「1人でできる仕事をしたい」「車が好きで、運転手になりたい」と運送会社への就職を希望しても、「どんな会社を選べばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、運送会社の平均年収ランキング・従業員数ランキング、運送会社の福利厚生、就職してはいけない運送会社の特徴などについて解説します。
運送会社に就職するなら押さえたい7つのこと
まず前提として、運送会社に就職するのであれば、以下の7つは知っておくべきです。
- 運送会社の平均年収ランキング
- 運送会社の従業員数ランキング
- 運送会社の福利厚生
- 運送会社の離職率
- 就職してはいけない運送会社の特徴
- 運送会社に就職するメリット・デメリット
- 運送会社に就職する上であると良い免許や資格
これらの項目は就職を検討する運送会社が優良企業なのか、待遇の良し悪しの判断ポイントとなります。
運送会社の平均年収ランキング
年収は、就職や転職を検討する際に重要なポイントとなります。ここでは、各運送会社の平均年収をランキング形式で紹介していきます。
年収が高い企業を中心に求人情報を探したい方はぜひ参考にしてください。
1位:ヤマトHD
運送会社の平均年収ランキング1位は、ヤマトHDです。
ヤマトHDは「宅急便」で広く利用されているヤマト運輸を傘下に置く企業です。
ヤマトHDの平均年収は880万円と、企業の知名度や会社の規模に見合った年収と言えます。
コロナ禍におけるネットショッピング利用の増加など、現在、個人での宅配利用は増加傾向にあります。需要も増えており、ヤマトHDは安定していると言えるでしょう。
2位:日本郵政
運送会社の平均年収ランキング2位は、日本郵政です。
日本郵政は郵便局のネットワークを利用し、郵便・貯金・保険のサービスを提供しています。郵政事業は従来国営で行われていましたが、2007年に民営化しています。
日本郵政の平均年収は770万円です。
民営化したとはいえ、物流分野では欠かせない郵便を扱っているため、収入としては安定した会社と言えます。
3位:日立物流
運送会社の平均年収ランキング3位は、日立物流です。
日立物流は、家電製品で著名な日立グループの関連会社です。
運送のイメージはあまり強くない日立グループですが、日立物流は1950年より物流全般に関するサービスを提供しています。
さらに、1980年代からは調達物流、工場内物流、販売や在庫管理など、取引企業の物流業務を一手に手がける「3PL」のサービスを展開しています。
日立物流の平均年収は750万円です。
イオングループとも取引があり、専用の物流センターの運営を担っています。
4位:近鉄エクスプレス
運送会社の平均年収ランキング4位は、近鉄エクスプレスです。
運送業界で知名度の高い近鉄エクスプレスは旅客貨物輸送、レジャーサービス、不動産などの事業を行う近鉄グループに所属しています。
海外拠点を多く展開し、航空貨物輸送、海上貨物輸送、ロジスティクスの輸配送や在庫管理まで、物流分野で幅広く事業展開をしています。
そんな近鉄エクスプレスの平均年収は740万円です。
電子機器、医薬品、エネルギーや生鮮食品など、取り扱う分野も多岐にわたっています。
5位:セイノーHD
運送会社の平均年収ランキング5位は、セイノーHDです。
カンガルー便で有名な西濃運輸を傘下に置くセイノーHDは、貨物自動車運送や倉庫業、国際物流のサービスを展開し、長距離輸送を長年手がけています。
そのため、大型トラックに乗って長距離輸送をしたいと考えている方にはおすすめの企業です。
セイノーHDの平均年収は720万円です。
また、グループ企業では、自動車学校の運営、自動車販売、タクシーなどの旅客運送など幅広く手がけています。
6位:丸全昭和運輸
運送会社の平均年収ランキング6位は、丸全昭和運輸です。
丸全昭和運輸は化学品や鉄鋼など、産業材の物流を手がけている企業です。国内外に拠点を構え、グローバル物流、国内のトラック・鉄道の輸送などを手がけ、法人向けの移転のサービスも提供しています。
そんな丸全昭和運輸の平均年収は640万円です。
物流業界全体が右肩上がりなこともあり、これからの成長次第で年収も上がる可能性があるでしょう。
7位:SBSホールディングス
運送会社の平均年収ランキング7位は、SBSホールディングスです。
SBSホールディングスは1987年設立の比較的若い運送会社です。物流業務を包括的に請け負う3PLのサービスを提供し、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ホームセンターなどの物流センターを運営しています。
