「自分に向いている施工管理の仕事がしたい...」施工管理技士を目指す中で、資格の種類について気になる人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと施工管理技士の資格は、7種類あります。
建設業界における専門分野があり「土木・建築・管工事」など、取り扱う工事の種類に応じて求められる知識やスキルが異なります。
各資格の難易度や合格率も異なるため、自分が取得したい資格の種類を確認しましょう。
資格を取得することで、キャリアアップや転職の際に有利になるほか、現場での信頼性や業務の幅を広げられます。
本記事の内容は、施工管理技士7種類の特徴や要件、種類別の合格率を紹介します。
製造・建設業で12年経験した筆者の経験談もまとめているので、施工管理の仕事に関心がある人は参考にしてみてください。
この記事のまとめ
- 施工管理の資格は7種類ある
- 施工管理技士の資格要件は令和6年度から変更になっている
- 平均年収は電気工事施工管理技士の688万円が一番高い
施工管理の資格は7種類ある
施工管理の資格は、以下の7種類です。
- 建築機械施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 建築施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
- 電気通信工事施工管理技士
上記の資格は建設現場での重要な役割を担い、資格取得できると仕事の幅が大きく広がります。
たとえば、施工管理技士の業務は「工程管理・安全管理・品質管理」などの管理業務がメインとなるため、
作業者として働いている人が管理者へステップアップしたい場合にも必要な資格となります。
また、施工管理技士1級の資格取得ができれば、各業界内でもより重宝され、大規模な工事のリーダーとして活躍できるでしょう。
施工管理技士は常に人材不足のため、資格と現場経験さえあれば今後仕事に困ることもありません。
将来の自分が「あのときに資格取得しておいてよかった」と感じるよう、自分の働きたい業界にあう施工管理の資格取得を目指してみてください。
次章では、7種類の資格取得に関する資格の「特徴・資格を活かせる勤務先」についてそれぞれ紹介します。
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関連記事:施工管理技士の難易度はどれくらい?全業種の合格率や合格のコツを紹介!
種類①:建築機械施工管理技士
建築機械施工管理技士は、建設機械を使った工事の品質管理や安全管理などする国家資格です。
業務内容としては建設機械の操作や指導、工事の監督など、建設機械に関する管理業務をおこないます。
建築機械施工管理技士の詳細について、以下よりそれぞれ解説します。
資格の特徴
建設機械施工管理に関する資格の特徴は、次のとおりです。
- 建設機械の専門家として建設業の現場で活躍できる
- 技能講習を受講すると建設機械の検査・運転もできる
- 建設機械を安全かつ効率的に使用できようになる
建設現場では、ブルドーザーやクレーンなどの大型機械が欠かせません。
これらの建設機械を動かすには、作業が安全に効率よく進むよう管理が必要です。
そのため、建設機械が必要な現場では、基本的に建築機械施工管理技士の資格取得者が必要なことを覚えておきましょう。
資格を活かせる勤務先
建築機械施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のようなものがあります。
転職先 | 主な仕事 |
ゼネコン | ・大規模プラント建設の管理 |
建設機械メーカー | ・機械の製造、メンテナンス管理 |
建設機械レンタル会社 | ・建設機械の貸し出しや保守管理 |
建築機械施工管理技士は、建設機械を取り扱うため幅広い業界での転職も可能です。
そのため、建設機械に関する業務に携わりたい人におすすめの資格と言えるでしょう。
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種類②:土木施工管理技士
土木施工管理技士は、道路や橋、水道、トンネルなどインフラ関連の土木工事に必要な国家資格です。
土木施工管理技士の詳細に関して、詳しく解説します。
資格の特徴
土木施工管理資格の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 道路や橋、トンネル、ダムなど、社会インフラを支える重要な仕事に携われる
- 公共事業や大規模なインフラ整備など、会社や自治体から頼りにされる
- インフラ整備や防災工事の需要が高く求人も多い
土木工事は規模が大きく、仕事の受注も安定しています。
そのため、安定して稼ぎたい人は、土木施工管理の資格取得はおすすめです。
資格を活かせる勤務先
