物流業界

【例文あり】物流業界の志望動機|記載したい内容と差別化するコツ

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【例文あり】物流業界の志望動機|記載したい内容と差別化するコツ

昨今のインターネット通販(ECサイト)市場の成長に比例して、物流業界も成長を続けています。

物流業界への就職に興味を持つ人の数は年々増加していますが、物流業界の就職面接・転職面接を成功させるためには、説得力のある志望動機を用意しておくことが大切です。

そこで本記事では、「物流業界の志望動機の書き方」「物流業界の仕組みと現状」「物流業界の志望動機の例文」などを紹介します。

本記事を読めば、物流業界の内定獲得に大きく近づくことができるため、ぜひ最後まで読んでみてください。

志望動機書く前に知るべき物流業界とは

志望動機書く前に知るべき物流業界とは

物流業界の志望動機の書き方について説明する前に、まずは物流業界の仕組みや現状について詳しく解説します。

物流業界とは物を「保管」「仕分け」「輸送」することを主とする業界で、大きくは「陸運」「海運」「空運」に分けられます。

陸運は自動車や鉄道を使った輸送が主で、国内貨物輸送量の約5割を占めているのが特徴です。

陸運では「個人向け(小口配送)」と「法人向け(大口配送)」に分かれており、どちらを主に取り扱うかは企業ごとに異なっています。小口配送より大口配送のほうが一件あたりの単価は高額であるため、企業としては大口配送を取り扱うほうが利益を上げやすいと言われています。

ですが、近年はECサイトの発達により、小口配送の需要は年々高まっています。下記の表は、経済産業省、国土交通省、農林水産省が共同で発表したデータを基に作成されたものです。

参考元:公益社団法人全日本トラック協会「日本のトラック輸送産業 現状と課題 2021」
参考元:経済産業省・国土交通省・農林水産省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」

  平成2年度 平成22年度 平成27年度
1件あたりの貨物量 2.43トン/件 0.95トン/件 0.98トン/件
物流件数 13,656,000件 24,616,000件 22,608,000件

また、トラック輸送に限定すると、トラック運送事業の市場規模は物流市場全体の約6割を占めているというデータを全日本トラック協会が公表しており、陸運においてトラック輸送は欠かせない存在となっていることがわかります。

海運は船を使った輸送が主で、国内貨物輸送量の約4割を占めています。
輸送船には「定期船」「不定期船」「旅客船」など様々な種類があり、自動車や鉄道よりも一度に大量の荷物を輸送できるのが大きな特徴です。
また、日本船主協会によると、海運は日本における貿易の99%を占めており、島国である日本にとっては不可欠な存在となっています。

参考元:一般社団法人日本船主協会「海と船のQ&A」

空運は航空機を使った輸送が主で、国内貨物輸送量に占める割合としては1割未満です。

陸運や海運のような大量輸送や重量品輸送には向かない一方、空運には「短時間で運べる」という最大の特徴があるため、軽量な高付加価値商品や緊急性の高い品物の輸送には最適です。

志望動機書く前に知るべき物流業界の職種について

志望動機書く前に知るべき物流業界の職種について

物流業界の職種は倉庫管理やドライバー、運行管理者、営業など多岐にわたりますが、本記事では「サービス職」と「事務職」の2つに分けて説明します。

サービス職はドライバーや操縦士、倉庫管理者などが該当します。航空分野ではCAやグランドスタッフもサービス職に該当します。

一方の事務職は現場業務のサポートを行う職種です。企画や営業、販売促進、スタッフ管理などがこれに当たります。

物流業界への就職を検討する場合は、まず「サービス職」と「事務職」のどちらを希望するのかを明確にしておきましょう。

志望動機書く前に知るべき物流業界の動向

志望動機書く前に知るべき物流業界の動向

物流業界は近年のECサイトの発展により、国内最大規模の成長産業となっています。ここでは、そんな物流業界の動向を深堀りして解説します。

物流業界の業績推移

国土交通省によると、令和元年度の物流業界の営業収入は28兆5,813億円でした。

参考元:経済産業省・国土交通省・農林水産省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」

また、経済産業省によると、令和3年度の宅配便取扱個数は49億5,323万個で、その内トラック運送は48億8,206万個でした。

参考元:経済産業省「令和3年度 宅配便取扱実績について」

前述の通り、近年はEC市場の拡大、さらにはフリマアプリによる個人間取引の増加により、宅配便の取扱個数は増加傾向にあります。このEC市場の拡大が、運送業界の業績引き上げに大きく関与しているのです。