SBSホールディングスの平均年収は630万円です。
近年増加しているネット通販の物流センターも運営し、運送業以外にも不動産や人材事業を手がけているため、今後の成長が期待されます。
8位:丸運
運送会社の平均年収ランキング8位は、丸運です。
丸運は1892年創業の歴史ある運送会社で、ENEOSグループに所属しています。一般貨物輸送や冷蔵冷凍物流、さらにはエネルギー輸送や産業廃棄物収集など危険物の物流も手がけています。
丸運の平均年収は620万円です。
中国やベトナムにも拠点を置き、需要が高まる国内外への物流にも対応しているため、成長性、安定性ともに高水準の会社と言えます。
9位:日新
運送会社の平均年収ランキング9位は、日新です。
日新は国内外の輸送を手広く手がける運送会社で、アジア、アメリカ、ヨーロッパに拠点を置いています。海外への引っ越しサービスでは、引っ越し以外の様々な手続きも手厚くサポートするプランを提供しています。
日新の平均年収は610万円です。
グローバルなサービスを展開し、今後の成長も期待されている運送会社です。
10位:日本通運
運送会社の平均年収ランキング10位は、日本通運です。
日本通運は運送業界の中でも長い歴史を持っており、国内外の物流サービスを提供しています。トラック・鉄道・航空・海上での輸送を行っており、精密機器や美術品など、輸送が難しく専門性の高い品物にも対応しています。
日本通運の平均年収は600万円です。
「日本通運に運べないものはない」という言葉の通り、ありとあらゆるものを輸送しています。
関連記事:トラック運転手の年収ランキングTOP5|求人で見るべき項目
運送会社に就職するなら押さえたい従業員数ランキング
続いては、運送会社の従業員数をランキング形式で紹介します。
順位 | 企業名 | 従業員数 |
1 | 日本通運 | 35,253人 |
2 | 山九 | 12,467人 |
3 | 福山通運 | 10,167人 |
4 | 鴻池運輸 | 9,425人 |
5 | 新潟運輸 | 3,200人 |
6 | 岡山県貨物運送 | 2,054人 |
7 | 日本郵政 | 1,994人 |
8 | ニヤクコーポレーション | 1,817人 |
9 | 日新 | 1,685人 |
10 | 丸和運輸機関 | 1,621人 |
1位の日本通運は2位の山九よりも2万人以上多くの従業員を抱えており、圧倒的なトップとなっています。また、10位の丸和運輸機関が1,621人と、日本通運の約20分の1の数字であることを考えると、日本通運がいかに多くの従業員を雇用しているかがわかります。
ドライバーの求人を検索する(無料)運送会社に就職するなら押さえたい福利厚生
人手不足に悩んでいる運送業界ですが、最近では充実した福利厚生を用意して求人を出している企業も少なくありません。
ここでは、運送会社で一般的な福利厚生を解説します。
昇給
昇給とは給料が上がることです。年齢や勤続年数によって昇給する場合もあれば、スキルアップや業務成績が評価されて昇給する場合もあります。
ただし、一部の運送会社では歩合制を採用して、昇給そのものがないところもあります。
入社を希望する会社が、どのような評価制度と昇給制度を採用しているのかは、入社前に必ず確認しましょう。
賞与
賞与とは給与とは別に年に1〜2回程度支給される賃金のことで、一般的に夏季と年末の時期に支給されることが多いです。
ただし、賞与の支払いは義務ではないため、会社によっては賞与がないところもありますし、賞与額の算出方法も会社によってさまざまです。
退職金
退職金とは、仕事を辞めた直後の生活を保証するために支払われる賃金です。
退職金があれば、仕事を辞めてもある程度の期間働かずに生活できます。
また、退職金は原則として正社員に対し支払われる賃金で、会社によって退職金の計算の仕方が異なるため、会社を選ぶ際には確認しておきたい項目です。
給与前払い
給与前払いとは、給料日より前に給料の一部を受け取ることができる制度です。
引っ越しや友人の結婚式など急な出費が重なったときや、緊急でお金が必要なときに重宝します。
社員寮・社宅
社員寮・社宅とは、会社が従業員に対して用意する住まいを指します。
寮や社宅は、一般的な賃貸物件よりも安く借りられ、場合によっては光熱費負担ゼロで食事がついていることもあります。
資格取得支援
資格取得支援とは業務に必要な資格の取得を会社が援助する制度です。
運送業界では、人手不足のため未経験者歓迎を掲げている会社が多くあります。人材育成や従業員のスキルアップに力を入れている会社は、入社後も従業員を大切にしてくれるでしょう。
関連記事:運送会社の給与トップ5を大公開!高収入会社への転職方法と注意点とは?
