施工管理

【2024年最新】施工管理の残業時間ランキングと残業時間を減らす方法を解説

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施工管理 ヘルメットをかぶった男性

施工管理の残業時間について、詳しく知りたいと思っていませんか。

施工管理は他の業界と比較して残業時間が多いです。そのため、残量時間を減らすために転職を検討する人も多くいます。また、施工管理の中でも、業種や職種により残業時間は異なります。

本記事では、2024年最新の施工管理の残業時間ランキングと残業時間を減らす方法を解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

施工管理の平均残業時間は?

施行管理で働く人の手元

施工管理の平均残業時間は、2022年時点で51.3時間であり、全職種の平均残業時間(13.3時間)の約4倍にあたります。

労働時間の管理方法で最も多いのが『自己申告制』であり、全体の56.0%を占めています。次いで、『タイムレコーダーによる管理』が27.5%です。

自己申告制の場合、分単位の端数を切り捨てて報告するケースもあり、実際の残業時間はもう少し長くなる可能性があるのではと言われています。

参考:建設業における雇用管理現状把握 実 態 調 査 報 告 書

【業種別】施工管理の残業が多いランキング

ゼネコンの施工管理

2022年、業種別の施工管理の残業時間ランキングは次の通りです。

順位業種平均残業時間
1位ゼネコン61.2時間
2位サブコン・専門工事会社54.4時間
3位戸建て住宅50.7時間
4位プラント48.2時間
5位内装・リフォーム47.3時間
6位建築設備・建材メーカー45.1時間
7位不動産管理37.6時間

ゼネコンが最も多く、次いで、サブコン・専門工事会社、戸建て住宅と続き、それぞれ平均残業時間は50時間を超えています。ランキングの表で最も残業の少ない不動産管理でも、平均残業時間は37.6時間です。

施工管理は、どの業種でも一定の残業時間が発生しています。しかし、同じ施工管理でも平均残業時間には大きな差があり、業種ごとに労働環境の差もあるといえるのではないでしょうか。

出典:【2022年版】業種別 施工管理の残業時間|セコカンプラス

【職種別】施工管理の残業が多いランキング

設備施行管理で働く人

2022年、職種別の施工管理の残業時間ランキングは次の通りです。

順位職種平均残業時間
1位設備施工管理58.7時間
2位建築施工管理52.8時間
3位電気工事施工管理52.3時間
4位土木施工管理49.8時間
5位プラント施工管理49.5時間
6位電気通信施工管理40.8時間

最も残業時間の多い職種は設備施工管理58.7時間にも上ります。設備施工管理は特に厳しいスケジュールや短い納期に追われるため、平均残業時間が長いです。

建築施工管理、電気工事施工管理と続き、いずれも残業時間の長さが顕著です。

出典:【2022年版】業種別 施工管理の残業時間|セコカンプラス

【年代別】施工管理の残業が多いランキング

20代の施工管理

2022年、年代別の施工管理の残業時間ランキングは次の通りです。

順位年代平均残業時間
1位20代61.8時間
2位30代54.8時間
3位40代47.4時間
4位50代45.2時間
5位60代以上30.5時間

全年代の平均残業時間は51.3時間であり、20代・30代の平均残業時間が全年代の平均を超えています。

20代でゼネコンに勤める施工管理技士の平均残業時間に限定すると、実に76.2時間です。また、20代で設備施工管理に従事する人の平均残業時間は68.7時間です。

ここまで、残業時間が長くなると、若手の施工管理離れが進むのも無理はないでしょう。

出典:【2022年版】年代別 施工管理の残業時間|セコカンプラス

施工管理に関する残業時間の比較

残業する施工管理

施工管理に関する残業時間をさまざまな視点から見て、次の通り比較します。

  • 施工管理と一般職との比較
  • 施工管理会社ごとの比較
  • 建設業の仕事との比較

施工管理と一般職との比較

施工管理の平均残業時間は、2022年時点で51.3時間です。一方で、一般労働者の平均残業時間は、2023年10月のデータで14.2時間でした。施工管理と一般労働者の平均残業時間の差は概ね4倍もの開きがあります。

参考:毎月勤労統計調査 令和5年10月分結果速報|厚生労働省

施工管理会社ごとの比較

施工管理の職種を取り扱う施工管理会社のワークライフバランスランキング上位5社は、次の通りです。

順位施工管理会社平均残業時間
1位さくらインターネット株式会社10.3時間
2位トヨタ自動車株式会社27.6時間
3位株式会社ラクス17.8時間
4位SCSK株式会社23.9時間
5位ラッシュジャパン合同会社12.2時間

