施工管理

電気工事施工管理の平均年収はいくら?収入アップのコツも解説

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電気工事施工管理は、電気工事全体を管理する仕事であり、電気工事を行う上で欠かせない存在となります。

電気に関する知識や工事管理経験を兼ね備えた、電気工事のスペシャリストとも言えるでしょう。

手に職を付ければ長期的に活躍できますが、電気工事施工管理者を目指す上で、年収が気になる方という方も多いのではないでしょうか。

今回は電気工事施工管理の平均年収について、詳しく解説していきます。

この記事でわかること

・電気工事施工管理の平均年収
・電気工施工管理の年収に差が出る5つのポイント
・電気工事施工管理技士におすすめの転職先

電気工事施工管理技士の平均年収

電気工事施工管理技士の平均年収は500~700万円と言われています。

厚生労働省が公表している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、電気産業(ガス・熱供給・水道業も含む)の平均年収は以下の通りです。

年齢平均賃金 ※()内は平均年収
~19歳180,300円(2,163,600円)
20~24歳213,600円(2,563,200円)
25~29歳262,900円(3,154,800円)
30~34歳333,400円(4,000,800円)
35~39歳391,100円(4,693,200円)
40~44歳434,100円(5,209,200円)
45~49歳468,800円(5,625,600円)
50~54歳536,500円(6,438,000円)
55~59歳531,400円(6,376,800円)
60~64歳290,600円(3,487,200円)
65~69歳235,200円(2,822,400円)
70歳~263,700円(3,164,400円)
全年齢平均419,700円(5,036,400円)

※平均年収は平均賃金を基に算出
参照元:厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査の概況

このデータは平均賃金のみの数値であるため、賞与が支給される場合は年収700万円を超えることも推測できます。

次は実際にある求人を基にした平均年収を紹介します。

【求人1・電気工事施工管理業務】

給与:月給400,000円
雇用形態:正社員
免許:第二種電気工事士必須、1級電気工事施工管理技士あれば尚可
福利厚生:家族手当、電気工事施工管理技士手当、通勤手当等あり
年間休日:113日
勤務時間:8:00~17:00
賞与:支給実績あり
勤務地:福岡

【求人2・食品、化学工場の電気工事施工管理業務】

給与:月給400,000円
雇用形態:正社員
免許:第二種・第一種電気工事士、1・2級電気工事施工管理技士あれば尚可
福利厚生:家族手当、資格手当、住宅手当、通勤手当等あり
年間休日:110日
勤務時間:8:30~17:30
時間外労働平均:月20時間程度
賞与:支給実績あり(年3回)
勤務地:神奈川県

【求人2・各種建築に付帯する電気工事施工管理業務】

給与:月給395,500円
雇用形態:正社員
免許:2級電気工事施工管理技士必須、1級電気工事施工管理技士があれば尚可、普通自動車免許必須
福利厚生:家族手当、資格手当、住宅手当、通勤手当等あり
年間休日:106日
勤務時間:8:30~17:30
時間外労働平均:月20時間程度
賞与:支給実績あり(年2回)
勤務地:愛知県

参照元:X Work|電気工事施工管理

求人の給与から推測される、電気工事施工管理技士の年収も500~600万円となります。

今回は電気工事施工管理技士の求人を紹介しましたが、電気工事士として働きながら、最終的に電気工事施工管理技士を目指すといった求人も複数ありました。

電気工事施工管理技士の年収は会社の規模や役職、担当する工事の規模によって異なり、中には最高年収1,000万円を超える求人もありました。

関連記事:施工管理の年収はどれくらい?職種別、業種別、年代別、経験年数別、地域別などさまざまな条件の年収を紹介!

関連記事:施工管理の年収は20代でも高い?年代別・役職別に年収を解説

電気工事施工管理技士の平均年収で差が出る5つのポイント

電気工事施工管理技士の年収は500~700万円となりますが、更に高収入を目指すことも十分可能です。

ここでは、平均年収に差が出る5つのポイントについて、詳しく解説していきます。

既に電気工事施工管理技士として働いている人はもちろん、これから会社に就職する人にも関わることですので、ぜひ参考にしてみてください。

資格の種類

電気工事施工管理者として電気工事に従事する上で、必須となるのが電気工事施工管理技士の資格です。

電気工事施工管理技士には2級と1級があり、従事できる工事の規模が異なります。

多くの会社では、福利厚生の中に資格手当を設けており、支給額は以下の通りです。

・1級電気工事施工管理技士:8,000~20,000円
・2級電気工事施工管理技士:5,000~10,000円

1級の方が従事する電気工事の規模が大きくなる分、手当も多く支給されます。

資格手当が5,000円/月と20,000円/月では年間あたり18万円も差が出るので、働きながら経験を積み、上位資格を取得すれば年収も上げられるでしょう。

ちなみに、電気工事に従事する上で欠かせない資格と言える、電気工事士の資格手当は以下の通りです。

・第一種電気工事士:3,000円~50,000円
・第二種電気工事士:1,500円~30,000円

会社の規模にもよりますが、電気工事施工管理者と同じくらいの手当が支給されています。

資格を取得すれば転職も有利になるため、積極的にチャレンジするようにしましょう。

工事の種類

電気設備は、さまざまな建物に欠かせないため、従事する工事は多岐に渡ります。

工事の規模に関しても小さな店舗の場合もあれば、マンション一棟全ての電気工事を担当することもあります。

当然規模が大きいほど予算も大きくなり、利益率も異なりますので、規模の大きい電気工事に携われるようになれば年収も上げやすくなるでしょう。

下請け金額が3,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上の大規模工事に従事するには、1級電気工事施工管理技士の資格が必要です。