ドライバー不足が深刻化

物流業界の成長は今後も継続することが予想されていますが、急激な市場の成長に伴い、現場ではさまざまな問題が発生しています。

その一つが、「2024年問題」です。

現在物流業界では、ドライバーや作業員の人材不足が深刻化しています。人手が足りなくなると、必然的に一人のドライバーが長時間稼働しなければならなくなるのですが、2019年に労働基準法が改正されたことで、時間外労働に上限が設けられました。

具体的には時間外労働は月45時間・年360時間が上限となり、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間、複数月平均80時間以内(休日労働を含む)、月100時間未満(休日労働を含む)を超えることができなくなりました。

さらに、時間外労働が月45時間を超えられるのは、年間6か月までという制限も設けられています。

出典:厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」

ですが、この上限規制実施に関しては、自動車運転や建設事業、医師など一部職種に関しては5年間の猶予が設けられていました。つまり、2024年3月31日までは時間外労働の上限を考慮しなくても許されているのです。しかし、2024年4月1日からはこれまで猶予が設けられていた職種にも改正労働基準法が適用され、強制的に時間外労働に上限が設けられることになります。

これが、物流業界の「2024年問題」です。

このような背景から、現在物流業界では業務効率化や省人化が進められているのです。

オートメーション化の浸透

物流業界が進める業務効率化施策の一つが、オートメーション化です。

オートメーションとは、コンピュータやロボットを使って作業を自動化することを表し、特に物流業界では倉庫内での商品仕分けや在庫管理において、オートメーション化が進められています。

倉庫作業をオートメーション化することで人手不足や労働環境の改善が可能となり、人件費削減にもつながります。もちろん、導入前の制度設計の段階や導入時に一定のコストと労力は必要ですが、長期的に考えれば、圧倒的にメリットの方ほうが大きいと言えます。

また、近年ではジャストインタイム(必要なものを、必要なときに、必要な量だけ生産する生産管理システム)や、倉庫を使わずに品物をダイレクトに消費者に届ける手法が一般化しつつあります。これらの仕組みを導入することで、倉庫内の在庫削減や保管期間の短縮が可能となるため、多くの企業が注力しています。

総合物流センターの積極的活用

さらに、近年では総合物流センターの積極的な活用も進んでいます。

物流センターとは、商品の「入荷」「保管」「ピッキング」「流通加工」「検品」「包装・梱包」「出荷」までを一気通貫で行う施設のことで、保管が主目的である倉庫と比較すると圧倒的な利便性の高さを有しています。

自社に物流センターを導入すれば商品発送前に必要な業務の全てを行えるため、業務をかなり効率化できます。ですが、自社で物流センターを設置するには莫大な資金が必要となるため、すべての企業で設置が可能なわけではありません。

