一般的にタクシー運転手に向いている人の特徴には、「運転が好き」「配慮ができる」「1人きりの時間が苦ではない」などがあります。
一方で、これらの特徴の他にも、現役のタクシー運転手だからこそ思う「向いている人の特徴」があるのも事実です。
そこで本記事ではそういった現役ならではのリアルな声、やりがい、向いていない人の特徴、仕事内容などを解説します。タクシー運転手を目指す方は参考にしてください。
この記事でわかること
・タクシー運転手に活かせる経験
・タクシー運転手の仕事内容ややりがい
・タクシー運転手に向いていない人が感じる辛さ
タクシー運転手に向いている人の特徴
タクシー運転手の仕事のメインは運転ですが、運転スキルさえあればいいわけではありません。他のドライバー職と比べてお客様との距離が近いため、接客スキルも求められます。
そこでここでは、一般的にタクシー運転手に向いていると言われる人の特徴をいくつか紹介します。
自己管理ができる
タクシー運転手は、わずかな運転ミスが命に関わる大事故に繋がります。そのため、他の仕事以上に体調管理には万全を期す必要があるのです。
タクシー運転手の勤務形態は複数ありますが、主流となっているのが「隔日勤務」であり、1回の勤務で約20時間ほど働きます。
勤務時間もバラバラであるため、生活リズムが乱れた状態での体調管理は容易ではありません。
また、プライベートでの運転に関しても、交通違反には人一倍の注意が必要であり、高い自己管理能力が必要と言えるでしょう。
運転が好き
タクシー運転手になる上で、あると理想的な特徴は「運転が好き」ということです。
タクシー運転手はベテラン社員になったからといって、現場を離れてエスカレーター式に管理職になるわけではありません。
タクシー運転手になったからには、毎日長時間の運転をするのが日常になります。そのため、必須ではないですが、運転が好きである方がタクシー運転手に向いています。
コミュニケーションが好き
タクシー運転手はお客様にくつろいでもらうのも大切な仕事です。
タクシーの客層は非常に幅広いため、どのようなお客さまが乗車しても苦手意識を持たず、自然に話せる人がタクシー運転手に向いています。
特に、接客や営業の経験がある人は、そのスキルを活かしてお客様を楽しませたり、適切な気配りをしたりできるため、タクシー運転手に向いているでしょう。
もちろん、接客業の経験がない人や「話すのは好きだけど接客はしたことがない」という人でも、入社後に接客マナーなどの研修が用意されているので問題ありません。
「タクシー運転手は1人で黙々と仕事をしている」と思っている人も多いですが、実際はお客様とコミュニケーションを取る機会が多く、そのため入社後にギャップを感じて辞める人も少なくありません。
タクシー運転手は運転業務と同じくらい、接客業務も重要であることを理解しておきましょう。
細かな配慮ができる
タクシー運転手は車内でお客様にくつろいでもらうため、コミュニケーションを含めたさまざまな気配りが必要です。
大きな荷物を持っている場合はすぐにトランクを開けて積み下ろしを手伝い、車内の温度に関してもお客様に合わせた調整をおこないます。
このような細かい気配りを普段からおこなっていると、お客様からの予約で指名が入るようになるケースもあり、収入も上がりやすくなるでしょう。
気持ちの切り替えができる
タクシー運転手は自分の好きなタイミングで休憩を取ることが可能です。いつでも休憩できるからこそ、気持ちのオンとオフを瞬時に切り替える必要があります。
そのため、気持ちの切り替えが得意な人はタクシー運転手に向いているでしょう。
プライベートを大事にしたい
タクシー運転手の勤務形態として、隔日勤務を担当することは珍しくありません。
隔日勤務になれば、月に18日前後は休日になるので、一般的な会社員の人と比べると休日がかなり多くなります。
そのため、プライベートを大事にしたい人、ワークライフバランスを取りたい人にも向いているでしょう。
規則正しい生活リズムを大事にしたい
昼日勤を選ぶのであれば、一般的な会社員と同様の時間帯で働くスタイルなので、生活リズムを安定させたい人にはオススメです。
夕方以降には家事や育児、趣味などのプライベートな時間を確保できるため、特に女性にとって働きやすいと人気があります。
朝起きるのが苦手
夜日勤を選ぶのであれば、夕方から翌朝までの時間帯に働くスタイルなので、朝起きるのが苦手な人に向いています。
