トラック運転手にとって食事は重要なエネルギーチャージであり、1日の楽しみでもあります。
また、トラック運転手が普段食べているものや、食事場所は運転手によって様々です。
そこで、本記事ではトラック運転手の食事事情、食事のタイミングなどを詳しく紹介します。
1食あたりの予算や食事のオススメスポットも紹介するので、参考にしてください。
トラック運転手の食事事情
トラック運転手の食事事情は、運行距離が長いかどうか大きく変わります。
そこで、こちらでは一般的なドライバーと長距離トラックドライバーの食事事情の違いについて紹介します。
一般的なトラック運転手の食事事情
一般的なトラック運転手は国道を走ることが多いため、コンビニによって弁当を買ったり、カップラーメンを買ったりして食事をとる人が多いです。
国道沿いであれば、駐車場の広いコンビニがあるため、仕事の都合を見つつ、タイミングを見計らってコンビニに寄ることが可能です。
もしも駐車場がない、または空きスペースがない場合は、路肩の広い場所を探し、路上駐車をして食事をします。
なお、ルート配送やネット通販の荷物を運ぶドライバーは、基本的に同じ地域を回るため、自分のお気に入りのコンビニが複数ある人も少なくありません。
長距離トラック運転手の食事事情
長距離トラック運転手は基本的に高速道路を走っているので、食事はサービスエリアやパーキングエリア内の食事施設や売店を利用することが多いです。
サービスエリアは近年集客のため、食事に力を入れるようになっており、その地域の特産品や名物を使った食事が提供されています。
ご当地グルメを楽しめるため、仕事をしながら少し観光気分を楽しむドライバーもいるでしょう。
トラック運転手の食事は外食が多め
トラック運転手の中にはお弁当を持参する方もいますが、出勤が早朝や夜中の場合は毎回作るのが大変です。
また、長時間体を酷使しながら、毎日お弁当を用意するのが面倒に感じることもあるので、自然と外食に頼ってしまう運転手が多いようです。
特に長距離運転手は数日かけて荷物を運搬するため、外食が中心になります。
トラック運転手の食事でよくある例
トラック運転手が普段どういったものを食べているのか詳しく紹介します。
コンビニ弁当
その日の運行状況によって食事の時間帯にいる場所が異なるトラック運転手にとって、便利なものがコンビニ弁当です。
定番の幕の内弁当はもちろん、唐揚げ弁当やトンカツ弁当、パスタや蕎麦などの麺類など、コンビニ弁当は多種多様に富んでいるので、トラック運転手に人気です。
最近は健康ブームも相まって低カロリーの弁当や野菜の充実した弁当も登場しているので、女性のトラック運転手からも支持を集めています。
インスタント食品
コンビニ弁当と並んで人気な食事がインスタント食品です。
インスタント食品は手軽さが売りで、おにぎりとセットでカップ麺やカップスープを購入する人が多いです。
レジの横にある給湯器でお湯を入れれば、すぐに温かな食事を食べられます。
また、インスタント食品はお弁当よりも価格が安いため、金銭的に厳しいときの助けにもなります。
最近はカップ麺のレベルも上がっており、新商品も頻繁に登場しているので、それを楽しみにしているトラック運転手もいるでしょう。
手作り弁当
トラック運転手の中には、家族に手作り弁当を用意してもらい、車内で食事を済ます人もいます。
作る手間はかかりますが、家計に優しく、栄養バランスを整えやすいのはメリットです。
道の駅
道の駅は、場所によっては観光名所になるほど人気の施設です。道の駅では食事施設もあり、地元の名産を使った食事が食べられます。
食事代はかかるかもしれませんが、観光気分を味わえるので、時々利用している運転手もいます。
道の駅は駐車場が広いところもトラック運転手にとってはありがたいポイントです。
サービスエリア・パーキングエリア
高速道路にあるサービスエリアやパーキングエリアは、長距離トラック運転手がよく利用する食事場所です。
ご当地グルメが楽しめるほか、コンビニなども併設されているため、トラック運転手に人気があります。
また、サービスエリアによってはシャワーやランドリーが併設されているところもあるので、食事と合わせて、洗濯や仮眠場所として利用する人もいます。
ファストフード
マクドナルドや吉野家などで食事をするドライバーもいます。
小型トラック程度ならドライブスルーが利用できるので、購入した後は路肩に止めるなどして食事をとっています。