そこで登場するのが「総合物流センター」です。

総合物流センターは、各企業から委託されて商品管理を行う施設で、自社で物流センターを設置できない規模の企業でも利用が可能となっています。

この総合物流センターを利用することで、各企業の人手不足や労働環境が改善され、物流業界の「2024年問題」にも備えられるようになるのです。

物流業界の志望動機にアピールできる内容

物流業界の志望動機にアピールできる内容

ここまでは物流業界の内情について解説してきましたが、続いては、物流業界に就職を希望する場合にPRすべきポイントについて解説します。

物流業界の就活でPRすべきポイントは3つあります。

運転スキル

物流業界の就活でPRすべきポイント1つ目は、運転スキルです。

これは主に陸運のドライバー職に限られますが、そもそも運転免許がなければ就職はできません。そして、自動車の運転スキルは大きなPRポイントになります。

もちろん、就職後に運転スキルを身に付けることもできますが、就職前にすでに一定の運転スキルがあれば、物流業界の就職では大きなプラスポイントになります。

体力

物流業界の就活でPRすべきポイント2つ目は、体力です。

物流業界は基本的に「物」を運ぶ仕事のため、体力勝負になる場面は多いです。そのため、体力がある人材は物流業界の企業には魅力的に映ります。

例えば、過去にスポーツ経験や工事現場などのアルバイト経験があれば、自己PRのエピソードとして最適です。他にも「朝に強い」「持久力がある」などは体力をアピールするのに効果的です。

基礎的なパソコンスキル

物流業界の就活でPRすべきポイント3つ目は、基礎的なパソコンスキルです。

ドライバーのようなサービス職ではなく、事務職として勤務する場合には基礎的なパソコンスキルは必須となります。そのため、事務職を希望するのであれば、パソコンがある程度できることをアピールするべきです。

その際は単に「パソコンができる」というだけでなく、「WordやExcelが使える」「Photoshopで画像編集ができる」など「パソコンでどのような作業ができるのか」まで具体的に伝えるように意識しましょう。

物流業界で志望動機を書く3つのコツ

物流業界で志望動機を書く3つのコツ

ここからは、物流業界の志望動機の書き方について解説します。物流業界の志望動機を書くコツは3つあります。

①なぜ物流業界で働きたいのか

物流業界の志望動機を書くコツの1つ目は、「なぜ物流業界で働きたいのか」を伝えることです。

これは物流業界に限った話ではありませんが、就活の選考を勝ち抜くためにはしっかりとした志望動機が必要不可欠です。

「国内には様々な業界がある中で、なぜ物流業界を志望しているのか」「なぜ物流業界でなければいけないのか」といった質問に明確に答えられるようにしておく必要があります。

また、物流業界の志望動機としてあげられやすいものは以下の通りです。

  • 貨物の運搬を通して世界を豊かにしたい
  • 全国に荷物を届けることで人々の生活を支えたい
  • 輸出入に関わって日本の経済を支えたい

ただし、これらの志望動機をそのまま使うとテンプレと思われてしまう可能性が高いため、使用する際は自分自身のエピソードを付け加えて、オリジナリティを出してみましょう。

②なぜその企業で働きたいのか

物流業界の志望動機を書くコツの2つ目は、「なぜその企業で働きたいのか」を伝えることです。

一口に物流業界と言っても、陸運・海運・空運で業務内容は大きく異なりますし、サービス職が事務職かでも変わります。企業によって得意とする分野も異なるため、「この分野のこの仕事がしたいから、御社に入りたいんです」ということを具体的に伝えましょう。

「物流業界にはたくさんの企業がある中で、なぜその会社を選んだのか」をしっかり伝えられれば、選考突破にグッと近づきます。

③何で貢献できるのか

物流業界の志望動機を書くコツの3つ目は、「何で貢献できるのか」を伝えることです。

物流業界の仕事では特別なスキルが必要とされる業務が多く、採用側もある程度のスキル、もしくはそれに準ずる資格を持っている人を採用したいと考えています。

そのため、これまでの職務経験や保有資格で物流業界の就職に活かせそうなものがあれば、「自分はこのようなスキルや資格があるので、このような形で御社に貢献することができます」と積極的にアピールしてみましょう。

