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テールゲートリフター特別教育を実施しない場合の罰則とは?

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夕方にトラックが走行している様子

テールゲートリフターは、ドライバーの負担軽減や荷降ろし時間の短縮に繋がるため、多くの運送会社で導入されています。

しかし、導入が進むにつれて問題となっているのが、テールゲートリフター関係の労働災害です。

この事態に対し、厚生労働省では労働安全衛生規則等の一部改正を行い、特別教育の義務化を新たに立法しました。

テールゲートリフターを扱う全ての労働者が対象であり、特別教育を受けないまま扱った場合、労働安全衛生規則違反となります。

今回は、テールゲートリフターの特別教育を実施しなかった場合の罰則について、詳しく解説していきます。

テールゲートリフター特別教育を実施しない場合の罰則

点検をする様子

新たに義務化されたテールゲートリフターの特別教育は、実際にリフターを扱う作業者全員が受講しなければなりません。

また、事業者は特別教育に関する記録を作成し、3年間保存する必要があります。

違反した場合は、労働安全衛生規則違反となり罰則の対象となります。

具体的な罰則内容と違反事例は以下の通りです。

条文罰則違反事例
安衛法第119条の違反50万円以下の罰金または半年以下の懲役・テールゲートリフターを活用した荷物の積み降ろしを行っているのに、特別教育を実施していない事業者
・設置義務がある車両に昇降設備を設置していない事業者
・着用義務のある車両で保護帽を着用させていない事業者
・運転席から離れる場合の措置を適切の講じさせなかった事業者
安衛法第120条の違反50万円以下の罰金・昇降設備の設置が義務付けられている車両で昇降設備を使用していない作業員
・着用義務のある車両で保護帽を着用していない作業員
・運転席から離れる場合の措置を適切に講じていない作業員
・特別教育の記録を3年間保存していなかった事業者

特別教育の実施はもちろん、普段の運行でも作業員に適切な措置を講じさせなければ、罰則を受けることになります。

出典:労働安全衛生規則等の一部改正のポイント|厚生労働省

関連記事:テールゲートリフターの特別教育の義務化はいつから?罰則は?

テールゲートリフター特別教育のうち省略可能な科目

トラックの前に立つ男性の様子

テールゲートリフターの特別教育は、これまでの経験や講習の受講歴によっては、複数の科目が省略可能となります。

科目の省略対象となる人と具体的な省略内容は以下の通りです。

【荷役ガイドラインに基づいた荷役作業従事者教育の受講者】

 

・「テールゲートリフターに関する知識」と「テールゲートリフターの操作に関する知識」の2科目の省略が可能

【陸災防が令和4年に実施した「テールゲートリフターおよびロールボックスパレット等による荷役作業安全講習会」の受講者】

・「テールゲートリフターの操作に関する知識」のみ省略可能

【令和6年2月1日時点で、テールゲートリフターを活用した積み降ろし作業の従事経験が6ヶ月以上ある者】

・「テールゲートリフターに関する知識」の受講時間90分を45分以上に短縮可能

・「実技教育」の受講時間120分を60以上に短縮可能

上の3項目に該当しない場合には、特別教育の科目を以下の通り受講しなければなりません。

・テールゲートリフターに関する知識:90分以上
・テールゲートリフターの操作に関する知識:120分以上
・関係法令:30分以上
・実技教育:120分以上

出典:労働安全衛生規則等の一部改正のポイント|厚生労働省

テールゲートリフター特別教育の義務化はいつから?

トラックが一直線に並ぶ様子

テールゲートリフター特別教育の義務化は、2024年2月1日施行となります。

2月1日以降は、特別教育を受けたものでなければ、テールゲートリフターを使った作業ができません。

そのため、2024年1月31日までには、対象ドライバーの特別教育を実施しておくようにしましょう。

ちなみに、車両にテールゲートリフターが搭載されているものの、荷物の積み降ろしでリフターを使用しない場合、特別教育の受講義務はありません。

テールゲートリフターに関する特別教育以外の義務

軽トラ前で上を組む女性の様子

ここまで、テールゲートリフター特別教育について解説してきましたが、それ以外でも一部改正されたルールが2つあります。

・昇降設備の設置義務
・保護帽の着用義務

この2つに関しては、2023年10月1日より施行となっています。

具体的な変更点について解説していきます。

昇降設備の設置義務

最大積載量2t以上のトラックで荷物を積み降ろす作業を行う場合には、昇降設備の設置義務が発生します。

昇降設備には、踏み台等のステップなどがあります。

また、荷台と地面の中間にテールゲートリフターの高さを調整して、踏み台として活用しても問題ありません。

保護帽の着用義務

保護帽に関しては、最大積載量5t以上の車両に加え、最大積載量2t以上5t未満のトラック(ウイング車・平ボディ車など)でも着用が義務化されます。

また、最大積載量2t以上5t未満で、テールゲートリフターが設置されているトラックも含まれます。※荷降ろしを行う作業中に限る

この他にも、運転席から離れる場合、目的がテールゲートリフターの操作であればエンジン停止義務の適用除外となります。

ただし、逸走防止措置(ブレーキをかけるなど)は必要です。

昇降設備の設置や保護帽の着用義務に違反した際の罰則

昇降設備の設置や保護帽の着用を怠った場合、安衛法第120条の違反となります。

違反した作業員は50万円以下の罰則があるため、必ず規則を守って作業に従事するようにしましょう。

テールゲートリフター特別教育の罰則についてのまとめ

荷物をハンドリフトですくう様子

テールゲートリフター特別教育の義務化は、2024年2月1日より開始となります。

施行までに特別教育を受講していなければ、テールゲートリフターを使った積み降ろし作業はできません。

違反した場合には罰則もあるため、なるべく早めに安全教育を実施するようにしましょう。

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