求人に応募する際に、履歴書とセットで提出を求められるのが「職務経歴書」です。
企業側が応募者のスキルや経験を把握した上で、採用するかを決める重要な書類の1つとなります。
新卒の就職活動時には作成しないため、初めて転職する際には、上手な書き方が分からないという方もいるのではないでしょうか。
今回は土木施工管理技士の仕事に応募する場合の、職務経歴書の書き方について解説していきます。
今後、転職活動をスタートしていく予定の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事で分かること
・土木施工管理の求人に応募する際の自己PRの書き方
・職務経歴書の例文
・工事経歴書の書き方
土木施工管理の職務経歴書の書き方
職務経歴書に記載する項目は主に4つあります。
・職務要約
・職務経歴
・会社概要
・担当業務
どの項目も自分の経験やスキルを企業側に知ってもらう上で、重要なものです。
項目ごとの上手な書き方について解説していきます。
職務要約
採用担当者は、限られた時間の中で多くの求人応募者の中から、面接に進む人を決定しなければなりません。
そのため、必ずしも全員の職務経歴書を細かく読み進めるわけではなく、職務要約を確認し興味を引かれた場合だけ、読み進めます。
そのため、職務要約ではこれまでに携わった業務の内容や経験年数はもちろん、もし土木に関係する学科を卒業しているなら、そのことも書き洩らさないように注意しましょう。
【職務要約例文】
土木工学を専攻し、大学卒業後に土木工事を主に扱う建築会社へと入社後、土木施工管理業務に従事。
・主に道路、トンネル工事の土木施工管理業務に従事
・道路開設工事や道路構造物工事、トンネルのシールド工事、推進工事を経験
・工事現場での安全・品質管理及び書類作成業務などを担当
土木工事には基礎工事・造成工事・外構工事があり、工事の種類も多いため、自分が従事した具体的な工事や業務内容を記載するようにします。
職務要約部分は全体のあらすじのようなものなので、細かく書きすぎないように100文字程度にまとめるようにしましょう。
職務経歴
職務経歴では、これまでに入社・退社した会社について、時系列順に記入していきます。
会社名だけではなく配属部署まで記載するようにします。
また、業務内容に関しては、「どこで・誰に対して・どんなことをしてきたのか・具体的な成果」まで分かるように記載しましょう。
規模や実績に関しては、数字で表すことがポイントです。
【職務経歴の文面サンプル】 株式会社〇〇入社 △△事業部所属
株式会社〇〇入社 △△事業部所属
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会社概要
会社概要では事業内容や売上高、資本金なども調べて記載するようにします。
施工管理の仕事では関連書類の作成も大切な業務の1つであり、職務経歴書の内容が曖昧であっては、正確で分かりやすい書類作成ができないと思われる可能性があります。
記入ミスや漏れが無いように内容に注意しましょう。
会社概要
〇〇株式会社(20〇〇年〇月~20〇〇年〇月)
事業内容:土木一式工事に関する企画、調査、設計、施工管理など
資本金:2億円 売上高43億5,000万円(20〇〇年度)
従業員数:155名
市場情報:東京証券取引所第一部上場
本社:東京都〇〇区〇〇-〇〇
担当業務
これまでに担当してきたプロジェクトを3〜4つほど記載していきます。
その他でも担当したプロジェクトがあれば、工事経歴書に記載しましょう。
具体的には、プロジェクトの期間・概要・担当業務・職位を表にまとめていきます。
業務内容がイメージしやすくなるように、なるべく具体的に記入していきます。
【担当業務文面サンプル】
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資格
保有資格では、土木施工管理に関わる保有資格全てを記入していきます。
関連のない資格に関しては、羅列すると印象が悪くなるので書かずに、面接で聞かれた場合に口頭で答えます。
土木工事の施工管理を手伝った経験が豊富であったとしても、資格がなければ主任技術者や監理技術者として工事に従事できません。
そのため、土木施工管理技士の資格は転職する上で、高い評価を得られます。
【保有資格・文面サンプル】
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土木施工管理の自己PRの書き方
土木施工管理の仕事には専門知識や経験が必須のため、自己PRでこれまでの経験が今後どのように活かせるのかをアピールすることが大切です。
ただし、施工管理の経験があまりないような場合には、別の方法で自己PRしなければなりません。
ここでは具体的な自己PR方法や、意識すべきポイントについて解説していきます。
専門性のPRは裏付けが重要
自己PRでよくある記載内容として「〇〇を経験」といった書き方があります。