「自分が何をしたいのか」だけではなく「自分が貢献できることは何か」も伝えられれば、採用担当者に好印象を与えられます。

関連記事:物流業界の志望動機の例文を輸送法別・職種別に紹介

物流業界の志望動機を書く際は企業研究も重要

物流業界の志望動機を書く際は企業研究も重要

志望動機を書く上で、企業研究は欠かせません。企業研究を行うことで、「この企業では自分のスキルを発揮できるか」がわかり、企業とのミスマッチを割けることができます。

ここでは、物流業界の企業研究で重要なポイントを2つ紹介します。

どこの分野でニーズがあるのか

物流業界の企業研究で重要なポイントの1つ目は、物流の仕事がどのような分野で必要とされているのかを知ることです。

一般的には知られていない部分で特定の業界のニーズがあるということは珍しくありません。例えば、証券業界はインフラやメーカーが発行する社債の販売を代理で行うことで、それらの企業の資金調達の手助けをしています。これは、証券会社のニーズがインフラやメーカーにあることを示しています。

物流業界も同様で、身近なところでは宅配便や引っ越しなどがイメージできると思いますが、それ以外にも様々なニーズが存在します。

例えば、製造業界では材料や製品の輸出入の際に物流が重要な役割を果たしますし、医療現場では緊急時の薬の空輸などで物流が役立ちます。

このように、一般的には知られていないような分野のニーズまでしっかりと把握しておくことで、中身のある企業研究をすることができるのです。

どのような人材にニーズがあるのか

物流業界の企業研究で重要なポイントの2つ目は、物流業界ではどのような人材が必要とされているのかを知ることです。

物流業界には数多くの職種が存在しますが、それぞれの職種で必要とされる能力は少しづつ異なります。例えば、トラックドライバーには体力や運転スキルが求められますが、ドライバー管理の職業には、コミュニケーション能力やマネジメント能力が求められます。

これ以外にも、マーケットの動向を見る分析力や情報収集能力、新規の取引先を開拓する営業力など、職種によって異なる能力が要求されます。

そのため、「物流業界ではどのような人材が求められていて、かつ自分の希望する職種ではどのような力が重視されるのか」は、物流業界の企業研究で絶対に押さえておくべきポイントなのです。

関連記事:配送業で未経験の方でも受かる志望動機とは?(例文付き)

物流業界の志望動機:よい例文|3選

物流業界の志望動機:よい例文|3選

では、ここからは物流業界の志望動機の例文を紹介していきます。まずは良い例文を3つ紹介します。

例文①

私は、顧客の元に商品を効率よく迅速に届けたいという思いから、物流業界を志望いたしました。その中でも貴社を志望したのは、業界トップレベルの物流システムが整備されており、効率よくスピード感を持って業務に取り組めるからです。

私は学生時代にカフェのアルバイトでシフト管理を担当しており、私以外のスタッフからシフト希望を聞き、シフトを調整して作成していました。しかし、シフト管理は店舗のバックヤードのシフト希望表に各自が書き込む形式で行っていたため、希望を書いていない方には直接連絡して聞かなければならず、シフト作成が期日までに間に合わないこともありました。そこで、少しでも効率よくシフトを作成するために、店長にかけあってオンラインの日程調整ツールを店舗に導入してもらいました。それによって、スタッフのシフト希望をスムーズに漏れなく集められるようになり、シフト管理業務の効率化が実現しました。

貴社に入社しましたら、アルバイトで培った業務効率化への意識を活かして、少しでも早く顧客の元に貨物を届けられるよう、効率化を意識して業務に努めます。

「業務効率化」という軸で自分の強みをアピールできており、「その強みを物流業界の仕事でも活かせそうだな」とイメージがしやすい志望動機になっています。

例文②

商品を世界中に届けることで多くの人々を笑顔にできると考えたため、物流業界を志望いたしました。その中でも貴社は海運業界のリーディングカンパニーとして、国内外の数多くの人々の生活を支えている点に惹かれて志望いたしました。

私は神戸出身で家の近所には港があり、貿易船が身近な環境で育ちました。貿易船で日本から海外に商品を届けたり、反対に海外から日本に商品が届いたりする様子は、幼いながらも「たくさんの人の役に立っているんだな」と感じました。さらには、クルーズ船に乗って旅をしたときにお客さんの楽しそうな顔を見て「海運業は直接的にも間接的にも人を笑顔にできる仕事なんだな」と実感し、海運業を通してより多くの人を笑顔にしたい思いが強くなりました。