土木施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
ゼネコン | ・大規模なインフラ整備の管理 (通路や橋、トンネル、ダムなど) |
自治体 | ・公共工事の監督、工事計画の立案 |
建設会社 | ・道路や橋梁、トンネルなど建設工事の管理 |
土木施工管理技士の資格があると、上記のように大規模なインフラ整備(通路や橋、トンネル、ダムなど)や地方自治体の仕事にも携われるため、安定した転職先が見つけやすいでしょう。
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関連記事:土木施工管理技士のやりがいとは?現役の声や資格取得のメリットも
関連記事:土木施工管理技士の年収は約400〜700万円|年収アップと仕事内容
種類③:建築施工管理技士
建築施工管理技士は家やマンション、ビルなど建築現場において工事の統括をおこないます。
建築士と混同しがちですが、以下のような違いがあります。
- 建築士:建築物の設計図を作成する人
- 施工管理技士:建築士が作成した設計をもとに建物を完成させる人
上記のように建築士と建築施工管理技士がおこなう仕事は、似ているようでまったく異なります。
これらの前提条件を踏まえたうえで、建築施工管理技士の資格に関して詳しく解説します。
資格の特徴
建築施工管理資格の特徴は、次のとおりです。
- 建物の新築・改修工事の現場管理をまかせてもらえるようになる
- 特定建設業の許可を受けるために必要な「監理技術者」としての要件を満たせる
- 施工管理資格の中でも需要が高い
建築施工管理技士の資格は、建物の新築や改修工事を現場でしっかり管理するための大切な国家資格です。
とくに建築施工管理技士1級の資格があると、建設業界でも非常に高く評価され転職と同時に年収アップも十分できるでしょう。
資格を活かせる勤務先
建築施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
ゼネコン | ・大規模な建設工事の現場管理と工程管理 |
建設会社 | ・住宅や商業施設の建設工事の管理監督 |
不動産会社 | ・ビルやマンションなど建設工事の管理監督 |
明確なデータはありませんが、全国で毎年多くの老朽化した建物が解体されており、工事を適切に進行するには、建築施工管理技士の存在が必要不可欠です。
とくに大手ゼネコンや公共事業を請け負う会社では、多くの施工現場があるため建築施工管理技士の資格保持者は重宝されるでしょう。
やりがいと高年収を目指したい人には、建築施工管理技士の資格取得はおすすめです。
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関連記事:【令和6年度改正】施工管理技士の受験資格|難易度と合格率
種類④:電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、送電設備や変電設備、電気配線など電気工事の現場において監督管理業務をおこなう仕事です。
また、実際の電気工事を担当するのは電気工事士になるため、違いについても理解しておきましょう。
以下より電気工事施工管理技士に関する資格の特徴について、詳しく解説します。
資格の特徴
電気工事施工管理技士に関する資格の特徴は、次のとおりです。
- 複雑な電気設備工事の現場統括者として活躍できる
- 電気工事に関する施工計画の作成ができるようになる
- 電気工事のスペシャリストとして工事現場でも頼られるようになる
電気工事施工管理技士は、電気工事士よりも工場現場での立場が上位に当たる資格です。
そのため、専門知識はもちろん責任も問われることは知っておきましょう。
資格を活かせる勤務先
電気工事施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
電気工事会社 | ・各種施設(オフィスビルや工場、商業施設など)の電気工事管理 |
電力会社 | ・送電線や変電所などの電気設備の設置や維持管理 |
製造業の工場 | ・工場内の電気設備に関する設置や保守、改修管理 |
電気工事施工管理技士の資格を持っていると、転職先の幅が一気に広がります。
ゼネコンや電力会社、さらには工場までさまざまな現場で「電気のプロ」として活躍できるでしょう。
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関連記事:電気工事施工管理技士の年収は?1級と2級で差が出る理由
種類⑤:管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は上下水道やガスの配管、空調設備などマンションや公共施設の配管工事に関する施工管理をする資格です。
