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トラック運転手の人気がない理由とは?現役運転手の声も紹介

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コロナウイルスが流行したことにより生活スタイルが大きく変化し、通販関連の荷物取扱量は近年増加傾向にあります。

また、EC事業も急成長しており、トラック運転手の需要は今後さらに高まると言われています。

その一方でトラック運送業界は深刻な人手不足であり、若手人材の参入は今でも少ないのが現状です。

今回は、なぜトラック運転手は人気がないのか、人手不足が深刻化している原因、今後の物流業界について解説していきます。

現役トラック運転手はもちろん、これから運送業界への転職を考えている方は是非参考にしてみてください。

トラック運転手の人気がない理由

トラック運転手は全国各地で需要がある一方で人気がなく、若手人材の参入が少ない業界と言えます。

人気がない理由としては複数あります。

きつい割に給料が安いから
拘束時間が長いから
ブラック企業が多いから
交通事故の可能性があるから

トラック運転手が不人気となっている、これらの理由について解説していきます。

きつい割に給料が安いから

トラック運転手の仕事は、目的地へ荷物を運搬するのはもちろん、荷下ろしなども仕事に含まれます。

街中でトラック運転手が重そうな荷物を積み下ろししている姿を、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

引っ越し業務の場合、これに加えて梱包作業なども行う必要があり、重い荷物をぶつけないようにトラックまで運ばなければなりません。

長距離配送の場合は、寝泊りしながら数日かけて配達することもあり、決して楽な仕事とは言えません。

このようなきつい仕事であることから、仕事量や内容に見合っていない職種というイメージを持たれがちです。

『きつくて給料が低いなら目指したくない』と考えるのが当たり前であり、若手人材の参入が少なくなっています。

拘束時間が長いから

トラック運転手によくあるのが『荷主都合による待機・渋滞などによる仕事時間の増加』です。

空港や港では、予定よりも飛行機や船の到着時間が遅れ、荷物を積み込めるようになるまでトラック運転手を待機させることは珍しくありません。

また、配達先に関しても受付時間に指定があり、早く着きすぎてしまうと待たされることがあります。

運行中に関しても交通事故や天候悪化、帰宅ラッシュなどの渋滞に巻き込まれ、なかなか前に進めないことがよくあります。

このようなことが原因で、トラック運転手は時間外労働が他の業界と比べ多いと言われています。

最近では労働環境の改善が進められ残業時間が減ってはきているものの、転職サービス『doda』が発表した平均残業時間ランキングによると、残業時間が多い職種で5位(月の平均残業時間31.1時間)にランクインしています。

参照元:転職サービスdoda|残業が少ない仕事・多い仕事は?平均残業時間ランキング【94職種別】

ブラック企業が多いイメージだから

トラック運転手は長時間労働が他の業界と比べて多く、きつい仕事と言えます。

また、トラックは一般車両と比べて大きく、ちょっとしたミスが大事故に繋がるため、常に集中しておかなければなりません。

トラックによる交通事故は全国で多発しており、中には飲酒運転や過労による居眠り運転が原因となった事例も多くあります。

このような悪質な事故はメディアでも多く報道され、それが影響して『トラック運送業界=ブラック企業が多い』といったイメージを持たれがちです。

交通事故の可能性があるから

トラックが絡む交通事故は全国各地で発生しており、サイズが大きいことから死傷者の数も多いと言えます。

2016年に発生した軽井沢スキーバス転落事故では乗員・乗客のうち15人が死亡、2021年に発生した八街市八街のトラック事故では、歩いて下校中の児童の列にトラックが突っ込み5人が死傷しました。

このような悲惨な事故がメディアで報じられることで運転手に対するイメージが悪くなり、運送業界を希望する人は少ないのが現状です。

トラック運転手に対する悪いイメージは、多くの人が持っていることから、運送業界への転職を希望していても奥さんに反対される”嫁ブロック”が多い職種となっています。

運送業界の人手不足が深刻化している原因

トラック運転手という仕事が不人気である理由について解説してきました。

若手人材の参入が少ないことは、運送業界にとって解決すべき課題となっているのですが、人手不足は他にも原因があります。

・若者の免許離れと免許制度の変更
・働き方改革によって2024年問題が発生

運送業界の人手不足が深刻化している2つの原因について解説していきます。

若者の免許離れと免許制度の変更

近年、電車やバスなどの公共交通手段が充実したことで、若者の運転免許保有者数は激減しています。

警察庁が公表している令和3年版(2021年)の運転免許統計によると、10代と20代の運転免許保有者数は約1,000万人ほどとなっており、20年前の2001年と比べると約700万人も減少しました。

