施工管理

施工管理の仕事で独立すると年収はいくら?独立するメリット・デメリットを解説

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指さし確認をしている男性の様子

施工管理で、独立した場合いくら稼げるのか知りたい人も多いでしょう。

一般的には、施工管理で独立した場合、サラリーマン時代より収入が高くなるケースが多くあります。また、業務量も調整でき、施工管理でよくある残業や休日出勤を減らせるようです。

しかし、独立にはメリットばかりではなく、デメリットもあります。

本記事では、施工管理で独立したケースの想定年収やメリット・デメリットについて解説します。施工管理技士で独立を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

施工管理で独立した場合の年収相場は?

フリーランスの施工管理

個人事業主(フリーランス)の施工管理者になる場合、収入は現場の規模、種類、および業務量によって大きく異なります。プロジェクトによっては、年収が300万円から3,000万円程度と幅広い範囲におよぶことが特徴です。

規模の大きなプロジェクトを担当すると、年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。個人事業主(フリーランス)の施工管理者は、会社員と比較して、大幅な収入アップを狙える可能性があります。

近年では、個人事業主(フリーランス)の施工管理を活用する会社も多いです。背景には、建設業界全体の人手不足や会社員を減らすことによる固定費削減などがあるようです。

参考:住宅内装リフォーム業 | 業種別開業ガイド | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

関連記事:施工管理の年収は20代でも高い?年代別・役職別に年収を解説

施工管理で独立するために知っておくべき3つのこと

フリーランスで独立を考えている施工管理

施工管理で独立するには、事業主として法的な手続きを踏む必要があります。施工管理で独立する際には、法人化するか、個人事業主で活動するかの2パターンです。

そして、法人化もしくは個人事業主になり、施工管理で独立する前に、知っておくべきことは次の3つです。

  • 個人事業主(フリーランス)の働き方を理解しておく
  • 施工管理と現場監督の違いを理解しておく
  • 施工管理で独立するのに必要な資格を取得しておく

それぞれについて解説します。

個人事業主(フリーランス)の働き方を理解しておく

個人事業主(フリーランス)の施工管理で働く場合、自分で案件を探して、見積もりや契約、請求などの事務作業まで行う必要があります。また、税金や保険などの手続きも自分で行わなければなりません。

個人事業主のメリットは、自分のスキルや経験に応じて報酬を決められたり、自分の好きな現場を選んで働けたりする点です。

一方、デメリットは、案件の安定性や収入の保証がなかったり、リスクや責任が大きかったりする点です。

たとえば、サラリーマンの時に、怪我や病気で長期間、労働できなくても、最長1年6か月の間、傷病手当金を受給できます。しかし、個人事業主(フリーランス)は傷病手当金を受給できないため、労働できなければ収入はゼロです。

個人事業主(フリーランス)で施工管理をするには、自己管理能力や交渉力、営業力などが総合的に求められます。

参考:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)|全国健康保険協会

施工管理と現場監督の違いを理解しておく

施工管理と現場監督の業務は、どちらも同じく建設現場の管理業務です。細かな違いは、施工管理は工事の進行全体を管理する立場であり、工程管理や品質管理、安全管理、原価管理などを担当します。一方、現場監督の業務は、施工管理が作成した計画に基づいて、具体的な現場作業の監督や職人への指導です。

つまり、施工管理は現場の責任者、現場監督は作業員の司令塔のイメージです。施工管理と現場監督の呼び方や業務内容は、会社や工事の規模によって異なるケースがあるので、注意しましょう。

施工管理で独立するのに必要な資格を取得しておく

施工管理で独立するには、最低でも『2級以上の施工管理技士』の資格取得が望ましいと言われています。施工管理で法人化する場合は、施工管理技士が最低2名、さらに1級施工管理技士が1人必要です。施工管理技士は、建設業法で定められた国家資格であり、次の7種類です。

  • 建築施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 建設機械施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士

いずれの資格も2級と1級があり、2級施工管理技士は主任技術者として請負金額4,000万円未満の一般建設業の営業所の専任の技術者や各現場に配置できます。

一方、1級施工管理技士は2級の対象範囲に加え、請負金額の規模に関係なく特定建設業の営業所の専任の技術者や各現場に配置可能です。

自分が今後、どの領域の工事に携わっていきたいのかなどを考えて、どの資格を取得するのか決めましょう。

施工管理技士の資格取得により、給与がアップしたり、キャリアアップしやすくなったり、幅広い現場で活躍できたりするメリットがあります。施工管理技士の資格を取得するには、試験に合格が必要ですが、受験に必要な実務経験などは、資格によって異なるので、事前に情報を確認しておきましょう。