管工事施工管理技士の詳細についても、以下よりそれぞれ解説します。
資格の特徴
管工事施工管理資格の特徴は、以下のとおりです。
- 建物内の給排水や空調設備、ガス配管などの工事を管理する専門資格になる
- 住宅や商業施設、公共施設など、多くの建物で管工事の需要があり重宝される
- 建設や電気関連の施工管理よりは取得者数が少ない傾向がある
管工事施工管理資格を持っていると、建物内の給排水や空調設備、ガス配管などの工事を管理できます。
建設・電気関連の人数より若干取得者数は減りますが、需要は高いため取得しておくと仕事には困らないでしょう。
資格を活かせる勤務先
管工事施工管理の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
ゼネコン | ・大規模な配管工事の管理 |
ビルメンテナンス会社 | ・建物全体の給排水や空調設備、ガス配管など保守、メンテナンスの管理 |
住宅設備メーカー | ・住宅や商業施設の配管工事に関する管理 |
管工事施工管理技士の資格は、建設業界でのキャリアを大きく広げる武器となります。
また、建物の水道や空調、ガス配管など、生活に欠かせない設備を安全に管理するスキルは今後も重宝されるのではないでしょうか。
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関連記事:【2024年版】1級管工事施工管理技士の試験概要|資格取得の方法、勉強のコツ
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種類⑥:造園施工管理技士
造園施工管理技士は、公園や庭園、公共施設、ビルの屋上など緑化計画における工事全般の施工管理をします。
近年では首都圏を中心に緑化計画※1)が進められているため、造園施工管理技士の需要が少しずつ高まっています。
これらのことを踏まえて、造園施工管理技士の詳細について触れていきます。
資格の特徴
造園施工管理資格の特徴は、以下のようなものがあります。
- 公園や庭園、緑地などの造園工事を計画・管理するために必要になる
- 自然を活かした空間づくりに携わり、環境保全や美化に貢献できる
- 都市部での緑地整備や再開発計画が増えており、資格保持者の需要が高まっている
冒頭でも紹介したとおり、都市部での緑地整備や再開発が増えているため、造園施工管理資格を持っていると仕事のチャンスも増えます。
やりがいのある仕事にも携われるので、自然が好きな人にはおすすめの資格です。
資格を活かせる勤務先
造園施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
造園会社 | ・庭園や公園、緑地の管理 |
公共施設の管理会社 | ・公共施設の緑地整備、維持管理 |
地方自治体 | ・公共緑地や公園の管理 |
もし、自然と触れ合いながら都市部の環境を美しく整える仕事に興味があるなら、造園施工管理技士の資格はおすすめです。
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種類⑦:電気通信工事施工管理技士
電気通信施工管理技士は無線LANや有線LAN、防犯カメラの設置などネットや通信システム工事の施工管理をします。
以下より資格の特徴を紹介していくので、参考にしてみてください。
資格の特徴
電気通信工事施工管理資格の特徴は、次のとおりです。
- インターネットや携帯、テレビなどの通信ネットワークの設置や管理に必要な資格
- ビルや住宅地の通信インフラ整備から、既存施設の更新工事まで幅広いスキルが身につく
- 通信インフラの需要は年々増加しており、資格保持者は重宝される
電気通信施工管理技士は、2019年から設置された施工管理資格の中で最も新しい資格です。
平成29年11月10日に建設業法施行令等の改正を行い、電気通信工事施工管理技術検定が創設されました。
これからの時代、WebやAIなども発展してきているため、電気通信工事施工管理技士の需要がさらに上がることも予想されるでしょう。
資格を活かせる勤務先
電気通信施工管理技士の資格を活かせる勤務先は、以下のとおりです。
転職先 | 主な仕事 |
通信会社 | ・通信インフラの設置や保守の管理 |
セキュリティ会社 | ・セキュリティシステムの通信ネットワークの設置に関する管理 |
電力会社 | ・発電所や送電設備の通信ネットワークの設置や保守に関する管理 |
電気通信工事施工管理技士は、通信インフラの設置や保守に関する管理には欠かせません。
通信インフラの分野での仕事を考えているなら、電気通信工事施工管理技士の資格を取得するようにしてみてください。
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関連記事:施工管理技士とは?種類や仕事内容について詳しく解説!
