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【2024年義務化】テールゲートリフターの特別教育|講習内容や実施期間、費用

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【2024年義務化】テールゲートリフターの特別教育|講習内容や実施期間、費用

テールゲートリフターは、積み降ろし作業の時間短縮や、運転手の負担軽減により配達効率の向上に役立ちます。

女性ドライバーでも簡単に配達できるため、導入する企業も年々増加しています。

その一方で、問題となっているのがテールゲートリフターに関する事故の増加です。

このような背景を受けて、テールゲートリフターに関する特別教育が義務付けられることとなりました。

今回は特別教育の進め方や内容を中心に、分かりやすく解説していきます

【この記事でわかること】
・テールゲートリフターの特別教育とは
・テールゲートリフターの特別教育を社内で実施する方法
・テールゲートリフターの特別教育を社外で実施する方法

テールゲートリフターの特別教育とは:昇降装置を安全操作するための教育

テールゲートリフターの特別教育とは:昇降装置を安全操作するための教育

2023年時点でのテールゲートリフター普及数は、約30万台とも推測されています。

配達効率が向上した一方で問題となっているのが、テールゲートリフターに関係した事故の増加です。

厚生労働省が公表している労働災害の発生状況によると、テールゲートリフターに関連する事故は、令和2年だけで330件発生しています。

このような事態を受け、テールゲートリフターに関するルールが一部改正されることとなりました。

その中の一つに「ドライバーへの特別教育」があります。

ここでは、規則がいつから変わり、どのような人が特別教育の対象となるのか、詳しく解説していきます。

出典:建設工事における労働災害防止対策|厚生労働省

テールゲートリフターの特別教育は2024年2月から義務化

テールゲートリフターの特別教育は2024年2月から義務化

テールゲートリフターに関する特別教育は、2024年2月1日より義務化されます。

テールゲートリフターを導入している事業者は、実際に配達を行うドライバーに対し、特別教育を実施しなければなりません。

ちなみに、テールゲートリフターに関する規則では、改正された内容が他に3つあります。

・昇降設備(テールゲートリフター)の設置義務内容
・保護帽の着用が必要な貨物自動車の種類
・運転席から離れる場合の措置

テールゲートリフターの設置義務に関しては、これまでトラックの最大積載量5t以上の車両が対象でした。

しかし、2023年10月1日からは、2t以上のトラックも対象となります。

次に保護帽の着用に関しても、最大積載量2t以上の平ボディ車やウイング車が対象となります。

保護帽に関しては、所定の検定に合格した「墜落時保護用」のものを使用しなければなりません。

運転席から離れる場合、エンジンを停止させる必要がありましたが、テールゲートリフターを操作する場合に限っては除外となります。

ただし、ブレーキを確実にかけるといった逸走防止措置に関しては、引き続き義務付けられています。

出典:貨物自動車における荷役作業時の墜落・転落防止対策の充実に係る労働安全衛生規則等の一部改正のポイント|厚生労働省

関連記事:テールゲートリフターの特別教育の義務化はいつから?罰則は?

テールゲートリフターがあればすべての車両が特別教育の対象

テールゲートリフターがあればすべての車両が特別教育の対象

貨物自動車に設置されているテールゲートリフターであれば、全ての車両が特別教育の対象です。

テールゲートリフターには、動作方法に垂直式とアーム式があり、格納方法には後部格納式と床下格納式があります。

この全てが特別教育の対象車両となり、極東開発工業株式会社の登録商標である「パワーゲート」の車両も範囲に含まれます。

特別教育の対象とならないのは、荷物を積み降ろし業務を行わない点検用車両や介護車両のみです。

特別教育の受講対象となる人

特別教育の受講対象となるのは、実際にテールゲートリフターによって配達業務を行う作業員全員が対象です。

そのため、テールゲートリフターを搭載している車両であるものの、普段の配達はフォークリフトといった別の方法で行うドライバーは、受講対象となりません。

荷物によって、テールゲートリフターを使う可能性が少しでもある場合には、特別教育を受けておくようにしましょう。

ちなみに、ドライバーの経験年数や講習の受講歴によっては、特別教育を一部省略できます。

テールゲートリフターによる配達業務が半年以上ある作業員・テールゲートリフターに関する知識の受講時間を90分から45分に短縮可
・テールゲートリフターの操作方法の受講時間を120分から60分に短縮可
陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドラインに基づいた教育の受講者・テールゲートリフターに関する知識の省略可
・テールゲートリフターによる作業に関する知識の省略可
ロールボックスパレット及びテールゲートリフター等による荷役作業安全講習会の受講者・テールゲートリフターによる作業に関する知識の省略可