施工管理で独立する3つのメリット

独立に成功した施工管理

施工管理で独立するメリットで特筆すべきは次の3つです。

  • 会社員時代より年収が高くなる
  • 仕事量の調整ができる
  • 上司に指示されない

それぞれについて解説します。

会社員時代より年収が高くなる

施工管理で独立すると、サラリーマン時代より収入が高くなる可能性が高いと言われています。独立した施工管理者の年収は、関わる工事の規模により300万円から3,000万円程度と幅広いです。

一方で、施工管理の仕事に就くサラリーマンの年収は400万円~600万円程度だと言われています。年齢別の平均年収を見ると、一番高く推移している50代でも800万円に届きません。

独立した場合、自分で案件の単価や件数を決められるため、収入を増やせる可能性が高くなり、1,000万円を超えるケースもあるようです。

出典:建築施工管理技術者 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

仕事量の調整ができる

施工管理で独立した場合、自分の好きなタイミングで案件を受けたり断ったりできるため、業務量を調整できます。たとえば、「前の現場でたくさん稼いだので3か月休もう」、「自分の得意な分野の案件だけ受けよう」などの調整が可能です。

仕事量の調整ができると、ワークライフバランスの向上に繋がります。サラリーマンで施工管理の仕事に従事する場合、残業や休日出勤せざるを得ない現場を担当しなければならないケースもあるでしょう。実際に、ワークライフバランスを求めて独立する人も多くいるようです。

一方、独立したからといって、案件を選びすぎると今後の依頼が来なくなる可能性もあるので注意が必要です。

上司に指示されない

施工管理の仕事で独立した場合、会社や組織に属さないので、上司に指示されることはありません。自分の判断と責任で、自分の段取りで業務を進められます。特に、仕事のやり方にこだわりがある人にとっては、独立して自由に働けるメリットがあります。

施工管理に限らず、他業種・他職種でも会社や組織から解放されるために独立した人は多いようです。ただし、自分の判断が間違っていた場合、トラブルや事故になるリスクもあり、自己責任です。

また、独立したからといって完全に自由ではなく、業務委託として工事現場に参画する際にはクライアントのルールには従わなければいけません。

施工管理で独立する3つのデメリット

収入が不安定な施工管理

施工管理で独立するのはメリットがある一方でデメリットもあります。独立するデメリットは主に次の3つです。

  • 収入が不安定になる
  • 主任技術者・監理技術者になれない
  • 営業と交渉をすべて自分でする必要がある

それぞれについて解説します。

収入が不安定になる

施工管理で独立すると、安定した給与や手当がなくなり、プロジェクトごとの収入に依存します。案件獲得やプロジェクトの継続が不確定であるため、月次の収入が不安定です。

建設工事の閑散期は、プロジェクト参画の競争倍率が激しくなり、案件獲得に苦戦するケースもあるでしょう。案件獲得できなかった場合は、収入が減る可能性が高いです。

他にも、病気や怪我で仕事ができなくなった場合、収入が途絶えるリスクもあります。収入が不安定になると、私生活にも影響が出るでしょう。独立する前には、十分な貯金や資金計画を立てておく必要があります。

主任技術者・監理技術者になれない

施工管理で独立すると、主任技術者・監理技術者になれないのが一般的です。主任技術者・監理技術者として働きたい場合は、元請けの会社に雇用されている必要があります。具体的には、個人事業主として施工管理の仕事を受ける場合は、主任技術者・監理技術者にはなれません。

独立して、大規模な工事や公共工事の仕事で、主任技術者・監理技術者を担うには、法人を設立して建設業の許可を取得する必要があります。

営業と交渉をすべて自分でする必要がある

施工管理に限らず独立すると、自分で仕事を探したり、見積もりや契約、請求などの事務作業を行ったりしなければなりません。また、施主や元請け、下請けなどとの打ち合わせも自分でする必要があります。

営業や交渉の仕事は、施工管理の技術とは別のスキルや知識が必要です。営業力や交渉力がないと、仕事を獲得できなかったり、不利な条件で仕事をしなければならなかったりする可能性があります。独立する前には、営業や交渉のやり方を学んでおくとよいでしょう。

施工管理の仕事で独立してから安定した仕事を獲得する方法3選

エージェントを活用して仕事を獲得する施工管理

施工管理で独立した際、一番気がかりなのは施工管理としてのスキルがあるかどうか以上に、安定した案件獲得ができるかどうかではないでしょうか。施工管理の仕事で独立してから安定した仕事を獲得する方法は、主に次の3つです。

  • 施工管理会社に直接営業する
  • 人脈を増やし紹介してもらう
  • 個人事業主・フリーランス向けのエージェントを利用する

それぞれについて解説するので、自分に合った仕事を獲得する方法でアプローチしましょう。また、それぞれの方法を組み合わせることで、効率的に仕事を獲得できると言われています。

