていると言えるでしょう。
コミュニケーション能力がある人
施工管理は仕事を通してたくさんの人と関わります。
現場で働く職人だけでなく、関係会社の人達とも連絡を取りながら、仕事を進めていかなければいけません。
年齢や立場はもちろん、性格もバラバラですので、パイプ役である施工管理が上手くコミュニケーションを取って調整役を務める必要があります。
施工管理は品質を管理しつつ工期を守る責任もあるので、時には職人や業者に対して言いにくいことを言える度量が必要です。
リーダーシップがある人
施工管理は現場の責任者ですので、工事全体に目を光らせつつも、職人や関係企業との連携をうまく取りつつ、現場を引っ張っていかなければいけません。
ただ一方的に指示を与えるだけでなく、その人の性格や立場にあった指示の出し方、言葉遣いを考慮する必要があります。
これまで何かしらのリーダーとしてプロジェクトを達成した経験があれば、施工管理の現場で活かせるでしょう。
臨機応変に対応できる人
施工管理において、工程はあらかじめ作成していますが、突発的なアクシデントはつきものです。
そのたびにスケジュール調整や工程の修正、作業員や重機の追加などの判断を臨機応変におこなう必要があります。
こういった臨機応変さは経験によって身につけることもできますが、元々頭の回転が速い人はなおさら施工管理に向いていると言えます。
未経験から施工管理で給与アップする手順
ここでは未経験の人が施工管理で給与アップする手順を紹介します。
未経験歓迎の会社に転職する
施工管理のキャリアを未経験からスタートさせたい場合、まずは技術者派遣会社に正社員として入社するのがオススメです。
なぜなら技術者派遣会社には、未経験者向けの研修プログラムが手厚く用意されているからです。
研修期間は1~2ヶ月程度で、現場に配属される前に業界の基礎知識を習得できるため、建設業界未経験の人でも、施工管理の職に就きやすい環境と言えます。
また、技術者派遣会社では残業が少なめであること、残業があってもその分の残業代がきちんと支払われる点もメリットです。
派遣契約に基づいて働くため、一般の施工管理職に見られがちなみなし残業とは異なり、発生した残業に対しては残業代が全額支給されるのが通例となっています。
また、派遣先の企業はコストを抑えたいため、派遣されたスタッフには無駄な残業をさせず、早めに退勤するよう指示することも多いです。
このように、技術者派遣における施工管理職は、研修の充実度、残業代の保証、働きやすい労働環境という点で、未経験からのキャリアアップに適した選択肢と言えるでしょう。
経験を積む
施工管理は現場での実務経験を重ねることで、徐々に給与が上昇する傾向にあります。
そのため、技術者派遣会社を通じて施工管理の職に就いた後は、実務経験を積み重ねつつ、2級建築施工管理技士の資格取得を目指すのが望ましいです。
この資格を取得することにより、給与アップやキャリアアップが見込めるでしょう。
なお、資格取得には一定の実務経験が求められるため、現場での経験がそのまま資格取得へとつながります。
2級施工管理技士を取得する
実務経験を積みながら、2級施工管理技士の資格取得を目標にしましょう。
2級資格を持つだけで、施工管理者としての価値が大幅に高まり、それが年収向上にもつながります。
2級施工管理技士の資格試験は学科と実地の2部構成で、実地試験を受験するためには、建築系の大学を卒業してから1年以上、その他の学部卒業者の場合は1年半以上の実務経験が必要です。
したがって、大学卒業者は現場での経験を重ねつつ学科試験の準備を進め、適切な経験年数を経た後に実地試験に挑戦することが、2級取得の効率的なルートとなります。
条件の良い会社に転職する
2級施工管理技士の資格を取得した後は、その資格を活かして転職を検討しましょう。
施工管理の資格を保有していれば、同業他社への転職で有利に働く可能性が高いです。
1級建築施工管理技士を取得する
2級施工管理技士の資格を活用して条件の良い企業へ転職した後は、さらなるキャリアアップを目指して、1級施工管理技士の取得に挑戦しましょう。
1級施工管理技士の資格を持ち、スーパーゼネコンなどの大手企業に所属できた場合、年収が1,000万円を超える可能性もあります。
「施工管理はやめとけ」に関してよくある質問
ここでは未経験の施工管理に関してよくある質問に回答します。
施工管理は誰でもなれる仕事ですか?
施工管理は、興味を持つ人なら誰でも挑戦可能な分野です。
ただし、「専任技術者」として営業所に、または「主任技術者」「監理技術者」として建設現場に配置されるような責任ある立場を目指す場合は、施工管理技士の資格取得が必須条件となります。
「施工管理はやめとけ」についてのまとめ
肉体的にも精神的にも、施工管理の仕事は決して楽なものではありません。
そのため、特に未経験の人に対して「施工管理はやめとけ」と言う人も少なからずいるでしょう。
しかし、施工管理は大変な分、給料が良い職場も多く、やりがいもあります。仮に未経験だとしても、適性があるのであれば、挑戦する価値は十分なにあるでしょう。
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