特別教育を実施しなかった場合の罰則

令和6年2月1日以降、特別教育を受けていないドライバーがテールゲートリフターを使用した場合、労働安全衛生法違反となります。

罰則の内容としては、50万円以下の罰金または半年以下の懲役となります。

また、特別教育を行った際には、受講者の名前や科目等の記録を作成した上で、3年間保存しておかなければなりません。

これに違反した場合も、事業者は50万円以下の罰金となります。

出典:貨物自動車における荷役作業時の墜落・転落防止対策の充実に係る労働安全衛生規則等の一部改正のポイント|厚生労働省

関連記事:テールゲートリフター特別教育を実施しない場合の罰則とは?

テールゲートリフターの特別教育は自社か外部機関で受講可能

テールゲートリフターの特別教育は自社か外部機関で受講可能

テールゲートリフターの特別教育は、基本的に社内で行うことが原則で、学科及び実技について十分な知識と経験のある人が講師になれます。

講師に必要な知識と経験に具体的な線引きはなく、安全防止についてしっかりと教えられる人であれば誰でも問題ありません。

ただし、社内での実施が難しい場合には、外部の研修期間を利用して特別教育を受けることも可能です。

次章では社内・社外における特別教育のやり方について解説していきます。

テールゲートリフターの特別教育を社内で実施する3つのポイント

テールゲートリフターの特別教育を社内で実施する3つのポイント

まずは、テールゲートリフターの特別教育を社内で行う場合のやり方について解説していきます。

特別教育を正しく実施するためのポイントは、主に3つあります。

・知識と経験を有する者が講師を勤める
・外部で教材を購入
・社内でインストラクターを養成

どのような内容について準備しておくべきなのか、詳しく解説していきます。

知識と経験を有する者が講師を勤める

テールゲートリフターによる事故にはさまざま事例があります。

・リフトの上でドライバーが作業中に、別の作業員がリフトを上に上げたため、リフトと床下に足を挟んでしまった
・台車のキャスターストッパーを固定し忘れ、リフトから台車が落ちてきてしまった
・夜中に作業中、カラーコーンを設置していなかったため、トラック後部に乗用車が追突してきた

このように、さまざまな事故が発生しているため、テールゲートリフターの操作方法だけでなく、作業全体の注意点について理解している人が講師として望ましいと言えます。

外部で教材を購入

テールゲートリフターの作業経験がほとんどない作業者の場合、口頭での説明だけではイメージが湧きにくく上手く理解できません。

労働災害を防止する関連協会では、特別教育について分かりやすく要点をまとめた教材を販売しています。

自社で資料を作成するのが難しい場合には、外部での教材の購入を検討しましょう。

陸上貨物運送事業労働災害防止協会では、以下のような教材を販売しています。

・テールゲートリフター作業車必携テキスト:990円(税込)
・テールゲートリフターの安全作業ハンドブック:165円(税込)
・テールゲートリフターによる安全な荷役作業DVD:22,000円(税込)

社内でインストラクターを養成

テールゲートリフターに関する知識があり、経験豊富な人であったとしても、インストラクターとしての技術がなければ上手く伝わりません。

受講者全員が理解できるような講習が実施できるよう、インストラクターを養成していきます。

先ほど紹介した労働災害を防止する関連協会では、インストラクターの養成講習も行っています。

具体的なカリキュラムは以下の通りです。

・講習内容に関する説明
・講師としての心構え
・関係する法令について
・テールゲートリフターに関する知識について
・テールゲートリフターによる作業に関する知識について
・実技教育の進め方
・質疑応答

受講料は会員が35,200円(税込)、非会員が45,100円(税込)となります。

関連記事:テールゲートリフター特別教育をする講師には資格が必要?