また、夜日勤では終電後にタクシーを利用する人が増えるエリアがあり、深夜料金により収入が増えるチャンスもあります。
1人きりの時間が苦ではない
タクシー運転手はお客様と接する機会が多いとはいえ、勤務中は基本的に1人で業務をおこないます。他の社員と協力しておこなう業務はほとんどありません。
そのため1人きりの時間が苦手でない人はタクシー運転手に向いています。
自分で計画を立てるのが好き
自分で考えて仕事をこなすのが好きな人は、タクシー運転手に向いています。
出勤後、出庫してから会社に戻ってくるまで、どのような時間の過ごし方をするかは、運転手次第です。
1日のスケジュールや時間の配分をどうするかによって、売上は大きく変わります。そのため、どうすれば売上を最大化できるのか、自分で計画を立てるのが好きな人はタクシー運転手に向いています。
安全運転を徹底できる
タクシー運転手は乗客の命を預かる仕事であるため、常に交通ルールを守り、注意深く運転することが求められます。
また、急ブレーキや急発進を避けるなど、乗客が快適に過ごせるよう配慮も必要です。
さらに、危険な状況を未然に防ぐために周囲の状況を常に把握し、適切な判断を下す能力も重要です。
このように、安全運転を徹底できる人はタクシー運転手に向いています。
ストレスへの耐性がある
タクシー運転手は長時間勤務が当たり前です。休憩があるとはいえ、長時間集中し続けているとストレスも溜まります。
また、接客に関しては飲酒後のお客様を乗せる機会も多く、ときには理不尽な態度を取られることもあります。
このようなことがあっても冷静に頭を切り替え、目の前の業務に集中できるような人は、タクシー運転手に向いているでしょう。
勤務エリアに住んでいた経験がある
勤務エリアに住んでいた経験がある人は、そのエリアの地理や交通状況に精通しているため、目的地までの最適なルートを迅速に判断できます。
地元の細かな道や裏道、交通量の多い時間帯や渋滞を避ける方法などを知っていることで、お客様に対してスムーズで快適なサービスを提供しやすいでしょう。
また、地元の観光スポットや飲食店、おすすめの場所などの情報も豊富にあるため、お客様からの質問やリクエストにも柔軟に対応しやすいです。
さらに、地元の住民との共通点が多くあるので、お客さまとの距離を縮めるのにも役立ちます。
このように、勤務エリアに住んでいた経験があることは、タクシー運転手としての大きな強みとなるでしょう。
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タクシー運転手に向いている人が感じるやりがい
タクシー運転手に向いている人は、それぞれがやりがいを感じながら仕事をしています。そこで、ここではタクシー運転手に向いている人が感じるやりがいをいくつか紹介します。
頑張り次第で高収入を狙える
タクシー運転手の給与形態は複数ありますが、全国的な主流は歩合制です。
そのため、仕事を覚えて結果を残せば、誰でも高収入を狙える可能性があります。
多くの出会いがある
タクシー運転手の仕事では、毎日異なるお客様を乗せることで、多種多様な人々と交流する機会をもてます。
ビジネスマンから観光客、お年寄りまで、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と接することで、新しい知識や刺激を得られるのが魅力です。
地理に詳しくなる
タクシー運転手はさまざまな場所へお客様を送り届けるため、自然と地理に詳しくなります。
普段出かけるときに役立つのはもちろん、お客様との会話の中で美味しい飲食店や隠れ観光スポットなども知ることが可能です。
直接感謝の声を聞ける
タクシー運転手はお客様を目的地まで安全かつ快適に運ぶことで、その場で「ありがとう」や「助かりました」といった感謝の言葉をいただく機会があります。
自分の仕事が役に立っていると実感しやすく、日々の仕事に対するモチベーションを高めてくれます。
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タクシー運転手に向いている人が知っておきたい仕事内容
タクシー運転手に向いている人だとしても、いざ働き始めてから理想と現実とのギャップを目の当たりにするケースもあります。
そこでここでは、タクシー運転手の仕事内容や1日の流れ、勤務形態の種類を解説します。
タクシー運転手の仕事内容
