運行指示書の作成は、手間がかかり大変ですよね。本記事では、運行指示書の作成方法や注意点までわかりやすく解説しています。効率化する方法まで説明しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・運行指示書は運行管理者がおこなう
・運行指示書は運行管理システムを利用すると便利
・連続運転時間は厳守する
運行指示書とは?
運行指示書は運転者の、運送計画を詳細に記載した重要な書類です。書類には運行予定時刻や休憩時間・到着時間などが含まれます。
また、運行指示書の作成は、貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の3※1)により、交通・運輸業に関する事業所に義務付けられています。作成手順は、以下のとおりです。
- 配送先の確認をする
- 運行ルートを決定する
- 休憩時間の設定をおこなう
- 運行時間を算出する
- 運行指示書を作成する
運行指示書を作成する際は、トラックでの運行ルートや運転者の氏名、乗務日時など、ミスがないように作成しなければいけません。事前にしっかり準備しておきましょう。
出典:※1)国土交通省「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」
運行指示書に必要な7つの項目
運行指示書は、交通・運輸業における安全と効率の基盤を形成する重要な書類です。以下7つの記載が必要になるので、よく確認しておきましょう。
1. 運行管理者の名前を明記する
2. 運行日を記載する
3. 運行に使用する車両番号を記載する
4. 運転手の名前を明記する
5. 運行ルートを記載する
6. 運行計画の時刻を書き込む
7. 休憩時間の合計を記載する
運行指示書が必要な場面
運行指示書は、交通・運輸業における多くの場面で必要とされる書類です。とくに複雑なルートの配送や長距離の運転、複数の荷物を取り扱う場合には必要不可欠になります。
運行指示書がなければ適切な運行がおこなえないため、しっかりと記入することが大切です。指示書を作成する際に詳細を明記し、運転者にも事前に通達しておきましょう。
運行指示書を作成することで、安全な運行を実現し、自社の信頼獲得にもつながります。
運行指示書を作成する3つの方法
運行指示書を作成する3つの方法を紹介します。
- 市販されている運行指示書に手で記入する
- エクセルやPDF形式で作る
- 運行管理システムで作成する
それぞれ見ていきましょう。
市販されている運行指示書に手で記入する
市販の運行指示書に手で直接記入する手法は、もっともシンプルな方法です。
運行指示書に必要な項目があらかじめ記載されているため、手書きで記載するだけで簡単に作成できます。
また、市販の運行指示書は、さまざまな種類が販売されているため、業務内容にあわせて選べます。コストが低く手軽に作成できますが、記入漏れや管理の手間などがかかることを考慮して利用するようにしましょう。
エクセルやPDF形式で作る
パソコンで運行指示書を作成する場合、エクセルやPDFで作成できます。市販の運行指示書に手で直接記入する手法よりも、効率的に作成可能です。
また、エクセルやGoogleスプレッドシートを使用すると、データ入力や変更が簡単な上、さまざまなテンプレートを活用できます。
PDF形式に変換もできるため、作成した文書のフォーマットを維持したまま運転者と運行管理者が共有できます。ただ、機能が限定的になりパソコンスキルがない場合は、注意しなければなりません。
運行管理システムで作成する
運行指示書を作るのに一番おすすめなのが、運行管理システムで作成する方法です。
従来なら手書きの作成やエクセルなどで問題ありませんでしたが、2024年問題も近づいており、より効率的な管理が求められるようになっています。
そのため、今までのやり方だと管理しきれず、記入漏れや管理不足により、罰則を受けてしまう可能性もでてくるでしょう。
しかし、運行管理システムを利用すれば、データの自動入力やテンプレートの使用により、手作業によるミスを減らし、効率を高められます。
また、リアルタイムの追跡や更新機能を通じて、運行状況に応じた柔軟な対応も可能です。
運行管理システムを導入した結果、作成にかかる時間が今までの半分以下になり、運転者の出発準備時間が短縮された事例※2)もあります。
効率的に運行指示書を作成する際は、運行管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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運行指示書を作成する際の注意点
運行指示書作成時の際、以下の2つに注意しておきましょう。
- 連続運転時間を厳守する
- 連続運転時間での違反をしない
連続運転時間を厳守する
連続運転時間は運転者の安全を確保するために、厳守しなければいけません。
運転者の疲労は交通事故につながる原因のひとつです。そのため、運行指示書には、運転者が一定期間以上連続して運転しないように、適切な休憩の管理が必要になります。
運行指示書の作成時は、連続運転時間の制限を守りましょう。また、運行計画の立案時には、運転者の健康と安全を最優先に考慮し、十分な休憩時間を確保するようにしてみてください。
連続運転時間での違反をしない
連続運転時間の違反は重大事故の原因となるため、守らない場合、指導・管理する必要があります。連続運転時間の超過は運転者の疲労を引き起こし、交通事故のリスクを高めます。
また、法的な規制にも違反することになり、企業側も罰金や信用失墜などのダメージを負うことになるでしょう。
運行指示書を作成するときには、運転者の安全と法規制を最優先にして作成する必要があります。
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運行指示書に関してよくある質問
運行指示書によくある質問に関して、3つそれぞれ解説します。
- 運行指示書作成におすすめのアプリはありますか?
- 運行指示書は必須ですか?
- 運行指示書は1泊2日でも必要ですか?
運行指示書作成におすすめのアプリはありますか?
運行指示書の作成には、運送業務を効率化するために設計された複数のアプリが無料から有料のものまで複数存在します。
これらのアプリは、運行指示書の自動作成や配送ルートのリアルタイム更新、運転者との直接的な通信など、運送業務に特化した機能があります。
これにより、手作業による時間の浪費やエラーのリスクが大幅に減少し、運行の効率と安全性が向上させられるのが特徴です。
弊社でも運送業務に特化している「ロジポケ」というサービスを提供しています。運行指示書作成を含め、対応できる業務は以下のとおりです。
- 経営管理
- 運送手配
- 請求管理
- 安全教育
- 監査対策
- 採用
サービスを利用している交通・運輸業の事業所も、令和5年11月時点で5,000件を超えており、安心してご利用いただけます。運行指示書作成の効率化を検討している方は、お気軽にご相談ください。
運行指示書は必須ですか?
運行指示書は、運送事業をおこなう事業者にとって、運行管理の基本となる書類です。法律上でも作成の義務があるため、かならず作成しなければいけません。
交通・運輸業を営む事業所の経営者の方は、運行指示書を必ず作成しましょう。
運行指示書は1泊2日でも必要ですか?
運行期間の長さに関わらず、1泊2日の運行であっても運行指示書は必要です。短期間の運行であっても、運転者の安全運転と効率的な業務遂行の管理をしなければいけません。
運行指示書のフォーマットと内容を適切に設計し、運転者への十分な説明をして運行指示書を作成してみてください。
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運行指示書についてのまとめ
運行指示書の作成方法には、市販のフォームの利用やエクセルの活用、運行管理システムの導入があります。
運行指示書の作成手順が簡素化されると、時間とコストの節約につながり、運送業務の全体的な生産性も向上するでしょう。
効率的な運行指示書の作成方法が知りたい交通・運輸業の経営者の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。