大企業が上位に多くランクインしています。中小企業より大企業のほうが労働環境が整っていると言えるのかもしれません。

出典:すべての求人情報|OpenWork

建設業の仕事との比較

建設業界は一般的に休日出勤があり、残業時間も長いと言われています。建設業界における2022年4月~6月の1か月あたりの平均残業時間は次の通りです。

残業の多い建設業界の中でも、施工管理の残量時間が特に長いことが見て取れます。

順位職種平均残業時間
1位施工管理35.3時間
2位設計監理/施工監理/コンストラクションマネジメント28.9時間
3位建築設計/デザイン/積算/測量26.9時間
4位設備保全/保守/設備メンテナンス22.5時間
5位技術開発/部材開発/解析/調査20.5時間
6位プラントエンジニア20.4時間

出典:平均残業時間ランキング【94職種別】 今の仕事の残業は少ない?多い? |転職ならdoda(デューダ)

施工管理の残業が改善される最新情報4選

長時間労働が是正された施工管理

残業時間が長いこともあり、施工管理の世界に飛び込む若手が少ない状況です。しかし、施工管理の残業が改善されるべく、明るい兆しが出てきています。最新情報に次の4つがあります。

  • 36協定が適用
  • 長時間労働の是正
  • 建設キャリアアップシステム制度の導入
  • ITの導入

それぞれの最新情報について解説します。

36協定が適用

36協定とは、労働基準法第36条に基づく労使協定のことで、時間外労働や休日労働についての上限や条件を定めるものです。36協定により、通常の法定労働時間を超えた勤務が必要な場合に、合意に基づいて残業を実施ができます。

2024年4月から、建設業・運送業をはじめとする一部の業種や業務に対して、時間外労働の上限規制が強化されます。また、工事現場で週休2日制が定番化しつつあるようです。

長時間労働の是正

長時間労働の是正は、働き方改革の一環として、企業や政府が労働時間の適正化に努めている動きを指します。長時間労働は、労働者の身体や精神の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、生産性の低下や人材の流出など、企業にとってもマイナスです。

長時間労働を是正するために、適正な業務量や人員配置、業務の効率化や合理化、管理者や労働者の意識改革などが行われています。

建設キャリアアップシステム制度の導入

建設キャリアアップシステムは、技能者の資格や現場での就業履歴などを登録・蓄積し、技能・経験が客観的に評価されることで、技能者の適切な処遇につなげるための仕組みです。

制度を通じて、施工管理技士に対して必要なスキルや資格の取得を促進し、労働者がステップアップできるような環境が整備されつつあります。

若い世代がキャリアパスや処遇の見通しを持てるようになり、技能者の定着率やモチベーションが向上すると想定されています。

参考:建設市場整備:建設キャリアアップシステムポータル|国土交通省

ITの導入

ITの導入とは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの情報機器や、インターネットやクラウドなどの情報技術の活用です。ITの活用により、業務プロセスの効率化や働き方改革に大きく寄与しています。

施工管理の仕事でも、最新のIT技術を活用して、業務の効率向上や情報のリアルタイムな共有が可能です。たとえば、ITを活用して計画や目的、予算や期限などを明確にし、従業員の教育やフォローができます。また、ITの導入に関する補助金や支援制度も充実しつつあります。

ITの導入により、無駄な業務時間の削減やプロジェクトのスムーズな進行が期待され、残業時間の改善に寄与するでしょう。

施工管理の残業が減らない3つの理由

長年、施工管理で働く人

2024年4月から36協定により時間外労働の上限規制が強化され、建設キャリアアップシステム制度やITが導入される一方で、施工管理の残業時間はあまり減っていません。

施工管理の残業が減らない理由に次の3つがあります。

  • 人材不足になっている
  • 工期がずらせない
  • 業務量が多くなっている

それぞれについて解説します。

人材不足になっている

施工管理に従事する人が年々減少し就業者の高齢化も進んでいるため、今後ますます人材不足に陥ると予想されています。

施工管理の人材確保が追いつかない場合、限られた人員で多くの業務をこなさなければなりません。そのため、1人あたりの業務量が増加し、残業時間が減らない理由のひとつとなっています。

工期がずらせない

建設工事は、あらかじめ計画された工期内に完了する必要があります。施工管理技士は工程管理を行い、計画通りに進めるために必要な労働力を確保しなければなりません。

工期の延長が難しい場合、時間外労働や休日出勤を増やさざるを得なくなります。

業務量が多くなっている

業務量の増加も、残業が減らない理由のひとつです。施工管理は工事全体を管理し、複数のタスクを同時に遂行しなければいけません。

さらに、設計変更、予期せぬトラブルなどが起こると、時間内労働では対応が難しくなります。

関連記事:未経験者が「施工管理はやめとけ」と言われる5つの理由

施工管理の残業時間を減らす3つの方法

残業時間の少ない業種の施工管理

施工管理の残業時間を減らすための方法は次の3つです。

  • 残業時間の少ない業種に転職する
  • 施工管理の派遣社員として働く
  • 大手のホワイト企業に転職する

それぞれについて解説します。

残業時間の少ない業種に転職する

残業時間の少ない業種への転職は、残業時間を減らすために直接的かつ効果的な方法のひとつです。たとえば、次の業種は未経験でも挑戦できる可能性があります。

  • デベロッパー
  • CADオペレーター
  • 不動産営業
  • 設備メンテナンス

不動産営業や設備メンテナンスの仕事の平均残業時間は月間20時間程度のようです。

参考:平均残業時間ランキング【94職種別】 今の仕事の残業は少ない?多い? |転職ならdoda(デューダ)