施工管理会社に直接営業する

自分のスキルや経験をアピールして、元請けの施工管理会社から直接契約を獲得する方法です。

施工管理会社に直接営業するメリットに、仲介手数料がかからないことや、自分の希望する条件で働ける可能性が高いことなどがあります。

一方、デメリットは、営業力や交渉力が必要なことや、自分で契約書や請求書などの書類作成や管理をしなければならないことです。他にも、1つの案件を獲得するために要する時間は他の方法より長いでしょう。

人脈を増やし紹介してもらう

自分の知り合いなどをたどったり、さまざまな集まりに顔を出したりして人脈を増やし、施工管理の仕事を紹介してもらう方法です。

人脈を増やし施工管理の仕事を紹介してもらうメリットは、信頼できる人からの紹介のため安心して仕事ができる点や買い叩かれる可能性が低い点です。一般的に、人脈を増やすためには、業界のイベントやセミナー、ワークショップなどに参加し、多岐にわたってネットワークを構築する必要があります。

一方、デメリットは、人脈が少ないと仕事の獲得に繋がらない可能性が高い点です。

個人事業主・フリーランス向けのエージェントを利用する

個人事業主・フリーランス向けのエージェントやプラットフォームに登録して、施工管理の仕事を紹介してもらう方法です。

エージェントやプラットフォームを利用して仕事を獲得するメリットは、エージェントが自分に合った仕事を探してもらえたり、契約や請求などの面倒な手続きを代行してもらえたりする点です。エージェントやプラットフォームを利用して、仕事を見つけることでプロセスが簡略化され、効率良く仕事獲得できます。

一方、デメリットは、エージェントやプラットフォームによっては仲介手数料が高いことや、エージェントやプラットフォームのサポート体制や信頼度が低い場合があることです。

関連記事:建設業で働く個人事業主の給料ランキングを職種別に紹介

施工管理の仕事で独立する際によくある質問

一人親方として奮闘する施工管理

施工管理の仕事で独立する際によくある質問は次の3つです。

  • 施工管理で独立した場合は労災保険はどうなりますか?
  • 個人事業主でも建設業許可は取れますか?
  • 一人親方としてどこから仕事をもらうべきですか?

それぞれについて解説します。

施工管理で独立した場合は労災保険はどうなりますか?

施工管理で独立して、働く場合は自分で労災保険に加入しなければなりません。労災保険は事業主の全額負担です。

労災保険に加入しないと、建設現場に入れない場合があります。労災保険に加入するためには、労働基準監督署に届出を出さなければいけません。一人親方の場合は、建設業一人親方組合などに入会し、労災保険特別加入制度を利用できます。

現在、元請けの施工管理会社に対して、業務委託の施工管理者も元請けの責任として労災保険への加入を推奨していますが、雇用していないと棲み分けをして加入対象にしていないケースが多いようです。

参考:建設業の一人親方問題に関する検討会 中間取りまとめ(参考資料)|国土交通省

個人事業主でも建設業許可は取れますか?

個人事業主でも、法人と同じ要件を満たせば、建設業許可を取得できます。建設業許可を取得するための条件は次の5つです。

  • 経営業務の管理責任者
  • 専任技術者
  • 誠実性
  • 財産的基礎等
  • 欠格要件

経営業務の管理責任者と専任技術者の配置、誠実性ならびに財産的基礎があること、欠格要件がないことが求められます。個人事業主の場合、経営業務の管理責任者と専任技術者の要件を証明する書類が揃っていないと、許可申請ができない場合が多いので注意が必要です。

一人親方としてどこから仕事をもらうべきですか?

一人親方として仕事をもらう方法はさまざまあり、案件獲得におけるメリットやデメリットを踏まえて判断しましょう。

たとえば、施工管理会社に直接営業する方法は獲得した仕事について、仲介手数料がかからないことや自分の希望する条件で働ける可能性が高いことなどがメリットです。一方、デメリットとして、施工管理以外の営業力などの総合的なスキルが求められたり、仕事獲得の効率が悪かったりします。

人脈を増やし紹介してもらう方法や個人事業主・フリーランス向けのエージェントを利用する方法などを複合的に活用して、仕事をもらいましょう。

まとめ

個人事業主の施工管理

今回は施工管理の仕事で独立するにあたっての想定年収や知っておきたいこと、さらにはメリットやデメリットについて解説しました。

一般的に、施工管理の仕事で独立すると、仕事量を調整しながらも会社員時代より年収が高くなる可能性が高いです。しかし、収入が不安定になったり、主任技術者・監理技術者などの責任のある立場に就けなかったりします。

独立するメリットならびにデメリットを踏まえて、自分の将来的なキャリアビジョンを明確にしてみてはいかがでしょうか。

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