種類が多い施工管理技士の資格要件
施工管理技士の資格要件は、令和6年度から旧受検資格と新受検資格の選択制となっています。
また、令和10年度までの間は経過措置期間として、旧受検資格と新受検資格の選択が可能なようです。
以下の画像は新受検資格をもとにした流れで、表形式でまとめているものは旧受検資格の情報をもとにまとめたものになります。
【建築機械施工管理技士1級の場合】
学歴 | 第一次検定受検要件 | 第二次検定受検要件 |
大学(指定学科) | 19歳以上 | 実務経験5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
大学(指定学科以外) | 19歳以上 | 実務経験4.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
短大・高専(指定学科) | 19歳以上 | 実務経験5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
短大・高専(指定学科以外) | 19歳以上 | 実務経験7.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
高校(指定学科) | 19歳以上 | 実務経験10年以上(特定実務経験1年以上含む) |
高校(指定学科以外) | 19歳以上 | 実務経験11.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
上記以外 | 19歳以上 | 実務経験15年以上(特定実務経験1年以上含む) |
参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
【建築機械施工管理技士2級の場合】
学歴 | 第一次検定受検要件 | 第二次検定受検要件 |
大学(指定学科) | 17歳以上 | 実務経験5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
大学(指定学科以外) | 17歳以上 | 実務経験4.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
短大・高専(指定学科) | 17歳以上 | 実務経験5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
短大・高専(指定学科以外) | 17歳以上 | 実務経験7.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
高校(指定学科) | 17歳以上 | 実務経験10年以上(特定実務経験1年以上含む) |
高校(指定学科以外) | 17歳以上 | 実務経験11.5年以上(特定実務経験1年以上含む) |
上記以外 | 17歳以上 | 実務経験15年以上(特定実務経験1年以上含む) |
参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
【関連資格保有者の受検資格要件】
1級第二次検定 | 土木 | 技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験5年 (特定実務経験1年を含む場合3年)以上 |
建築 | 1級建築士試験合格後、実務経験5年 (特定実務経験1年を含む場合3年)以上 |
|
電気 | 第一種電気工事士試験合格後または免状交付後、実務経験5年 (特定実務経験1年を含む場合3年)以上(別途1級第一次検定に合格すること) |
参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
2級第二次検定 |
建設機械 |
受検種別の建設機械の操作について実務経験6年以上 (別途2級第一次検定に合格することが必要) |
土木 | 技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、実務経験1年以上 | |
建築 | 1級建築士試験合格後、実務経験1年以上 | |
電気 | 電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上 (別途1級又は2級第一次検定に合格することが必要) |
|
電気通信 | 電気通信主任技術者試験合格後または資格者証交付後、実務経験1年以上 (別途1級又は2級第一次検定に合格することが必要) |
参考:令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省