参照元:警察庁|運転免許統計

そのため、トラック運送業界を目指す人材は年々減ってきています。

運転免許保有者数が減ってきているのは、免許の取得費用が高額であることと2007に実施された法改正も関係しています。

法改正前までは、普通免許を取得すれば4tトラックや6tトラックが運転できていたのですが、新たに準中型や中型の区分ができたため、トラックを運転できる免許を取得するには新たに20万円前後の費用が必要になったからです。

中小企業はこれを代わりに負担できるほどの体力はなく、若手人材の確保が難しい状態となっています。

働き方改革によって2024年問題が発生

現在、運送業界では『2024年問題』が話題となっています。

時間外労働の上限が年960時間に制限されることで、トラック運転手が今までのようには働けなくなり、運送会社の収入も減少すると言われています。

全日本トラック協会が公表したデータでは、この時間外労働年960時間を現時点で超えていると答えた企業は全体の27.1%にも及び、長距離では48.1%と約半数が当てはまることがわかりました。

参考元:公益社団法人 全日本トラック協会|トラック運送業界の2024年問題について

運賃を引き上げて収益を確保することは可能ですが、さらに運賃が安い運送会社へ依頼先を変えられてしまう可能性もあり、価格交渉は難しいのが現状です。

結果、運送業界では収益を確保できない企業が増加し、トラック運転手の収入も大きく下がるといった懸念があります。

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関連記事:トラックドライバーが不足している理由と現状

現役トラック運転手の本音

トラック運送業界が不人気である理由や、人手不足が深刻化している原因について解説してきました。

運送業界には早急に解決すべき課題がいくつかあるのですが、現役トラック運転手はこのような状態をどのように捉えているのでしょうか。

ここでは現役トラック運転手の本音について解説していきます。

学歴に関係なく採用される

運送業界は、荷物の取り扱いが増加したことなどにより需要がとても高く、今後も続くと予想されています。

入社する上で必要となるのは運転免許のみであることが多く、学歴などは不問としている運送会社がほとんどです。

そのため『他では就職が難しくても運送業界ならいつでも就職ができて、頑張った分だけ給料が増やせる』といった考えのトラック運転手が多くいます。

『ハードルが低いから底辺の人しか集まらない』といった考えは間違いであり、トラック運転手で再スタートを切っている人は多いと言えます。

給料は決して安くはない

トラック運転手は仕事量に対して給料が安いイメージを持たれがちですが、実際に働いている運転手には給料に満足している人も多くいます。

『昔ほどは稼げないけど、家族は養えている』といった意見や『子供は私立の学校に行けているし、頑張った分だけ給料を増やせるところがいい』といった声があります。

それなりの仕事をこなす必要はありますが、頑張った分だけ給料に直結するのはトラック運転手にとって大きなメリットです。

一人で仕事をするのが精神的に楽

『他に行くところがなくて仕方なしに運送業界に転職する』といった人は少なく、トラック運転手の働きやすさを意識して転職する人は多いと言えます。

その中の一つに『人間関係が複雑ではなく精神的に楽』といったことがあります。

仕事中は基本的に一人で過ごすため、後輩や上司の板挟みにあって毎日が苦痛といったことはありません。

一人で黙々と仕事に取り組めるのは、トラック運転手のメリットと言えるでしょう。

関連記事:トラック運転手の現実とは?年収や労働時間・待遇を徹底解説

それでもトラック運転手を目指す理由

トラック運転手は人気がなく、悪いイメージを持たれがちですが様々な業界からの転職者が多いという特徴があります。

その理由は他の職種や業界にはないトラック運転手ならではの特徴があるからです。

「稼げる」よりも「一人で仕事ができる」が強い

トラック運転手を目指す人は給料よりも『一人で仕事ができる快適さ』を理由としている人が多くいます。

最初は教育期間で先輩と一緒に仕事を覚えていきますが、独り立ちすると基本的に一人で仕事をこなしていきます。

周りに気を使う必要はなく、配達ノルマなどを守っていれば特に面倒な制限はありません。

周りの人に合わせる必要もなく、基本的には一日で仕事が完結することから、余計な心配や不安を家に持ち帰らなくてもいいのもトラック運転手のメリットと言えます。

トラック運転手の仕事は自動化によってなくなるのか?

