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アメリカのトラック運転手は日本より稼げる?違いを紹介

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トラック運転手は世界中で必要不可欠な職種であり、日本以外で働いてみたいと思う方も中にはいるでしょう。

ただし、アメリカでトラック運転手として働く場合に満たしておくべき条件や課題もあります。

今回はアメリカでトラック運転手として働く条件や内容について解説していきます。

現役のトラック運転手はもちろん、これから目指したいという方はぜひ参考にしてみてください。

【この記事で分かること】

・アメリカのトラック運転手事情と平均年収

・アメリカのトラック運転手の働き方

・アメリカでトラック運転手として働くデメリット

・アメリカでトラック運転手になる方法

運転手事情

「物流は経済の血液」と言われるほど重要な役割を果たしており、日本はもちろん世界中でトラック運転手は必要不可欠な存在です。

現在日本ではトラック運転手が不足しており、厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると令和3年度のトラック運転手の有効求人倍率は2.06倍です。

トラック運転手が不足している理由は複数あるのですが、アメリカの場合も同じような状態と言われています。

参考:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag|トラック運転手

日本と同じく深刻な運転手不足

日本と同じくアメリカでもトラック運転手の不足が深刻化しています。

アメリカトラック協会によると、2021年10月時点でトラック運転手が8万人不足していると発表しました。

また、今後の物流需要や現役トラック運転手の年齢を踏まえて予測した数値では、2030年には16万人が不足するとも言われています。

トラック運転手不足が深刻化している理由は、業界全体で高齢化が進んでいることです。

それに加えて新規参入者が少ないため、賃金を引き上げてもトラック運転手不足の解消には至っていないのが現状です。

この2つの原因は日本にも当てはまっており、労働環境の改善や賃上げが大きな課題となっています。

参考:AMERICAN TRUCKING ASSOCIATIONS|ATA Chief Economist Pegs Driver Shortage at Historic High

アメリカのトラック運転手の年収

トラック運転手として生計を立てていくために年収が気になる方もいるでしょう。

そこでこちらでは、アメリカのトラック運転手の年収や、最近の傾向について紹介します。

アメリカのトラック運転手の平均年収

アメリカの労働統計局が公表した「大型トラックおよびトレーラートラック運転手」の年収(中央値)は48,310ドルで約533万円です。

物価が日本とは違うので一概には言えませんが、日本の平均年収を上回る数値となっています。

参考:U.S. BUREAU OF LABOR STATISTICS| Heavy and Tractor-trailer Truck Drivers

一部で引き上げが起きている

近年ではトラック運転手を確保するため、賃上げに踏み切る企業も増えてきています。

現に、世界最大の小売業者である「ウォルマート」は、2022年4月7日に自社の長距離配送運転手の初年度年収を上限11万ドル(約1364万円)に引き上げると発表しました。

勤務地や勤続年数によっては更に上がると言われており、2020年に発表されたアメリカ全体の平均年収56,310ドル(約6,190,000円)を大きく上回っています。

また、同社では商用運転免許証を取得するための教育プログラムを提供することが決定しており、トラック運転手の人材確保に向けて取り組んでいます。

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アメリカのトラック運転手の働き方

アメリカでトラック運転手として働く場合、「荷物を集荷して配達する」という作業は日本と同じです。その一方で、労働形態やトラックのタイプは日本とは異なる特徴があります。

そこでこちらでは、アメリカのトラック運転手の働き方について詳しく解説します。

オーナードライバー制

オーナードライバー制とは、トラック運転手が自分でトラックを所有し、荷物を運ぶことで収入を得る労働形態です。

「個人事業主のトラック運転手」といえば分かりやすいでしょう。

こちらの制度のメリットとして、運行スケジュールを自分で自由に決められる点があげられます。また、オーナードライバーは運賃がそのまま自分の売上となるため、収益性が高い点もメリットです。

一方で、車両の購入費用、燃料代、メンテナンス代などの出費が発生する点はデメリットです。さらに、修理や事故に備えて保険に加入する必要があるほか、仕事が不安定になりがちな点もデメリットと言えるでしょう。

ボンネットトラックがメイン

日本で走っているトラックのほとんどは、ボンネットがないタイプの車両です。

一方でアメリカやカナダではボンネットトラックが一般的です。

乗用車と同じように前方にボンネットがあります。

ボンネットトラックはトレーラータイプがほとんどであり、一度に運搬する荷物も多いことから、大型でパワフルなエンジンが搭載されています。

ボンネットが出ている分、全長が長くなりますが、アメリカは日本と比べて道路が広いため、運転しにくいとはあまり感じないでしょう。

アメリカでトラック運転手になるメリット

トラック運転手として働く以上、日本でもアメリカでも仕事内容に大きな違いはありません。

そこで、こちらではアメリカでトラック運転手になるメリットについて解説していきます。

日本と比べて給与水準が高い

アメリカの大型トラック及びトレーラートラック運転手の平均年収は約533万円です。

また、アメリカではトラック運転手を確保するために、更に賃上げをする企業も増えてきています。

一方で、全日本トラック協会が公表した「トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」によると令和2年度・日本のトラック運転手の平均年収は以下の通りです。