鉄道電気工事や高圧送電線の配置は、高圧の電気を取り扱ったり、夜間作業となったりすることがあります。

このような電気工事では、夜間作業手当や危険作業に関する手当が支給されるため、更に年収を上げやすくなります。

就業エリア

会社の規模や従事する工事の規模にもよるため一概には言えませんが、就業エリアによっても年収は異なります。

厚生労働省が公表している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、都道府県別の賃金の詳細は以下の通りです。

【都道府県別賃金・地方の場合】
・青森県:245,000円
・岩手県:249,600円
・宮崎県:244.600円
・島根県:251,600円【都道府県別賃金・主要都市の場合】
・東京都:364,200円
・大阪府:326,900円
・神奈川:336,200円
・愛知県:317,300円
参照元:厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査の概況

地方は比較的建設工事の需要が低く、規模も小さいため賃金も低くなります。

一方で都市部の場合は大型商業施設や高層マンションの需要が多く、工事件数も多くなるため、賃金も上がり年収が高くなる傾向にあります。

地方で働いていると年収が高くならないわけではありませんが、都市部の方が年収を上げやすいと言えるでしょう。

会社の規模

建設業界は、元請け事業者と下請け事業者の重層構造となっています。

国や民間企業からの建設依頼を受けるのがゼネコンであり、その下請け事業者となるサブコンへと各工事の発注が行われます。

サブコンは工事の工程ごとに中小の事業所に発注を行い、工事を進めていきます。

ゼネコンやサブコンは企業規模が大きく、売上も多いことから年収が高い傾向にあります。

特に大手ゼネコンである大林組や清水建設では、平均年収が1,000万円前後と非常に高い水準です。

仕事内容に大きな違いはないものの、所属する会社によって年収は大きく変わると言えるでしょう。

経験年数

電気工事施工管理は工事全体を管理する役割があり、電気に関する知識はもちろん工事管理スキルが必要です。

そのため、電気工事会社に就職してすぐに従事できるわけではなく、経験を積みながら知識を身に付けて資格を取得していきます。

その中で資格取得により手当が付いたり、昇給したりして年収が上がっていきます。

また、昇格して課長や部長となれば役職手当も付くようになるため、経験年数も年収に大きく影響するポイントの一つと言えるでしょう。

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電気主任技術者の年収はいくら?資格別の違いも解説

電気工事施工管理技士の年収を他の資格と比較

電気工事で活かせる資格には、電気工事施工管理技士以外にも「電気工事士」や「電気主任技術者」があります。

資格ごとに仕事内容が異なり、平均年収は以下の通りです。

・電気施工管理技士:500~700万円
・第三種電気主任技術者(電験三種):400~500万円
・電気工事士:350万円~550万円

ちなみに仕事内容は、電気工事施工管理技士が工事全体を管理するのに対し、電気工事士は現場で電気工事作業を行います。

電気主任技術者は、工事が完成した建物の受変電設備・電気設備の管理、保守点検がメインの仕事内容となります。

電気工事施工管理技士が年収アップを狙うなら

電気工事施工管理技士として年収を上げるためには、以下のような方法があります。

・上位資格を取得する
・大手企業に転職する
・実績を積んで昇格する

この中でも一番に取り組むべきなのが「上位資格の取得」です。

2級電気工事施工管理技士の資格を取得しているのであれば、1級の資格取得を目指しましょう。

1級電気工事施工管理技士を取得できれば前述した通り、資格手当が付くようになります。

また、担当できる電気工事の規模が大きくなれば、周りからの信頼も上がり昇格もしやすくなるでしょう。

1級電気工事施工管理技士は全ての電気工事で管理者として従事できるため、取得していれば転職でも非常に有利になります。

関連記事:電気工事士はお金持ち?平均年収や収入アップの方法を紹介

電気工事施工管理技士に転職するなら今がチャンス

年収を上げるために転職を考えているのであれば、今のタイミングがチャンスと言えます。

ここでは、なぜ今が転職で年収を上げるチャンスなのか、詳しく解説していきます。

建設業界は圧倒的な人手不足

建設業界は2023年現在、圧倒的な人手不足となっており、その原因となっているのが「若手人材の参入減少」と「従事者の高齢化」です。

特に施工管理者は誰でも簡単に従事できる仕事ではないため、人材不足となっています。

国土交通省の「国民経済社会の動向」によると、建設業就業者の年齢層は以下の通りです。

【29歳以下の従事者・2016年】
・建設業:11.4%
・全産業:16.4%【55歳以上の従事者・2016年】
・建設業:33.9%
・全産業:29.3%参照元:国土交通省|国民経済社会の動向|参考資料1.データ編