タクシー運転手の仕事内容は主に以下の3つです。
- 流し営業
街中を走りながら乗客を探す方法です。運転手は繁華街やオフィス街、観光地など、人が多く集まる場所を走行し、乗客を見つけます。
この方法は運転手の経験や勘が重要で、時間帯や季節によって効率的なルートを選ぶ工夫が必要です。
- 付け待ち営業
駅やショッピングモール、ホテルなどの施設で乗客を待つ方法です。この方法は、駅や空港など人の移動が多い場所での集客に向いています。
- 配車予約
事前に予約を受け付ける「配車予約」も重要な業務の一部で、電話やアプリを通じて予約を受けた乗客を指定の場所まで迎えに行きます。
タクシー運転手の1日の流れ
タクシー運転手はどの会社であっても、1日の流れに大きな違いはありません。例として、隔日勤務の1日の流れは以下の通りです。
7:00・出勤 | タクシー事業所に出勤後、アルコールチェックや健康状態の確認、点呼を行います。 |
7:15・車両点検 | 乗務する前に車内外の掃除や、安全運行のための車両点検を行います。 |
7:30・営業開始 | 事業所を出庫し、その日に決めた営業方法で乗客を見つけ、目的地まで送り届けます。 |
12:00・休憩 | 休憩時間は自分の好きなタイミングで決められて、休憩場所に指定もありません。 |
13:00・営業再開 | 午前中と同様に、乗客が見つけやすい方法で営業します。 |
17:00・休憩 | 夜の乗客が増える時間に備えて2回目の休憩を取ります。 |
18:00・営業再開 | 仕事終わりのサラリーマンをターゲットに、乗客を見つけ目的地まで送り届けます。 |
21:00・休憩 | 夜間帯に向けて休憩します。隔日勤務の場合、休憩時間は合計3時間以上となり、事務所で横になって休む運転手もいます。 |
22:00・営業再開 | 飲み終わり帰宅するサラリーマンをターゲットに、営業を行います。22時からは深夜割増料金となるため1日の中で最も稼ぎやすい時間帯となります。 |
翌2:30・帰庫 | 営業を追えて事業所に戻り、その日の売上記録を提出し洗車や掃除を行います。 |
翌3:00・退社 | 隔日勤務の場合、次の勤務までに最低20時間の休息を取る必要があり、退勤日に再度働くことはありません。 |
参考元:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag|タクシー運転手
隔日勤務の場合、主にこのような流れで働くこととなります。
仕事内容に大きな違いはありませんが、洗車のタイミングなどは会社によって多少違いがあります。
関連記事:タクシー運転手の隔日勤務はつらい?労働時間の実態を徹底検証
タクシー運転手の勤務形態
タクシー運転手の主な勤務形態は、以下の3つです。
【隔日勤務】
1回で2日分働く勤務形態で、休憩を含めて16〜20時間ほど働きます。
勤務が終わると次の勤務まで20時間以上の休息を取る必要があり、月の勤務回数は13日までに抑えなければなりません。
【昼日勤】
一般的なサラリーマンと似た勤務形態で、7〜8時から働き始めて16〜17時に勤務終了となります。長時間労働ではなく昼夜逆転もしていないため、最も身体的な負担の少ない勤務形態と言えます。
【夜日勤】
夜日勤はいわゆる夜勤のことであり、16〜17時から働き始めて、翌1〜2時に勤務終了となります。
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タクシー運転手に向いている人に関してよくある質問
ここではタクシー運転手に向いている人に関連してよくある質問に回答します。
誰でもタクシー運転手になれますか?
運転免許を持っていれば、基本的には誰でもタクシー運転手になれます。
なお、タクシー運転手として乗務するには普通自動車二種免許が必要ですが、入社後に取得するのが一般的です。
タクシー運転手に向いている人に関するまとめ
タクシー運転手に向いている人は、運転が好きだったり、人と話すのが得意だったりする人が多いです。仕事柄、長時間勤務でストレスも溜まりやすいので、自己管理ができてストレス耐性のある人も向いているでしょう。
人手不足からタクシー運転手の需要は年々高まってきており、将来的にも外国人観光客などが多く利用すると予想されているため、将来性の高い職種と言えます。
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