【男性トラック運転手の平均年収】

・けん引トラック:490万9,200円

・大型トラック:471万7,200円

・中型トラック:403万9,200円

・準中型トラック:409万2,000円

・小型トラック:419万5,200円

【女性トラック運転手の平均年収】

・けん引トラック:428万2,800円

・大型トラック:417万2,400円

・中型トラック:353万6,400円

・準中型トラック:318万9,600円

・小型トラック:303万7,200円

※賃金+賞与から年収を算出

上記データからも分かる通り、日本と比べて平均年収が高いことは、アメリカでトラック運転手になる大きなメリットでしょう。

参考:公益社団法人 全日本トラック協会|トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態

関連記事:トラック運転手で年収800万稼げる?高年収求人の特徴と注意点

アメリカでトラック運転手になるデメリット

アメリカでトラック運転手になるのは、メリットばかりではありません。

海外ならではのデメリットがいくつもあるので、こちらでは4つ紹介します。

言語の壁がある

トラック運転手として働く以前に、アメリカに住む上で英語でのコミュニケーションは必須と言えます。

読み書きはもちろん、会話ができなければ仕事の指示を受けられないからです。

ある程度話せるのであれば、働きながら覚えていくことも可能かもしれませんが、全く分からない方はアメリカで働くこと自体、現実的ではないと言えるでしょう。

道を覚える必要がある

日本でトラック運転手になる場合、働く前からある程度の土地勘がありますし、高速道路に関しても既にこれまでに利用したことのある方がほとんどでしょう。

一方で、アメリカの場合は過去に住んだ経験がない限り、全く土地勘がありません。

ゼロから道を覚える必要があるのはもちろん、アメリカの交通ルールにも慣れなければいけません。

初めての環境で大型サイズのトラックを運転するのは、かなりハードルが高いでしょう。

トラックの操作が複雑

日本のトラックの場合、中心にニュートラルがあり、左側の上下で1速・2速を操作して、中心の上が3速といった構造です。

一方で、アメリカの大型トラックは変速数が18 まであるものもあるため、シフト操作が非常に難しいと言われています。

操作を誤るとエンストを起こしてしまい、事故に繋がる恐れがあるため、トラック運転手として働く前に操作方法をしっかりと習得する必要があります。

自分でトラックを購入する必要がある

アメリカでは会社に所属しているトラック運転手は少なく、オーナードライバー制の人がほとんどです。

会社に所属するにしても、トラック所持が条件となっていることが多いです。

そのため、アメリカでトラック運転手になるのなら、まずは自分のトラックを購入する必要があります。

トラックの値段は年式や走行距離などによって異なるのですが、中古の場合も最低で100万~500万円はかかるでしょう。

購入後はガソリン代はもちろん、各種保険やメンテナンス代も発生します。

アメリカでトラック運転手になる方法

アメリカでトラック運転手として働く場合、以下の条件を満たす必要があります。

・市民権か永住権を所有する

・アメリカでトラックを運転する免許を取る

・トラックを購入する

・運送会社と契約する

以上の4つについて解説します。

⑴市民権か永住権を所有する

アメリカでトラック運転手として働く場合、一次的な労働ビザでも働けますが、必ずビザを取得できるとは限りません。

また、長期的に働くのであれば市民権や永住権を所有する必要がありますが、これらの権利は簡単に取得できるわけではありません。

たとえば、永住権を取得する方法と取得までの期間は以下の通りです。

・アメリカ人や永住権を得ている人との結婚:約1年半~

・DV抽選永住権:約2年

・アメリカへの投資(EB-5):2年~

・米国の雇用先(スポンサー)のサポート:1~5年

なお、雇用先のサポートとは、アメリカで外国人労働者を雇用する場合に、その労働者のビザ申請を支援する制度です。

こちらの制度を使えば、雇用主が外国人労働者に対して複数の労働ビザを申請できます。

あくまでもビザとはなりますが、一定の就労期間を満たせば永住権申請ができるようになります。

⑵アメリカでトラックの運転免許を取る

日本で既に大型免許を取得していても、アメリカですぐにトラックの運転ができるわけではありません。

アメリカでトラック運転免許を取得する手順は以下の通りです。

・CDL(商業用免許)の要件である18歳以上で州のごとの要件を満たし、健康であること

・CDL学校に入学し試験に合格する

・トラックを運転するための適切なCDLクラスを取得し運転経験を積む

以上の流れでトラック運転免許を取得すれば、トラック運転手としてアメリカで働けるようになります。

⑶トラックを購入する

アメリカではオーナードライバー制が一般的であるため、トラックを購入する必要があります。

使用するトラックは運搬する荷物によって異なりますが、中古車の場合は100~500万円の資金が必要です。

⑷運送会社と契約する

運転免許を取得し、トラックが準備できたら、運送会社と契約を行います。

具体的な手順は以下の通りです。

・運転履歴書を作成する

必須ではありませんが、ドライバーとして約2年以上の運転経験があると契約してもらいやすいと言われています。

・条件に合う運送会社を探す

探し方は日本の就職活動とあまり変わりません。詳細条件を確認して、条件に合う会社を見つけていきます。

・面接を受けて問題がなければ契約する

求人に応募して選考を通過すると、面接を受けられます。

契約する場合は、契約書に記載された給与や労働条件、福利厚生、各種保険などの項目に必ず目を通してサインをしましょう。

まとめ

今回はアメリカのトラック運転手事情について解説しました。

アメリカでは日本と同様に深刻なドライバー不足となっており、需要は高いと言えるでしょう。

また、アメリカのトラック運転手の平均年収は日本よりも高く、人材確保のため賃金はさらに上がっていく可能性が高いです。

ただし、アメリカでトラック運転手として働くためには、現地の運転免許の取得や言葉の壁を解決する必要があります。

また、将来的にもアメリカでトラック運転手を続けたい場合は、市民権や永住権の取得も視野に入れることをオススメします。

日本人がアメリカでトラック運転手になるハードルは低くありませんが、決して不可能ではないでしょう。就業できれば、日本でトラック運転手として働くよりも多くの収入を得られる可能性があります。

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