運送会社に就職するなら押さえたい離職率
離職率は応募する会社を決めるうえで大事な判断ポイントです。
離職率が高い職場は、人手不足に陥りやすく、会社に残っている従業員への負担が大きくなります。教育の機会が十分に与えられないことや、コミュニケーションを取る余裕もないこともあるでしょう。
運輸業は離職率が高いイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。
極端に高いわけではない
厚生労働省の調査によると、2021年の全産業の一般労働者の離職率は11.1%となっていますが、運輸業・郵便業の離職率は11.5%となっています。
全産業と比べて、運送業界の離職率は極端に高いわけではありませんが、年間で従業員10人に対して1人退職してしまう職場は、定着率が良いとは言えません。
対して、2021年12月の有効求人倍率を見ると、全産業の1.14倍に対して自動車運転の職業は2.25倍と、企業の求人数に対して運送会社に就職を希望する人が少ないことが分かります。
求人に対して就職を希望する人が少ないことが、人手不足に拍車をかけているのです。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について」
運送業界の離職率がそこそこ高い原因
では、なぜ運送業界の離職率は一定の数値を記録しているのでしょうか。
まずは、運送会社の仕事が体力的に過酷であることがあげられます。
長時間の運転、重たい荷物の積み下ろし作業を続けることで、腰や背中を痛めてしまうこともあります。20代、30代のうちは問題なく動けていたとしても、年齢を重ねるにつれて厳しくなり、仕事を続けられなくなる可能性もあるのです。
次に、労働環境や条件が悪いことです。
サービス残業が多かったり、夜通し作業をしなければならなかったりと、労働時間が長ければ疲労が取れず、必然的に体を壊してしまいます。また、疲労の蓄積や睡眠不足が重なると、事故のリスクも上がってしまいます。
さらに、周囲とのコミュニケーションが取りづらい環境であることも原因の一つです。
運送会社の仕事は一人の時間が圧倒的に長くなるため、上司と部下の関係が築きにくく、相談しにくい環境になりがちです。そして、人手不足から、研修時間が十分でないまま即戦力としての活躍を求められることも少なくありません。
就職してはいけない運送会社の特徴
運送業界の待遇や労働環境は改善傾向にあるとはいえ、未だにブラックな環境が改善されない運送会社も多くあります。
ここでは、就職、転職活動をする上で就職してはいけない運送会社の特徴を解説します。
採用プロセスが雑
就職してはいけない運送会社の特徴の1つ目は、採用プロセスが雑なことです。
どんな企業であっても、人を採用することには慎重になります。なぜなら、人一人を雇うためには、求人情報の掲載や各種保険の加入など、多額の費用が必要となるからです。さらに、独り立ちするまでの教育にも、膨大なお金と時間がかかります。
時間とお金をかけて雇用して教育したのに途中で辞められてしまうと、会社にとっては大きな損失となります。そのため、従業員の採用は慎重に判断する必要があるのです。
その手間や費用を省いて、必要書類の提出のみで簡単に採用を決めてしまう会社は、社員の教育に熱心でなかったり、社員に無茶な仕事を背負わせたりする可能性があります。
またひどい場合だと、車両整備などの日頃の業務にすら手を抜いていることもありえます。
少しでも採用プロセスに疑問を覚えたら、一度振り返って慎重に考え直しましょう。
社会保険に加入していない
就職してはいけない運送会社の特徴の2つ目は、社会保険に加入していないことです。
会社が人を雇用する際には、労災保険、雇用保険などの保険に加入しなければなりません。保険に加入していれば、けがや病気になったときに治療費の支払いを助けてくれたり、仕事を続けられなくなったときに失業手当が出て、生活を助けてくれたりします。
ですが、保険料は事業主に支払い義務があるため、その支払いを嫌って保険に加入していない会社もあります。そのように、保険に入っていない会社は、従業員を大切にしていない可能性があるのです。
みなし残業が多い
就職してはいけない運送会社の特徴の3つ目は、みなし残業が多いことです。
みなし残業とは、毎月の残業を見越してあらかじめ一定の残業代が支払われる制度です。
会社にもよりますが、「みなし残業が長く設定されている=長時間の残業が習慣化している」という場合があり、プライベートを犠牲にしなければならないほど、長時間労働を強いられる可能性があります。
請負契約が多い
就職してはいけない運送会社の特徴の4つ目は、請負契約が多いことです。
