トラック運転手は、仕事中のほとんどを車内で過ごします。
オフィスなどとは違い、トイレに行きたくなった場合は一度駐車する必要があり、いつでも簡単に行けるわけではありません。
この他にも交通渋滞に巻き込まれるなど、トラック運転手特有のトイレ事情があります。
今回はトラック運転手のトイレ事情や解決策、事前にできる対策などについて解説していきます。
現役トラック運転手の方はもちろん、これから運送業界に転職を検討している方は是非参考にしてみてください。
トラック運転手のトイレ事情について
普段車を運転していて、急な渋滞に巻き込まれてしまいトイレに行きたくて困ったといったことは、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。
トラック運転手の場合、仕事中のほとんどは運転をしているため、このようなトイレに関する悩みはつきものです。
この他にも、普通車にはないトラック運転手特有の悩みもあります。
ここでは、トラック運転手の悩みの一つと言えるトイレ事情について解説していきます。
運転時間が長い
トラック運転手は文字通り、運転するのが仕事であるため長時間を車内で過ごします。
配送内容などにもよりますが、長距離トラック運転手ともなると1日に13時間の勤務がベースとなります。
この中には雑務や仮眠も含まれており、4時間ごとに30分以上の休憩を取る必要があるためずっと運転をしているわけではないのですが、すぐにトイレに行ける状況ではないことがほとんどです。
高速道路で渋滞に巻き込まれる
トラック運転手は高速道路をよく利用するため、事故や天候の悪化による交通渋滞に巻き込まれることは珍しくありません。
一般道と違い途中でお店に寄ることはできず、いつ渋滞から抜け出せるかもわからないので、トイレに行きたくて困る経験はほぼ全てのトラック運転手にあります。
急な交通渋滞を予想できず、配達時間の関係でサービスエリアがあるにも関わらずそのまま我慢して走行するケースもあり得ます。
車両のサイズ的に停められない時もある
一般道路であれば、コンビニなどトイレを借りられる環境があるため安心と思いがちですが、トラック運転手の場合は少し違います。
中型や大型トラックの場合、駐車場の広さによっては停められない可能性があるからです。
トラック用のスペースが設けられている施設であれば問題ないのですが、ない場合は簡単にトラックを停めてトイレに行くことはできません。
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トラック運転手がトイレに困ったときの解決策|4選
トラック運転手は車内で過ごす時間が長く、高速道路では交通渋滞などでトイレに行きたくても行けないことがあります。
また、一般道路であっても車両のサイズによっては駐車スペースを探すのが難しく、すぐにトイレに行くことはできません。
ここではトラック運転手がトイレに行きたくなった場合の行先や解決策について解説していきます。
①道の駅・サービスエリア
道の駅やサービスエリアは、トラック専用の駐車スペースが用意されていることが多く、駐車場自体も広いので気軽に立ち寄りやすくなっています。
サービスエリアは24時間利用できるので、深夜や早朝であっても安心です。
国土交通省によると令和4年の8月時点で登録している道の駅は1,198駅もあり、各都道府県にあるので遠方でトイレのある場所がわからない時などにもお勧めです。
参考元:国土交通省・道の駅案内
②ガソリンスタンド
ガソリンスタンドはトラックの給油を前提とした構造となっています。
また、全国各地にあるためトイレの利用先としておすすめです。
中にはシャワー室や軽食がとれるスペースが併設しているガソリンスタンドもあり、多くのトラック運転手が利用しています。
同時に給油もできるので、時間を効率的に使うこともできます。
③大型物流施設
配達先や集荷先でトイレを済ませておくトラック運転手も多くいます。
トラックの駐車スペースが豊富であるため安心して駐車できます。
配達先などではない場合、基本的に施設の利用はできないため、どうしても利用したい時には許可をとってから入るようにしましょう。
④簡易トイレ
急な渋滞などによって長時間トイレに行けない場合の対策としておすすめなのが『簡易トイレ』です。
最近では関連商品が多く販売されており、値段も数百円~数千円ほどとなっています。
購入の際には女性専用などの商品もあるので注意しましょう。
トラック運転手がトイレで困ったときのNG行動
トラック運転手がトイレに行きたくなった場合の行先や解決策について解説してきました。
その一方で、トイレに行けず困った時に行う行動にはNGとされているものもあります。
ここではトイレに行きたくなった時にやってはいけないことについて解説していきます。
ペットボトルにする
トイレに行きたくなった際に車内にあるペットボトルに用を足す人がいますが、基本的におすすめしません。
ペットボトルでトイレを済ますのは悪いマナーとされており、近年では用を足したペットボトルのポイ捨てが問題となっています。
トラック運転手だけがやっているというわけではないものの、大型車両専用駐車場や関連スペースで発見されることが多く、目撃証言などもあることからトラック運転手に対する印象を下げてしまう要因の一つともなっています。
どうしても我慢できずペットボトルに用を足してしまったといった場合には、そのまま捨てずに中身をトイレで流すなどして正しい方法で処理を行いましょう。
高速道路で小便をする
高速道路や一般道の脇に駐車して立ち小便をしている人を見かけることがありますが、どのような場所であってもやってはいけません。
立ち小便は『軽犯罪法』にも該当します。
この他にも、立ち小便をした場所の付近に飲料水と使用される井戸などがあった場合には浄水汚染罪が適用され、他人の所有物などである箇所に放尿した場合には器物損壊罪となります。
また、人が周りにいた場合には公然わいせつ罪にもなる可能性があり、トラック運転手の職を失うリスクもあるので絶対にやらないようにしましょう。
運送会社がするべきトラック運転手のトイレに関する教育
