タクシードライバーは歩合制の働き方が多く収入が不安定である一方で、隔日勤務で自由な時間を作りやすい特徴があります。
そのため、空いた時間で副業を始めようと考える人も少なくありません。
しかし初めて副業に挑戦する場合、仕事の種類や注意点が分からず不安に感じる方もいるでしょう。
今回はタクシードライバーの副業について、分かりやすく解説していきます。
この記事でわかること
・タクシードライバーが副業しやすい理由
・タクシードライバーにおすすめの副業6選
・副業のメリット、デメリット
タクシードライバーの副業は問題なし?
タクシードライバーのほとんどは隔日勤務で、1回の勤務で2日分まとめて働くため、他の職種と比べても時間を作りやすいと言えます。
「収入を増やしたいから」と、タクシードライバーとは別で副業を始めようと考える人も少なくありません。
しかし初めて副業に挑戦する場合「会社や周りにバレたらまずいのでは」と、不安になる方もいるのではないでしょうか。
ここではタクシードライバーが副業をしても問題はないのか、タクシー業界の副業について詳しく解説していきます。
副業をする人が増えている
今ではタクシー業界に限らず、副業を始める人が増加傾向にあります。
その理由は、政府が進める「働き方改革」で副業を推進するようになったからです。
近年は少子高齢化が進み、子育てと介護を両立するのが当たり前になりつつあり、各家庭の負担が増加してきています。
こういった問題を解決するべく、個々の事情に応じた多様な働き方が選択できる社会の実現を目的として、副業が推進されるようになりました。
労働者側も「1つの会社で定年退職まで働き、退職金をもらう時代は終わった」と考える人が増えてきており、副業を始めて生活を安定させようとする人が増えてきています。
副業を認めるタクシー会社もある
働き方改革で政府が副業を推進し始めたことにより、労働規則で副業を認める会社が増えてきています。
副業を始めると体を休められる時間が減ってしまうため、本業に悪影響が出てしまうリスクがある一方で、企業には以下のようなメリットがあります。
・柔軟な働き方を認めることで人材確保をしやすくなる
・社員が豊かな生活を送れるようになる
こういったメリットもあることから、各企業で副業が解禁され始めています。
特にタクシー業界では副業を認める会社が多いと言われています。
副業を認めるタクシー会社が多い理由
タクシー業界は、副業を認める会社が特に多いと言えます。
その理由は「ドライバーの収入事情」が大きく関係しています。
多くのタクシードライバーは「隔日勤務」で、ひと月の乗務回数は13回までと決まっているため、勤務日数を増やして収入を上げることができません。
また、歩合制であることから、収入を安定させるという意味でも副業を認めているタクシー会社は少なくありません。
ただし、あくまでも副業を認めているだけで、推奨はしていない会社もあります。
タクシードライバーが副業をしやすい理由
タクシードライバーは、他の職種と比べても副業を始めやすいと言えます。
その理由は主に3つあります。
・シフトの融通が利くから
・副業を認めるタクシー会社が多いから
なぜタクシードライバーは副業を始めやすいのか、ドライバーの働き方を元に詳しく解説していきます。
休日が多いから
タクシードライバーは隔日勤務の人が多く、1回の勤務で2日分まとめて働くことから、ひと月の半分以上が休日になります。
そのため、副業にまとまった時間を充てやすいと言えるでしょう。
1回の勤務で20時間前後働くため、体力的にきついという声もありますが、体を休めた上で少しずつ進めていけば慣れてきます。
シフトの融通が利くから
タクシー会社のほとんどは隔日勤務のシフト制で、事前に申告すれば希望した日に休みやすいと言えます。
残業も比較的少ないため、副業に時間を合わせやすいと言えるでしょう。
必ず希望した時間帯で働き続けられるとは限りませんが、中には日勤や夜勤で働けるタクシー会社もあります。
副業を認めるタクシー会社が多いから
前述した通り、タクシー業界は副業を認めている会社が多くあります。
副業に関する規則は会社によって異なるため、何でも自由にできるわけではありませんが、他の業種と比べても副業を始めやすいと言えるでしょう。
ただし、「同じ運転系の副業は禁止する」と定めているタクシー会社が多いため、事前に規則を確認するようにしましょう。
また、タクシー求人の中には副業先として、パートのドライバーを募集している会社もあります。