ドライバーと契約を結ぶ際に、通常の雇用契約ではなく請負契約を提案する会社はブラック企業である可能性が高いです。
雇用契約では、健康保険や厚生年金などの社会保険料を運送会社が負担する必要があり、労働時間に対して給料が支払われるため、残業にもお給料が支払われます。
一方、請負契約の場合は、社会保険料を運送会社が負担する必要がなく、給料も成果報酬のため、どれだけ労働時間が長くなっても給料を上げる必要はありません。
つまり、請負契約は運送会社にとって安く労働力を確保できる手段である一方、労働者にとっては、どんなに懸命に労働してももらえるお金は変わらない契約とも言えます。
そのため、請負契約で人材を多く確保している会社は、従業員に対して必要経費を惜しんでいる企業である可能性が高いのです。
車両数が少ない
就職してはいけない運送会社の特徴の5つ目は、車両数が少ないことです。
一般的な運送会社では、会社の規模や業務の量に対して、適切な従業員数を確保し、適切な車両を配置しているものです。
そのため、業務の量に対して保有車両が少ない会社は、従業員に無理な労働をさせている可能性があります。
運送会社の保有車両が適切かチェックする必要があります。
常に求人広告が出ている
就職してはいけない運送会社の特徴の6つ目は、常に求人広告が出ていることです。
「求人広告をいつも出している=常に人手不足」である可能性が高いです。新たに人を雇っても次々と辞めてしまうために、常に人手を求めているからです。その背景には、賃金が低い、人間関係が築かれていないなど、劣悪な労働環境が原因があることも少なくありません。
常に求人広告を出している運送会社には、人手不足となる相応の理由があると考えるべきです。
保有車両が古い
就職してはいけない運送会社の特徴の7つ目は、保有車両が古いことです。
最新の車両にはドライブレコーダーや自動ブレーキなどの安全機能がついています。これらの機能は、事故を防ぐだけでなく、従業員の安全を守るためのものです。
ですが、古い車両には安全機能がついていない場合も多いです。古い車両を使い続けている会社は、従業員を大切にしているとは言いにくいです。
自分の身を守りトラブルを予防するために、安全性能を十分に備えた車両を保有している運送会社を選びましょう。
取引先企業に対して立場が弱い
就職してはいけない運送会社の特徴の8つ目は、取引先企業に対して立場が弱いことです。
応募を検討する際には、応募先の会社と取引のある依頼主もチェックする必要があります。
なぜなら、就職する運送会社がいわゆる「下請け」である場合、立場が弱くなり、依頼主の都合に合わせて動かなくてはならないため、無茶な依頼で長時間拘束されることも珍しくないからです。
下請けの取引ばかりの運送会社はできるだけ避けて、少しでも労働環境の良い一次受けの運送会社を選びましょう。
運送会社に就職するなら押さえたいメリット・デメリット
運送会社への就職を検討している方の中には「運転は好きだけど、自分に向いているかわからない」と感じている方もいるのではないでしょうか。
仕事内容や仕事を通して得られること、仕事のつらさを理解しなければ、その仕事が本当に自分に向いているかは判断できません。
そこで、運送会社に就職するメリットとデメリットを紹介します。
運送会社に就職するメリット
まず、運送会社に就職すれば仕事で長時間運転することになるため、運転技術は向上します。
縦列駐車など難度の高い技術が身につくのはもちろん、徹底した安全確認など安心できる運転を自然にできるようになります。
また、仕事でいろいろな場所に行くことになるため、全国各地の地理に詳しくなります。場所ごとに違う道での運転テクニックの使い分けや裏道も知れるでしょう。
さらに、人によっては、一人の時間が長いこともメリットになります。長時間一人で運転するため、モクモクと作業をすることが好きな人に向いています。
加えて、運送会社は未経験の就職を歓迎している会社が多く、運転免許さえあれば仕事を始められるため、就職の難易度は高くありません。
運送会社に就職するデメリット
長時間の運転や荷物の積み下ろしなどの肉体労働による、体力的な過酷さは運送会社に就職するデメリットと言えます。若いうちは気にならなくても、年齢を重ねれば重ねるほど身体への負担は増加します。
また、予期せぬ荷待ちが発生して長時間の待機を強いられ、長距離運送で日をまたいで運転しなければならないこともあるため、長時間労働は避けられません。
そして、自動車を運転する以上、事故のリスクもあります。長時間運転で疲労していても安全運転を求められるため、適宜休憩を取るなどの自己管理が大切になります。