トラック運転手に関するトイレ事情について解説してきました。
なかなか簡単にトイレへ行くことができない中で、道の駅やサービスエリアの利用、簡易トイレを用意しておくことで対策ができます。
その一方でペットボトルに用を足してそのまま捨てること、立ち小便をすることはNG行為です。
ここではトラック運転手を雇う運送会社がするべき教育について解説していきます。
用を足したペットボトルの不法投棄や立ち小便行為は、本人はもちろん運送業界全体のイメージを下げてしまう行為となります。
そのため、社外に出て個々で働くトラック運転手に対する教育は必須と言えます。
『道徳的な教育を社会人になってやらなくてもみんなわかってるし、時間がない』といった考えを持つ方もいるかもしれませんが、単独行動が多いトラック運転手には『誰にも見られていないから』と気が緩んでしまう人もいるのが現状です。
運送業界に対するイメージやトイレ事情に関する問題を全員で共有し、常識的な行動がとれるようになる道徳的教育も必要と言えます。
トラック運転手がトイレで困らないようにする3つの事前対策
急な渋滞や到着時間に対する焦り、駐車スペースなどの問題により、なかなかトイレに行けなかった場合の解決策について解説してきました。
このような特殊なトイレ事情は、事前に対策をすることで解決可能です。
ここではトイレに困らないために事前にできることについて解説していきます。
事前にトイレに行く
トイレ問題を解決する一番簡単な方法が、出発前など事前にトイレに行っておくことです。
特に長時間トイレに行けなくなるとわかっている場合などは、意識してトイレに行くようにしておくことで解決できます。
その時はそこまでトイレに行きたくなかったとしても、出発前などは寄っておくようにしましょう。
計画的にトイレに行く
これから向かう場所やルートが確定した際には、事前にトイレができる場所を探しておき、計画的にトイレに行くことも事前にできる対策の一つです。
到着までにどれくらいの時間がかかり、次に寄れるトイレのある休憩所までどれくらいかかるのかなどを計算しておくことで我慢しなくてはならない状況を防ぎやすくなります。
利尿作用の強い飲み物を摂らない
どうしても頻尿でトイレを我慢しがちである人は、普段の飲み物に注意することで解決できる可能性があります。
何気なく飲んでいる飲み物の中には、利尿作用が強いものとそうでないものがあるからです。
利尿作用が強い飲み物には下記のようなものがあります。
・お茶全般
・コーヒー
・サイダーなど、砂糖や甘味料が入った飲み物
これとは逆に利尿作用が弱い飲み物には水や麦茶があります。
また、夏は必要以上に飲み物を取ってしまいがちになるので、一気飲みはしないように意識するなどしてトイレ対策をしましょう。
頻尿とは別に、お腹を下しやすい人も中にはいるのではないでしょうか。
夏場などは冷たい飲み物を飲みすぎがちになるので特に注意が必要です。
なるべく常温のものを飲むようにしたり、おなかを冷やさないようにしたりするといいでしょう。
どうしても体質的な問題でお腹を下しやすい場合には、整腸剤などを持参しておくといいでしょう。
トラック運転手のトイレ事情に関するよくある質問
ここまでトラック運転手のトイレ事情に関する解決策などを解決してきました。
最後はトイレ事情に関する質問に答えていきます。
女性トラック運転手のトイレ事情は?
女性トラック運転手の場合、トイレ事情は男性以上に深刻です。
トイレにかかる時間が男性と比べ長くなるので、混みやすく見つけたとしても並んで待つ必要がありますし『そこら辺で簡単に…』というわけにもいきません。
また、最近ではなくなりつつありますが、トラック運転手は男性が多く施設や会社によっては男性トイレしかないようなケースもあります。
このようなトイレ事情に対する対策は、基本的に男性トラック運転手と変わらないのですが、より意識しておくことが大切と言えます。
どうしても我慢しなければいけない時はどうする?
事前にトイレに行っていたものの、急な渋滞に巻き込まれ我慢の限界に達してしまうこともあります。
トイレをどうしても我慢しなければいけない場合の対策法としては、校門と膣をぎゅっと締めたり緩めたりする方法があります。
これを繰り返すと、会陰排尿禁欲性反射(えいんはいにょうきんよくせいはんしゃ)によって膀胱の異常収縮を抑えることが可能です。
この他にも意識を紛らわすために音楽を聴いたり、無理やり別のことを考えたりするのも一つの方法です。
トイレを我慢し過ぎると体に悪い?
トラック運転手の中には『トイレを我慢することに慣れたから大丈夫』といった人もいるのではないでしょうか。
我慢できるので対策も必要ないと考えるかもしれませんが、トイレを我慢することは体にとって決して良いことではありません。
トイレを我慢することにより、膀胱に尿を溜めている状態が長時間続くと菌が繁殖してしまいやすく、膀胱炎を発症する可能性があります。
膀胱炎になってしまうと、残尿感があったり排尿時に痛みを伴ったりすることがあり、さらに悪化すると別の病気を併発し腰痛などの原因にもなります。
必ず出発前にはトイレに行ったり、寄れる場所を探しておいたりして我慢しなくて済むようにしましょう。
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トラック運転手のトイレ事情に関するまとめ
今回はトラック運転手のトイレ事情について解説してきました。
普段車内で過ごしているため、簡単にトイレに行くことができず、交通渋滞に巻き込まれたり駐車スペースがないといった問題もあります。
なるべく配送前にはトイレに行くようにして、途中で寄れる場所を探しておき計画的に行けるように対策しましょう。
どうしようもない場合に備えて簡易トイレを携帯しておくのもおすすめです。
一方で立ち小便やペットボトルに用を足すのはNG行為であり、周りに迷惑をかけるのはもちろん業界全体のイメージを落としてしまう原因にもなるので絶対にやらないようにしましょう。
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