経過措置期間における旧受検資格の実務経験(対象や証明方法等)の取り扱いについては、従前のとおりと記載されています。
令和6年度から令和10年度までの間は経過措置期間となっているため、受験前には再度確認するようにしましょう。
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種類が多い施工管理技士の4大管理
種類が多い施工管理技士の4大管理は、以下のようなものがあります。
- 工程管理
- 原価管理
- 品質管理
- 安全管理
以下より詳しく解説します。
1.工程管理
施工管理技士は工事のスケジュールを管理して、すべてが計画通りに進むように管理しなければいけません。
また、工事現場ではさまざまな施工業者が同時に仕事を進めるため、施工管理技士がうまく工程調節できないと施工業者と揉めたり、
客先の信頼を無くしたりと大きなトラブルにつながります。
筆者も工程管理をしていましたが、上記のような状況に遭遇した経験は何度もあります。
施工業者の人たちは、納期にあわせて段取りや人員を配置しているので、施工管理技士がスケジュール管理できず変更してばかりだと怒ってくるのも当然です。
また、施工管理業者と揉めて工事が遅れると、客先の信頼を無くすばかりでなく損害費用もかかります。
施工管理の工程管理が重要なのは、肝に銘じておきましょう。
2.原価管理
施工管理技士がおこなう原価管理は、予算内で工事を成功させるために非常に重要な仕事です。
工事現場では材料費や人件費、機械のリース料など、さまざまなコストがかかります。
そのため、原価費用を適切に管理できないと、工事の予算オーバーになる場合もあるでしょう。
筆者が過去担当していた塗装管理の部署では、原価管理ができず数百万円単位で損失がでたこともありました。
使用していた塗料缶も1缶あたり、3〜5万円程度していたのでムダ使いするだけであっという間に数百万、最悪のケースを考えると数千万の損失につながってしまいます。
このように原価管理は、会社の利益に直結する部分でもあるため非常に重要な仕事です。
施工管理技士として現場管理する場合、原価管理の基本をしっかり学び、経験を積むようにしてみてください。
3.品質管理
施工管理技士がおこなう品質管理は、建設工事で使われる材料や仕上がりが、事前に決められた基準や要求を満たしているかチェックする役割があります。
なぜ品質管理が大切かというと、品質が悪いと後々大きなトラブルにつながる可能性があるからです。
たとえば、建物の壁に使うコンクリートが弱かったら、建物が完成したあとにひびが入り、最悪の場合、崩れてしまうこともあるでしょう。
そうなると、もう一度工事をやり直す必要があり、お金も時間もすべてがムダになってしまいます。
筆者は造船メーカーやプラント建設工事での品質管理をしていましたが、溶接欠陥の見落としに気づかず、後々の立ち合い検査で客先から厳しい指摘を受けたこともありました。
このような事案が起きてしまうと後戻り作業が発生してしまい、施工業者からもクレームが入ります。
また、客先にもなぜ不具合が見つかったのか説明したり、報告書を作成したりしなければいけません。
正直なところ、客先に説明するときには厳しく指摘され、上司にも怒られ精神的にキツかった記憶があります。
そのため、施工管理技士として働く場合、大きなトラブルにつながる前に品質管理は手を抜かずしっかりと進めるようにしましょう。
4.安全管理
安全管理は、施工管理技士の大切な仕事のひとつです。
また、建設現場は一歩間違えば命に関わる危険な場所が多くあるため安全管理の意識は常に持つ必要があります。
筆者は石油プラントや造船所、橋などの現場をよく安全パトロールをしていましたが、危険が常に潜んでいました。
具体例を挙げると、以下のようなものがあります。
- 高所作業で安全帯をしていない
- 塗装作業の近くで溶接作業している
- フォークリフト運転手がクレーンの近くで作業している
- 鉄板の積み上げ方が規定通りになっていない
- 回転工具の保護具を使用していない
など
上記のように施工管理する現場では、あらゆるところに危険が常に潜んでいます。
このような危険な場面があれば施工業者にも指導や注意などしなければいけません。
自分より年上の人も多く注意しにくいと思いますが、事故が起きてからでは遅いので現場の安全パトロールする際は注意するようにしてみてください。
また、現場で働くすべての人が無事に家に帰れるよう、事故を防ぐ大切な仕事と覚えておきましょう。
>(無料相談)施工管理技士で安定的に平均年収アップしたい方はこちら
関連記事:施工管理技士の仕事内容や資格の種類、受験資格、試験についてまるごと紹介!