貴社に入社後は、海運を通して国際物流の発展に貢献することはもちろん、より多くの人を笑顔にできるように努力します。

自分自身が「なぜ物流業界、特に海運を選んだのか」がよくわかる内容となっています。ここまで説得力のある志望動機を見せられると、採用担当者の印象にも残りやすくなるでしょう。

例文③

私はシステム開発を通じて荷物の受け取りを効率化させたいと考え、物流業界を志望いたしました。その中でも貴社を志望したのは、いち早く全社をあげてのDX化に取り組み、物流業界に革新をもたらし続けていると感じたからです。

例えば、不在時の再配達の手間を減らすために荷物の置き配が可能な電子ロッカーを導入したことや、これまで紙ベースで行われていたドライバーの管理をすべてパソコンのクラウド上で行ったことなどは、運送業界の問題解決の大きな糸口となったと考えています。

私は学生時代にDX推進を支援する企業でインターンをしており、営業担当として企業や官公庁との顧客折衷をしていました。貴社に入社後は、そのインターンで培ったDX支援の知見を活かして、物流業界のDX化を加速させられるように努めて参ります。

物流業界の課題の一つである「DX化」に対して、自身の経験を活かして課題解決の意欲を示している志望動機です。このように業界全体の課題を理解し、それに対する課題意識をアピールできると、「業界研究・企業研究がしっかりできているんだな」と思ってもらえます。

物流業界の志望動機:悪い例文|3選

物流業界の志望動機:悪い例文|3選

続いて、物流業界の志望動機として悪い例文を3つ紹介します。それぞれの例文の良くない部分もしっかりと解説しているので、いい例文同様に参考にしてみてください。

例文①

私が物流業界を志したのは、物流が人々の生活に必要とされているものであると感じたからです。

私は学生時代にアルバイトで個別指導の塾講師をしており、担当していた生徒を第一志望の大学に合格させることができました。そして、担当していた生徒に「○○先生のおかげで第一志望に合格できました。本当にありがとうございました!」という言葉をかけてもらえたとき、これまで感じたことのないような喜びと幸福感に包れました。これまでの人生では、ここまで誰かに感謝された経験はなかったのですが、この経験を通じて「誰かのために働くことが自分にとっての幸せに繋がるんだ」と実感し、自分の進むべき道が決まりました。

そういった意味で物流の仕事はあらゆる場面で多くの人の役に立っており、仕事を通じて自己実現ができると考えたため、御社を志望しました。

エピソードがしっかり書かれている点は悪くありませんが、そのエピソードと物流業界を志望した理由の繋がりが「誰かのために働きたいと思ったから」では抽象的すぎるため、相手への印象は薄いものとなってしまいます。

また、物流業界の志望動機は語られているものの、「なぜその企業を志望したのか」が明記されていない点もマイナスです。この志望動機だと「物流業界ならどこでもいいのか」と思われてしまいます。

さらに、「自己実現したい」という「自分軸」の話ばかりで、「自分は企業に対して何が貢献できるのか」に言及していない点も良くないポイントです。

例文②

私は学生時代、海外の発展途上国に小学校を建設する活動に参加していました。発展途上国の孤児院で現地の子どもたちと接したこともありますが、孤児院は設備が老朽化しているところばかりで、生活に必要なものはほとんど揃っていませんでした。さらに、食事を満足に食べられない人ばかりで、ほとんどの人が痩せ細って今にも倒れそうな様子でした。これまで日本での豊かな生活しか経験してこなかった私にとってその光景はあまりにも衝撃的で、最初の数週間はその現実から目を逸らし、現地の子どもたちとの交流を避けてしまっていました。