近年のトラック運転手不足や荷物の取り扱い量増加の対策として、現在ドローンによる運搬やトラックの自動運転に関する実証実験が進められています。

このような取り組みは今後、運送業界にどのような影響を及ぼしていくのか、不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

ここではトラック運送業界の将来について解説していきます。

人手不足の解消に繋がる可能性

現在、物流業界の人手不足解消のために行われている実証実験は2つあります。

一つ目が『ドローンを用いた荷物の配送』です。

空を活用することで、交通渋滞の緩和や配送の無人化が可能となります。

人が密集している地域での飛行や悪天候時の対策など課題は残っていますが、今後運送業界で役立つ可能性は高いと言えます。

二つ目が『トラックの自動運転』です。

無人でトラックが配送を行うようになれば、人手不足を解消することができます。

自動運転に関しても、感知機能のみで全ての標識や横を走るバイクや自転車、伸びた街路樹などをよけて上手に走行することは難しく、一定区間のみに限定して運用が始まると予想されています。

トラック運転手の仕事がすぐになくなる可能性は低い

上記で紹介したような技術が進歩した場合『いずれトラック運転手は必要なくなるのでは』と不安になる方もいるでしょう。

しかし、近い将来トラック運転手の仕事がなくなる可能性はかなり低いと言えます。

ドローンによる配送やトラック配送の自動化は、まだまだ課題が残っており運用を開始するにはかなりの時間が必要と言われています。

また、トラック運転手の仕事は運転だけではなく、配送先での荷物の積み下ろしやその他関連業務があります。

貨物の状況に応じて積み込む順番や積み方を考える必要があり、配達先での納品に関するやり取りも重要な仕事の一つです。

これらの仕事が全てAI化するとは考えにくいでしょう。

トラック運転手の人気がない理由に関するQ&A

ここまでトラック運転手のイメージや課題、将来性について解説してきました。

他の業界から転職する場合、この他にも気になることがあるかもしれません。

ここではトラック運転手の人気がない理由に関する質問について答えていきます。

タクシー運転手やバス運転手も人気はない?

トラック運転手と似た職種にタクシー運転手やバスの運転手がありますが、この2職種に関しても人気がないと言われており、地域によっては人手不足となっています。

人気がない理由は『就業するまでに第二種免許を取得しなければならない』ということがあります。

二種免許を取得するには普通免許を取得後、3年以上の運転期間が必要であり、費用も高額です。

わざわざ高いお金を払って就職しようとする人は少なく、人手不足の原因となっています。

また、バスの運転手はトラック運転手と同様に、交通事故のリスクを不安に感じたり長時間の拘束を嫌がる人が多いと言えます。

免許取得制度のある会社を探す方法ってある?

運送業界への若手人材参入の大きな障害となっている『運転免許』ですが、最近では会社側で免許取得をサポートするケースが増加しています。

これは人手不足への対策であり、業務に必要な免許を入社後に取得できるというメリットのため、これまで以上に運送業界へ転職しやすくなりました。

このような求人は転職サイトで『トラック運転手』『免許取得サポート』などのキーワードで検索すると見つけることができます。

関連記事:トラック運転手の末路とは?運送業が底辺とは言い切れない理由

関連記事:イギリスのトラック運転手の年収は1,000万円?人手不足な理由

関連記事:トラック運転手はやめとけと言われる理由|離職率や注意点も紹介

まとめ

今回はトラック運転手が人気のない理由について解説してきました。

仕事内容がきつそうであったり、危険なイメージがあることに加え免許制度などが変更になったことから人手不足が深刻化しています。

しかし現役のトラック運転手は収入や仕事内容に満足している人が多く、トラック運転手のメリットを目的に転職する人も少なくありません。

今後は新たな配送技術の研究も進み人手不足の解消に繋がる一方で、トラック運転手の必要性は変わらないと予想できます。

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