「働きながら1級自動車整備士の資格を取得できるのか」などと考えている人もいるでしょう。
結論、働きながら1級自動車整備士の資格取得は難易度が高いですが、不可能ではありません。
また、1級自動車整備士の合格率は低いので、時間を確保して勉強に取り組まなければなりません。
今回の記事では、1級自動車整備士の資格を働きながら取得する方法・資格取得のメリット・試験の概要・よくある質問に対する回答について解説します。無資格の場合の仕事内容や求人事情についても解説するので、自動車整備士の仕事に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
1級自動車整備士を働きながら取得できるか
1級自動車整備士は、自動車整備関係で最も難しい資格です。条件次第では、働きながらの取得も可能と言われています。
働きながら1級自動車整備士を取得するポイントは次の2点です。
- 学歴次第では実務経験を短縮可能
- 実務経験として認められる勤務先への就職
それぞれについて解説します。
学歴次第では実務経験を短縮可能
一種養成施設で学ぶ場合、実務経験がなくても1級自動車整備士の受験要件を満たせます。
一種養成施設は全国に約230施設あり、具体的には、整備専門学校・高等学校・職業能力開発校などです。
また、機械工学科の学校を卒業した場合、受験要件に必要な実務経験を短縮可能です。短縮できる期間は、資格によって異なります。
参考:受験資格について|国土交通省
参考:自動車整備士養成施設について|国土交通省
実務経験として認められる勤務先への就職
認証工場や指定工場(民間車検場)での勤務は、実務経験として認められます。
認証工場とは、点検整備や分解整備に従事する従業員が在籍し、地方運輸局長が認めている工場です。また、指定工場とは、認証工場のうち検査のできる設備と検査員を設けていることを地方運輸局長が認めている工場です。
参考:自動車整備工場には認証工場と指定工場があります。その違いは?|国土交通省
働きながら1級自動車整備士を取得する2つの方法
1級自動車整備士の試験は、実技と学科の2種類あります。働きながら1級自動車整備士を取得する方法は、次の2つです。
- 講習を受講する
- 独学で受験する
それぞれについて解説します。
講習を受講する
夜間の専門学校に通ったり、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会の技術講習を受講したりする手段があります。日本自動車整備振興会の講習費用は2級ガソリン自動車整備士の資格を取得していて、大阪府で受講する場合181,589円です。
また、講習受講には半年程度の期間が必要です。費用はかかりますが、課程修了後の2年は、実技試験が免除されます。
参考:令和6年度第1回自動車整備技術講習|一般社団法人大阪府自動車整備振興会
独学で受験する
独学で学ぶ場合は、資格取得のための費用がかからないのがメリットです。
ただし、学科と実技の両方を受験しなければなりません。実際に、実技試験の合格率は極めて低いと言われています。
1級自動車整備士を含む資格の種類
自動車整備関係の資格は、1級自動車整備士を含めて4種類です。
- 3級自動車整備士
- 2級自動車整備士
- 1級自動車整備士
- 特殊整備士
2級自動車整備士の中には、ガソリン・ジーゼル・二輪・シャシの4種類あります。また、1級自動車整備士は大型・小型・二輪の3種類です。
一般的に、1級自動車整備士が一番難易度が高いと言われています。
自動車整備士の試験の概要
自動車整備士の試験概要を、次の3つの視点で解説します。
- 学科試験の内容
- 実技試験の内容
- 各試験の合格率
学科試験の内容
学科試験は2級と3級は筆記のみです。しかし、1級の場合、筆記に加えて、口述試験が追加されます。
1級の試験内容は次の通りです。
- 構造・機能及び取扱い法
- 点検・修理・調整及び完成検査の方法
- 整備用機械に関する初等知識
- 整備用の試験機・計量器及び工具の構造・機能及び取り扱い法
- 材料及び燃料油脂の性質及び用法
- 図面に関する一般知識
- 保安基準その他の自動車の整備に関する法規
実技試験の内容
講習を受講していない場合、実技試験を受けなければいけません。実技試験の内容は、次の通りです。
- 基本工作
- 点検・分解・組立て・調整及び完成検査
- 修理
- 整備用の試験機・計量器及び工具の取り扱い
各試験の合格率
令和4年度第2回の1級小型自動車整備士試験の合格率は次の通りです。
- 筆記試験:53.0%
- 口述試験:97.6%
- 実技試験:64.3%
1級自動車整備士の合格率は、最終的に25%から45%程度と言われています。
参考:令和4年度第2回|一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
働きながら1級自動車整備士の資格取得がおすすめな理由
働きながら1級自動車整備士の資格取得がおすすめな理由は主に3つです。
- 就職・転職に有利になる
- できる業務が増える
- より仕事が好きになる
それぞれについて解説します。
就職・転職に有利になる
1級自動車整備士資格は、自動車業界で難易度が最も高い国家資格です。したがって、就職や転職活動で非常に有利と言われています。
具体的には、2級整備士などと比較して、給与水準が高く設定されていたり、求人数が豊富にあったりするのが特徴です。
できる業務が増える
1級自動車整備士の資格を取得すると、2級自動車整備士などと比較して取り扱える車種や作業内容が広がります。
具体的には、ガソリン車・ディーゼル車・ハイブリッド車・電気自動車・水素自動車など、あらゆる車種の整備ができます。
より仕事が好きになる
1級自動車整備士を取得して業務に従事している人は、やりがいや達成感が比較的多いようです。
1級自動車整備士は幅広い知識を身につけているため、仕事内容への理解度が深まり、より深いレベルで仕事に取り組めます。また、さまざまな故障やトラブルに対して、自分で原因を分析し、解決策を見つけられます。
1級自動車整備士の資格取得に関連してよくある質問
1級自動車整備士の資格取得に関連してよくある質問は次の通りです。
- 無資格でも応募できる自動車整備の求人はありますか?
- 無資格でもできる自動車整備の仕事はどのような仕事ですか?
それぞれについて解説します。
無資格でも応募できる自動車整備の求人はありますか?
無資格でも応募できる自動車整備の求人は複数あると言われています。ただし、無資格の場合、業務範囲は限定的です。
将来、自動車整備士でキャリアアップを目指す場合は、資格取得が必須でしょう。
無資格でもできる自動車整備の仕事はどのような仕事ですか?
無資格でできる自動車整備の仕事は限られています。
たとえば、無資格でも可能な仕事内容は次の通りです。
- 洗車・清掃
- 事務
- 営業
- パーツ販売
- タイヤ交換
- オイル交換
「1級自動車整備士を働きながら取得できるか?」についてのまとめ
今回は、1級自動車整備士の資格を働きながら取得する方法や資格取得のメリットなどについて解説しました。
働きながら1級自動車整備士を取得するにあたってのポイントは「実務経験として認められる認証工場・指定工場で勤務すること」です。
また、日本自動車整備振興会連合会の技術講習を受講すると、修了後から2年間は実技試験が免除されます、
これから1級自動車整備士の資格取得を検討しているのであれば、働きながら取り組んでみてはいかがでしょうか。
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