日本最大級のドライバー求人サイト「X Work」では、副業を認める求人が数多く掲載されています。
タクシードライバーにおすすめの副業6選
タクシードライバーとして働きながら初めて副業を始める場合、どのような副業がおすすめなのか分からない方もいるのではないでしょうか。
ここではタクシードライバーにおすすめする6種類の副業について、仕事内容を詳しく解説していきます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達
Uber Eats(ウーバーイーツ)は2016年から国内でサービスを開始しており、誰もが気軽に始められる副業の1つです。
Uber Eats(ウーバーイーツ)登録店で商品を受け取り、お客様の元まで届ける仕事となります。配達方法に指定はありませんが、原付バイクや自転車で配達する人がほとんどです。
配達するごとに報酬が発生する成果報酬型で、時給に換算すると800~1,800円が目安となります。
タクシードライバーは周辺の土地勘があるため、最初から効率良くお金を稼ぎやすいと言えます。
運転代行
タクシードライバーで培ったスキルをそのまま活かせるのが「運転代行」の副業です。
運転代行とは、お酒を飲んだ人の代わりに目的地まで車を運転する仕事となります。
毎回車が変わるため運転には細心の注意が必要ですが、普段から長時間の運転に慣れているタクシードライバーであれば、土地勘もありすぐに仕事に慣れるでしょう。
ただし、運転系の副業を禁止しているタクシー会社もあることから、事前に就業規則の確認が必要と言えます。
洗車代行
洗車代行の副業もタクシードライバーにおすすめです。
洗車代行を専門に行っている会社の他にも、カーディーラーのサービス洗車を行う仕事もあります。
タクシードライバーは普段からタクシーを洗車しているため、新たに覚えることが少なく気軽に始められます。
体力に自信があり、体を動かすのが好きな方におすすめです。
自動販売機設置のアルバイト
自動販売機設置の副業はあまりメジャーではありませんが、タクシードライバーにおすすめと言えます。
仕事内容は自動販売機が設置できそうな場所を探した後に、土地の持ち主と設置の交渉を行い、了解を得られれば業者に引き継ぐ流れです。
タクシードライバーは普段からあらゆる地域を運転していることから、自動販売機が設置できそうな箇所を見つけやすいと言えます。
ただし時給制ではなく、安定した収入を得るのが難しいため、他の副業と掛け合わせて行うのがおすすめです。
接客業
普段からさまざまな乗客と接する機会のあるタクシードライバーであれば、飲食店などの接客業もおすすめです。
具体的な職種には以下のようなものがあります。
・イベントの受付
・飲食店のウエイター
求人数が多いため、自分が理想とする時間帯や時給で副業を始めやすいと言えます。
人と接するのが好きな方におすすめの副業です。
日雇いのアルバイト
最近では、空き時間ができた時だけ働ける「隙間バイト」が注目を集めています。
アルバイト社員として契約するわけではないため、自分のペースで好きな時に好きなだけ働けるのが魅力です。
仕事に応募する上で履歴書の提出や面接はなく、スマートフォンアプリに登録することで利用できます。
隙間バイトサービスを提供しているのが「Timee(タイミー)」で、さまざまな仕事から好きなものを選べます。
土地勘を活かせるデリバリー配達員の仕事もあるため、気になる方は登録してみてみるといいでしょう。
タクシードライバーが副業をするメリットとデメリット
多くの企業が認め始めている副業ですが、決して良いことだけではありません。
本業第一で副業を始める以上、事前に理解しておくべきデメリットがあります。
ここではタクシードライバーが副業を始めるメリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。
タクシードライバーが副業をするメリット
タクシードライバーが副業をするメリットは主に4つあります。
・本業では身に付けられない知識や経験を得られる
・収入を気にせずに自分のやりたい仕事に挑戦できる
・次の転職の準備に繋げられる
タクシードライバーとは異なる仕事を副業にすることで、本業では身に付けられない知識や経験が得られるため、社会人としてより成長できるでしょう。
本業である程度の収入が確保できているため、お金第一で職種を選ぶ必要はなく、自分のやりたい仕事に挑戦できます。