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運送会社に就職する上であると良い免許や資格
運送業界では未経験歓迎の風潮がありますが、経験者や有資格者が重宝されることは言うまでもありません。
そこで、運送会社に就職する際に役立つ免許や資格を紹介します。
普通自動車運転免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の1つ目は、普通自動車運転免許です。
普通自動車運転免許は、公道で自動車を走らせるための基本の免許です。最新の免許では、対象となる自動車は、最大積載量2t未満、車両総重量3.5t未満の自動車です。
そのため、普通免許を持っていれば、小型の1.5tトラック、いわゆる「軽トラ」を運転できます。
会社によっては免許取得を支援する制度もありますが、普通自動車運転免許は運送会社に就職するのであれば、ほぼ確実に必要となる資格であるため、就職前に必ず取得しておくべきです。
準中型自動車運転免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の2つ目は、準中型自動車運転免許です。
2017年に新設された準中型免許は、満18歳以上であれば取得できます。普通免許での運転経験も必要ないので、高校卒業後すぐに取得できれば、運送会社への就職に有利に働くでしょう。
準中型免許の対象となる車両は、最大積載量4.5t未満、車両総重量7.5t未満の車両です。
宅配便などの近距離輸送に利用される2tトラックを運転できるようになります。
出典:全日本トラック協会「トラックの免許が大きく変わります。 - 準中型」
中型自動車運転免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の3つ目は、中型自動車運転免許です。
中型免許を取得するには、満20歳以上で、普通免許や準中型免許での2年間の運転経験が必要となります。
対象となる車両は、最大積載量6.5t未満、車両総重量11t未満の車両で、近距離・中距離の輸送に多く利用されている4tトラックを運転できます。
大型自動車運転免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の4つ目は、大型自動車運転免許です。
大型免許は、バスや大型トラックなどを運転するために必要な免許です。取得条件は、満21歳以上であること、普通免許・準中型免許・中型免許・大型特殊免許の中で1つ以上を取得しており、3年以上の運転歴があることです。
対象となる車両は、最大積載量6.5t以上、車両総重量11t以上の車両で、長距離輸送や、大型資材の運搬に使われる10tトラックを運転できます。
大型自動車免許を持っていれば、運転できる車両がグッと増えるため、運送会社で運転手として活躍したい場合には必ず取得すべき免許です。
けん引車免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の5つ目は、けん引車免許です。
けん引車免許は車両総重量750kg以上の荷台や客車をけん引するために必要な免許です。けん引する車の免許が必要となるため、普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許のいずれかを取得しておく必要があります。
また、けん引車特有の運転テクニックが必要となります。特に運送会社で使用されているけん引車両は大型のものが多く、運転には危険も伴います。そのため、けん引車両を運転するまでに、大型トラックなどで充分に経験を積む必要があるでしょう。
けん引免許を持っていると、運転手として担当できる業務が増えます。スキルアップ、給料アップのためにぜひ取得したい免許です。
小型・大型特殊自動車免許
運送会社に就職する上であると良い免許や資格の6つ目は、小型・大型特殊自動車免許です。
特殊自動車とは、移動や運搬の手段として利用するよりも、農耕作業や建設作業に利用されることを目的とした車両を指します。
フォークリフトなどの小型特殊自動車免許は満16歳から、ショベルカーなどの大型特殊自動車免許は満18歳から取得できます。
ただし、特殊自動車免許は、特殊自動車で公道を走るための免許です。特殊自動車で作業を行うためには、各特殊自動車ごとの作業免許を取得する必要があります。
運送会社への就職に関してよくある質問
ここまで、運送会社の賃金や福利厚生について説明してきました。ここでは、その他によくある質問に回答していきます。
入社時に連帯保証人が必要って本当?