テールゲートリフター特別教育を社外で実施できる機関|4選

テールゲートリフター特別教育を社外で実施できる機関|4選

テールゲートリフターの資料作成や講師の教育が難しく、社内で特別教育が難しい場合には、社外で講習を受ける方法もあります。

さまざまな機関による、テールゲートリフターの特別教育が実施されています。

ここでは、社外での特別教育を検討している方に向けて、おすすめの講習を4つ紹介していきます。

ロジポケの「テールゲートリフター特別教育」

弊社では、物流業界に関するさまざまな情報やDXに関するサービスの提供を行っており、その中の1つに「ロジポケ」があります。

ロジポケとは「eラーニングによる特別教育」が受けられるサービスです。

実技講習以外をeラーニングで受講できるようになっており、教育記録の記載や管理、修了証の発行も可能です。

パソコンはもちろん、スマホやタブレットにも対応しているため、わざわざ受講者を集める必要はなく、個別の受講も可能です。

顧客満足度1位に輝いており、既に5,000以上の事業所が受講した人気の講座です。

料金に関しては、受講者数や事業所数で異なるため、まずは公式HPのお問い合わせから資料請求してみてください。

ロジポケ|テールゲートリフター特別教育

CICの「テールゲートリフターの操作に係る特別教育」

CIC・日本建設情報センターは、建設工事に関連するあらゆる資格の講座を行っています。

テールゲートリフター特別教育に関しては、作業者向け講習と講師向け講習を開催しています。

各講習の詳細は、以下の通りです。

【作業者向け講習(1日)※学科のみの修了証明】

受講料15,400円(税込)
開催地域東京・大阪
日程随時開催
講習会場大阪・大阪府社会福祉会館、東京・飯田橋レインボービルなど

【講師向け講習(1日)※学科のみの修了証明】

受講料44,000円(税込)
開催地域東京・大阪・名古屋
日程随時開催
講習会場大阪・大阪府社会福祉会館、東京・飯田橋レインボービル、名古屋・フジコミュニティセンターなど

定員や残席については、都度公式HPで更新されています。

CIC|テールゲートリフター特別教育

陸災防の「テールゲートリフターによる荷役作業者向け特別教育」

陸上貨物運送事業労働災害防止協会では、講師向けの講習と作業者向けの講習を行っています。

【講師向け講習】

開催日毎月開催・9:30~16:00
開催場所全国※一部の県を除く
定員50人
受講料・陸災防会員:35,200円(税込)
・非会員:45,100円(税込)

【作業者向け講習】

開催日毎月開催・時間は要確認
開催場所全国※一部の県を除く
定員要確認
受講料・陸災防会員:8,800円(税込)
・非会員:11,000円(税込)

社内で特別教育を実施する際に、活用できる教材も販売しています。

陸上貨物運送事業労働災害防止協会|テールゲートリフター特別教育

コベルコ教習所の「テールゲートリフターの操作の業務に係る特別教育」

コベルコ教習所では、学科講習と実技講習をまとめて一緒に受けられます。

特別教育のメニューは、科目免除ありコースと科目免除なしコースに分かれています。

・免除なし特別教育コース:6時間(1日):15,000円(税込)
・免除あり特別教育コース:4.5時間(1日):13,000円(税込)

コベルコ教習所は重機関連の教習を行っており、全国に教習所があります。

コベルコ教習所|テールゲートリフター特別教育

関連記事:テールゲートリフターの補助金制度とは?対象機器も紹介
関連記事:テールゲートリフターとは?種類や導入するメリットを解説

テールゲートリフターの特別教育についてのまとめ

テールゲートリフターの特別教育についてのまとめ

2024年2月1日より、テールゲートリフターの作業従事者に対する特別教育が義務化されます。

操作方法や事故防止方法などに関する科目が盛り込まれており、ドライバーを災害から守る大切な教育です。

運送会社の規模やテールゲートリフター車の種類に関係なく、全ての作業従事者及び事業所が対象となります。

特別教育に関しては、社内で行うことが原則であるものの、準備が難しい場合には社外の講座受講をおすすめします。

自社で資料を用意する必要はなく、eラーニング講座であれば、会場まで向かわずに受講できます。

特別教育を行った上で、安心安全な配達業務を心がけていきましょう。

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