別の職種への転職を考えている場合には、副業として体験することで向き不向きの判断ができるだけでなく、求職期間中の生活費も貯められます。
タクシードライバーが副業をするデメリット
タクシードライバーが副業を始めるデメリットは主に2つあります。
・収入によっては確定申告が必要となる
最も注意しなければならないのが「副業を始めたことによる本業への悪影響」です。
これまでゆっくり休めていた時間帯に働く分、体調管理が難しくなります。
アルバイトであっても「今日は本業で疲れたから休む」といった、安易な働き方はできません。
たとえ副業が関係していなかったとしても、ミスが増えたり体調を崩したりした場合には「副業をしているからでは」と、周りから思われやすくもなります。
また、アルバイト先の給与形態や年間の収入額によっては、自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告を行わなければ「税金未納」として法的措置を取られてしまい、本業に支障が出てしまう可能性があるため、注意が必要です。
タクシードライバーの副業に関してよくある質問
最後はタクシードライバーの副業に関して、3つのよくある質問に答えていきます。
・タクシードライバーの初任給はいくらですか?
・個人タクシーの1日の売り上げはいくらですか?
副業に関するルールや収入事情など、副業としてタクシードライバーを始める場合に役立つ知識であるため、ぜひ参考にしてみてください。
サラリーマンの副業としてタクシードライバーをするのはあり?
サラリーマンの副業でタクシードライバーとして働くことは可能です。
ただし、タクシードライバーとして働くには、乗用車の運転ができる「普通自動車第一種運転免許」とは別に「普通自動車第二種運転免許」が必要となります。
また「東京都・神奈川県・大阪府」の指定された地域でドライバーとして働く場合「地理試験」にも合格する必要があります。
勤務時間は5~8時間が多いため、ちょっとした隙間時間でタクシードライバーをすることはできません。
運転系の仕事を副業にしたい場合は普通自動車第一種運転免許で働ける、デイサービスなどのドライバーがおすすめです。
タクシードライバーの初任給はいくらですか?
タクシードライバーは歩合制であることが多いため、初任給は売上次第となります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」が公表している、ハローワークの求人統計によると、令和4年度の平均求人賃金は19.4万円です。
また、令和4年度の平均賃金は361.3万円となります。
歩合制であるため、新入社員であっても高収入を目指すことは可能です。
参照元:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag|タクシー運転手
個人タクシーの1日の売り上げはいくらですか?
会社員のタクシードライバーの平均年収は約361万円ですが、この収入金額は「売上の約60%」と言われています。
これを参考に算出すると、歩合をなくしたタクシードライバーの総売り上げは以下の通りです。
・月間売上:501,392円
・1日売上:16,174円
個人事業主として個人タクシーをした場合、1日の売り上げは16,174円が目安となります。
売上全てを収入にできるメリットがある一方で、税金や車両整備費は自己負担となるため注意が必要です。
タクシードライバーの副業に関するまとめ
今回はタクシードライバーの副業について解説してきました。
国の働き方改革で副業を推進していることもあり、タクシー会社も含め多くの業界で副業が認められ始めています。
タクシードライバーは隔日勤務でまとまった時間が作りやすく、さまざまな副業に挑戦しやすいと言えるでしょう。
本業で培った運転スキル・土地勘を活かせるものや、接客スキルを活かせる副業が特におすすめです。
本業に支障が出ないことを第一に考えながら、自分の挑戦したい副業を決めてみましょう。
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国際基督教大学卒。エン・ジャパンの新規事業企画室でHRTech(SaaS)の事業企画と営業を経験。シード期のHR系スタートアップでインサイドセールスとキャリアコンサルタントに従事し全社MVPを獲得。その後、5年で300名と急成長するベンチャー企業ネクストビートにて、高所得女性向け情報メディア事業、ホテル向け人材事業の立ち上げを行う。