ですが、それでは「自分は何のために海外まで来たのかわからない」と思い、目の前の現実を受け入れ、子どもたちとも積極的に交流し、最後は現地に小学校を立てて、多くの子どもたちの学習機会を作ることができました。そして帰国後、直接的な支援では根本的な貧困を変えることはできないため、もっと上流から支援することで問題解決をしたいと考えるようになりました。

その点、物流業界であれば発展途上国に物資を輸送することで、貧困問題を根本から解決できると考えています。そして、貴社は国内に加えて海外輸送にも強いため、業務を通じて私の目標を実現することができると感じ、貴社を志望しました。

この例文もエピソード自体は悪くありませんが、肝心の志望動機の内容が薄くなってしまっています。志望動機を伝える際は、まず文章の最初で「自分はなぜ物流業界を志望しているのか」「その中でもなぜ貴社を志望しているのか」を伝えなければ、採用担当者からの印象はプラスにはなりません。

また、大きな夢を語ることはいいことですが、例文のように大きすぎる夢は「それって物流業界じゃなくてもできるよね?」という感想を与える可能性もあります。

そのため、自分の目標を書く際は、もっと目標の範囲を絞って書くか、目標とそれを実現するためのプロセスを明確にしなければ、読み手には理解されにくい文章になってしまうのです。

例文③

私はトラックが好きで、トラックの運転をしたかったので、貴社を志望しました。

学生時代はアルバイトでお金を貯めて自分で車を買い、暇を見つけては日本各地にドライブをするぐらい、車が好きでした。社会人になってからも自動車への熱は冷めず、一度知り合いを通じてトラックの助手席に乗せてもらう機会があったのですが、運転席から見える景色や走行中の振動は、普通の自動車とは比べ物にならないくらい最高のものでした。そこからトラック運転手になるために勉強して、最近ようやく資格を取ることができました。

トラック運転への気持ちは誰にも負けない自信はあるので、貴社に入社しましたら、誰よりも前向きに業務に取り組んで、成果を上げて貴社に貢献したいと考えております。

「自分が好きだから」という理由しか語られておらず、志望動機としては弱すぎます。もちろん、好きであることをアピールするのも大切ですが、それはしっかりとした志望動機がある際のおまけとして使うべきで、志望動機の軸を「好きだから」にするのは好ましくありません。

仮に、百歩譲って「好きだから」を志望動機の軸にするのはいいとしても、その割にはエピソードも弱すぎます。「この人はとんでもなくトラックが好きなんだな」と採用担当者を思わせるぐらいの強いエピソードを盛り込まなければ、プラスの印象を与えることはできません。

以上のことから、全体的に中身の薄い志望動機となってしまっています。

物流業界の志望動機が書ければ転職が有利になる

物流業界の志望動機が書ければ転職が有利になる

ここまで紹介してきたように、物流業界はECサイト市場の拡大に伴って注目を集めている業界です。ですが、業界全体として人手不足が深刻化しており、人手不足の解消を求めて積極雇用を拡大している企業もあります。

そんな成長産業である物流業界は今後も志願者の増加が予想されます。志願者が増えれば、それだけ就職の難易度は高まりますが、その中で志望動機をしっかりと書けることは大きなアドバンテージとなります。履歴書やESなどの書類選考はもちろん、面接でもしっかりと伝えられるように練習しておきましょう。

ポイントを正しく理解しておけば、採用担当者の印象に残る志望動機を作成できるため、妥協せずに納得のいくまで改善を重ねることが大切です。

関連記事:物流事務の志望動機の書き方は?新卒・中途・未経験別に解説
関連記事:ルート配送の志望動機の例文4選|書き方のコツ・ES・面接対策・NG集・逆質問対策も徹底解説!

物流業界の志望動機に関するまとめ

物流業界の志望動機に関するまとめ

いかがだったでしょうか。今回は物流業界の志望動機の書き方や志望動機の例文について解説しました。

物流業界への就職を検討している場合は、ぜひ本記事を参考にして、自分の希望する物流会社への就職に挑戦してみてください。

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