施工管理の派遣社員として働く

派遣社員として施工管理の仕事を続けるのも残業時間を減らす方法のひとつです。派遣社員は契約内での業務に制限されるため、残業時間の削減ができます。また、現場のエリアも指定できる場合もあり、通勤時間の削減も可能です。

一方で、正社員と比較して、収入の安定性や今後のキャリアについては不安が残ります。また、派遣社員の場合は、正社員ほど研修の教育課程が充実していないケースが大半です。

大手のホワイト企業に転職する

大手のホワイト企業への転職も残業時間を減らす方法のひとつです。一般的に、中小企業より大手企業の労働環境のほうが整備されているケースが多いと言われています。

建設業界でも大手企業から働き方改革が進んでおり、ITの導入もし始めています。引き続き施工管理の正社員として働きたいけど残業時間を減らしたい人は、大手のホワイト企業への転職を検討してみましょう。

ブラックな施工管理の会社を見極めるポイント3選

ブラックな施工管理

転職を検討するにあたって、ブラックな施工管理の会社を見極めるポイントは次の3つです。

  • 平均残業時間を確認する
  • 業務内容を確認する
  • ICTの導入率を確認する

それぞれについて解説します。

平均残業時間を確認する

転職活動をする際は、企業の平均残業時間を確認しましょう。ブラック企業では、過度な業務量や長時間労働が一般的です。つまり、平均残業時間が極端に高い場合は要注意です。

平均残業時間を確認して、ブラック企業を見極めましょう。

業務内容を確認する

ブラックな施工管理会社かを見極めるために、業務内容を確認しておくことが大切です。また、施工管理の業務は幅広いので業務内容を確認して、ある程度の残業時間を想定しましょう。

たとえば、施工管理でも、新築工事と改修工事では、新築工事のほうが休日出勤や残業が多いと言われています。改修工事中心の施工管理会社に絞って転職活動をすれば、労働環境の改善を図れるかもしれません。

ICTの導入率を確認する

ICT(情報通信技術)の導入率は、企業が働き方改革や業務プロセスの効率化にどれだけ取り組んでいるかを表します。ブラック企業ではICTの導入が不十分で、業務効率が悪いケースが多いです。

一方で、効果的にICTを導入している企業は、業務プロセスの合理化や情報の共有が進んでおり、従業員の負担が軽減されている可能性が高いです。ICTの導入率は、ブラック企業かどうかを判断する材料のひとつとなり得ます。

残業時間が少ない施工管理会社を探すなら転職エージェントの利用がおすすめ

転職を考える施工管理

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施工管理の残業に関するよくある質問

質問に答える施工管理経験者

施工管理の残業に関するよくある質問は、次の3つです。

  • 施工管理の仕事は残業代がでないことはありますか?
  • 施工管理は残業が多いのはなぜですか?
  • 施工管理はなぜ激務とされているのですか?

それぞれについて解説します。

施工管理の仕事は残業代がでないことはありますか?

残業代の支給は、法律に基づくルールにより定められています。通常、法定労働時間を超えて働いた場合には、残業代が支給されるべきです。

しかし、業務の性格や雇用契約によっては、一部の職種や契約形態では残業代が支給されないこともあります。施工管理の仕事でも、契約や雇用条件により残業代が支給されない場合があるようです。あらためて、雇用契約書や就業規則を確認しましょう。

施工管理は残業が多いのはなぜですか?

施工管理が残業が多い理由は複数あります。まず、工事の進捗や品質を確保するために、タイトなスケジュールが組まれることが理由のひとつです。他にも、天候や機材トラブルなどに多く見舞われたり、人材不足であったりするのが残業の多さの背景です。

施工管理はなぜ激務とされているのですか?

建設工事は多くの作業や業者が関与し、細かい作業や変更にも対応しなければなりません。結果、工事全体の複雑性を高め、施工管理技士が多くの業務を担当せざるを得なくなります。

まとめ

転職して残業時間を減らした施工管理

今回は施工管理の残業時間ランキングと残業時間を減らす方法、さらにはブラックな施工管理会社の見つけ方などについて解説してきました。

建設業界は他の業界と比較して残業が多い業界です。さらに、建設業界の中でも特に残業が多いのが施工管理です。

しかし、施工管理の仕事も就職先や働き方次第では、残業時間を減らせます。もし、残業時間を減らすために転職活動する場合は、『建職キャリア』を活用して自身に合った求人を探してみてはいかがでしょうか。

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