経験者というだけでも一定の評価は得られるのですが、先述したように土木工事で主任技術者や監理技術者として従事するには資格が必要です。
専門的な業務経験をよりアピールするには、取得した資格も記載しましょう。
資格を保有しておらず土木施工管理業務の経験もない場合には、これまでの業務で関連するものを記載します。
土木施工管理業務では、職人への指示出しや依頼主との話し合い、周辺住民への説明などがあるため、高いコミュニケーション能力が必要です。
また、土木施工管理の仕事は現場を歩いてチェックしますし、連日残業が続くこともあり体力が必要な仕事です。
体力やコミュニケーション能力でアピールできることがあれば記載して、経験不足を熱意で補いましょう。
自己PRのポイント
土木施工管理の仕事では、土木工事における4大管理のほかに、役所とのやり取りや警察への届け出、関連書類の作成もあります。
また、必要に応じて近隣住民への説明やクレームがあった場合の対応もしなければなりません。
これらの経験がある場合には、ぜひ自己PRに記載するようにしましょう。
工事の種類に関しても、土木工事にはさまざまな種類があるため、求人内容に関連した業務を選んで記載すれば自己PRもしやすくなります。
関連記事:土木施工管理の志望動機の書き方とは?未経験者の方は必見
土木施工管理の職務経歴書の例文
最後にこれまで解説してきた内容をまとめた、土木施工管理求人の応募に適した職務経歴書の例文を紹介します。
職務経歴書 20〇〇年〇月〇日現在 【職務要約】 ・主に道路、トンネル工事の土木施工管理業務に従事 【職務経歴】
株式会社〇〇入社 △△事業部所属
【担当業務】
【保有資格】
【自己PR】 指示出しに関しては、聞いたことをそのまま信じるのではなく、必ず自分の目で現場を確認するようにしています。結果、これまでに従事してきた土木工事では事故を0件に抑えられ、予定していた工期が大幅に伸びるといったこともなく工事を完了できました。 土木工事における施工管理業務の経験はもちろん、自分が得意とするコミュニケーションを活かし、今後更に施工管理技士として貴社に貢献できるように頑張ります。 |
関連記事:土木施工管理を辞めたいときに押さえておきたい転職のコツ
土木施工管理の工事経歴書の書き方
職務経歴書について解説してきましたが、土木施工管理などの仕事を経験している場合は「工事経歴書」の提出を求められることもあります。
ここでは工事経歴書の書き方について、詳しく解説していきます。
工事経歴書とは
土木施工管理職に転職する場合、職務経歴書とは別に「工事経歴書」の提出を求められることがあります。
これまでに担当してきた土木工事の規模や工法、業務内容などを分かりやすくまとめて記載します。
職務経歴書と同様に、自分をアピールする上でとても大切な書類の1つです。
タイトルに注意する
工事経歴書は作成したことがない人がほとんどであり、タイトルを「職務経歴書」と記載してしまうケースが多くあります。
土木施工管理業務では書類作成も行うため、このような小さなミスで評価を下げてしまう恐れがあります。
作成後によく確認し、タイトルに間違いのないようにしましょう。
勤務先と勤務期間は職務経歴書と同様
工事経歴書には勤務先や勤務期間を記載しますが、職務経歴書で紹介した内容と同じで問題ありません。
「それなら職務経歴書に記載は必要ないのでは?」と考える方もいますが、この2つは全く別の書類になりますので、必ずどちらにも記載しましょう。
工事内容は具体性が重要
工事内容に関しては、できる限り具体的な内容を記載するようにしましょう。
具体的には以下のような項目を記載します。
・工事名
・請負代金額
・工期
・職責
職責では、土木工事に主任技術者・監理技術者・建設作業員のどの役割で従事したのかを記載します。
日付は和暦で書く
日付に関しては和暦で記入を行い、最後に「上記のとおり相違ありません」と記入します。
ちなみに、工事実績がないのに工事経歴書の提出を求められた場合でも、作成及び提出の省略はできません。
工事実績がない場合には、工事名の欄に「工事実績なし」と記載して提出しましょう。
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土木施工管理の職務経歴書についてのまとめ
今回は、土木施工管理職に転職する場合の、職務経歴書と工事経歴書の書き方について解説してきました。
土木施工管理の仕事は、専門的な知識はもちろん経験が重要となるため、これまでに携わった工事の内容や身に付けたスキルを記載することが大切です。
今回紹介してきた項目ごとのポイントを意識して、採用担当者が理解しやすい内容で作成しましょう。
職務経歴書や工事経歴書の書式に決まりはなく、今回紹介した書式と異なっていても問題はありません。
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