会社によりますが、入社時に連帯保証人が必要なこともあります。
トラック運転手の仕事には事故のリスクがつきもので、どんなに気を付けていても事故を100%防止することは不可能です。
そして、運転手が事故を起こして車両を損壊してしまったり、運んでいた商品を壊してしまったりした場合、修理代や賠償金を自分で支払わなければならない場合があります。
特に商品が高額な場合や、重大な交通事故を起こしてしまった場合は、賠償額も大きくなります。
つまり、トラブルが起きた際に備えて、連帯保証人が必要なのです。
なお、自己負担の割合は運送会社によって異なります。自己負担の割合が大きい会社では、連帯保証人にも負担を強いることになり、仮に自己負担がない会社でも、無事故手当がカットされることで、実質的に給料が減ってしまうこともあります。
入りたい会社に、トラブルの際の自己負担があるのか、自己負担の割合はどれくらいなのか確認しておきましょう。
運送業界は転職しやすい?
運送業界は、異業種からの転職であっても比較的容易に就職できます。
人手不足の運送業界は「未経験歓迎」を掲げて仕事を始めるハードルを下げることで、人手を確保しようとしています。
また、採用した人材に長く働いてもらうために手厚い待遇を用意している会社もあります。
より良い待遇を求めて、運送業界内で転職することもよくあるようです。
運送会社は年を取っても働ける?
40代、50代になっても運送会社で働くことは、以前ほど大変ではなくなりました。
運転手として長く勤めるためには、身体的な負担やストレスを軽減することが大切です。
安全性能の高い車両を揃えている会社であれば、車両の整備不足が原因のトラブルは少なく、車体の大きいトラックを扱う場合でも負担が少ない状態で運転できます。
また、シートクッションなど車内の環境をよくするためのアイテムもたくさんあるため、体を痛めることも予防できます。
年を重ねてからも運送会社で働くためには、労働環境が適切な会社を選ぶことと、体調管理を徹底することが重要です。
入社してすぐに大型トラックに乗れる?
大型トラックの運転手になりたくて、運送会社への就職を希望する人も多くいますが、入社後すぐに大型トラックに乗れるとは限りません。
すぐに大型トラックの運転をさせてくれる会社もあれば、小型のトラックで少しずつ経験を積ませてじっくり育成する会社もあり、その方針は会社によって異なります。
入社後に希望のトラックに乗れるかどうかは、自分の経験や、そのときの会社の事情で変わってくるのです。
「どうしても大型トラックに乗りたい」という場合は、入社前に会社の方針と自身の希望をすり合わせておくことをお勧めします。
免許取消されたら解雇される?
運送会社に所属する運転手が免許を取り消されても、ただちに解雇されることはありません。
なぜなら、会社は簡単には従業員(特に正社員)を解雇できないからです。それは、免許や資格が必要な業務に携わる者がその資格を失った場合でも同様で、資格が高度で専門性の高いものではない限り、会社は配置転換などの処置が必要になります。
ただし、職種限定の雇用契約や就業規則に明記されていて、免許の取消理由が飲酒運転など重大な違反の場合は、即座に解雇されることもあります。
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運送会社への就職についてのまとめ
今回は運送会社への就職について解説しました。
運送会社への就職を検討している場合は、ぜひ本記事を参考にして、運送会社の面接を受けてみてください。
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