 

定年退職を控えた55歳以上の従事者が多く、約10年後には全体の約3割がいなくなることになります。

そのため、電気工事施工管理技士の資格保有者は重宝されやすく、比較的容易に転職できるでしょう。

また、建設会社の中には若手人材の確保を目的として、未経験者でも歓迎しているケースもあります。

別の業界から転職して電気工事施工管理技士を目指すという方も、チャンスと言えるでしょう。

幅広く情報収集をしよう

最近では生涯雇用がなくなり、転職するのが当たり前になりつつあります。

そのため、転職サイトが増えてきており、上手に利用すれば簡単に転職活動を行えるようになりました。

スキルや職務経歴などを登録すれば、それを閲覧した企業からスカウトをもらえる転職サイトもあります。

また転職エージェントでは、転職サポートに長けているキャリアアドバイザーと一緒に転職活動を進められます。

まずは複数の転職サイトや転職エージェントに登録して求人情報の収集を行っていきましょう。

関連記事:電気施工管理はきつい?やめとけ?そうとも言えない4つの理由

電気工事施工管理技士にオススメの転職先4選

前述した通り電気工事施工管理技士を募集している企業は多く、大手企業への転職も可能です。

また、施工管理経験や電気に関する知識は、違う職種でも活かせます。

ここでは、電気工事施工管理技士におすすめの転職先を4つ紹介していきます。

大手ゼネコン

大手ゼネコンでは、下請けではなく元請けの立場として、施工管理業務を行います。

管理項目や工事の規模は若干異なりますが、これまでの電気工事施工管理の経験を十分活かすことができるでしょう。

大手ゼネコンは年収が高い特徴があるため、今よりも年収を更に上げたい場合におすすめの転職先となります。

プラントエンジニア

プラントエンジニアはさまざまな原料や製品を製造する工場施設で、設備の構築などを行います。

プラントエンジニアの中には電気系のエンジニアもあり、電気工事施工管理で培った知識を活かせます。

また、工場を作る上では資材の調達や設計、施工管理も行う必要があるため、工事管理経験も役立てられるでしょう。

設備管理

施設の設備管理会社では、施設全体の維持や保全を行い時には改修や補修工事も行います。

電気設備に関する補修や改修工事もあり、設計や施工管理で電気工事施工管理の経験を活かせます。

シフト制で業務の性質上、頻繁にイレギュラーが起こるわけではないため、残業もあまりありません。

休日も調整しやすく、プライベートを充実させたい方におすすめの転職先となります。

再生可能エネルギー業界

再生可能エネルギー業界は風力や太陽光、バイオマスといった自然を活用した発電を行います。

関連設備の建設では、電気工事の施工管理経験を活かせますし、さまざまな電気工事に携わった経験は企画・設計にも役立てられるでしょう。

最近では脱炭素(カーボンニュートラル)社会に向けて、電力会社やエネルギー企業を中心に多くの企業が再生エネルギー事業を展開しています。

再生可能エネルギー業界は、まだまだ伸びしろがあると言われており、更に需要が高まっていくと予想されています。

電気工事施工管理技士に関してよくある質問

最後は電気工事施工管理技士に関する、よくある質問について解説していきます。

今後電気工事施工管理者を目指す上で、役立つ情報となりますので、ぜひ参考にしてみてください。

「電気工事施工管理はやめとけ」と言われるのはなぜですか?

電気工事施工管理の仕事は業務量が非常に多いです。また、長時間の残業や休日出勤も珍しくなく、人間関係でも苦労する人が多いため「やめとけ」といった声があります。

遠方での工事を担当する場合は長期間の出張となることもあり、転勤もあり得るため、家族との時間も取りにくいと言えるでしょう。

しかし最近では人材不足の解消や、若手人材の確保を目的とした「働き方改革」が進められています。

工事現場ではIT・LOT技術を活用したDX化が進められており、施工管理者の負担も軽減してきています。

作業効率や工事の生産性が向上すれば、残業時間も減り休日も取りやすくなっていくでしょう。

電気工事施工管理技士の資格を取得するとどのようなメリットがありますか?

電気工施工管理技士の資格を取得すれば、主任技術者や監理技術者として電気工事に従事できるようになります。

資格手当が付いたり、今よりも条件の良い会社へ転職しやすくなったりするメリットがあります。

関連記事:電気工事施工管理でホワイトな企業の特徴とは?転職成功のコツも解説

関連記事:【2023年最新】施工管理の給料が高い理由は?年齢や学歴別に平均年収を解説

まとめ

今回は電気工事施工管理技士の平均年収について解説してきました。

電気工事管理技士の平均年収は500~700万円となり、1級電気工事施工管理技士を取得すれば更に高い年収を目指すことも可能です。

最近では建設業界全体が人材不足となっており、資格を取得すればキャリアアップを目的とした転職もしやすくなります。

まだ資格を保有していないという方は、電気工事で経験を積みながら2級電気工事施工管理技士の取得を目指すようにしましょう。

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