施工管理技士の種類に関するよくある質問
施工管理技士の種類に関するよくある質問を3つ厳選したので、それぞれ紹介します。
- 施工管理技士はどれが良いですか?
- 種類が多い施工管理資格の中で年収が高いのは?
- 施工管理技士の中で一番難しいのは?
施工管理技士はどれが良いですか?
施工管理技士はどれが良いかは、一人ひとりの状況に応じて異なります。
たとえば、各施工管理資格の分野ごとに良さを分けてみると次のとおりです。
建築機械施工管理技士 | ・機械化が進む現代の建設業界では高い需要がある |
土木施工管理技士 | ・土木工事は経済状況に左右されにくく、安定した需要がある |
建築施工管理技士 | ・施工管理の王道資格で仕事に困らない |
電気工事施工管理技士 | ・電力供給や電気設備の設置に関わる重要な業務まかせてもらえる |
管工事施工管理技士 | ・生活インフラを支える配管工事に携わるため安定した需要がある |
造園施工管理技士 | ・観光地や都市開発において需要がある |
電気通信工事施工管理技士 | ・最先端の技術に触れる機会が多く専門性の高い知識を身につけられる |
上記のとおり施工管理の資格は、それぞれ異なる分野で活躍できる強みを持っています。
自分の興味やキャリアプランにあった資格を選び、専門性を高めたキャリアを築くようにしてみてください。
種類が多い施工管理資格の中で年収が高いのは?
種類が多い施工管理資格の中で一番年収が高いのは令和6年9月時点、電気工事施工管理技士の688.2万円となっています。
資格ごとの年収をまとめると、以下のとおりです。
資格名 |
平均年収 |
建築機械施工管理技士 |
632.8万円 |
土木施工管理技士 |
603.9万円 |
建築施工管理技士 |
632.8万円 |
電気工事施工管理技士 |
688.2万円 |
管工事施工管理技士 |
490.0万円 |
造園施工管理技士 |
516.0万円 |
電気通信工事施工管理技士 |
558.3万円 |
参考:建築施工管理技術者|職業提供サイトjobtag
参考:土木施工管理技術者|職業提供サイトjobtag
参考:電気技術者|職業提供サイトjobtag
参考:管工事施工管理技士関連の仕事|求人ボックス
参考:電気通信技術者|職業提供サイトjobtag
上記の結果から、施工管理技士の年収は約500〜700万円近くあり、日本の平均458万円※2)と比較しても、約100〜200万円高くなっています。
とくに年収都市開発やインフラ整備に携わる大規模工事業務を施工する、建築施工管理技士や電気工事施工管理技士は年収が高いようです。
そのため、施工管理技士として高年収を稼ぎたいなら、建築施工管理技士や土木施工管理技士を選択してみてはいかがでしょうか。
施工管理技士の中で一番難しいのは?
施工管理資格7種類の中でもとくに難易度が高いのは、1級建築施工管理技士です。
1級建築施工管理技士は、学科合格率が約36〜51%、実地試験合格率が約37〜52%と難易度が高くなっています。
施工管理資格の難易度は「施工管理技士の資格難易度は高い|合格率や勉強方法のコツ」で詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
施工管理技士の種類に関するまとめ
施工管理技士には7種類の資格があり、それぞれが「建築・土木・管工事・電気通信・造園・建設機械・電気工事」といった特定の分野に特化しています。
施工管理技士の資格を取得することで、年収アップや転職先など活躍の場が広がるなど多くのメリットを受けられるでしょう。
一方で、資格ごとに試験内容や難易度が異なるため「自分にあう資格はどれだろう...」「自分にあう業界はどこだろう...」と悩む場面も多いはずです。
もし「自分にあう業種・業界が見つからない」「資格を活かせる転職先はどこかな」と悩んでいる人は、転職エージェントやキャリアカウンセラーなど転職のプロに相談するのも一つの方法です。
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転職サポートはすべて無料で利用できるので、一度キャリアアドバイザーに相談しながら求人探しをしてみてはいかがでしょうか。
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