ファストフードはサービスエリアにもあるので、長距離運転手も利用することがあるでしょう。
ファミリーレストラン
ファミリーレストランは24時間営業している店も多く、食事のバランスもとりやすいので、トラック運転手に人気があります。
サラダバーやカレーの食べ放題があるファミレスもあるので、お腹いっぱい食べられるのも嬉しいポイントです。
ただし、大型車が停められるような駐車場があるレストランは限られているので、利用する場合は事前に調べておく必要があります。
ドライバーの求人を検索する(無料)トラック運転手の食事代の相場
トラック運転手が外食をする場合、1回あたりの食事代の相場はどれくらいなのか、短距離・中距離、長距離、それぞれのトラック運転手に分けて紹介します。
短距離トラック運転手の場合
短距離トラック運転手は、ルート配送やネット通販の荷物を運んでいる合間に、コンビニやファストフードなどに立ち寄って食事を取ることが多く、1食あたりの相場は600~900円です。
間を取って1食当たりの予算を750円とした場合、月に換算すると750円×25日=18,750円、2食食べる場合の月の食費は37,500円です。
中距離トラック運転手の場合
運送会社の地域や近県まで荷物を運ぶ中距離トラック運転手の1食あたりの食事代は600~1,000円です。
移動距離がそこそこ長く、荷待ち時間が発生することから拘束時間が長くなりやすいため、しっかり食事をとる運転手が多い傾向にあります。
また、中距離トラック運転手は短距離トラック運転手よりも平均月収が高い人が多いので、予算が高いと言えるでしょう。
長距離トラック運転手の場合
長距離トラック運転手の1食あたりの平均金額は700~1,200円です。
長距離トラック運転手は、拘束時間が数日間となる場合が多いため、毎回外食をすると食費がかさんでしまいます。
そのため、1食で2食分を食べる人が多い傾向にあり、1回あたりの食費が高くなりがちです。
また、食事をとる場所がサービスエリアのレストランになると、コンビニやファストフードよりも単価が高いので、平均金額が高くなります。
さらに、長距離トラック運転手の中には会社から食事手当をもらっている人もいます。
現役トラック運転手のリアルな声
Yahoo!の知恵袋のサイト上に、実際にトラック運転手として働いている人のリアルな食事代の相場が掲載されていたので、紹介します。
朝食: 大体毎日パンやおにぎり、お茶やコーヒーを購入しています。これで約700円です。 昼食: 定食屋やファストフードで食べて、いつも約700円くらいです。食後にコーヒーを注文すると1,000円程度になります。 夕食: サービスエリアで麺類やどんぶり、定食などを食べると800円くらいかかります。夜中にも夜食として軽食や目覚ましのコーヒーなどで700円くらいです。 節約方法があるとすれば、弁当持参して1食分に充てるか、コーヒーを水筒にいれて持っていくしかないですね。満腹すぎても眠くなりますが、空腹すぎても眠気が襲います。 |
トラック運転手が食事をするタイミング
トラック運転手は普段どういったタイミングで食事をとっているのか、短距離、中距離、長距離、運行距離ごとに紹介します。
短距離トラック運転手の場合
短距離トラック運転手はいつも決まったルートや勤務時間で働いている人が多いので、休憩時間も決められています。
ただし、渋滞やお客様の都合などで休憩時間がズレることもありますが、毎日おおむね12時ごろに昼食をとります。
中距離トラック運転手の場合
中距離トラック運転手は荷物のルートにもよりますが、荷降ろしの現場への到着時間に合わせて食事をとる人が多いです。
荷降ろしの現場に早く着きそうなら、近くで時間調整を図りながら食事をとり、ギリギリになりそうなら先に荷物を降ろしてから食事をとります。
長距離トラック運転手の場合
長距離トラック運転手は配達先が遠方になるため、少しでも距離を稼いでおこうと食事を後回しにする傾向があります。
しかし、法律上4時間運転のたびに30分の休憩を取ることが義務付けられているので注意が必要です。
以前は休憩も取らずに仕事をしている人もいましたが、最近は動態管理が厳しくなっているので、4時間ごとの休憩のタイミングで食事をとるようになってきました。
トラック運転手にオススメの食事スポット
これからトラック運転手になる方や、いつも同じ場所で食事をしているトラック運転手の方のために、こちらではトラック運転手にオススメの食事スポットを紹介します。
道の駅
道の駅は全国各地にあり、駐車場が広いので休憩スポットとしても利用できます。
地域の名産品や地元でとれた野菜を使った食事が楽しめるので、ランチにオススメです。
トラック運転手に人気の道の駅があるので、いくつか紹介します。
まずは静岡県にある「道の駅伊東マリンタウン」です。
国道135号線沿いにある道の駅で海に面しているので、海産物を使った料理が美味しいと評判があります。
また、温泉も併設しているので、休憩時間を利用してゆったりとお風呂に入れるのも人気です。
もう一つは愛知県にある「道の駅瀬戸しなの」です。
こちらには「せとめし食堂」という独特の食文化から生まれた‘‘せとめし‘‘を楽しめるレストランがあります。
ご当地グルメの瀬戸焼きそばや瀬戸山で育った瀬戸山麓牛のステーキ丼がオススメです。また、トラック運転手には嬉しいモーニングもあります。
サービスエリア・パーキングエリア
サービスエリアやパーキングエリアも、道の駅と同様にご当地グルメが楽しめるオススメの食事スポットです。
まず、サービスエリアの中でも全国的に有名なところが、東名高速道路にある「海老名サービスエリア」です。
ここは大型トラックが98台も停められる全国屈指の大型サービスエリアのため、多くのトラック運転手が利用しています。
上り線の人気メニューは「ゴロっと旨塩海老名まん」や「がってん名物海鮮丼」、下り線の人気メニューは、「海老名メロンパン」や「えびえび焼き」です。
また、パーキングエリアの中で人気なのは、東北道にある矢板北PAの上りにある食堂の「ヤシオポーク生姜焼き定食」です。
ホエーをエサにして育てたヤシオポークは、上質な脂と肉質の柔らかさで人気を集めています。
朝8時から夜の20時まで営業しているので、夜ごはんとしても利用できます。
参考:矢板北PA|ドラぷら
車内
トラック運転手は仕事の都合上、食事の時間が取れなくなる場合があります。
たとえば、配達時間に指定があったり、渋滞にハマってしまったりした場合は、ゆっくりと食事ができません。そういった時は車内で食事を済ませるのが一般的です。
車内だとしても、コンビニでお弁当を購入すればレンジで温めてくれるので、熱々のものが食べられますし、ファストフードのドライブインを利用すれば出来立ての物が食べられます。
トラック運転手にオススメしたい食事
続いて、トラック運転手にオススメの食事を4つ紹介します。
手作り弁当
節約したい方、バランスの取れた食事がしたい方には手作り弁当がオススメです。
コンビニやファストフードなどの食事も美味しいですが、お金がかかる上、栄養バランスが偏りやすくなります。
家族がいる方は協力してもらったり、一人暮らしの方は料理の勉強がてらチャレンジしたりするのもいいでしょう。
コンビニ
さくっと食事を済ませたい方はコンビニがおすすめです。24時間空いているので、好きな時にいつでも寄れる点でも便利です。
また、コンビニ飯は昔よりもメニューが充実しており、添加物や着色料にも配慮したものもあります。
タバコやお菓子など嗜好品をついでに購入することもできるので、トラック運転手にとっては最も便利な場所でしょう。
ファミリーレストラン
ゆっくりと食事をしたいトラック運転手の方にはファミリーレストラン(以下ファミレス)がおすすめです。
ファミレスは定食から丼物まで幅広い料理があり、出来立てを食べることができます。ドリンクバーやサラダバーなどもあるので、いつもより贅沢な気分で食事を楽しめるでしょう。
ただし、ファミレスは駐車スペースが限られているので、利用できるのは軽バンを運転する軽貨物運転手や、2tトラックを運転する小型トラック運転手に限られます。
ご当地グルメ
遠方まで荷物を運ぶトラック運転手にはご当地グルメがオススメです。
トラック運転手にとって食事はリフレッシュできるタイミングでもあり、1日の中の楽しみでもあります。
サービスエリアや道の駅のレストランやお土産屋で食品を購入して食べると観光気分が味わえるでしょう。
特に長距離トラック運転手は数日間に渡って運転し続けるので、ご当地グルメを楽しみにすると、モチベーションが高く仕事に臨めます。
トラック運転手ならではの食事「トラック飯」とは
トラック飯とは、車内で調理して食べる料理のことを言います。長距離トラック運転手が、食費を節約するために始められたそうです。
簡単なメニューでいえば、ポットでお湯を沸かして作るインスタントラーメンやカレーなどがあります。
本格的な方は炊飯器や電子レンジなどを持ちこんで、フライパンで調理する人もいます。調理器具やお皿は道の駅や公園で洗っているそうです。
トラック運転手が食事をする上での注意点
トラック運転手は他の職業と比べて、食べる場所やタイミングが不規則になりがちです。
また、運転には高い集中力を必要とするため、食事の仕方には十分注意をする必要があります。
そこで、こちらではトラック運転手が食事をする上での注意点を4つ紹介します。
食生活が不規則にならないようにする
トラック運転手は、長時間の運転や遠距離運転が多いため、食事の時間や量が不規則になりがちです。
運転中に食事をする人もいますが、停車場所が限られていたり、時間がなかったりすることもあるため、不規則な食生活になりやすいです。
自分の努力ではどうしようもない場面もあるかもしれませんが、極力不規則にならないよう意識する必要があります。
運転中の食事は極力控える
忙しいからと言って運転中に食事をとるのは控えましょう。運転しながらの食事は事故の要因になるからです。
たとえば、食べているものを床に落としてしまうと気を取られてしまう恐れがあります。
落とした食べ物を探している間にハンドル操作を誤ったり、前方不注意になったりなどの危険があるので、出来るだけ休憩中に食べるようにしましょう。
食後の眠気に気をつける
食事の後に眠気が襲ってきた経験は誰にでもあると思います。それは血糖値の変化によるものなので、防ぎようがありません。
この眠気は食後2時間が経てば落ち着きますが、そこまで休憩時間が取れないので、眠気対策として食べ過ぎないようにするのが効果的です。
飲酒は絶対にしない
トラック運転手に限りませんが、飲酒運転は絶対にしてはいけません。食事の内容によってはお酒が飲みたくなることもあるかと思いますが、飲酒運転は厳禁です。
なお、飲酒事故が多発していることから、2007年の道路交通法改正で飲酒運転の罰則が厳しくなりました。
具体的には以下のような内容になっています。
酒酔い運転:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
酒気帯び運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
参考:警察庁「道路交通法の一部を改正する法律(概要)について」
飲酒運転は自分の人生を棒に振るだけでなく、相手の命を奪う危険もあります。お酒は仕事後に飲むようにしましょう。
関連記事:長距離トラックドライバーの給与は?なる方法や生活など徹底解説
関連記事:きついはずのトラック運転手を続けるのはなぜ?トラックを走らせるよろこびとは
トラック運転手の食事に関してよくある質問
トラック運転手の食事事情について、よくある質問をまとめたので参考にして下さい、
トラック運転手って食事代は出る?
会社によって食事代が出るところはあります。ただし、税制上現金支給は所得税の課税対象となるため、福利厚生の1つとして給料に食事手当が含まれることがほとんどです。
トラック運転手への栄養指導ってある?
栄養指導をおこなっている企業は多くありません。しかし、ドライバーが健康でいることは安全運転のためにも重要なことです。
トラック運転手の中で特に多いのが脳や心臓疾患による病気です。
ドライバーの疾病が原因で運転を継続できない事案が増えたことから、国土交通省では自動車運送事業者が知っておくべき内容や取り組みについて下記のガイドラインを作成しました。
参考:国土交通省「自動車運送事業者における脳血管疾患対策ガイドライン」
こういったことから事業者は毎日のように運転者の健康チェックをおこなっているほか、予防や治療の対策を講じています。
関連記事
トラック運転手の食事についてのまとめ
トラック運転手は長時間の運転や遠距離運転が多いため、食事の時間や量が不規則になりがちです。
また、停車場所が限られていたり、時間がなかったりすることもあるため、満足に食事をとれないこともあります。
これからトラック運転手になる方は、これらのことを踏まえた上で、自分に合った食事スタイルを確立する必要があるでしょう。
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